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ゴンチチの夏祭り

050730 kingyoのレポート@すみだトリフォニーホール

ゴンチチづくし

1月のXOツアー東京公演に続き、今年2回目のゴンチチ単独ライブです。live imageを入れると、なんと4回目のゴンチチ with 羽毛田さん。今年は図らずも、ゴンチチづくしになりました。
「夏祭り」は前回(2003年)参加しましたが、会場が日比谷野音の野外ライブだったので、私はすみだトリフォニーホールは初体験。どんなホールかというのもとても興味がありました。

錦糸町・隅田川大花火大会

まず、渋谷でいつものように羽毛田さんへの差し入れを購入。昨年の渡辺等さんライブで買い損ねてしまったおいしい「水羊羹」を、今回はちゃんと押さえました。そして、半蔵門線で錦糸町へ。けっこう時間がかかるけど、乗り換えナシの一直線です。電車の中には浴衣姿の娘さんがちらほら。お祭りでもあるのかな?
錦糸町という町をそんなに知っていたわけではないけれど、私の中のイメージでは「酒場・飲み屋街」って感じ。クラシックコンサートも数多く開かれているホールがあるような雰囲気とはちょっと結び付かなかったのですが、着いてみてびっくり。駅前再開発されたのでしょうか、巨大なビルがニョキニョキと建っていました。トリフォニーホールはその中の施設の一つでした。
錦糸町に着いて、もう一つ気が付いたことが。今日は隅田川の大花火大会だった!なんで浴衣姿がこんなに多かったのか、やっとわかりました。テレビ中継されるぐらいの大イベントなのに、全然知らなかった…。相模原の花火大会の日だってのは知ってたけど(笑)。

すみだトリフォニーホール・My Position

新しくできたビル群に沿って歩いていくとビルの2階に上がる外階段があって、それがトリフォニーホールの入り口でした。もう開場時間を過ぎていたので、チケットを切ってもらって中に入りました。さすがにクラシック系の催しが多いだけあって、案内の人々は丁寧で上品な感じ。ロビーは、天井は低いんだけど落ち着いた雰囲気でした。
ロビーでは、CD販売コーナーといろんなグッズ販売コーナーがありました。グッズも捨てがたかったんだけど、今回はまだ買っていなかった「おとなの夏休み」のサントラを買うことにしました。CD売り場でサントラの宣伝をしていたオニイサンの勢いがものすごかったというのもある…よよよと吸い寄せられ、気が付いたら「それください」と言ってました。
 
どきどきしながらホールに入って、最初にステージを見ました。なぜなら、今日のMy Positionは、Web先行発売開始直後にお金を振り込んだ成果か、前から二番目の少し左寄り(ほぼハケポジ)という特等席。でも、ゴンチチライブの「ハケポジ」は曲者です。羽毛田さんのキーボード席、ピアノ席が微妙にずれると、最後まで「音はすれどもお姿見えず」になってしまうからです。特に前の席のときは、客席と向かい合っているシンセサイザーが目の前にそそりたって「足しか見えない」悲惨なケースも。今回もWebで座席位置を確認して、最悪を覚悟していたのでした。
でも、ステージを見て一安心。トリフォニーホールのステージの高さは、なんと大人の膝上くらいまでしかなくて、座席に座ってもステージ奥までしっかり見渡せました。ステージの奥行きがあるので、シンセ席も少し後ろ気味。譜面台で表情は見えないけど、足だけじゃなくて手の動きなども見えそう。ピアノ席にいたっては、ほぼ真正面に椅子があって「まるっとお見通し」できる位置でした。今日は青柳誠さんとのダブルキーボードだったので、青柳さんのキーボードがステージの向かって右側にセットされていました。
開演までは、買ったばかりの「おとなの夏休み」サントラCDのクレジットなどを読みながら(羽毛田さんが編曲と演奏で参加していることをcheck!!)過ごしました。

