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live image essentielle 川口公演(初日)

050414 kingyoのレポート@川口リリア・メインホール

 あれから4年…

2001年の春、とてもスペシャルなイベントとして始まったlive imageも、今回でとうとう5回目になりました。毎年秋の終わりころになると、「来年はあるのかな…」とそわそわし始め、年の終わりが近付くと、「来年もやるんだって!」と喜び…。初期のころからのファンにとってはもう、生活の一部というか、年間スケジュールのカナメというか、そんな存在になってしまいました。
あれから4年、自分の身の回りはいろいろ変わったけれど、今年も変わらず羽毛田さんは元気で音楽監督を務め、多少の入れ替わりはあるにせよ、チーム・イマージュはまた集結してくれる。そのこと自体がファンに元気やパワーを与えてくれているような気がします。

 今年の特別

とはいえ、やっぱり盛り上がるライブであってほしいし、できるだけよい席で聴きたい。これはオーディエンスの切なる願い。どういう取り方で、いつチケットをとるか?かなり悩んでしまうところです。
でも、せっかちな私は、ampm先行予約が一番最初に始まると知ると、もういてもたってもいられず予約開始と同時に電話をかけはじめ、翌日のチケット引き換えも、開始時刻にはしっかり近所のampmでCNプレイガイドに電話をしていました。その努力の結果なんだかどうだかよくわかりませんが、レジで店員さんに見せられたチケットは、「川口リリア 1階 1列…」。思わず店員さんと顔を見合わせ、固まってしまいました。帰り道は、どうやって家まで歩いたのか記憶がありません。
後日、羽毛田さんに「今年は川口、一番前です!」とご報告したところ、羽毛田さん曰く「チケット売れてないのかな…」、、、羽毛田さん、それある意味シツレイです!
てなわけで、今年の川口レポはなかなか体験できない「一番前のミタメ」でお送りします。

 2005年4月14日

昨年の川口レポを見たら「天候不順気味のこの春」と書いていました。そしてこの春もまた天候不順気味。前日の13日はもう、真冬に逆戻りしたかのような寒さでしたが、天気予報ではそれもこの日まで。そして、昨年同様、初日はlive imageのツアースタートをお祝いするかのような美しい春の日になりました。
ところが、ちょっとハプニングが。川口駅があるJR京浜東北線の新子安駅で人身事故があり、京浜東北線は完全にストップ、東海道線も止まるかもしれない…。大船駅でそんなアナウンスがありました。少し早い時間だったので、開演までには復旧するだろうけど、きっとダイヤは乱れるだろうな…川口にたどりつけるかな…と不安を感じつつ、横浜で東急東横線に乗り換え、連れと待ち合わせた渋谷に向かいました。
渋谷では、恒例の羽毛田さんへの差し入れを購入。live image初日の定番は、ツアーの末広がりな盛り上がりを祈って「末廣饅頭」、そして羽毛田さんのツアーの友、究極の癒し返し、「温泉の素」であります。

 開演前の風景

昨年も書きましたが、川口リリアは京浜東北線川口駅とダイレクトにつながっている駅前にあります。
メインホールの入り口のすぐ正面では、今年もツアーグッズを売っていました。
お約束の今年の携帯ストラップを買おうと思ったら、「なんだよー、去年とデザインがいっしょだー!」、、、ラベルには「live image4携帯ストラップ」と。去年のストラップも売ってたんでした。 今年のものは、ブレスレットにもなる仕様で、シンプルなラインストーンのデザインと、ちょっと可憐な感じのパールのデザインの2種類でした。そして、今日の演奏曲目が載っているパンフレットももちろん購入。
そのほかはあまりよく見なかったけれど、「四葉のクローバー」のキーホルダーやオルゴール、 Tシャツはゴンチチのものが見えました。小さなハンドタオルがあって、これがオレンジの模様でかわいかったです。
これまた昨年と同じ場所(トイレのすぐ横)にCDを売るコーナーがありました。羽毛田さんのは「PRESENTS」と「魔法遣いに大切なこと」が見えました。
ロビーには、いつものようにモニターが置かれていましたが、今年は出演者のPVは流れてなくて、スポンサーの新生銀行や葉加瀬さんのアルバムのCFが流れ続けていました。ここ2年ばかり置かれていた試聴機は、川口では見当たりませんでした。

