サントラCDレポート(TVドラマ):
テレビ朝日系水曜ドラマ
「PS羅生門-警視庁東都署-」オリジナル・サウンドトラック
コロムビアミュージックエンタテイメント COCP-33900
2006.9.20 リリース
羽毛田さん今年初のドラマ劇伴は2005年の「瑠璃の島」以来約1年ぶり、小学館「ビッグコミックオリジナル」に連載されていた劇画「PS-羅生門-警視庁東都署」をドラマ化したものでした。
単行本全9巻が発売されている矢島正雄氏原作・中山昌亮氏作画のこの作品、実はもともと羽毛田さん自身大ファンで、単行本は全部読んでいたそうです。しかも、今回脚本を担当したのは原作者の矢島正雄さん。こんな想い入れの深い作品の劇伴を担当することになって、羽毛田さんはとても嬉しかったそうです。
ドラマ「PS-羅生門-警視庁東都署」のあらまし
ドラマはテレビ朝日系で2006年7月から9月の水曜日に全11話が放送されました。
キャストは、主人公で夫に先立たれたシングルマザー刑事紅谷留美に木村佳乃さん、「羅生門」と恐れられる警視庁東都署の刑事で留美のパートナー黒田勘太に舘ひろしさん、なぜか署の入り口のよこっちょでおでん屋もやっている吉見刑事課長に伊東四朗さん、ラリリ風で一見犯罪者と区別がつきにくい安全刑事にココリコの遠藤章造さん、その安全君になぐられまくってるイケメン韋駄天刑事野原常久に池田努さん、金遣いが荒く、しょっちゅう借金の返済に追われまくっているけど、実は息子をエリート医師に育て上げていたという不思議な天才刑事土橋順一郎に佐野史郎さん、そして日本一のプロファイラーと評され、青少年犯罪のエキスパート、実は私生活に悲しい秘密を持つ弓坂刑事に森本レオさん、美人でやり手の鑑識官サチに松本莉緒さん、そして随所でいい味を出していて、視聴者にも大人気だった制服警官の田所巡査に飯田基祐さん…。もう、絶対面白くなるに違いないと思われるレギュラー陣に加え、各話ごとのゲストもモロ師岡さん、尾美としのりさん、名倉潤さん、前田吟さん、甲本雅裕さん、奥貫薫さん、遠山景織子さん、矢崎滋さんなどなど…しぶい役者さんの迫真の演技で、さまざまな人生模様が描き出されました。
また、番組公式サイトはとても充実したコンテンツで羅生門ファンを楽しませてくれました。
BBSには放送開始直後から「あの挿入歌(曲)はなに?」という問合せが寄せられ、Webマスターのアシスタントプロデューサー伊東氏をして「なかなか日本のドラマでこんな音楽ないですからね。」(AP連載コラム#037)と言わしめたほど、羽毛田さんの劇伴には強い存在感がありました。
オリジナルサウンドトラック
オリジナルサウンドトラックアルバムは、放送終了のちょうど1週間後、2006年9月20日に発売されました。
ブックレットの中には、羽毛田さんのプロフィールやクレジットのほか、もちろん羽毛田さんのメッセージ・ページが!題して「作曲家・羽毛田丈史、“PS-羅生門-愛”、語る」。
通常、ドラマの音楽は映像がない段階から作曲が始まるので、企画書や脚本を元にするということはこれまでにも話されていたことですが、今回はまず音楽をイメージしながら原作を読み返し、作曲を始めたそうです。自分自身の想い入れを込めた音楽だったので、逆にドラマに合うか不安も少しあったそうですが、脚本が原作者の矢島正雄さんによるものだったため原作とドラマの世界観が離れたものにならなかったので、きっとドラマに合うはず、と確信したそうです。
また、今回は打ち合わせの段階で「これまでの刑事ドラマにない音楽にしよう」ということでスタッフの意見が一致したそうです。そして生まれたのが、ベースがかっこよすぎ!でクールな打ち込み系のオープニングテーマ、「女性の強さと弱さ、優しさをメロディーに表現した」という主人公紅谷留美刑事のテーマ(メインテーマ)、原作の昔気質の日本人・黒田勘太のイメージと演じる舘ひろしさんの洋風なイメージの間で一番悩んだという「黒田のテーマ」、「ジャングル、猛獣がうごめく秘境のような」イメージの羅生門署には民族音楽を駆使した中近東風なテーマ…。
いつもとても忙しい羽毛田さん、自分の作曲したドラマが放送されるときは次の仕事が入っているので、最初の3回ぐらいは毎回見るけれどその後は録画してまとめて見るというのが実状だそうですが、今回だけは毎週欠かさず、たとえ録画してもその日のうちに必ず観たそうです。元々好きだった作品の世界から自分の作った音楽が聞こえてくるのが嬉しい、と。
まさに「作曲家とドラマの幸福な出逢い」(高島幹雄氏によるライナーノーツより)だったんですね。
01 PS-羅生門-オープニング−TV Size−<M2-1>
ドラマの冒頭部分が終わったところで流れる、オープニングタイトルの曲です。
主要キャストの静止画がフラッシュムービーのように移動するユニークな映像とベースの効いたクールな音楽で、一度見ると忘れられないオープニングでした。ドラマの内容によっては、このオープニングタイトルは省略されたときもあったけれど、楽曲はものものしいシーンとか、ハードな聞き込みのシーンなどに使われました。
02 羅生門署のテーマ<M3-1>
和太鼓のようなダイナミックなパーカッションとハンドクラップのリズムで始まる、羅生門署のテーマ。妖しい女の人の歌声に続いて、キターッ!田代耕一郎さんの民族系撥弦楽器の数々。
今回は、アイリッシュ・ブズーキとギリシャのブズーキが使われているそうですが、田代さんのサイトで勉強させていただいたところ、この二つの楽器はルーツが違うそうな!見た目もずいぶん違うけど、音もギリシャのもののほうが少し金属的な音みたい。曲の中での聞き分けは…うーん、ムリ!
特に、羅生門署の面々をクローズアップするような場面で流れました。
03 メインテーマ−Up Tempo−<M1-4>
シンセサイザーのアンビエントトーンと、力強いストリングスの前奏で始まる、儚さと情熱を併せ持った素晴らしい曲です。五線譜をかけめぐるピアノの旋律は、主人公紅谷留美の心の揺れと高まりを、音で埋め尽くされたストリングスのバッキングは、夫の殉職というつらい経験をくぐりぬけた刑事であり、母である留美の強さを表しているよう。このアレンジは、犯人やもの言わぬ被害者の隠された真実に彼女や刑事たちが気がついたときのシーンに使われました。衝撃の真実に震える心を思い出し、聴いただけでこみ上げてしまう人、多いのでは?
04 メインテーマ−Strings−<M1-3>
これもM1の曲。03と同じモチーフですが、全くイメージが違います。おだやかなストリングスの前奏に、清流の透明な水のしたたりを思わせるピアノ。M1の曲にたびたび登場するホイッスルの旋律がメイン。
このホイッスル、CDでミュージシャンクレジットを見るまでもなく、番組で聴いて安井敬さんとわかりました。唯一無二のホイッスルです!!
美しさという点では、このサントラの中で一番の曲。使われた回数は少なかったですが。留美が登場人物の純粋な心に触れたとき(CASE#9など)に流れます。これもまた、彼女の心象風景。
05 メインテーマ−Acoustic Guitar & Piano−<M1-5>
M1の旋律をピアノが、ギターとストリングスが伴奏を奏でます。静かなシーンではピアノソロバージョンがよく使われたのであまり登場シーンはなかったけれど、アドリブの部分がホイッスルではなくてピアノという、とても美しいアレンジ。
06 羅生門署のテーマ−Up Tempo−<M3-3>
ブズーキのエスニックな前奏で始まる、テンポ早めの羅生門署のテーマ。土橋さんの現場所見(CASE#1)や、安全君の町の大掃除(CASE#2)など、羅生門デカのお仕事ぶりを紹介するシーンで主に使われました。
07 羅生門署のテーマ−Medium Tempo−<M3-2>
ブズーキと妖しい女の人の歌声で始まる、ややテンポを落とした羅生門署のテーマ。膠着した現場でのシーン(CASE#4)や、事件解明の糸口がつかめたかも?という微妙な瞬間(CASE#6)に使われました。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
「地球に乾杯」のイントロを思い出すような、ストリングスの深くやさしい前奏で始まるメインテーマ。
このバージョンはブズーキがメインの旋律を奏でていますが、番組でよく使われたのはピアノのバージョン。まさに「悲しみのStrings & Piano」で、殺された被害者が死に至るまでの悲しい真実が明かされるとき、登場人物が本当の気持ちを吐露するときなど、ピアノバージョンがほぼ毎回登場しました。
09 PS-羅生門-オープニング−Full Size−<M2-2>
オープニングテーマのロングバージョン。
視聴者の人気No.1はメインテーマでしたが、私が第1回目でシビレたのはこの曲。クールで、タフで、怪しげで、いったいどんなドラマが始まるんだろう、と思ったのでした。
10 事件1−予兆−<M5-2a>
その名の通り、不審なことが見つかったときや何か破滅的なことが起こる前兆のシーンで流れました。
単調な音の繰り返しがいやな予感に混乱した頭の中を表している感じ。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
12のプロファイルと並んで、視聴者の耳にこびりついてしまったのでは?というくらい、何度も何度も使われた曲。やばいやばいやばい!という場面では必ず出てきました。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
FBI捜査官をもしのぐという天才プロファイラー弓坂刑事がプロファイリングする場面や、他の刑事が捜査や推理する場面などで流れました。とっても気になるピコピコ音。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
M3の曲では最もよく登場したバージョン。「ポン・ポン・ポン・ポン」というマリンバの低音のような音が刻むリズムにブズーキがからみます。捜査中のシーンや、不審な動きがあったときなど、様々な怪しい場面で使われました。
14 黒田のテーマ−Guitar Solo−<M4-4>
黒田刑事が男と男の話をするときに登場する曲。スパニッシュな感じの哀愁の旋律。冷酷な人生を黙って受け入れる男たちに、黒田刑事が無言のやさしさを見せる瞬間。
15 黒田のテーマ−Piano & Guitar−<M4-2>
14のバッキングをピアノに替えた曲。14より少し重々しく、暗い感じに。
16 事件4−逃走−<M5-1a>
韋駄天野原刑事や犯人が走りまくるバックで流れる曲。
17 メインテーマ−Acousitic Guitar Waltz−<M1-6>
バッキングはマンドリンのような気がするけど違うかな?