ゴンチチ登場

開演前の定番曲「Tea for Two」が流れ、ゴンチチのお2人が登場…したとたんにどよめき、くすくす笑いが。スポットライトにきらきら輝くお2人のスーツは、松村さんがグリーンに光るブルー、三上さんが紫に光るグレー!!
ここにオーボエの宮本文昭さんがいて、live imageのときのオスカルのマントを着て立っていても、そんなに目立たなかったかも…ぐらいのハデさでした。お辞儀して席について演奏が始まっても衣装を見つめてしまって、あとで自分の口が開いたままなのに気が付きました。

第1部

 1. 放課後の音楽室(ギター・デュオ)
 2. sayang(ギター・デュオ)
 3. ping-pong-song(バンド/羽毛田さん⇒ピアノ)
 4. wind blow, tree sings(バンド/羽毛田さん⇒シンセ)
 5. 塩と太陽(バンド/羽毛田さん⇒ピアノ)

ライブはいつも「Birth of Sigh」とか「Another Mood」など、ゆったりしたデュオの曲で始まりますが、今日の1曲目は「放課後の音楽室」でした。ちょっとびっくり。
演奏後はいつものとおりチチさんのご挨拶。
「放課後の音楽室でした、もう終わりっていう感じですね」(それはたぶん会場のほとんどの人が感じていたこと)
「ゴンチチの夏祭り、昨日始まりました〜・・・・・そして今日で終わりでーす」
最初っから大笑いしてしまいました。そして「初めてナマのゴンチチを見るという人は拍手」があって(後ろのほうから、4分の1くらいな感じの拍手が)、隅田川の花火にもちょっとふれ(「ライブが終わる頃に花火が上がって、ダブルで楽しめる」)、もう1曲デュオで静かに「sayang」が演奏されました。やさしいけどつややかなギターの音で、会場の空気はすっかりやわらかに。
演奏が終わると、バンドメンバーがそっと登場しました。
羽毛田さん
は夏祭りバンドメンバー定番の黒っぽいFRED PERRYのポロシャツに、濃いグレーのズボン。靴がエナメルなのか、ピカピカしていました。ほかのメンバー(青柳さん、ベースの一本茂樹さん、ドラムの楠均さん、パーカッションの辻康介さん)も黒い服装で定位置に。

その間もチチさんのMCが続きます。「今日の衣装はどうですか〜?」 もちろんみんな大拍手。
3曲目は「ping-pong-song」青柳さんがいるので、木管パートはソプラノサックスです。やさしいタッチでピアノをはさんでいく羽毛田さん、指の動き1つ1つがはっきり見えます。どうやらここは、ドリームシートだったらしい。
「sayang」「ping-pong-song」も最新アルバム「XO」収録曲なので、
「XOというものすごくいいアルバムを出すことができて…」
とチチさんが言うと、客席から1人大きく拍手をした人がいました。
「ありがとうございます、1人だけですね」 またまた大爆笑。
「それで三上さん、どうですか〜?昨日はどうでした?」と早くも三上さんに振るチチさん。
「昨日は前衛的(?)で…体ボロボロ…疲れてます」 三上さんいつも以上に支離滅裂。
ところでこの翌日、お2人はパーカッションの辻さんとともにFUJI ROCK(苗場)に出演、その後8月はライジングサン(北海道)だそうです。ハードな夏フェスでますますボロボロになりそう…。
次の「wind blow, tree sings」では、羽毛田さんはシンセ席に移りました。最初の弾かない部分では、上を向いたり手や足でリズムを取ったり、楽しそうな様子。弾いているときは、私のところからは足と、キーボードの上を動く指が見えました。音を聴くだけでなく、こうして指や体が動くのがいっしょに見えると、聴く側も体全体で音を感じることができます。これ、ライブの醍醐味ですね。
羽毛田さんがピアノに移動した次の曲は、アレンジがずいぶん違っていて最初ちょっと???だったのですが、あとで「塩と太陽」だとわかりました。ナマで聴くのはたぶん初めて。青柳さんのフルート音のキーボードがすてきでした。終わったあと、チチさんからNHKFMの「世界の快適音楽セレクション」のテーマ曲、8月は放送ありませんので秋になったら聞いてください…と解説がありました。