いつもなら、レポを書くためにもう少しゆっくりいろいろ見てまわるのですが、今回はもう一番前の席とやらがどんな場所なのか、それが気になってしかたなく、買うものを買ったらさっさとホールに入ってしまいました。
中に入ってまず思ったのは、「今日は聴衆の平均年齢がかなり高い」。もちろん若い人も多かったですが、とにかく男女とも中高年層が目立ちました。
そして、席に近付いてびっくり。
ここはキャパ2000人程度のホールなので、奥行きがあまりありません。ゆえに最前列席と舞台との距離も、めちゃくちゃ近い…。大喜びしてしかるべきところですが、前に立つソロのアーティストならもう真上に見上げる感じだし、だいたい死角が多すぎる。舞台に向かって右寄りの、いわゆる「逆ポジ」なので、そもそもピアノを弾く羽毛田さんは見えるのか?音も、すぐ横にあるスピーカーと生音の両方が聴こえてしまうし…。私はちゃんとレポを書けるのか?…ちょっと不安になってしまいました。

 第一部開演〜オープニング…いきなりですか!

やはり席が席だけに緊張していたのでしょうか、私は買ったパンフレットもよく見ていなかったので、羽毛田さんの演奏曲目はかろうじてチェックしたものの、アーティストの出演順などもまったくわかっていませんでした。(毎年公演ごとにセットリストが入るのですが、今年はその紙が入っていなかったのです。)
午後6時半の開演予定からわずか7分遅れで「サイダーハウス・ルールのテーマ」の調べとともに初日の幕が開きました。いつものように拍手に迎えられ、オーケストライマージュの面々が着席。ほの暗い中で、NAOTOさんの白髪(もう金髪どころではない)が目立ちました。
そして、舞台左手から羽毛田さんが。私は会場の中で一番最初に羽毛田さんを見つける位置に座っていたので、怒涛の喝采を誘発すべく、大きく拍手し始めました。そして会場全体が大きな拍手で監督を迎えました。羽毛田さん、少し客席を見て、微笑みながらピアノに着席。いつも羽毛田さんは、弾き始める前にさーっと客席を見渡します。
今回、ピアノの前に座った羽毛田さんは南青山のマンダラのちょっと後ろの席にいるような近さでした。ふつうの声で「羽毛田さん」と呼んだら「はい」と返されそうな距離です。そして、羽毛田さんはぴんと背筋を伸ばしてピアノを弾くため顔の位置が上になるので、手元はもちろん見えませんが弾いている表情は手に取るようにわかりました。あ、歌ってる、とか、目をつぶってる、とか…。
さてオープニングですが、残念ながらこれまでずっとlive imageに参加されてきた鳥山雄司さんが、今年は出演されないということで、今年のオープニングはどうなるんだろうと思った方は多かったと思います。思い返せばlive image3の意表をついた「リベルタンゴ」でのオープニング以外は、ずっと鳥山さんの「Song of Life」がlive imageの始まりを飾ってきたのだから…。
緊張感漂う中聴こえてきたのは、「ダンダン!」という聞き覚えのあるイントロ。こ、これは!
昨年、日本航空と日本エアシステムが企業統合したとき、新生JALのイメージ曲として作曲された「Joyful Air Line」でした!
昨年テレビCMで冒頭の部分が何度も流れ、アルバム「live image best」にボーナストラックとして収録され、fishive!でも「TRACES 2004-MARCH」に「松井秀喜選手と羽毛田さんのコラボ実現!」とご紹介した、あの曲です。それが、オープニングでいきなり演奏されたのです。会場のはけちゃんファンは、この時点でもう頭が真っ白になったと思います。あの曲が、いきなり目の前で生演奏されたのですから。私はこの曲の冒頭を聴くと、「黎明」という言葉が浮かんでしまうのですが、まさにライブの幕開けにふさわしい迫力ある演奏でした。