感情の高まりは押さえ気味に、心休まる平和な場面で使われました。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
M4の曲の中では最もよく使われた曲。始めはチェロがメインで、後半はピアノがメインになってこの悲しい旋律を奏でます。犯人や、その周辺の人々が残酷な真実を告白するときに流れました。
このバージョンが多用されたのは、沈んだチェロの音色がしっくりくるほど彼らの抱えていた暗闇が深かったということでしょう。
チェロバージョンは、バッキングが「予兆」のベースになっている単調な打ち込み音(CASE#2)というものもありました。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
メインテーマの旋律を、ピアノの高音がつぶやくように奏でます。
元気いっぱい生きている留美の心がふと弱くなったとき、動じない黒田の心が揺らいだとき、誰かがつらい運命を受け入れなければならないときなど、いろいろな心象風景に使われました。
このバージョンは3拍子ですが、4拍子のものが後半に登場しました。
20 日常<M10>
特に事件が起こっていないときの署内や留美が休暇を取って息子の陽平と遊びに行く途中(その後必ず事件に巻き込まれて休暇はおじゃんになる)、吉見課長のおでんやでメンバーがなごんでいるときなどに使われた、ちょっとコミカルで明るい曲。ギターバックにマリンバのようなシンセ音、そしてピアノ。
21 コミカル<M7>
ギターとシンセのユニークな曲。ビヨンビヨンが気になる。
22 おでん屋のテーマ<M8>
吉見課長はどうして署の入り口の横でおでん屋をやっているのかな?黒田はそこにシャンパンをキープしているし、土橋と安全はすぐ食い逃げするし…そもそも勤務時間中にお酒飲んでいいのかな…。などという疑問も「ま、いっか」と忘れてしまう、コミカルな曲。CASE#2で聴けます。
23 格闘<M11>
スピード感あふれる激しい曲。
24 新庄のテーマ<M9>
メインテーマほど頻繁には出てこなかったけれど、胸の詰まるシーンで流れた重要な曲。ギターのつぶやくような旋律にホイッスルが加わり、真実が明かされるシーンに何度か登場しました。
ところで新庄って誰なんだろう?ドラマでは出てこなかったんだけど、原作に出てくる人かな?
25 メインテーマ−Full Size−<M1-1>
ギターとストリングスのシンプルで短めの前奏付きの、ギターとピアノによるメインテーマ。M1-4よりもおだやかだけど、留美の情熱がじわっと伝わる美しいアレンジ。私はこのバージョンの中間部分が大好き。
26 愛してる−Instrumental−
(作曲:渡和久/風味堂 編曲:羽毛田丈史)
風味堂による主題歌「愛してる」のインストバージョンはいくつか登場しましたが、これはピアノ&ギターバージョン。このほか、アップテンポなギターバージョンやシンセバージョンが登場しました。
各話の楽曲ピックアップ
もしかすると、ドラマを見ていない方にとってはM1-○とM1-△はただ楽器やリズムやテンポを変えたものにしか聴こえないかもしれません。
でも、それは違うんです!モチーフは同じでも、それぞれの楽曲が全く違うニュアンスを持って各シーンに生命を吹き込んでいること、ドラマを見た方はきっとお気付きだと思います。
羽毛田さんの原作への深い共感から生まれたこの劇伴、ぜひドラマの内容と照らし合わせながら、ひとつひとつの楽曲を味わってほしい…。
ということで、各話で流れた楽曲をベースにドラマを振り返ってみました。(各話のあらすじがわかるので、何かの理由で内容を知りたくない方は読まないでくださいね。)
CASE#1(2006.7.5放送)
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
着任早々、妖気漂う東都署の前でへんなおでん屋に「このまま元の職場に戻ったほうがいい」と言われる紅谷留美。なぜかおじさんは留美の名前を知っていた。確かに前の部署の同僚や上司は、羅生門を「魔界の入り口」と言っていた。
02 羅生門署のテーマ<M3-1>
留美はとうとう署内に足を踏み入れた。誰が警官で誰が犯罪者か見分けがつかないくらい、変な人たちばかり。まさに猛獣だらけのジャングル。しかもドアは外から開くが、中からは開かない。へんなおじさんは刑事課の吉見課長だった。
16 事件4−逃走−<M5-1a>
連続放火事件を追っているチームから野原刑事に応援要請。野原刑事は目にも留まらぬ速さで飛び出していく。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
このアレンジのピアノバージョン。着任早々相棒の黒田に冷たくあしらわれた留美は、窃盗事件の現場に行く車中で自分がなぜ刑事を志願したか、それは殉職した夫がいかに立派に生きたかを、幼稚園児の息子陽平に伝えるためだと訴える。
09 PS-羅生門-オープニング−Full Size−<M2-2>
泥棒に入られた邸宅ではサチら鑑識が入り、捜査が始まっていた。黒田はじっとしていて耳に聞こえたことをしまっておけと留美に指示する。
10 事件1−予兆−<M5-2a>〜11 事件2−疑惑−<M5-3a>
現場の邸宅で、留美は夫が殉職したときに助けた少年勇二を見つける。勇二はその家の息子だった。父を憎む彼は全く部屋から出てこないという。
16 事件4−逃走−<M5-1a>
野原は追っていた放火犯を見つける。バイクで逃げる犯人を走って追いかけついに捕まえる。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
プロファイルが専門の弓坂刑事が放火現場を調査するが、この犯人は連続放火事件のホシではないらしい。
06 羅生門署のテーマ−Up Tempo−<M3-3>
黒田は現場を土橋に任せ、サウナに行ってしまう。窃盗事件での土橋の現場所見が始まる。土橋は初動捜査で犯人を特定してしまった。
14 黒田のテーマ−Guitar Solo−<M4-4>
黒田はサウナで顔見知りの窃盗常習犯の山下(モロ師岡)に声を掛け、キャバクラに連れて行ってやる。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
やはりつかまえた犯人は連続放火犯ではなかった。家の玄関や門に火をつけるこの連続放火犯は父親を憎んでいるのでは?とプロファイルする弓坂。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
新しい放火事件が起こる。連続放火犯は実は窃盗事件の被害者宅の引きこもりの息子勇二だった。勇二の部屋には留美の夫の殉職時の新聞記事がたくさん貼られていた。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
吉見課長のおでん屋で弓坂のプロファイルを聞く留美たち。犯人はインターネットの掲示板に書き込んでいた。弓坂はその絶望と孤独と、心を犯罪へと飛ばす瞬間を捉えたという。
オルゴール音のテーマ(CD未収録)〜
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
遅く帰宅した留美。息子の陽平の寝顔を見、夫の仏壇に手を合わせる。複雑な表情で見守る義弟の悟。
羅生門は変なところ、でも縁はあると悟に話しながら、夫が助けた少年勇二を思い浮かべる留美。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
留美の自宅周辺をうろつく勇二。
悟は幼稚園で陽平を付けねらう不審な男に気付く。勇二は陽平と友達の女の子をビデオ撮影していた。
10 事件1−予兆−<M5-2a>
放火の被害者が亡くなり、事件は放火殺人事件となる。犯人は一度自殺未遂しているらしい。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
山下は例の邸宅に泥棒に入った犯人だった。おでん屋で黒田に礼を言って立ち去ろうとする山下が黒田に、自分の家に火をつけようとした例の邸宅の息子、勇二の話をする。
陽平の幼稚園で、悟が不審な男の後を追いかけている間に陽平が連れ去られる。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
勇二の父親に、息子に放火殺人の容疑がかかっていることを話す留美。「お前の亭主があいつを助けたからだ」となじる父親。勇二の部屋を調べると、壁一面に留美と陽平の写真や新聞記事が貼られている。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
勇二は陽平を誘拐して車に乗せ、父親のところに連れて行ってやるという。
激しく留美の夫を逆恨みする勇二。
03 メインテーマ−Up Tempo−<M1-4>
黒田から、留美の夫が死んだ海へ向かえと連絡がある。必死で車を走らせる留美。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
勇二は陽平を道連れにまた同じ海で自殺しようとする。お前の親父は犬死だったと陽平に笑って聞かせる勇二。そこにパトカーのサイレンの音がする。逃げ出す陽平。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
ブズーキではなくピアノのバージョン。夫の死んだ海で少年を捕らえ、「死ぬことなんて絶対許さない!死なれてたまるか!」と叫ぶ留美。
徹夜明けだった夫は溺れている勇二を見つけ、まわりが止めるのも聞かず海に飛び込んだ。夫に体力の限界を超えさせたのは、彼の刑事としての誇りだった。夫は勇二の人生ではなく命を救ったのだ。黒田と吉見に力強く語る留美。
24 新庄のテーマ<M9>
自首した山下を取り調べていて留美は、実は黒田が逮捕される前に山下を遊ばせてやり、母親に会う時間を与えてやっていたことを知る。山下は認知症の母をまともな施設に入れたくて泥棒に入ったのだった。「ここ(羅生門)で救われなかったら、人間終わっちまう。黒田さん、わかってくれてた。何も言わなくとも。」山下の話を聞いて救われたような気がする留美。
放火犯の勇二は、実は高校受験の失敗以来父親に冷たくされ「死ね」と言われて自殺をしようとしたのだった。弓坂刑事に「だんなさんに命を救われて、奥さんに心を救われたんです。」と言われ、慟哭する少年。
26 愛してる−Instrumental−
自宅に帰った陽平と悟。ママが助けに来てくれるってわかってたから怖くなかったと言う陽平。「でも変なんだ。ママを見たとき、パパもいっしょにいるように見えた。」留美に想いを寄せているけれど、やはりアニキの代わりにはなれない、と思う悟。
ジャングルに飛び込んだような羅生門署のテーマ、かっこいいオープニング、そしてなんといっても2つの事件の真相の奥にある「真実」が明かされるときに流れる「新庄のテーマ」が秀逸!(k)
CASE#2(2006.7.12放送)
06 羅生門署のテーマ−Up Tempo−<M3-3>
元薬物中毒だった安全刑事。とっても荒っぽいので今でもヤク中?と誤解されそうだが、実は薬物撲滅になみなみならぬ熱意を持っている。そんな安全君の「町の掃除」シーンはこの曲をバックに。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
ある女子校のトイレで、生徒が自殺する。自殺する場所が変だと不審がる刑事たち。黒田が学校に調査に向かう。このとき流れたのは、「予兆」から続く、チェロと打ち込み音のバージョン。少女の自殺という暗い事実と、その裏にある不穏な事情を象徴しているよう。
22 おでん屋のテーマ<M8>
吉見課長のおでん屋で昼間からシャンパンを飲んでいる黒田たちに怒る留美。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
サントラとは少し違うバージョン。安全君が「おかあちゃん」と慕っていた食堂の女主人(石野真子)が何者かに刺殺される。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
「おかあちゃん」の死に顔が笑っていることに気付く安全君と留美。泣き崩れる安全君。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
弓坂刑事が「おかあちゃん」を殺した犯人をプロファイルする。犯人は被害者が愛していた人間では?