 6. 星の夜 ゲスト:吉田美奈子(バンド/羽毛田さん⇒ピアノ)
 7. レインボー・シー・ラインゲスト:吉田美奈子
  (バンド /羽毛田さん⇒ピアノ)
 8. 愛があたためるゲスト:吉田美奈子(ボーカル&ギター)
 9. 約束〜誰も知らない(ウクレレ)
 10. cora〜動物達集まる【Hilo】(ウクレレ)

そろそろゲストコーナーかな、と思っていたら、最初のゲストの吉田美奈子さんが呼ばれました。
吉田美奈子さんといえば、私の世代だと山下達郎さんとのコラボレーションが有名なので、名前はよく知っていましたが、歌をちゃんと聴いたことがなかったので、いきなりの「ライブで初体験」となりました。
「星の夜」「愛があたためる」は塩谷哲さんの作曲で最近のナンバー、「レインボー・シー・ライン」は若い頃の作品で、「佐藤博さんという方が作った曲なんですけど…。」と曲紹介されたときには、昔からの美奈子ファンらしい後ろのほうのお客さんからたくさん拍手がおこりました。
「星の夜」では三上さんがエレキギターを弾き、終わると大きな拍手が。「レインボー・シー・ライン」では、青柳さんの素敵なテナーサックス・ソロがありました。
「愛があたためる」は、バンドメンバーが退場して、ゴンチチと美奈子さんだけで演奏されました。もともとピアノベースの曲で、ギターで歌うのは今回が初めてだったそうです(弦楽器の才能がまったくないもんで…と美奈子さん) 。

私は3曲とも初めて聴く曲でしたが、何風、とジャンル分けできないような独特な声と歌いまわし、雰囲気に圧倒されました。メロディーもとても美しかったのですが、美奈子さんがその一音一音全く音程をはずさないのにびっくりしました。音符の一つずつを大事に大事にのどから送り出していく感じ。特に低音がすばらしかったです。

曲間のトークでは、ゴンチチが参加する夏フェスの話になりました。8月のライジング・サンは美奈子さんも出演されるそうですが、次の日(7/31)のFUJI ROCKについては、ゴンチチが出演するステージが遠くて高いところにあるので、「高いところに行ってそのまま天国に行っちゃわないように」と美奈子さん。ぶっ飛んで笑うチチさん。その話の流れから、チチさんが2年前までギタリストのジミ・ヘンドリックスを知らなかった、という事実がまた暴露されました。「車に乗っててラジオから流れてきたギターがすごくうまかったんで、『これ誰?』と…」
三上さんは美奈子さんをゲストに迎えて大変緊張しているそうで、終始言葉少な。でも、美奈子さんが退場したあと、「演奏しながら涙がでてきました。」「感動のトンネルをくぐりぬけたような、まるで胎児になったような感じ」「・・・で、アイデアが浮かんだ…」
待ってました、と笑うお客さん。ここでチチさんが解説を。
「三上さんは、いい演奏をしたり気分が乗ってくると、老後の喫茶店経営のアイデアが浮かぶんです。どんなのが浮かんだか聞いてみましょう、三上さん?」
「それはまたのちほど。まだアイデアが熟してない。」 みんないっせいにガクッ!な瞬間でした。

この後は、ギターをウクレレに持ち替えて、ウクレレナンバーが続きました。
「約束〜誰も知らない」メドレーはlive imageでも披露されましたが、私は「誰も知らない」のメロディーが大好きです。ヨーロッパの映画の音楽にあるような旋律で、ウクレレが東欧の民族楽器のように素朴に響きます。
でも、この日もお客さんを圧倒したのは、やっぱり【Hilo】でした。たった2本のウクレレが出しているとは思えない音の迫力。2本が完璧に調和することで、音の化学反応が起こっているようです。特に最後の畳み掛けるようなフレーズは圧巻。「チャ・チャ・チャン」とエンディングを迎えると、今日も大きな拍手が起こりました。