 羽毛田さんコーナー

とりあえず、頭大混乱の私は、なんの前触れもなく演奏され始めた「地球に乾杯」でまた頭が真っ白に。今年は羽毛田さんがトップバッターだと、曲の途中でようやく気がつきました。
なんだか「地球に乾杯」をボーっと聴いてしまい、悔しさ爆発。次に行く東京公演で、ちゃんと落ち着いて聴こう。でも、スクリーンに映しだされた映像はとても印象的だったのでくっきり記憶に残りました。ちょっと「文明の道」のイメージも入ったような、すばらしい映像でした。今年はスクリーンは中央に1枚で、真ん中で左右に分かれるようになっていました。他のアーティストのコーナーでも映像はとてもすばらしくて、今年はユニークな映像ができあがったなーと思いました。
「地球に乾杯」が羽毛田さんの「うにゃっ」と両手を握り締めた指揮で終わると、いよいよMCが始まりました。
「みなさん、ようこそいらっしゃいました。live image essentielleが始まりました。今年も音楽監督を務める羽毛田丈史です。」お辞儀をする羽毛田さんに、会場から大きな拍手が。“essentielle”の説明(最初に返る、というような意味)や、「Joyful Air Line」の曲紹介(「松井選手が出演したJALのCM曲」)、「地球に乾杯」の曲紹介(「一番最初のlive imageからずっと演奏し続けている曲」)のあと、次の演奏曲目の紹介になりました。今年の選曲は「旬な曲にしてみようと思って」、NHKの大型討論番組「日本の、これから」テーマ曲と、日本テレビ系列の土曜ドラマ「瑠璃の島」のテーマでした。
「日本の、これから」は4月2日に第1回目が放送されたばかり。不定期な番組なので、なかなかテーマ曲を聴くことができません。だから、全体をじっくり聴けてうれしかったです。
番組では須川展也さん演奏のサックスは、もちろん青柳誠さんの演奏でした。青柳さんの立ち位置は、まさに私の真正面。堪能いたしました!
そして、羽毛田さんも台本を読んで涙してしまったという春の新ドラマ「瑠璃の島」。放送開始はこのライブの2日後の4月16日だったので、2003年の「文明の道」に続き、このlive image初日が本邦初演になりました。(羽毛田さん、MCで言うのを忘れてしまったそうで…ここに書いておきます。)メインの楽器は、またまたサックス。これはソプラノが使われていました。丸いサックスの音色に、学生のころよく訪れた八重山の、暖かい空気を思い出しながら聴きました。初めて聴いてもすっと心に入ってくる、とても素敵な曲でした。
ところで、羽毛田さんは以前はもうちょっとしゃべればいいのに、と思うくらい言葉少ななMCでしたが、今年はとっても饒舌、積極的に笑いも取りに行くという感じでした。「瑠璃の島」の説明では、「とてもいいドラマに出会えたと思い、30曲ほど気合を入れて作った。サントラも作ったので、『どうやって手に入れたらいいんだろう…』と思われたら、、ここのロビーに置いてあるんですね…あ、これはガセネタですね、まだサントラは発売になっていません。5月中に発売になります。」会場も後ろに控えるオーケストラ・イマージュも大笑いでした。
16日のドラマ放送開始の日、またこの曲を聴くことができましたが、あまりにも素晴らしいドラマで、もう一度録画を見直したとき、鳩間節で始まるこのテーマ曲が流れてきたら、ぽろぽろと涙がこぼれました。羽毛田さんが、台本を読んで涙し、「いいドラマに出会えた」と言っていた理由がよくわかりました。
さて、お約束の羽毛田さんのお衣装チェックですが、青に近い紺色のビロードのスーツに、うすいブルーのように見えるシャツでした。このスーツは去年のと似ているけど、同じかどうかはわかりませんでした。