実は「おかあちゃん」はその世界では有名な高利貸しだった。
26 愛してる−Instrumental−
落ち込む安全君にアイスクリームを差し出す留美。安全君は黒田の邪魔にならないように、自ら捜査からはずれたという。
06 羅生門署のテーマ−Up Tempo−<M3-3>
「おかあちゃん」の戸籍を調べたら、35歳であることがわかった。しかし「おかあちゃん」の店は30年前からあって、黒田はその頃からの知り合い。司法解剖の結果、「おかあちゃん」は元の顔がわからなくなるくらい整形を繰り返していて、実年齢は65歳くらい、戸籍は買ったものであることがわかる。
09 PS-羅生門-オープニング−Full Size−<M2-2>
黒田は「おかあちゃん」が残したノートに頻繁に名前が出てくる高校教師の石塚(尾美としのり)に目をつける。石塚は自殺した少女の高校の教師。夜の街で「夜回り先生」をしている熱血教師に見える。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
科捜研に依頼した「おかあちゃん」のDNA鑑定の結果、30年前に愛人を殺害して全国に指名手配された女と一致したことがわかる。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
黒田は石塚を車に乗せて連れ出す。石塚は自分の生徒だった少女を自殺に追いやったのだった。
17 メインテーマ−Acousitic Guitar Waltz−<M1-6>
おでん屋で吉見課長から「おかあちゃん」の30年前の殺人の話を聞く留美たち。「おかあちゃん」は小さな息子と別れたくないために逃亡したのだった。
03 メインテーマ−Up Tempo−<M1-4>
石塚先生を埠頭に連れて行き、「自白しなければいっしょに死んでもらう」と言う黒田。石塚は「おかあちゃん」の息子だった。殺人犯の母親を憎んで刺殺したのだった。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
「おかあちゃん」に昔救われたことを告白する黒田。捕らえた石塚に怒りをぶつける安全。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
どんなに頑張って生きても、自分を探し出す母親のせいで何度も「人殺しの息子」であることを思い知らされた子供時代を振り返る石塚。自殺した少女も母親が殺人犯だった。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
ピアノバージョン。「彼女はお前のことを愛していた」と黒田に微笑んでいる「おかあちゃん」の遺体を見せられ、号泣する石塚。
石塚の他人にはわからない苦しみの人生を象徴するような黒田のテーマチェロバージョンが実にリアル。そして最後のメインテーマで涙です。(k)
CASE#3(2006.7.19放送)
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
冒頭。薬物を買おうとしていた高校生の弟を叱るキャバクラ嬢の姉ともみ。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
署長の視察に、「署長を初めて見た」という羅生門デカたち。署長はとても感じの悪い男。
20 日常<M10>
富川副署長はキャリア署長と現場の警官たちの間に立ってすべての責任をかぶっている、羅生門署になくてはならない人物。
26 愛してる−Instrumental−
おでん屋台で飲んで話す吉見課長と富川副署長。副署長は掃討作戦に備え、自宅にまっすぐ帰ると言っていた。ファミレスで息子陽平と義弟の悟といっしょに食事をしていた留美の携帯に「副署長が刺された」と黒田から連絡が入る。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
副署長の刺殺事件だけでなく、店を飛び出した直後、キャバクラ嬢ともみも殺された。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
捜査会議。外国人の犯行と主張する署長とその部下に対し、副署長とともみの事件は接点があると主張する黒田。ともみの自宅を訪ねる留美。高校生の弟と小さな妹がいる。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
暴力団掃討作戦の前日に副署長が殺されたことを指摘する吉見課長。羅生門署に限り、警官から情報が漏れることはないと断言する。
10 事件1−予兆−<M5-2a>
行方不明になっていた弓坂刑事と野原刑事が、拷問されて署の前に放置される。車を運転していたのは士堂組の組員だった。富川副署長を殺害したのは、敵対する関東飛天連合の組員のふりをした士堂組の仕業だった。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
ともみの弟の告白。ともみが殺害された夜、ともみは富川副署長に大切なことを伝えていたという。空き地で弟と口論した挙句立ち去ったともみは、その後その空き地で殺されていた。それはともみの店の店長の証言と食い違っていた。店長は士堂組の組員だった。
10 事件1−予兆−<M5-2a>
06 羅生門署のテーマ−Up Tempo−<M3-3>
署長の秘書官の告白。掃討作戦のことをキャバ嬢に漏らしたのは署長だった。「誰があの警察署の最高指揮官か思い知らせてやる。」と富川副署長を呼び出したのだった。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
士堂組に捕らえられている安全君を引き取りに行く黒田と留美。署長を問い詰める吉見課長。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
士堂組組長人斬りサブに啖呵をきる黒田。義侠心のかけらもなく「今時そんなのははやらねぇんだ」とあしらうサブ。大胆すぎる黒田をビンタする留美。あわや安全君ともども全員殺されるのかという瞬間、吉見課長率いる東都署の掃討作戦が決行された。
おでん屋でしみじみ酌み交わす吉見課長と富川副署長のシーンが心に残りました。「愛してる」のインストバージョンはメインのピアノバージョンに比べて明るい雰囲気なので、色々な場面で使われました。(k)
CASE#4(2006.7.26放送)
20 日常<M10>
夏、少年課は大忙し。刑事たちもみんな借り出される。ゆいという女の子がいなくなったという友人たちの相談を受ける留美。そこに黒田から殺人事件が起こったと連絡が。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
遺体発見現場の閉鎖中の図書館。絞殺された被害者は若い女性。仔細に現場を調べる鑑識官サチ。殺しの現場はここではないらしい。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
司法解剖に立ち会うサチと留美。初めての解剖で失神する留美。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
容疑者の男が簡単に確保される。むしゃくしゃして酒も飲んでいたのでどうでもいいやと犯行に及んだと自白する容疑者。でも凶器のひもの行方がわからない。犯人の供述を「嘘だな」と言う黒田。
09 PS-羅生門-オープニング−Full Size−<M2-2>
動機は快楽殺人ではないと断定する黒田と弓坂。容疑者は刑法を熟知していてただものではない。凶器未発見を利用して土壇場で自供を覆すつもりらしい。「あの男は過去にも人を殺しています。」とプロファイルする弓坂。
10 事件1−予兆−<M5-2a>
ゆいの行方を心配する留美を一笑に付す少年課主任。「この子はみんなにいじめられているだけ。」
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
容疑者を取り調べる黒田と弓坂。凶器の行方について曖昧な供述をする容疑者に、「図書館の敷地内じゃないですよね、殺害現場。」「あなた彼女を運んでいるところを誰かに見られましたね。」と追い詰める弓坂。初めて動揺する容疑者。
03 メインテーマ−Up Tempo−<M1-4>
被害者の持ち物にあった封を切っていないタバコを見て、被害者の直前の行動を再現し、犯行現場を特定する留美。そして、被害者がお守り代わりにしていた母親の刺繍入りハンカチが遺留品の中にないことに気付く。親の愛の力を確信するとともに、親から捜索願の出ないゆいのことが気になる留美。自信喪失しそうになりながらも、電話で陽平の「ママ、愛してるよ」という声を聞いて力を取り戻す。「バカは愛を信じないお前だぜ!」
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
ゆいは働く母に代わって、物心ついたときからずっと寝たきりの祖父の介護をする天使のような少女だった。突然何もかもいやになって失踪したのではと捜索願を出さなかった母親に「今突然いやになるぐらいなら、とうの昔に全部投げ出してる。介護っていうのはそれぐらい…」と反論する黒田。死んだ息子の誕生日のお祝いに早く帰ろうとする弓坂に、シャンパンをごちそうし、ねぎらう吉見課長。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
ピアノバージョン。陽平の寝顔に微笑む留美。仕事が終わって認知症の母の元に行こうとする黒田。犯行現場で被害者が死ぬ間際に隠した刺繍入りハンカチを発見して、母娘の想いに泣き崩れるサチ。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
容疑者が犯行を誰かに見られたのではという黒田と弓坂の確信に、犯行現場の近くの学校に通っていたゆいの行方を捜したいという留美。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
ピアノバージョン。ゆいはやはり友達や他人に対してもとても思いやりの深い子だった。ゆいに助けられたという人間が何人も見つかる。ゆいは犯行時、容疑者と出くわしていたらしい。
02 羅生門署のテーマ<M3-1>
ゆいの行方を捜すため、「裏の」公開捜査が始まる。怪しげだけど有効な情報網による捜査でもゆいは見つからない。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