 11. 花 ゲスト:加藤和彦with パトリック・ヌジェ
  (バンド/羽毛田さん⇒ピアノ)
 12. シンガプーラ ゲスト:加藤和彦with パトリック・ヌジェ
  (バンド /羽毛田さん⇒シンセだっけ?)
 13. 悲しくてやりきれない ゲスト:加藤和彦with パトリック・ヌジェ
  (バンド /羽毛田さん⇒たぶんピアノ)

ここで、バンドメンバーが登場するとともに、セッティングのためにスタッフもどやどやとステージへ。
次のゲストは、「めったに歌っているところを見ることができない」「僕たちにとっては『雲の上の人』」加藤和彦さんとアコーディオンのパトリック・ヌジェさんでした。加藤和彦さんは三線を首からさげ、中国雑貨店で売っているような運動靴とすずしそうな白シャツ、七分丈のズボンで登場でした。
「パジャマのままでスミマセン」と加藤さん。
三上さんはソプラノギター(普通のギターより1オクターブ高いそうな)に持ち替え、まず加藤さんの歌で「花」が演奏されました。私の目の前に加藤さんとヌジェさんが座ったので、羽毛田さんの姿がかなり見えにくくなりました。なので、このコーナーはちょっと羽毛田さんに関する記憶が飛んでいます。
加藤さんとゴンチチの最初の出会いはもう20年も前で、加藤さんのお宅にスタジオを作ったとき、最初にゴンチチが借りてレコーディングをした、というご縁だそうです。
 
次の「シンガプーラ」はシンガポールの現地名、なるほど海辺な感じの曲でした。
そして、加藤さんといえば私たちの世代は子供のころに聞いたザ・フォーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッパライ」ですが(子供たちはみんな「オラはシンジマッタだ〜」とあの声でまねしてました)、その後作られたとてもよい曲で、ゴンチチがどうしてもリクエストしたかった「悲しくてやりきれない」が、このコーナー最後のナンバーでした。この歌は、当時発売中止となった「イムジン河」の代わりに加藤さんが作った曲だったそうです。(知りませんでした!!)加藤さんはこれまでに3000曲ぐらい作曲してきたそうですが、これはその中でもご自身が好きな曲の上位に入るそうです。作詞はサトウハチローさん。私がごく小さかった頃の曲なので、サビの部分しか知りませんでしたが、こうして今加藤さんを目の前にして聴くのはとても感動的でした。そして、フランス人のヌジェさんがときどき加藤さんと目と目で微笑みあいながら、この日本の叙情的な曲を美しくアコーディオンで弾くところ、音楽って民族とかなんだとか、関係ないんだなぁと思いました。それは「イムジン河」に通じる真実なのでしょう。
 
ここで1部が終わり、休憩になりました。

第2部

 14. 三上さんと辻さんのセッション(ギター・太鼓)
 15. Acoustic eel(バンド/羽毛田さん⇒シンセ)
 16. 種明かし(バンド/羽毛田さん⇒ピアノ)
 17. 明日はきっと(バンド/羽毛田さん⇒ピアノ)
 18. かげろう(ギター・デュオ)

2部が始まっても、ステージには誰もいませんでした。スポットライトがチチさんの席だけを照らしていたので、めずらしいチチさんのソロかな?と思ったのですが、出てきたのはパーカッションの辻さんでした。太鼓(ジャンベか?)を抱えて、ソロで叩き始めました。すごい迫力でひとしきり叩いた後、三上さんが登場。青いギターを持っていました。そして、三上さんのギターと辻さんの太鼓でセッションが始まりました。以前、ライブビデオで「ソロゴンの梯」(三上さんのソロギターとパーカッションの梯さんのセッション)を見たことがありますが、そんな感じ。タイトルをつけるなら、「ソロゴンの辻」ですね。
迫力のセッションが終わると、バンドメンバーとともにチチさんが登場。激しくギターをひきまくった三上さんをねぎらうかのように、ポンと肩に手を置いて、モミモミ。
「三上さんはあとさき考えない人だなーと。」
「ちょっと体力使い過ぎました。」
「きつねか何かが乗り移ったみたいでしたよ。」
「ピックがけずれて半分なくなってしまいました。前は激しく弾きすぎてギターに穴が開いたことがある。」
とオドロキの告白。その穴にピックがささったそうです。