 木村大さんコーナー

「瑠璃の島」の演奏が終わり、立ち上がってお辞儀をした羽毛田さんは再びマイクを取り上げ、「live image 3のあとヨーロッパに武者修行にいっていた木村大くんです!」と次の出演者の木村大さんを紹介、登場した木村さんとのトークが始まりました。ここでも羽毛田さんはとっても饒舌。ほんとに初日?というぐらいリラックスした感じが間近でもわかりました。
木村さんは留学してみたものの、3日でなんとなく全体がわかってしまい、でもすぐ帰るわけにもいかないので、2年間耐えに耐えたとか。若いとはいうものの、彼ほどの人なら学校で習うより、数々の仕事を積み重ねて行った方がいいんだろうな、と思いました。
今日の演奏曲目は、1曲目がアルバム「image essentielle」にも収録されている、話題の「サンバースト」。これを聴いたときは、一番前で本当によかった!と思いました。信じられないくらい繊細な指捌きをはっきりと見ることができたからです。CDよりもダイナミックな演奏で、心をつかまれる感じでした。
そして、2曲目の「アランフェス協奏曲第1楽章」。スペインのロドリーゴの名曲で、クラシックギターが好きな人なら、小躍りしてしまう選曲です。
私も中学生のとき、巨匠ナルシソ・イエペスが演奏するこの曲のLPを買って以来、何度も何度も聴きました。(そのLPは今でも大切に持っています。)第2楽章は、クラシック以外のジャンルでもよく取り上げられていて有名ですが(「恋のアランフェス」ですね)、第1楽章とはなんとマニアックな!でも、私はこの第1楽章が一番好きです。
羽毛田さんの解説。「この曲は第2楽章が有名なんですね。えー、タリラー、タラタラタラタリラー♪あ、歌っちゃいました。(会場大爆笑)この曲はオーケストラ編成の曲なので、このオーケストラ・イマージュのバイオリン全員を集めても、第1バイオリンの数にも満たないんです。それをどのようにカバーするのか、もうみんなでものすごく練習しました。大くんのために放課後も朝練も積み重ねて1年前からみんな頑張ってきたので、がんばって演奏してくださいね。」羽毛田さん、笑い取りすぎ!
木村さんがギターをかまえて雰囲気は一転(笑)、もうとてもこの少人数編成とは思えない、素晴らしい演奏を聴かせてもらいました。オーケストラ・イマージュはますますパワーアップしている感じです。
それにしても、思いもよらないところで自分のツボとも言える曲に出会うのは、本当にうれしものです。「get you!(こんなところに羽毛田さん)」の興奮に通じる喜びでした。

 小松亮太さんコーナー

小松亮太さんは、今年もあまり待たされることなく(笑)出番がやってきました。
小松さんが登場して、またまた一番前の醍醐味を味わいました。日本ではほとんど見ることのできないバンドネオンという楽器とその演奏者が、手を伸ばせば届くようなすぐそこに!無数にあるボタンを駆け巡る手とか、演奏に入り込んでしまった小松さんが漂わせるものすごい「気」とか、間近でないとなかなかわからないようなことをいっぱい体験しました。
1曲目は小松さんが「やっぱりダバダと言ってしまう」ネスカフェ・ゴールドブレンドのテーマ「目覚め」。この曲は、羽毛田さんのとどろくような低音のピアノ前奏で始まります。ピアノソロの部分もあって、楽しみな1曲。今年も聴くことができました。
2曲目は、本格的なタンゴで小松さん自身が作曲した「オスバルド・モンテスとの遭遇」。昨年リリースしたアルバム「Tangologue」の収録曲だそうです。ギターの鬼怒無月さん、羽毛田さん、ベースの渡辺等さんと小松さんによる、「大人な」タンゴでした。
とりあえず、2曲で終了した小松さんコーナーでしたが、これで終わるはずもない。小松さんには「あの2曲」が待ってるはず。たぶんその時は、私の目の前で…。

 加古隆さんコーナー

なんと今年は、1部の最後が加古隆さんでした。
加古さんは、自身音楽を担当された「白い巨塔」のドラマの大ファンになられたとか、ドラマをすべて観終わって得たインスピレーションで、「白い巨塔-コンプリート-」というアルバムを作られたそうです。その中から、live imageのための特別アレンジで演奏されました。
最初はシンセサイザーによる教会のパイプオルガンの音。これは「天からの声」を象徴する音として考えたそうです。
そして、鬼怒無月さんのかっこいいエレキギターのディストーション。これは野望の男財前医師を象徴した音だそうです。グウィングウィンと鳴る鬼怒さんのギターは確かに、人間のぎらぎらした欲望を表しているようでした。
加古さんもおっしゃってましたが、このアレンジを実演できる演奏会というのはなかなかありません。いろんなジャンルのミュージシャンが集うlive imageだからこそ実現できた演奏でした。
加古さんの2曲目は「ワルツメドレー」ということで、「風のワルツ」と「黄昏のワルツ」のメドレーでした。三拍子の曲には、明るい希望が感じられる、と加古さん。「黄昏のワルツ」のバイオリン独奏は、もちろんNAOTOさんでした。
3曲目は、live imageでは絶対はずせない曲「映像の世紀−パリは燃えているか」でした。何度聴いても感動する曲、そして懲りずに戦争を繰り返す私たち自身の情けなさを痛感する曲です。
加古さんといえば、シンセサイザーはいつも羽毛田さん。今回もピアノの左横でシンセを演奏しました。