容疑者に「大野ゆいを知っているはず」と詰め寄る留美。ゆいは容疑者にもやさしく声を掛けていた。しかし、「あの子には手をつけていない。」「人を殺してあんなに切ない気持ちになったのは初めて」と言う容疑者。ゆいは殺されていなかった。容疑者に置き去りにされ、山中をさまよっているところを保護される。「天使が生き返ったお祝いに今日はお前たちも人間に戻りなさい」という吉見課長の命令で、家族のために早く帰宅する刑事たち。留美には陽平と悟が、吉見課長には病気で入院中の妻が、黒田には認知症でこわれてしまった母親が、弓坂には心の中に生きている妻と息子たちがいる。
こんな子いないよ〜と言い切る自信はないけれど、やっぱりゆいちゃんの存在はあまりリアリティがなかったかな。それよりも犯人の男がものすごくリアルで、本当にいそうで怖かった。留美が被害者の行動を推測して犯行現場を特定する場面でのメインテーマ-Up Tempo-がもう、サイコーでした!!(k)
CASE#5(2006.8.2放送)
26 愛してる−Instrumental−
陽平の休園日に合わせて休暇をもらった留美。陽平と出かける前にコンビニでお弁当の買い物する。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
そのコンビニで強盗事件発生。犯人は30代ぐらいの男(名倉潤)。商品のカッターで脅し、店員以外を外に出す。棚の陰に隠れて田所巡査に事件発生を携帯電話で知らせる留美。女性店員にカッターを突きつける犯人に見つかる。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
留美の携帯電話は生きていた。電話をして留美から状況を聞く刑事たち。要求を明かさない犯人に、普通の強盗ではないかもしれない、と危ぶむ弓坂刑事。現場でプロファイルすることに。
09 PS-羅生門-オープニング−Full Size−<M2-2>
騒然とする現場前。本庁からものものしい応援部隊が到着。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
世の中が変だと思ったことない?と話しかける犯人。女性店員がとてもかわいいことにこだわり続ける。女性が目的?犯人の情報が少なすぎて焦る現場刑事たち。
07 羅生門署のテーマ−Medium Tempo−<M3-2>
女声なしバージョン。コンビニに近付く黒田と野原。中の様子をビデオで撮影し、犯人を割り出そうとする。目的を聞いても「世の中一体どうなってるんだよ」とただ繰り返す犯人。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
人質の男性店員細川の自宅に行くと、妻は半年前に自殺したという。もう一人の人質牧村アイの弟に事情を聞くと、両親はいなくて姉とは最近一緒に暮らし始めたので、姉のことはよく知らないと言う。
犯人の映像にいきり立ち、突入したがる本庁部隊。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
犯人に食ってかかるアイ。犯人を必死で説得し、人殺しを止めようとする留美。「もうたくさんかも、生きるのは」と不審な発言をする細川。
06 羅生門署のテーマ−Up Tempo−<M3-3>
犯人の顔写真がテレビで公開される。それを見て、もしかしてママが行ったコンビニに強盗が入ったのでは?と不安に思う陽平と悟。現場に行くことにする。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
テレビを見た視聴者からの通報で、犯人が特定される。犯人は半年前妹をコンビニ強盗に殺された草間という男だった。
本庁部隊は突入態勢に入っている。犯人のねらいは人質に犠牲者がでることだから突入してはいけない、と焦る弓坂。突入は本庁の命令、とやめようとしない本庁刑事に「本庁よりも現場を見ろ!」と怒る黒田。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
本庁の指令を遮断してほしいという黒田の要請を吉見課長に伝える田所巡査。田所のアイデアでうその指令を流し、時間稼ぎをする吉見課長。「こんなものもっても10分だぞ…案外もっちゃったりして。」
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
草間に聞かれて殉職した夫の話をする留美。その上非番で強盗に合うなんて…しんみり同情する草間、アイ、細川に、今とても幸せだから同情しないで、私は絶対死にたくないと反論する留美。草間がついに、妹が半年前コンビニ強盗に殺された話を始める。「なんで妹が殺されたんでしょうね?ついてなかっただけ?」
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
草間の自宅を捜索する安全と土橋。娘が殺されたことで母親は体を壊し、草間は仕事をやめて生活は荒れ果てていた。しかも妹の事件の担当刑事は解決しない事件に焦って、被害者が犯人と共謀していたのではないか、と非情にも遺族にぶつけ苦しめていた。
草間は全く計画性なく混乱状態で犯行に及んだため、時間の経過とともに落ち着きを取り戻すのでは?とプロファイルする弓坂。
03 メインテーマ−Up Tempo−<M1-4>
とうとう本庁部隊にニセの指令がばれた。本庁部隊は突入を決行。やじうまのなかに陽平と悟を見つけ、焦る留美。
06 羅生門署のテーマ−Up Tempo−<M3-3>
突入の気配を感じて、「結局はどうでもいいんだ」と自暴自棄になり始まる草間。機転を利かせて携帯電話をつなぎ、草間の声を外に伝える留美。それをスピーカーで外に流す黒田たち。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
スピーカーから響き渡る犯人の独白に、突入できなくなる本庁部隊。妹が殺されたコンビニに行った草間は、殺された妹をかわいくないという理由で揶揄する無神経な一般人たちに怒る。防犯ビデオに映った妹は、こんなことはやめるように犯人を説得していたのだった。
24 新庄のテーマ<M9>
「怒ってもいいんじゃないかな」と言い出す細川。細川は会社が倒産して借金取りに追いまくられていたが、自殺したのは妻だった。「妹さんはしあわせだったと思う。いいよ、怒って。」というアイ。彼女は母親が働かなくなり、ホームレスになった経験があった。かわいいけれど、それで得などしたことのない子だった。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
ピアノバージョン。陽平が励ましてくれているのを見て涙する留美。「陽平、愛してるよ」。弟が現場に来ているのを見て動揺するアイ。アイは普通の人間に戻りたくて、弟を探していっしょに暮らし始めたのだった。「にいちゃんには聴こえるぞ、お前が犯人を説得しているのが。お前本当にやさしい子だったから」とつぶやく草間。土橋が草間の母親を連れてくるが、「お母さん、すみません、遅かった。」と言う黒田。本庁部隊の突入で、草間はあっけなく逮捕された。
04 メインテーマ−Strings−<M1-3>
「タキ子の気持ち、わかってくれてありがとね、伝えてくれてありがとね」と捕らえられた息子に向かって叫ぶ母親。「息子に最高の言葉かけてやった」と感激する土橋。陽平と抱き合う留美。弟と抱き合うアイ。細川は警官隊につかみかかって殴られ店内にノビていた。「ちょっとだけだけど、お前の分だけだけど、怒ったからな」とつぶやく細川。「バカ兄妹」と毒づく刑事をはりとばす留美。
犯人役の名倉潤さんが、本当にうまくてびっくりでした。そして細川役の近藤芳正さんもとてもリアルでした。妻が自殺した部屋で今でも寝起きしている自分、そしてだんだんそのことが平気になっていく自分…。忘れる動物、人間の悲しい真実でしょう。何度も繰り返してビデオを見てるのに、毎回ラストのメインテーマ-Strings-でビービー泣いてしまう自分が情けなくもいとおしい・・・。(k)
CASE#6(2006.8.9放送)
20 日常<M10>
課長と黒田のデタラメな経費の領収書をボランティアで整理する留美。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
捜査経費ジバラに苦しむ羅生門刑事たち。何者かが銀行のATMを巨大チェーンソーで破壊している。
07 羅生門署のテーマ−Medium Tempo−<M3-2>
出所したばかりの男川辺(甲本雅裕)を待ち伏せする土橋。
ATM強盗現場では、そのすさまじい破壊っぷりに凶器が特定できない。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
被害にあった銀行の支店長に面会するが、トラブルのある顧客などいない、と突っぱねられ、追い返される。本音で話すつもりはないらしい。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
銀行の外で竹岡という次長に声を掛けられる刑事たち。トラブルのある顧客に心当たりがあるので個人的に話したいと言う。
とある機械工場。遅れていた給料、今日渡すからねと従業員に声を掛ける社長(前田吟)。抱えていた黒いボストンバッグの中には、金種ばらばらな札が詰め込まれていた。
26 愛してる−Instrumental−
CDよりもさらに少しスローテンポなバージョン。サッカーボールをなかなか留美に買ってもらえない陽平は「うちお金ないの?」と悟に尋ねる。「陽平のうちにはお金で買えないものがいっぱいあるだろ?」と諭す悟。お金で買えるならいくら払ってもいいから陽平と留美の家族になりたい悟。
07 羅生門署のテーマ−Medium Tempo−<M3-2>
ATM強盗の凶器をチェーンソーと推測したサチ、安全、弓坂。
勤めていた銀行の金を横領した罪で服役した元銀行員の川辺は、横領した金の一部をどこかに隠しているらしい。竹岡次長を署に連れて行く途中で川辺に出会った黒田、土橋、留美。お金の行方が発端で言い合う3人。
10 事件1−予兆−<M5-2a>
竹岡次長は、今回の強盗の犯人は顧客のスミオカ製作所の社長ではないかと言う。確実な成長を続けていた堅実な会社だったが、銀行がバブル期に無理な融資を押し付け、事業を急拡大させたのだった。バブル崩壊後は一転して無理な返済を迫ったため、経営困難に陥った。