次の曲は、バンドメンバーとともに「Acoustic eel」でした。ライブの定番曲で、私の大のごひいきナンバー。いつもメンバーのソロの聴かせどころがあって、羽毛田さんはビブラフォンの音色でのソロでした。もちろんスポットライト付き。青柳さんはフルート音のソロ。これもとっても素敵でした。そして一本さんのベースソロもたっぷり。
さらにジャジーナンバーが続きました。これも私のごひいき「種明かし」。今度は羽毛田さんはピアノ、青柳さんはテナーサックスで、音をつぶした感じ羽毛田さんのピアノソロがすごくかっこよかったです。エンディングのチチさんのガッツポーズと羽毛田さんのグリッサンドの終点がピタっと合ってました。思わず「おーっ」と拍手しちゃいました。チチさんの「ありがとうございましたー」の声がかなり息切れしていたくらい、渾身の演奏でした。
次に、新曲の「おとなの夏休み」サントラからのナンバーが披露されました。まだドラマも観てないしCDも聴いてないので、まったくの初聴き。「明日はきっと」はおだやかでやさしい曲、羽毛田さんのピアノは高音でメロディーにやさしく寄り添っていました。こんなセンスのいい曲がバックに流れているって、どんなドラマなんだろう?次は絶対観なければ。
ここで羽毛田さんはじめ、バンドメンバーが退場。いよいよ「三上さんコーナー」本編が始まりました。
老後の喫茶店のアイデア、いいものが浮かんだのにさっきの辻さんとのセッションで飛んでしまった。ほんとに狐が乗り移った…と言いながらも、喫茶店構想を話し始めました。
隅田川花火にちなんだのか、その喫茶店は普通のときは沖縄リゾート風の癒し系オープンカフェなんだけど、突然シャッターが下りてショータイムが始まる。マスターが筒状の花火を抱えて登場し、発射する。中に閉じ込められたお客さんの「キャー」という悲鳴を外に出すそうです。ふだんは沖縄チックな音楽が流れていて、突然テラスにあったテーブルと椅子がゴムでひっぱられて店の中にしまわれ、シャッターが下りる。座っていたお客さんはひっくり返るけど、「そんなこともあります」ということで…。そのショータイムはいつ来るかわからなくて、癒しとびっくりが共存する喫茶店だそうです。今日は壊れ方が少々攻撃的な三上さんでした。
いろいろ問い詰めるチチさんに、また三上さんはそっぽ向いてギターをいじり始め、次のナンバーに移りました。同じくサントラからの曲「かげろう」は、チチさんいわく「悲しい場面とか回想するシーンで使われている」。これもやさしくて、ちょっとうつむいちゃうような曲調でした。

 19. 千鳥浜-ちじゅらはま- ゲスト:朝崎郁恵
 20. 十九の春 ゲスト:朝崎郁恵(バンド/羽毛田さん⇒ピアノ)
 21. マイル君とパプ谷のクリマロ君(ギター・デュオ)
 22. カリプソNo.8 ゲスト:高中正義(バンド/羽毛田さん⇒ピアノ)
 23. 憧れのセイシェル諸島 ゲスト:高中正義
  (ナイロン弦・鉄弦・ソプラノGの3本)
 24. 夏の理由 ゲスト:高中正義(バンド/羽毛田さん⇒シンセ)
 25. NDD-Night Dizzy Dance- ゲスト:高中正義
  (バンド/羽毛田さん⇒シンセ・ピアノ)