 第二部開演〜ゴンチチコーナー

いつも第一部の最後に出番が来て、松村さんが「僕たちが終わったら休み時間ですから」とお客さんを笑わせていたゴンチチですが、今回は2部の最初でした。衣装はいつもの白いスーツではなく、三上さんが茶色、松村さんがきれいなグレーのスーツでとてもダンディな感じでした。
今回は、あの素晴らしいアルバム「XO」が昨年末にリリースされたばかりなので、これの収録曲を聴くのがとても楽しみでした。1曲目はやはり「XO」収録の「ping-pong-song」、羽毛田さんはピアノ伴奏でした。
そして、松村さんのMC。「こんばんは〜」「・・・」ゴンチチペース(?)に慣れていないのかお客さんは無言。むっとした松村さん、「挨拶は返してくださいねぇ、もう一回やりますよ、こんばんは〜」。お客さんも笑いながら「こんばんは〜」とご挨拶しました。
アルバム「XO」の話に続き、「ところでlive imageは今回が初めてという方はどれくらいいらっしゃるんでしょうか?拍手してもらえますか。」という松村さんの質問に、ものすごくたくさんの拍手が起こったのには驚きました。ゴンチチのお二人も、え?こんなに?という驚いた表情で、「ではちゃんと自己紹介しましょう」と松村さんが「ゴンのほうです」と三上さんを、三上さんが「チチです」と松村さんを紹介しました。
「ping-pong-song」は、「すごくいいタイトルでしょ〜、曲もいいですけどね。」
そして2曲目はやはり「XO」に収録されている「Lovers」。「自分で言うのもなんですが、いい曲なんです。よかったら泣いてください。」アルバムではブラジルのチェリスト、ジャキス・モレレンバウムさんが素敵なチェロを奏でるのですが、今回はなんとオーボエの宮本文昭さんといっしょにやるということでした。
そして登場した宮本さんを見て、お客さん一同絶句!ツルツルピカピカな白いサテン地に、金のスパンコールや緑のサテン地で飾り立てたものすごく派手な衣装だったのです!一番前で見るにはちょっと強烈なまぶしさでした。演奏は感動的でしたが…。
「Lovers」で羽毛田さんはピアノ席からいなくなりましたが、左手のほうに去っていったので、その後の動向は私にはつかめませんでした。こういう時、2階席というのは全体が見えてよいなと思います。
そして、3曲目は定番の「放課後の音楽室」。この演奏が終わると、羽毛田さんがまた左手から出てきました。ピアノ席に座っておもむろに給水する羽毛田さんをチェックしていたら、松村さんの「三上さん、しゃべりますか?」の合図でライブのお約束、三上さんトークが始まりました。
「これまでのlive imageのツアーでは、メタルキョロちゃんをはじめ、いろいろな人形やぬいぐるみを持ってきた。でもこんなことをやっていてはだめ、大人気ないからもうやめようと思った。
でも、さっきの羽毛田さんの原点に返る、という言葉で気がついた。天啓というか、使命感というか。そこで、今回も原点に返ってやっぱり持ってきた…」
それまで全然気が付かなかったのですが、三上さんの足元には黒い布をかぶった不審な盛り上がりがありました。布の中から三上さんが取り出したのは、緑の毛玉みたいなぬいぐるみ、愛知万博のキャラクターの「モリゾー」と「キッコロ」でした。
川口の次が名古屋公演なので、このぬいぐるみが「どんどん大きくなると期待してる」「機材を積むトラックのスペースを空けている」、「もらうつもりですか?三上さん」とあきれる松村さんをよそに、またパタっとゼンマイが切れたように口を閉じて、ギターをいじりだした三上さん。
舞台監督の「トークは控えめ令」を意識してか、特異な生態は炸裂するところまでは行きませんでした。これはきっと名古屋公演で何かが起こるのでは…?そんな余韻を残した初日トークでした。
そして、ゴンチチ最後の曲は、去年大好評だった「NDD/Night Dizzy Dance」でした。
松村さんが「ピカチュウを見て倒れた子どもみたいにならないように、気をつけて」と注意喚起(笑)、派手なライティングとともに迫力の演奏でした。ただ、私のところはライトの根元なのでライティングはただ目に突き刺さるだけ、それよりも大声で歌いながらギターを弾く松村さんを見ているのが面白かったです。