07 羅生門署のテーマ−Medium Tempo−<M3-2>
ブズーキの前奏のみのバージョン。 倒産すればことは簡単なのに、社長思いの社員が給料なしで働いているため倒産できないでいる、とつい漏らしてしまう竹岡。住岡社長は借金漬けになり、今回の犯行に及んだらしい。社員のためにそこまでする人は、住岡社長しかいないと竹岡は断言する。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
ボストンバッグの中の札を社員の給料袋に仕分けする住岡社長。
一方、貸し金庫の中の預金通帳の残額5億円にほくそえむ川辺。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
テストした大型チェーンソーの威力に、これが凶器と確信するサチら。
別れた妻子の元を訪れて会ってもらえない川辺。銀行に預金を下ろしに行くが、口座はすでに何者かに解約されていた。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
スミオカ製作所を捜査し、物証の裏づけを取るサチと弓坂。社長の持ってきた金は強盗したものだと確信し、返して来てほしいと頼む社員たち。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
誰かを恨んでやったのではない、これは私の決意なんだ、と社員に給料を支払い「必ず生きて元気でいてください。」と話す住岡社長。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
架空口座を自分に売った男に騙され、服役している間にキャッシュカードで5億円を引き出されてしまった川辺。金を持っていないとわかるとあっさり見捨てる土橋。電車に飛び込もうとする川辺を止めて「金なんかで死ぬな、バカヤロー」と叫ぶ留美。「子供のためだけでいいから、ちゃんと生きなさい!」
サチが住岡社長逮捕の物証の裏づけを取ったと安全から聞き、複雑な表情を見せる黒田。そこに住岡社長から電話がかかる。「お話ししたいことがあります。」
住岡を1時間後に逮捕しに行くと聞いて、逆上する竹岡次長。時間を与えれば、社長は金を社員の給料として配ってしまうし、自首されたら全部明るみに出て銀行の責任になってしまうという。銀行の方針で、竹岡は警察に住岡を追い込ませ、自殺させることを目論んでいた。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
ピアノバージョン。「誰でもみんな自分の仕事に誇りを持ってやっている。そいつを取り上げ、追い詰め、卑しめるやつを外道と言うんだ。」「お前らは外道だ!」と竹岡に一喝する黒田。
工場に住岡を逮捕に行った黒田と留美。社員に見送られ、手を差し出す住岡に手錠を掛けない留美。
「みんなと約束したんです。生きてもう一度やり直して見せるって。そのための金だった。」「私は死なない。必ずもう一度みんなといっしょに生きてやり直してみせる。」そう話す住岡の手を握り、「お願いします」と泣く留美。涙を隠すためか、サングラスをかける黒田。
サッカーをしている息子を遠くから見る川辺。「4年であんなに大きくなるんだ。」
26 愛してる−Instrumental−
土橋のはからいで、昔自分が中学の入学金を融資したゲイの父子の家に身を寄せることになった川辺。川辺を命の恩人、という父子に自分の仕事がそんな素晴らしい仕事だったなんて、、と絶句する。
課長のおでん屋で土橋の借金癖を責める留美たち。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
支店長がすべての責任を自分になすりつけようとしていることを察した竹岡は「外道」の意味を理解する。
おでん屋で集う刑事たちに、竹岡が支店長を刺したと伝えられる。呆然と動かない刑事たちに、「一人でも多く羅生門で食い止めてやるんだ」と叱咤する吉見課長。気を取り直して出動する刑事たち。
本当にいやな話だったけれど、何があっても生きてやり直そうとする住岡社長に救われました。これもまた、車中で住岡社長が独白し、留美が手を握るシーンで毎回号泣。現実にいろいろなところでこれと似たような話を聞くけれど、、、(k)
CASE#7(2006.8.16放送)
26 愛してる−Instrumental−
アップテンポなギターバージョン。日本最高峰の東都大ミスキャンパスコンテストのシーン。
09 PS-羅生門-オープニング−Full Size−<M2-2>
東都署管内の空き地で身元不明の女性の死体が見つかる。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
ミスキャンパスに選ばれた知佳は「じゃあね、みんな」という言葉を残して、校舎の屋上から飛び降り自殺を図る。一命を取り留めるが、友人の話では自殺の原因がわからない。私たちの未来には希望しかない、と強がる学生たち。
空き地で見つかった遺体は40〜50歳。激しく暴力を振るわれた跡があり、犯罪死体であることが判る。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
サチの検証では犯人は複数犯だという。しかし、現場では犬の激しい鳴き声以外悲鳴などは聞かれていない。被害者の衣服には大量の犬の毛が付着していた。被害者はホームレスだったらしい。
26 愛してる−Instrumental−
ピアノではなく、シンセサイザーのバージョン。安全によると、知佳の友達はみなエリート意識をプンプンとさせたいやなガキどもだった。それは不安や自信のなさの裏返し、知佳の姿は明日の自分なのではないかと不安なのだ、と安全に解説する吉見課長。そこに、知佳の父親と名乗る折り目正しい男が訪ねてくる。知佳の父親はやはり東都大出身の高級官僚だった。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
知佳は母親にそっくりだという父親。母親は10年以上前に失踪し、その後自殺したという。
20 日常<M10>
黒田と弓坂に仕事をまかせておでん屋でだべる安全。エリートは苦手だという。
09 PS-羅生門-オープニング−Full Size−<M2-2>
ホームレスに聞き込みをする留美と野原。
オルゴール音のテーマ(CD未収録)
そこに陽平から電話がかかる。なんだかさびしいと訴える陽平。お仕事中だから、と電話を切る留美。
そこに安全がやって来る。エリート女子大生自殺未遂事件を手伝ってくれと言う。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
知佳に面会する留美。「さびしい目をしている」と言われ、愛している人がいるから幸せだと、陽平の写真を見せようとする留美に「だから生きていけるんだ」とつぶやく知佳。
霊安室。依然身元不明の遺体に、身元を隠して生きていたのではと思う黒田と留美。1013円のお金を所持していたという被害者。だから、きっと最後まで生きたかったはず、と言う留美。
25 メインテーマ−Full Size−<M1-1>
現場で犬の鳴き声が聞こえたことから、被害者が犬を愛していて、犬をかばって死んだのだと気付く留美。捜査に関係ないのになんで愛にこだわるんだと聞く黒田に「人間は愛がなくちゃ死んじゃいけないんです!ばかじゃないの?」と叫ぶ。そこに安全から、被害者の飼い犬を見つけたと連絡が入る。
17 メインテーマ−Acousitic Guitar Waltz−<M1-6>
人知れず作られていたホームレスの町に被害者の女性は住んでいた。名前も戸籍もない彼女を周囲の人々は「ナシさん」と呼んでいた。犬はナシさんの家族で「小ナシ」と呼ばれていた。留美たちは犯人の手がかりを追うため小ナシを羅生門署に連れて帰る。
26 愛してる−Instrumental−
オルゴールバージョン。犬におでんを食べさせているところに、陽平と悟が留美の着替えを持ってくる。「ぼくこそごめんね」という陽平。陽平を抱きしめる留美。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
なぜ犬は無事だったのか、犯人は一人ではないかと疑う土橋。反論するサチだが、自分が先入観を持って結論を出していたことに気付く。実はその地域では最近犬や猫の惨殺死体が多数発見されていた。
26 愛してる−Instrumental−
ややスローテンポのピアノバージョン。知佳の病室を訪れる弓坂。「自殺って犯罪でしたっけ?」という知佳に「刑事罰ではないが、あなたを育んでくれた人、大切に思ってくれている人たちの思い出に対する罪」と諭す弓坂。知佳が母親の自殺体を実際に見ていないと知り、母親はまだ死んでいないかもしれない、と告げる。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
ナシさんの情報を集めようとする留美と黒田だが、全く手がかりがない。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
被害者は名前も家族も何もなかったが、案外幸せに生きていたんじゃないかと推測する黒田。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
動物惨殺事件を追っていた土橋、野原、田所が棒で犬に襲いかかろうとしていた不審な青年を見つける。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
自分が自分であることを犠牲にして勉強だけに生きてきた自分たちの哀れさを友達に話す知佳。父親にも激しく反抗する。知佳の父親は妻が笑顔を見せたり楽しそうにしているといやがり、あとで必ず殴っていたのだった。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
失踪した知佳の母親の情報を探していて、その人が実は殺された女性ナシさんであるという事実にたどり着くサチと弓坂。
04 メインテーマ−Strings−<M1-3>
仕事にありつけた日は必ず、いきつけの屋台で大好きなお酒を飲んでいたナシさん。小ナシを見つけたのも、そこだった。ナシさんはいつも陽気で「みんなのお母ちゃん」と呼ばれて慕われていた。
(この先ビデオ録れてませんでした・涙)