そして、次のゲストの朝崎郁恵さんが呼ばれました。朝崎さんは白や黄色などのとてもきれいな着物を着て、頭に緑色のふわふわしたものを飾っていました。チチさんが「きれいな衣装ですね」と誉めると、少しはにかむ朝崎さん。
「その頭の上の飾りはなんですか?」
「そのへんに生えていた草です。」
「こんなに草のよく似合う人はいないですよ。」
「誉められてるんだかけなされてるんだかわかりませんね。」
朝崎さんとチチさんのまったりしたトーク、面白かったです。朝崎さんは前もライブで聴いたことがありますが、とても緊張されていて言葉少なだったので、こんなに天然な感じで話す人だとは知りませんでした。心に響く素朴な歌声ですが、意外なことにご自身は自分の声が嫌いだとか。
曲は、最近出されたCD「おぼくり」から「千鳥浜」。「おぼくり」は奄美の方言で「ありがとう」という意味。奄美の歌は、人の人生をなぞらえたものが多いそうです。
続いて、バンドメンバーが登場し、三上さんはソプラノギターに持ち替えました。次の曲はやはり「おぼくり」に入っている曲で、スタンダードナンバー的な「十九の春」。今回のライブでは、最も羽毛田さんのピアノが前面に出た曲でした。恋しい人を想い、できればあなたを好きになった十九の春に戻りたいという切ない歌詞が、朝崎さんの素朴な声に乗って胸に食い込んでくるのですが、その言葉の一つずつを暖かいピアノの音が包んでゆく感じ。久しぶりに、羽毛田さんの「暖」なピアノを生で聴きました。今回のライブでの感動の頂点は、間違いなくこの曲でした。
朝崎さんはこの2曲で退場し、次の「マイル君とパプ谷のクリマロ君」はデュオで演奏されました。バンドメンバーはちょっと一休み。
 
次に登場したのは、今日最後のゲストの高中正義さんでした。白いスーツとサングラスで登場。
2年前の日比谷野音の「夏祭り」で初出演されて、今回が2回目。前は初めてだったせいか、チチさんが高中さんの生態に慣れていなかったのか、なんとなくぎこちない感じだったのですが、高中さんが言葉ではなくギターでしゃべる人だということがわかり(笑)、今回はかなりまとまりのよい感じでした。
でも、MC中に勝手にギターでしゃべりはじめる高中さんと、同じ生態の三上さんが同時にギターを鳴らし始め(加藤さんに敬意を表して「オラはしんじまっただー」のフレーズを合奏)、「やりにくい人たちです!」とチチさん文句を言ってました。
まず、 日比谷でも演奏された「カリプソNo.8」をバンドメンバーとともに。羽毛田さんはピアノでした。
次の「憧れのセイシェル諸島」は、三上さんがソプラノギターに持ち替えました。
「三上さんの持っているのはソプラノギターといって、普通のギターより1オクターブ高い音が出ます。高中さんがナイロン弦、ぼくが鉄弦という組み合わせでやってみます。」
同じギターでも弦によって音色が全然違うのは知っていますが、それを意識しながら聴くのは初めてでした。バンドメンバーは一休み。羽毛田さんはピアノ席で足を組んで、リラックスモードで聴いていました。(そして今日の給水ポイントはココ。)このセッションは長さが決まっていないので、延々と続きました。あまりに終わるポイントがやってこないためか、途中で高中さんが「んふふ」と笑ってしまうぐらい、長かったです。伴奏パートのチチさんも「いつ終わるのかなー」と思っていたそうな。
次の「夏の理由」は「おとなの夏休み」のメインテーマですが、CDでは三上さんがエレキギターを弾いています。これが「高中風」に弾いているので、「ぜひ高中さんにやってもらいたい」ということで、とっても貴重な「夏の理由」を聴くことになりました。羽毛田さんはキーボードの前でスタンバイしていましたが、曲が始まると客席のほうに向いて、なんと「手拍子要求」!!平均年齢はちょっと高めなお客さんたちでしたが、みんな素直に手拍子を始めました。高中さんのソロはさすがにバリバリ「高中風」でした!80年代の学生時代を思い出しました。流行ったもんな〜。この曲が終わって高中さんは退場しました。