 松谷卓さんコーナー

松谷卓さんは、年々堂々と見え、発表されるお仕事もどんどんビッグになっていきます。
昨年秋公開され話題になった映画「いま、会いにゆきます」で初めて映画の劇伴を手掛け、今回もそのサントラの中の曲が演奏されました。このあとまた、いくつかの映画の劇伴を手掛けることになっているとか。「image」でも大人気の「Before After」は番組の全曲を集めたコンプリート盤が出たり、まさに乗りに乗ってるこの1年だったようです。それなのに、このういういしさ。
MCはずいぶん聞きやすくなったけど、それでもやっぱり声はかすれ気味だし、「ではお聞きください」とお辞儀しながら、思わず「お願いします!」と言ってしまったところ、まるで部活の後輩が先輩の胸を借りて試合するみたいな、、、。
そんな謙虚さとはうらはらに、ピアノの演奏はシャープでクールで、人をぐいっと惹きつけるものを持った人だと思います。私は「いま、会いにゆきます」を観ていないので「きれいな曲だな」と思いながら聴いていましたが、映画を観た私の連れは「やばい、涙が出てきた」と隣で泣いていました。「Before After」は、最初のところで流れるちょっと激しいタッチの曲と「匠」など数曲をアレンジしたメドレーでした。

 オーケストラ・イマージュコーナー

オーケストラ・イマージュコーナーは今回も青柳誠さんがピアノを弾き、「image」に収録されたエンニオ・モリコーネの名曲メドレーでした。最初は「ニュー・シネマ・パラダイス」のメインテーマ、そして「海の上のピアニスト」のテーマ「愛を奏でて」、最後が「ニュー・シネマ・パラダイス」の「愛のテーマ」でした。
「愛を奏でて」は青柳さんのソロなのかな、と思っていたら、なんとなんとなんと、柏木広樹さんのチェロ独奏でした!真正面ではあるのだけど、ストリングスメンバーの間に見え隠れする柏木さんのやさしいチェロの調べに酔いつつ、双眼鏡ナシでチェロを弾くお姿を堪能!おいしい瞬間でした。

 宮本文昭さんコーナー

オーケストラ・イマージュの演奏が終わると、左手より羽毛田さんが登場、「オーケストラ・イマージュにもう一度大きな拍手を」、そして次の出演者の宮本文昭さんを紹介しました。
幕の向こうから飛び出してきた宮本さんを見てびっくり…。
ベルサイユのバラのオスカルみたいなデザインの衣装なんだけど、それが青紫色に光っているのです。とりあえず絶句する羽毛田さん。
なんでも、普段クラシックの活動が主な宮本さんはずっと燕尾服で過ごしているので、live imageでそんな日ごろのストレスを発散するのだそうで…。すごい発散振りです。
小澤征爾さんで有名なサイトウ記念オーケストラの主席オーボエ奏者を務める宮本さんですが、「僕も毎年夏にテレビで観てますよ」という羽毛田さんに「毎年なんてそんなことあるわけないでしょ」とヘンなからみが始まりそうな気配、「時間もありませんのでさっさと演奏を…」と送り出されたユカイな宮本さんでした。楽屋でも、しゃべりだしたら40分くらいしゃべり続ける、とはご本人の弁でした。
演奏曲はまず、最初の「image」に収録されて大人気の「風笛」、久しぶりに聴きました。
そして、2曲目はジャズアレンジの「G線上のアリア」でした。これは、バッキングのアレンジは完全にジャズなのですが、メインの宮本さんのオーボエだけを聴いているとほぼクラシックの原曲と同じような音符運びで、面白かったです。