実際に最高峰の大学に学ぶ人々がみんなこんなだとは絶対思わないけど、やはり進路選択に必要なのは「どこの大学に行きたいか」ではなく「どんな大人になりたいか、どんな人生を生きたいか」で、それを置き去りにしてしまうと知佳&フレンズのようになってしまうのかも。犬を守って命を落とす…なんかこれは理解できるかも(とかたわらの毛むくじゃらを抱擁・・・)それにしても、メインテーマ-Strings-は本当に美しい!! (k)
CASE#8(2006.8.23放送)
09 PS-羅生門-オープニング−Full Size−<M2-2>
カップルのふりをして尾行する黒田と留美。ターゲットは初老の男と30代くらいの美しい女。ある高級ブランド店の前で立ち止まった二人に見つかりそうになり、留美を抱きしめキスをしてその場をしのぐ黒田だが、女に顔を見られる。何事もなかったように立ち去ろうとする黒田に納得いかない留美。ターゲットはショップに入り、土橋が尾行を交替するが、そこは土橋が大好きなブランドの店だった。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
女の名前は宮前杏奈。相手の男は丸賀商事の重役松崎。彼女は、明らかに何かの報酬としておねだりをしているらしい。
ホテルで杏奈に教唆された言葉を思い出しながら、毒物を飲んで自殺する若い男。
20 日常<M10>
杏奈がママをしている銀座の高級クラブを内偵するよう特捜から依頼される。バーテンとして雇われた安全とホステスとして雇われたサチ。あまりな人選に心配する刑事たち。内偵の目的は知らされていない。
10 事件1−予兆−<M5-2a>
杏奈にはいろいろな噂があるが、過去が全くわからない。しかし突然銀座の一等地でママデビュー、3年で銀座の女帝と言われるまでにのし上がったという。そして彼女のまわりではやたら人が死ぬという、魔性の女。
06 羅生門署のテーマ−Up Tempo−<M3-3>
管内のホテルで男性の変死体が発見される。現場に駆けつけた東都署の刑事たちは「本件は特捜で預かるから帰ってよい」と言われる。そう言った特捜の班長が同期の木島(升毅)だと気付き声をかける黒田。自殺だから事件性はないと言い張る木島。杏奈のクラブの内偵も中止するよう命じられる。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
弓坂が手に入れた特捜の鑑識資料を見ると、自殺したのは防衛技術省の若手官僚杉原。贈収賄事件にからんだ自殺ではないかと疑う留美。
07 羅生門署のテーマ−Medium Tempo−<M3-2>
女声なしバージョン。署の屋上で木島と話す黒田。東都署の刑事になんのために内偵させたのか明かそうとしない木島。自殺事件は東都署の管内で起こったことだから、捜査は継続するという黒田に賛成できないという木島。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
杉原は青酸カリによる服毒自殺だった。その数時間前まで特捜による任意の事情聴取を受けていた。政府購入の次世代軍用ヘリにからむ収賄容疑、相手先は丸賀商事で担当重役は松崎だった。
裏に大きな政治的圧力があり、特捜も手を引かざるをえないらしい。この贈収賄事件を東都署で暴く?
もう内偵を打ち切ったのに、なぜか安全、野原、サチが帰ってこない。
09 PS-羅生門-オープニング−Full Size−<M2-2>
東都署だけで巨悪に立ち向かおうとしているらしい羅生門刑事たち。あわてる留美。なぜか今回はサチが異様に燃えているらしい。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
ママがいなくてさびしいのか、最近寝つきが悪いという陽平の寝顔を見て涙をこぼす留美。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
自宅に迎えに来た運転手のふりをして、署に松崎を連れて行く黒田と土橋。杏奈と松崎の関係の報告書や杏奈と関係のある政財官関係者の名簿を見せる。そこに木島が乗り込んでくる。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
サチ、安全、野原の羅生門特捜チームに和服姿の留美が加わって、杏奈の店の内偵を続ける。あっさり店に雇われる留美。自殺教唆を否定する松崎。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
クラブに送った安全・サチ・留美はどう考えても人選ミス。
松崎は自殺教唆に関してはシロではないかと思う弓坂と黒田。
14 黒田のテーマ−Guitar Solo−<M4-4>
木島と向き合う黒田。杏奈と関係のある男たちのリストを調べ直した結果、特捜が目をつけ内偵している人間が多数含まれていた。杏奈は木島の情報源で都合のいい処理人なのだ、と木島にぶつける黒田。しかし木島も杏奈の心の中まではわかっていない。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
留美、サチ、安全が海千山千の杏奈を騙せるわけがない、と怪しむ土橋。
やはり杏奈はすべてをわかって彼らを雇っていた。閉店後杏奈に呼び止められる3人。
07 羅生門署のテーマ−Medium Tempo−<M3-2>
女声なしバージョン。杏奈は3人の名前ばかりか、留美やサチのプライベートな事情まで知っていた。
留美が自分に似ている、という杏奈。サチの父親が銀座の女に入れあげ、小学生のときに自殺していたことも知っていた。だからサチはこの事件に燃えていたのだった。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
10年前、自分も留美だったという杏奈。夫が自殺し、小さい子供がいたがお金がなくて死なせてしまい、いつしか銀座にたどり着いたが、「あの人」に出会って生まれ変わったという。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
ピアノバージョン。杏奈が出会ったのは木島だった。その人のためなら喜んで銀座の女としてのしあがってやろう。権力でもお金でもなく、杏奈は木島の喜ぶ顔を見たくて自分を汚してきたのだった。でも心のどこかではもういいと言ってほしかったという。杏奈は最初から木島に聞かせたくてこの内偵を受け入れていたのだった。こんな形でしか別れを告げられなかったのだ。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
最後に「ありがとう」とつぶやく杏奈。もの陰から連行される杏奈を見送る木島。立ち去ろうとする木島の前に静かに立つ留美。「おれには関係ない」と言い張る木島をビンタ一発張り飛ばす。
丸賀商事に贈賄容疑で強制捜査が入る。
ひたすらひたすら奥貫薫さんの演技に感服。世の中のありとあらゆるきれいなものと汚いものを見尽くして、もう何も映さなくなった空洞のようなまなざし・・・それがリアルにできる女優さんてあまりいないんじゃないでしょうか。奥貫さん、すごいです。メインテーマ-Piano Solo-をバックに杏奈が「ありがとう」というシーンと留美が木島を張り飛ばすシーンが大好きです。(k)
CASE#9(2006.8.30放送)
06 羅生門署のテーマ−Up Tempo−<M3-3>
留美が殺人容疑で連行してきた女(遠山景織子)を見てあわてる黒田。売春婦の沼田京子と名乗る女は、被害者を背負って歩いているところを大勢の人間に目撃されていた。そして女は黒田を見て「クロちゃん」と叫ぶ。あいつは犯人じゃない、と言い張る黒田。サチによると確かに死亡推定時刻と目撃証言の間に3時間も開きがあるという。ケロッとしてざるそばを食べまくる京子は殺人を自白するが、黒田はそれは全くの嘘で、リアリティがあるのは彼女が刑事訴訟法を勉強していたからだという。彼女の父親は有名な裁判官、兄は検事、弟も弁護士、彼女も法律の勉強をしていたのだった。
20 日常<M10>
京子の部屋から弓坂が押収してきたのは、京子が客とのあれこれを仔細に書いたノートの数々だった。それを見て顔を覆う黒田。様子の変な黒田を見て、京子の客なんだろうと疑う留美。相変わらず京子は犯人じゃないと言い張る黒田。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
京子の所持品の中にあった携帯電話が鳴る。発信元は公衆電話。携帯電話など絶対持たないはずの京子がなぜ持つ気になったのか?不審に思う黒田。
京子のノートを調べる弓坂、サチ、留美。予想に反して黒田は載っていないらしい。
黒田のせいで京子は売春婦になったようなもんなんだと安全と野原に話す吉見課長。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
京子の携帯電話は着信履歴が3件あるだけだった。この件は留美に任せてはどうかという吉見課長に、黒田もうなずく。
25 メインテーマ−Full Size−<M1-1>
京子の自宅を調べ、ネオン街で聞き込みする留美。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
捜査会議で報告する留美。京子はいつも立っているホテル街に、深夜被害者を背負って現れたという。鑑識の報告によると、すでに被害者はそのとき死んでいた。京子のアパートで管理人が遺体を発見し通報。その場で殺人を認めた京子を逮捕したが、留美は京子の証言を鵜呑みにしてしまった、とミスを認める。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
新たな目撃者探しにより、ホテル街で目撃されたさらに30分前に、裏通りの駐車場で被害者を背負って車を降りた京子を複数の人が見ていた。共犯者がいるらしいが、弓坂は京子が自ら喜んで犯人になろうとしている気配すら感じる、と言う。
京子を釈放して24時間監視をしようと提案し、彼女と渡り合えるのは留美しかいないと話す黒田。真犯人が近付いてくる可能性もあり、引き受ける留美。
25 メインテーマ−Full Size−<M1-1>
京子の後を尾行し監視する留美。また夜の街に立つ京子の携帯電話が鳴るが、なぜか電話に出ようとしない。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
10年間毎日書き続けた日記を、京子はこの3週間全くつけていないことがわかる。何か特別なできごとがあったのか?
