サウンド・プロデュース作品:柴田淳
柴田淳 公式サイト http://www.shibatajun.com/
・柴田淳ニューアルバム「月夜の雨」 2007年2月21日発売
(ビクター VIZL-220:DVD付限定盤 VICL-62251:通常盤)
1月発売のニューシングルに続き、しばじゅんニューアルバムにも羽毛田さんが参加!5曲のアレンジプロデュースを手掛けました。
(投稿者:kingyo 投稿日: 070306)
このページをあけてみて、しばじゅんの前回のアルバム「わたし」のレビューを書いていなかったことに気がつきました。とっても好きなアルバムだのに…。また近日中にレポ納品したいと思います。とりあえず、今回は最新シングル「HIROMI」について。
表題曲「HIROMI」は、しばじゅんの最近のヒットシングル「花吹雪」や「紅蓮の月」を手がけている重実徹さんの編曲です。羽毛田さんはカップリングの「あと少しだけ・・・」の編曲を担当しました。
「HIROMI」
作詞・作曲:柴田淳 編曲:重実 徹
Bass:松原秀樹
Drums:佐野康夫
Guitars:小倉博和
Acoustic Piano, Programming:重実 徹
ドリミュージック時代の何枚かのシングルとアルバム「わたし」を聴き込んで、最初「くら〜い」と思っていたしばじゅんワールドに、すっかりずぶずぶとはまりこんでしまいました。主人公は女の子が多くて、揺れる心とか自己嫌悪とか、もがき苦しむ感じとか、「彼女」の心のひだのひとつひとつを裏返して見るような、とてもリアルな表現の数々、でもやさしいメロディやしばじゅんの美しい声でそのドロドロワールドが、フィルタがかかったように受け入れやすくなる。そして、自分の中にも実は似た部分があるんだと気づいたり。
「HIROMI」もパターンとしては同じなのですが…なんだかもうガツンと殴られたような。私は女だけど、まるでこの主人公の不実な恋人になっちゃって、責めまくられているような錯覚にさえ陥ってしまう…。でも、この女の子、実は何も口にしていないのです。全部心の中で思っているだけ。心の中で、相手の見え透いたうそを「はっきり言えばいいのに 透き通るその胸」とバッサリ。すごい表現力!「君の未来のために〜」のサビのメロディの受け入れやすさも手伝って、ぐいぐいと入り込んでくる歌です。本気で歌詞に聞き入ってしまいます。キーボーディストの重実さんのアレンジは、アコースティックピアノ主体のシンプルなもの。しばじゅんのしっとりした美声がとても映えるアレンジです。
「あと少しだけ・・・」
作詞・作曲:柴田淳 編曲:羽毛田丈史
Bass:石川具幸
Drums:楠 均
Guitars:西海 孝
All other instruments:羽毛田丈史
これも失恋の歌です。でも、「HIROMI」とは違って、もっと主人公の女の子の心のうちはやさしくてけなげ。またはそのフリをしている。繊細なのは二人とも共通なのですが。(ドンカンな私だったら、どっちのケースも気がつかなかったりして(~_~;))自分が相手を愛しているほどには、相手が自分を愛していないと気づいた女の子の、「もうあなたをリリースしてあげるから、でもあと少しだけ待って・・・」の「あと少しだけ・・・」なのです。ほんとはうらみ言タラタラ言いたいんだろうなぁ。でも「何もあなたは悪くないの 勝手に泣いているだけ」とつっぱる。そのくせ、「あと少しだけ・・・」なんて、未練タラタラ。あぁいやだいやだ!でもめっちゃわかるなぁ、これ(笑)
かような救いがたい状況を、羽毛田さんのアレンジはあくまでライトに、クールにまとめあげています。アコピではなくキーボードにすることでかなり聴きやすくなっている気がします。これはアコピだったら相当ヘヴィだったろうと思われ…。
柴田淳さんの歌は、音楽であるにもかかわらず、どうしても詞を語ってしまいますね〜。まさに、「ソングライター」という感じがします。でも、メロディもとてもよいのですよ。ピアノが上手なしばじゅん、歌を作るときはまず曲から作るそうな。
(投稿者:kingyo 投稿日: 070306)
羽毛田さんの女性シンガープロデュース第二弾は柴田淳さん。2月23日発売のニューシングル「白い世界」を聴いてみました。
「白い世界」
作詞・作曲:柴田淳 編曲:羽毛田丈史
PIANO, PROGRAMMING:羽毛田丈史
DRUMS:楠 均
BASS:石川具幸
GUITARS:西海 孝
PERCUSSION:梯 郁夫
STRINGS:Chieko Kinbara Strings
柴田淳さんの作品は過去のアルバムを1枚聴いただけで、予備知識のようなものはほとんどなくこの曲を聴いたのですが、「消えてく空」という歌いだしを聴いたとたん、望郷の念、とでもいうようなとてもとてもなつかしい気持ちになりました。私が小学生から中学生にかけてぐらいの頃聴いた、人の心の内側を歌い上げる個性的な女性シンガーたちの歌声が浮かんできたのです。それに傾倒した女の子たちは、ジーンズに長袖のTシャツ、ストレートの長い髪といったなりで、装飾を拒絶し、ひたすらクールにシンプルに生きようとしていました。そんな頃を思い起こす歌声でした。
クラシカルで、どちらかといえば細い感じなのにとても強い説得力を持った声で、痛々しいほど繊細な歌詞がじわっとしみこんできました。今はこの歌詞の世界と重なる部分がない私でも、すっかりその中に取り込まれてしまいました。だから、この言葉に共感を持つ人にとってはなおさら心に響く歌になるのでしょう。
アレンジはとてもシンプルで、まさに歌に寄り添うように、薄くラッピングするようについていく感じ。彼女の歌声がひたすら曲をひっぱります。
それにしても、28歳という年齢の、華やかで美しい女性が紡ぎ出すには、あまりにもピュアで無防備で傷つきやすいこの心象風景。とても不思議な感じがしました。「しばじゅんの世界」をもっと聴いてみたい。アルバムはどんなになっているんだろう?
「終電」
作詞・作曲:柴田淳 編曲:羽毛田丈史
PIANO, PROGRAMMING:羽毛田丈史
BASS:渡辺 等
GUITARS:西海 孝
FRAME DRUMS & AIRS:梯 郁夫
恋愛の“一番よい時期”のある一瞬をとらえた歌であります。相川さんの「限りある響き」じゃないですが、やはり人の心というのは移ろいやすいもので、どんなに素敵に始まった恋愛でも、時間とともに冷めていったりどろどろになっていったり…。でも、そんなことなどすっかり忘れて夢中になれる、魔法の時間ですね。いいなぁ。
こちらも、ゆったりした歌い方で切ない気持ちが伝わってきますが、テーマが恋なのでリラックスして聴けます。羽毛田さんのアレンジも、シンプルですがピアノソロなど入って余裕のある感じ。このアレンジ、私はかなり気に入っています。渡辺さんのベースがとてもいい感じです。
(投稿者:kingyo 投稿日: 050227)