葉加瀬太郎さんコーナー〜アンコール

ド派手な宮本さんと入れ替わって、左手から黒い人影がさささっと出てきました。
とっても地味ないでたちの葉加瀬太郎さんでした。
アーティストの出演順がものすごくシャッフルされていたので、葉加瀬さんが出てくるまでフィナーレが近付いていることに気が付きませんでした。
「おまたせいたしました、葉加瀬太郎でございます」でスタートするのはお約束。
葉加瀬さん、昨日まであれこれ派手な衣装を考えていたそうなのですが、リハーサルで宮本さんの衣装を見て、これはもう太刀打ちできない、「No Game」ということで黒いスーツにしたそうです。競り合わなくて、よかったです。一番前だと衣装ばっかり目に入るので…。
葉加瀬さんは最近、鳥山雄司さんのプロデュースで「What a Day」というアルバムをリリースされたそうですが、その中の「青の洞窟_Grotta Azzurra」が1曲目、「羽毛田さんがlive imageのために素敵にアレンジしてくださいました。」という説明のあと、演奏が始まりました。
葉加瀬さんがそういう解説を付けるのは初めてだったのでめずらしいなと思ったら、次の曲で理由が分かりました。
live imageのスポンサーである新生銀行からの依頼で、葉加瀬さんは「Color Your Life」という企業イメージソングを作ったそうなのですが、そのアレンジを羽毛田さんが担当したのでした。
初めての校外(?)コラボでさらにお互いに刺激を受け、信頼も深まったのでしょうか、お二人ともパンフレットのコメントでもそのことに触れていました。そして、演奏が終わると葉加瀬さんがピアノ席まで歩いていき、羽毛田さんとがっちり握手。羽毛田さんはちょっと照れたような表情でした。
ところで、いろいろな映像を映し出してきたスクリーンですが、この「Color Your Life」のときは色とりどりの四角形を映しながら、ナント右に左に動きました。「ゴロゴロゴロゴロ」という音が聴こえましたが、これは前方の席だからこそ聞ける音。
葉加瀬さんの2曲はとても美しくてすっかりいい気分になってしまい、熱狂と怒涛のラスト2曲に備えねばならないのに、脳と体が「お休み状態」になってしまいました。
でも、そのときはやって来ました。右手より小松亮太さん登場。そして私の目の前に着席。
「私のために弾いてくださるのね!」と勘違いしそうなくらい至近距離。やはり今日のこの席で一番の収穫は、小松亮太さんの演奏を目の前で見られたことだと思います。
葉加瀬さんが参加して演奏するのは久しぶりな「リベルタンゴ」。
羽毛田さんのピアノもグリッサンドいっぱいでとってもかっこいいのですが、悲しいかな、ここからはお顔しか見えません。これは次回の東京公演でリベンジしよう。
そして、ついにラストの「情熱大陸」が、小松さんのバンドネオンのイントロで始まりました。ここまで、いろいろ頭が白くなることが多くて、キョトンとしたままフィナーレを迎えてしまった気がしました。でも、最後は決めなければ。
葉加瀬さんの煽りもほとんど必要なく、会場中が立ち上がり、割れんばかりの手拍子が始まりました。私もすくっと立ち上がりましたが、立ってみて気がついた。羽毛田さんから丸見えだ。妙にこっぱずかしくなり、いつもなら飛び上がっちゃうガッツポーズも肩の辺りで「五木ひろし」状態でした。
会場によっていろいろですが、この川口とか東京でいつも「大人のライブだな」と実感するのが、これほどみんな踊り狂っても小松さんのソロの部分になると、演奏が聴こえるように拍手が小さくなることです。今回もそうでした。
そして、演奏は怒涛のラストへ。「ジャジャ・ジャジャジャジャンっ」と終わり、会場は総立ちのスタンディングオベーション…だったと思うのです。一番前では、どのくらいの人が立っているのかわからないものですから…。
「サイダーハウス・ルール」のテーマとスクリーンのエンドロールで一応ライブが終わったふりをしますが、ここで終わるわけはありません。
怒涛の拍手は続き、いつしかそれが「タン・タン・タン・タン」という手拍子に。
オーケストラ・イマージュが再登場、それに続いて何人かの出演者が登場しました。
羽毛田さん、加古さん、葉加瀬さん、ゴンチチ…そして始まったのが、シャンソンですがジャズのスタンダードナンバーでもある「枯葉」でした。これは新しい試み。
ジャズプレイヤーのルーツをお持ちの加古さんですが、ジャズピアノを演奏されるのは初めて聴きました。葉加瀬さんのフィドルといい、なんとも言えず贅沢な「枯葉」でした。
そして、アーティスト全員が登場してのお約束「My Favorite Things」。
いつものように葉加瀬さんが全員を紹介してから演奏が始まりました。おなじみの前奏のあとの羽毛田さんの「コンコン」はいつもより少し早め。こんなに前にいるんだから、叩くところを見たかったのに人がいっぱいで(もちろん舞台の上に)手元が見えませんでした(涙)。
ここ数年、最初の木管パートは青柳さんのソプラノサックスでしたが、今回は久しぶりに宮本さんのオーボエでした。何度も聴き込んだ、初回live imageの録音がよみがえります。
そして、羽毛田さんのボキャボキャシンセパート。なんとか見えないかと伸び上がってみましたが、葉加瀬さんが羽毛田さんと私の間に立ちふさがっている!葉加瀬さんはいつも、羽毛田さんのパートでは手元を覗き込んでいるから、、、。
「葉加瀬さん、どいて!」と叫んでしまいましたが聞こえるはずもなく…スクリーンを見たら、タイミングよく真上から映してくれたので、羽毛田さんの頭頂部とともに手の動きが見えました。うむむ、これも東京でリベンジだ…。
やはり初日だからか、あまり派手なボキャボキャではありませんでした。でも、回を追うごとにボキャボキャ度は増していくことでしょう。東京公演、期待してます!
最後は葉加瀬さんの弓でひっぱりにひっぱって、「ジャンっ」と演奏終了。どんどんお客さんが立ち上がり、とどろくような拍手と歓声で、初日が大成功に終わりました。
一番前は、舞台に並んで手をつなぎお辞儀をしているアーティストの皆さんと同じ大きさで歓声が聞こえます。羽毛田さんたちは、こんなすごい歓声を受けているんだ。準備が大変だったこととか寝不足とか疲れとかが吹っ飛ぶ瞬間なんだろうな…。笑顔で応えるアーティストの皆さんを見て、そう思いました。