長かったライブもいよいよ終盤。最後の曲の前に、バンドメンバーの紹介がありました。割とシンプルな紹介でしたが、羽毛田さんのときはすごく長くて、「この人がいなければゴンチチは成り立たないんじゃないかというくらいお世話になっている、キーボード羽毛田丈史さん!」の後に、三上さんが「ニュース通、ニュースの裏をよく知ってる」、チチさんが「なんでも知ってる羽毛田丈史さん!」。羽毛田さんはにこやかに両手を振っていました。そうなんだ、羽毛田さんてニュースの裏通なんだ。どんなニュースの裏を知っているんだろう…としつこく考えてしまいました。きっと他のお客さんも…。
最後の曲は、大人気の「NDD-Night Dizzy Dance」。羽毛田さんは、最初キーボード席にいて、なんとここでも手拍子要求!そして、曲の途中でピアノに移りました。
「NDD」は「踊れるゴンチチ」ナンバーですが、佳境になるとほんとに立ち上がって踊ってるお客さんがいました。それくらいノリノリな演奏でした。そのノリノリに拍車をかけたのが、途中でいきなり登場してビックリ!だった高中正義さん。ギターが…ギターがサーフボード型だったんです!あんまり正確じゃないけど、おおよそ右の絵みたいな感じ。
自分の背丈以上もあるギター(しかもめちゃくちゃ重いらしい)を振り回して、ステージを駆け回っている高中さん、尊敬しました。よく、ロックのコンサートなんかでギタリストが客席に乗り出してギターを弾いたりしますが、あまりそういうコンサートに行かないので私は経験なかったのですが、ここで思いがけず経験しちゃいました。うーん、前から2番目でよかった!さすがに高中さんの息遣いはかなり荒かったです。

高中さんの驚愕のプレイに会場大興奮、もう気温も確実に上昇してる状態でライブが終了。羽毛田さんも、チチさんとにこやかに言葉を交わしながら、いったん退場。
大拍手はすぐ、ちょっと早めの手拍子に変わりました。ほどなく、アンコールのために、チチさん、三上さん、そしてバンドメンバーが登場…あれ?羽毛田さん着替えてる。汗かいたのかなと思っていたら、チチさんが「おとなの夏休み」のCDが(それから「XO」も)ロビーで売っているという宣伝とともに、「ジャケットと同じミック・イタヤさんの素敵なイラストのTシャツも売っているのでぜひ」と紹介しました。「羽毛田さんとドラムのクスちゃんに着てもらいました。前に出て来てください。」と促されて、羽毛田さんは前へ。スポットライトを浴びながら、くるっとターン。そして輝く笑顔でお客さんにアピール…しかも足はJJモデルばりの「モデル立ち」面白すぎます、羽毛田さん!ということで、写真を撮るわけにいかなかったので、イラストにして残しておきます。

アンコールは、「XO」収録曲で、ジャキス・モレレンバウムさんが美しくアレンジされた「Lovers」。ストリングスパートを聴いたとき、チチさんが涙を流したという曲で、羽毛田さんはシンセのストリングスパートを受け持っていました。
この美しい曲が、フルコースのあとのおいしい日本茶のようで、盛りだくさんだった内容がすっきり体におさまりました。
「お祭り」らしく多彩だったけど、まとまりのよい、後味のよいライブでした。

<余談>
とうとう楠均さんがドラムをたたく姿は、一度も見えませんでした。
この日楠さんをはじめて見たのは、ミック・イタヤさんの白いTシャツを着て羽毛田さんとポーズをとったときでした。

私のライブレポって、字がぎっちりで読んでると目が疲れるので、ちょっとビジュアル的に工夫してみました。いっしょに行ったみなぞうに頼んでイラストなんかも描いてもらったりして…。
でもやっぱり疲れる。自分で書いてても疲れる。最後まで読んでくださった方、ほんとに感謝してます。なんせ長いライブだったので、、、。
どうしてもつらい方は、印刷して読んでもらうと多少楽だと思います。
それから、この日に 行かれたみなさま、特に心に残ったことなどの感想とか、補足とか、ぜひお願いしますね。ずっと待ってますよ〜。(kingyo 050807)

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