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
ホテル街で売春している京子に声を掛ける留美。自分に声を掛ける人はみんな自分と同じ「選ばれなかった人」だから、その人達にとって人生で出会った最高の女になってやろうと思う、売春こそ自分の天職、という京子。話をすることで打ち解ける留美と京子。
04 メインテーマ−Strings−<M1-3>
あのノートは、京子が売春を始めた頃黒田に書くように言われたものだった。 何度逮捕されてもこりない京子に、ノートに自分のやっていることを書いて冷静に自分を見つめ、それでも自分のやっていることに誇りがもてるのなら、俺が責任を持ってしょっぴいてやる、死ぬことを許可する、と黒田は言ったのだった。売春を始める前、京子は何度も自殺未遂を繰り返していた。ノートをつけることで京子は生きる目的を見つけたらしい。優秀な兄弟に比べ平凡な成績だった京子は、いつも家族から無視される子供時代を過ごしていた。
26 愛してる−Instrumental−
シンセサイザーバージョン。留美は京子を自宅につれて帰る。陽平の寝顔を京子に見せてやるが、ママがいない寂しさを隠して留美をいたわる文章を絵日記に見つけ、涙をこぼす留美。その姿を見て、小さい頃の自分と弟のことを思い出す京子。弟は唯一京子に優しく接してくれた家族だった。
おでん屋の吉見と黒田。携帯電話は京子と家族の最後のつながりだったのでは?と推測する課長。3件の着信は同一人物からの可能性がある。
20 日常<M10>
陽平と遊園地に行く約束をしていたので、京子もいっしょに行くことになる。遊園地に行く前に立ち寄りたい場所があるという京子についていくと、そこは法律事務所だった。京子の弟がここで働いていて、留美たちに紹介したいと言う。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
弟の守に留美は刑事だと紹介する京子。顔がこわばる守。京子は弟と10年ぶりに会ったという。帰り際、厳しい眼差しで弟を見つめる京子。署内に姿の見えない黒田は、実は守を尾行していた。
26 愛してる−Instrumental−
アップテンポのギターバージョン。横浜のみなとみらいで楽しく遊ぶ4人。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
4拍子バージョン。本当に弟と10年ぶりに会ったのか、なぜ自分のことを刑事と紹介したのか尋ねる留美。友達になれると思ったけど所詮仕事だったんだ、と失望した様子の京子。そのとき京子の携帯電話が鳴る。
真相の回想。依頼人の女と関係して脅された守は、長い間会っていなかった京子を頼ってくる。弟と連絡が取りたくて、京子は携帯電話を買ったのだった。なぜか携帯電話に出ようとしない京子。電話は守からだった。尾行して確認する黒田。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
真相の回想。ある夜守から電話がかかってきた。守は脅されていた女を殺してしまったという。自分がなんとかするからおねえちゃんを信用して二度と連絡してきてはいけない、と守に言い聞かせる京子。守は京子が信用しきれず、何度も電話を掛けてきたのだった。「あなたも弟さんに話したいことがあるんじゃない?」と留美に言われ、とうとう電話に出る京子。助けてくれるって約束したじゃないか、と責めるジコチュウな守。話があるから今から会おうと約束する京子。昔遊んだ氷川丸で待ち合わせる二人。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
ピアノバージョン。「留美さん、よろしくね」と何か決意した様子の京子。氷川丸には黒田も来ていた。
京子のノートに記述がなかったのは、3週間携帯ばかり気にして客を取れなかったのだった。
「まさか約束を破るつもりじゃないだろうな」と逆上する守に約束を破ったのはお前のほうだ、お前はいったい何を信じているの?と責める京子。私はお前の事信じてるよ、と泣きながら微笑む。
留美は「あなたはお姉さんの気持ち、考えたことある?」と投げかけ、守を連行する。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
逮捕された京子を見送り、激しく落ち込む黒田。助けることができなかった、と再起不能な様子。
京子のノートは黒田さんへのラブレターだったんですね、と留美に言われ初めて笑顔を見せる黒田。
もともと遠山景織子さんが好きなのだけど、彼女の魅力が存分に引き出された役どころだったと思いました。選ばれなかった人のために、最高の女を演じてやるピュアな売春婦。そして実はこんな形でもいいから彼女は黒田とつながっていたかった。前回に続いて女ってなんて強くて悲しい生き物・・・と酔いしれた私でした。そして、ガラにもなく動揺しまくりだった黒田を、舘ひろしさんがとってもいいアジ出して演じてました!
ここでもまた、メインテーマ-Strings-の美しさがシーンを引き立てていました。そしてちょっとやわらかい感じが京子の雰囲気によく合っていたメインテーマ-Full Size-がよく使われていました。(k)
CASE#10(2006.9.6放送)
26 愛してる−Instrumental−
吉見課長のおでん屋。酒を飲む安全の横で初老の男が吉見と話している。男と入れ替わりに黒田がやってくる。初老の男は退職した警官の森角(矢崎滋)で、もらったばかりの退職金1000万円を人に貸し持ち逃げされたらしい。森角はその男を犯罪者にしたくない、と被害届けではなく捜索願を出していた。
20 日常<M10>
差し入れのお菓子を署内で売ろうとする借金漬けの土橋。「こうなりゃ銀行強盗でもやるか!」と叫んでいるところに本当に銀行強盗事件が発生し出動命令が。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
被害額は2000万円。犯人のうち1人は車で逃げるが、もう1人は逃げ遅れて徒歩で逃走する。
16 事件4−逃走−<M5-1a>
検問所で挙動不審な男が突然逃げ出す。あとを追いかける俊足の野原刑事。追いついて捕まえるが、最初持っていたはずのデイパックが消えていた。
07 羅生門署のテーマ−Medium Tempo−<M3-2>
前奏だけのバージョン。車で逃走した犯人も、黒田・土橋・留美が追い詰めるが犯人は女性を人質に抵抗する。借金が1億円あって返さないと東京湾に沈められるので、俺を殺してくれと迫るクレイジーな土橋に一瞬ひるんだ犯人を留美と黒田が捕らえる。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
現金の入っているデイパックは、犯人が隠したという場所にはなかった。捜索する刑事たち。相変わらず続く検問で、田所巡査は昔の上司の森角に会う。森角は退職して近くのビルに警備員として勤めているという。
金の臭いをかぎ分けるという土橋がごみ置き場に隠してあったデイパックを見つけ出したが、中には取られた被害額の半分の1000万円しか入っていない。
10 事件1−予兆−<M5-2a>
刑事たちは土橋に疑いの目を向けるが、金が半分残っていることから犯人は生真面目で実直、堅い職業の人間とプロファイルする弓坂。よほど金に困っての犯行らしい。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
取調べで、犯人は逃げるときに警備員の男とぶつかったことを思い出す。その警備員とは森角だった。犯人像とぴったりだが、森角を師匠という田所巡査は、森角はそんな人ではないと怒る。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
4拍子バージョン。1000万円という金額が偶然とは思えないという課長。森角は以前自分が窃盗で逮捕し、その後更生して事業を起こした男に退職金1000万円を貸したのだった。森角はずっとかまってやれなかった妻のために退職金を使おうと思っていたのだった。
森角の妻の話によると、抽選に当たり、3000万円のモデルハウスを1000万円で手に入れられる権利があるという。森角は退職金で、自分の母親も呼び寄せて住める二世帯住宅を買おうとしていた。
09 PS-羅生門-オープニング−Full Size−<M2-2>
徹夜で監視されていることに気付き、不安を覚える森角の妻。翌日の正午はモデルハウス支払の期限。
住宅展示場で張り込む刑事たち。待機する留美と黒田に、夫が何をしたのか尋ねる妻。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
1000万円横領の疑いがかかっていると聞き、「盗ったかも知れない」という妻。はしゃいだ自分をがっかりさせたくなくて盗んだかもしれない、と言う。期限の正午が来ても、森角は現れなかった。家の権利はなくなったが、ほっとする妻。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
妻に森角から電話がかかる。森角は実家の母親のところにいた。ほっとする留美に対して、不審な表情の黒田。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
陽平のミニカーを見て、横領犯がどうやって検問をかいくぐったかわかった留美。犯人は現金を車に入れ、わざと違法駐車してレッカー車に車を運ばせたのだった。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
レッカー移動されたのは森角の車だった。森角の実家に向かう黒田、土橋、留美。実家は真新しく立派な家だった。森角は東京に戻った後だったが、母親に招かれて家に入る3人。家の中もとても立派。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