 ライブで気がついた特別なこと

ちょっとした余談ですが…。
live imageのライティングは毎年とても凝っていますが、一番前にいるとそれはほとんど鑑賞することはできません。なんせ、ライトの根元にいるのですから。
でも、どんなのかな、と思って後ろを振り返って驚きました。
客席上にとても幻想的な模様ができていたのです。アーティストの皆さんは、ステージ上からこんなきれいな模様を見ていたんですね。これも、感動的な演奏ができる要因のひとつかも。

 今年のlive imageを一言で表すと…

昨年は、重厚で壮大な曲が多くてガッチリした感じだったので、重い赤ワインにちなんで「フルボディ」と呼びました。
今年はずばり「生醤油うどん」。
別にあっさりしている、という意味ではありません。一流のアーティストが音楽家としてまさに旬の時期を迎えていて、充実した活動をしている成果をステージで披露してくれるのなら、特別な演出など何もいらないんだな、という実感を食べ物にたとえたわけです。上質の小麦粉で丹念に打ったうどんは、上等な生醤油をかけただけで至福のごちそうになるのです。
「原点に返っていらないものを全部そぎ落としてみた」と後で羽毛田さんから聞き、私が受けたこの感覚はそれほど的外れではなかったのかも、と納得したのでした。
今年もまた、たくさんの新しいお客さんを魅了し巻き込みつつ…どこまで行くんだ、live image。

演奏曲目

 第一部

1.Joyful Air Line (オーケストラ・イマージュ)
2.地球に乾杯 (羽毛田丈史) 3.日本の、これから (羽毛田丈史)
4. 瑠璃の島 (羽毛田丈史)
5.サンバースト (木村大)
6.アランフェス協奏曲第1楽章 (木村大)
7.目覚め〜ネスカフェ・ゴールド・ブレンドのテーマ (小松亮太)
8.オスバルド・モンテスとの遭遇 (小松亮太)
9.白い巨塔 (加古隆)
10.風のワルツ〜黄昏のワルツ (加古隆)
11.パリは燃えているか (加古隆)

 第二部

12.ping-pong-song (ゴンチチ)
13.Lovers (ゴンチチ)
14.放課後の音楽室 (ゴンチチ)
15.NDD/Night Dizzy Dance (ゴンチチ)
16.いま、会いにゆきます/時を超えて (松谷卓)
17.Before After メドレー (松谷卓)
18.Morricone Medley (オーケストラ・イマージュ)
19.風笛 (宮本文昭)  20.G線上のアリア (宮本文昭)
21.青の洞窟−Grotta Azzurra (葉加瀬太郎)
22.Color Your Life (葉加瀬太郎)
23.リベルタンゴ (葉加瀬太郎 with 小松亮太)
24.情熱大陸 (葉加瀬太郎 with 小松亮太)
〜encore〜
枯葉
My Favorite Things

 

ぜぇー、やっと書けました〜、、マラソンコース5周ぐらいした気分です〜。
最初のレポはやっぱり苦労しますが、これ読むのも大変。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
行った方で、「そこ違うんじゃないの?」というところがありましたら、ぜひご一報ください。
(kingyo 050418)

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