実は母親は認知症で、際限なくリフォームを発注し、総額は1000万円を超えていた。留美たちのことも、別の知り合いと思い込んでいた。
森角を待ち伏せする3人。「年を取ることは残酷だ。」とつぶやく黒田。帰ってきた森角に「羅生門で飲みませんか」と声を掛ける。
24 新庄のテーマ<M9>
おでん屋で森角の話を聞く刑事たち。いっしょに住もうと言う為に1ヶ月前に久しぶりに実家に行った森角は、母親が家をリフォームしたことを知る。もう年だからと旅館の仲居をやめさせた直後から認知症の症状が出始めたらしい。母親は今でもあの家で家族みんなで住んでいて、家族のためにリフォームしたと思い込んでいる。風呂好きだった死んだ夫のために風呂をきれいにし、30年前に婚約中に亡くなった妹の部屋には婚礼家具が買い揃えてあった。話しながら涙する森角。あの家を母親からとりあげることは自分にはできない、借金は自分がなんとかする、と言って立ち去る森角。課長も黒田も証拠がない、と引き止めない。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
ピアノバージョン。留美は森角のあとを追って、羅生門で踏みとどまらなければ人の道からはずれる、引き返して、と頼む。私はもう地獄に落ちた餓鬼、いくつになってもお袋の餓鬼だと言って立ち去る森角。
翌日森角の母親を親戚が営むそば屋に連れて行く黒田。立て込む店内で、母親は客を案内し、注文を取り始める。止めようとする店員にやらせてやって、と頼む黒田。母親はしっかり生き生きと働き始めた。あとを親戚に頼み、黒田は立ち去る。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
4拍子バージョン。森角が盗んだ金を持って出頭する。金に困り警察へのうらみもあり、目の前の1000万円に手を出してしまったが、留美の言葉が引っかかり出頭したのだった。母親は住み込みでそば屋で働くから家はもういらない、と言うので処分して借金を返す目途もついたらしい。盗んだ金を拾得物として処理しようとする刑事たちに、ここで償わなければ私は一生救われない、と手を差し出す森角。手錠を掛けるかわりにその手を両手で包み、森角を微笑んで見つめる留美。黒田と留美に深々と頭を下げ、森角は田所に連行される。
森角さんとその奥さんとお母さん(ふぞろいの林檎たちの酒屋のお姑さんです!)がもう、最高の演技でした。ベテランの役者さんは本当にすごいと思いました。年を取ることは本当に残酷。自分にとってもあまりにリアルで切ないストーリーでした。新庄のテーマに乗せて森角さんが実家のリフォームの様子を語るところはもう、こみ上げてしまう・・・。冒頭はエキサイティングだったけど、思わずうつむいてしまうような展開にピアノソロの曲が多用されていました。(k)
CASE#11(2006.9.13放送)
26 愛してる−Instrumental−
スローなギターバージョン。吉見課長のおでん屋でくつろぐ刑事たち。急いで帰ろうとする留美はこれから3日間休暇なので、どんな連絡にも応答しないと宣言。休みをとっても必ず何かが起こって呼び戻される留美は、これが羅生門に来て初めての休みだった。でも今回もまた何か起こりそう…
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
あまり若くないキャバ嬢のクミは愛人の人気ホスト平原の誕生日に100万円の金が用意できず、怒った平原は地下駐車場で殴る蹴るの暴行を加えてクミを殺し、車で走り去る。
09 PS-羅生門-オープニング−Full Size−<M2-2>
殺害現場で捜査する刑事たち。被害者と加害者の身元が割れる。物陰から様子を監視する不審なメガネの男がいた。
07 羅生門署のテーマ−Medium Tempo−<M3-2>
陽平と張り切って出かけようとする留美を、男が呼び止める。警視庁人事課監察官室のタナベ(益岡徹)と名乗る。
12 事件3−プロファイル−<M5-4a>
しらじらしくクミの死を嘆くふりをする平原に、サチが持ってきた鑑識結果からすべてあなたの犯行が事細かに再現できると話す弓坂。平原の胸ぐらをつかんで怒鳴りつけるサチ。
13 羅生門署のテーマ−Ambient−<M3-4>
査問にかけられる留美。帰ろうとする留美をおどす上層部。以前から東都署は問題視されていて、留美はスパイさせるために東都署に配属されたという。
02 羅生門署のテーマ<M3-1>
姉の死に全く動揺を見せない妹で医師のエリカを不審に思い、大学病院でさぐりを入れる土橋と野原。医師団の中から「父さんなにをやってるの」と声を掛ける青年。土橋の一人息子でこの病院の医師の真だった。
その土橋は、査問で借金漬けの生活を追及されていた。平原のホストクラブで聞き込みをする安全と野原。ふざけたホストをボコボコにする安全。安全はその薬物歴と粗暴さを指摘され、野原は走るだけの「ウサギ男」と評される。監査官はこと細かに調査していて、次々と槍玉に挙げられる刑事たち。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
明日も「研修会」に来るように言われる留美。キャバクラ嬢殺人事件についても詳細に把握している監察官たちに不安を覚え、東都署に戻る留美。平原に会いたいと黒田に告げる。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
容疑者の調書も取れ、鑑識の報告とも一致しているのに検察に送ろうとしない黒田たちを責める留美。弓坂が被害者と話したいと言っている、という黒田に「死体と話なんてできない、そんなことをやっている警察署は他にない」と怒る。俺達はそれが正しいと信ずる捜査をする、と取り合わない黒田。
霊安室でクミの遺体に話しかける弓坂を見つめる留美。査問で弓坂を「家族思い」とかばう留美は、弓坂の家族が以前飛行機事故で全員死んだことを聞かされる。
19 メインテーマ−Piano Solo−<M1-8>
いつものとおりの東都署だが、査問でいろいろなことを聞かされた留美は疑心暗鬼になり、刑事たちの言うことが素直に理解できない。彼らは、このままではホスト平原がキャバクラ嬢深沢クミを殺した痴情沙汰の殺人事件と処理されてしまう、という。そういう事件でしょ?と怒る留美に失望し荒れる安全。
26 愛してる−Instrumental−
スローなギターバージョン。帰ろうとして羅生門を振り返り、ふと我に返る留美。おでん屋の黒田、土橋、課長は留美の様子から査問にかけられたのでは、と推測する。「人を救うことで自分も救われる、それが俺達刑事だからな」という課長の言葉にうなずく黒田。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
ピアノバージョン。大学病院で初めてクミの遺体と対面し、「あなたに最初に会わなければいけなかったのに」と遺体に謝る留美。そこに妹のエリカが入ってくる。「この人はこういう死に方をすると思ってた」と全く悲しむ様子を見せない。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
死んでくれてほっとしていると言って立ち去るエリカの耳を見て、クミと同じようにピアスの穴が開いていることに気付く留美。
26 愛してる−Instrumental−
待合室で土橋の息子で医師の真を待つ留美は、付け届けをしようとする患者の夫に真が父親の話をするのを聞く。いつも借金取りが来ていて、医大に行きたいことをいいだせなかった真に、父は金はただの単位だ、そんなものに捉われて夢をつぶすんじゃない、と言ったという。そしてお金を夫に返す真。
真によると、クミとエリカはやはりとても仲のいい姉妹だった。
25 メインテーマ−Full Size−<M1-1>
エリカが病院から姿を消した。デスクの上には辞表が置かれていた。彼女は復讐するつもりではないか、愛する人の心の中では人は死なない、という留美。恐らく復讐するなら護送時。刑事たちは必死でエリカを探す。エリカはそのときに備えて黙々と体を鍛えていた。
18 黒田のテーマ−Cello & Piano−<M4-3>
いつも自分を守ってくれ、必死で働いて医師にしてくれた姉を思い出し、包丁をにぎりしめるエリカ。
11 事件2−疑惑−<M5-3a>
護送。平原に防刃チョッキを渡す黒田。おびえる平原。報道陣の間を縫って、新聞紙に包まれた包丁のようなものをかまえたエリカが飛び出し平原に体当たりした。倒れる平原。しかしエリカの手にあるのは新聞紙だけだった。
08 メインテーマ−悲しみのStrings & Bouzouki−<M1-2>
空を見上げて「おねえちゃん」と泣き叫ぶエリカ。なぜか黒田はエリカが凶器を持っていないことを知っていた。査問会に出た留美は、羅生門の刑事たちは壊れているからこそ、罪に至る人の切実さを理解し、彼らを贖罪に導き、それにより彼ら自身も救われる本物の刑事だ、と話し、会議室を後にする。
迎えに来た黒田を見て涙をこぼす留美。署の玄関に迎えに出る羅生門の仲間達。
エリカはなぜ凶器を持っていなかったんだろう?それは、殺人は医師としての自分に反する行為だったから?医師になることを喜んで、必死で働いてお金を出してくれた姉を裏切ることになるから?黒田もそのことに賭けたのかな?理由は明示はされていませんでしたが、そんなことを考えました。最後だからメインテーマ-Up Tempo-が聞きたかったな・・・。このドラマで木村佳乃さんが今まで以上に好きになりました。(k)
(text by kingyo 061012)
Music composed and arranged by 羽毛田丈史
Produced by 羽毛田丈史
MUSICIANS
Acoustic Piano, Keyboards, Programmings 羽毛田丈史
Strings 押鐘貴之ストリングス
Acousitic Guitar, Gut Guitar, Irish Bouzouki, Greece Bouzouki,
Mandolin, Tiple 田代耕一郎
Whistle 安井 敬