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live image 5 東京公演(4日目)

060514 kingyoのレポート@東京国際フォーラムホールA

本年度の私のlive image三部作の最終章は、あの「特別な場所」、東京国際フォーラムです。
正直言って、この4daysは出演者の皆さん、特に出たっぱなしのオケの皆さんと羽毛田さんにはめちゃくちゃきついはず。
毎日5000人、計20000人(土日公演は完売)に見つめられて3時間半。それだけでもぐったりしてしまいそうですが、今年の曲目は技術的にも特に大変…。
おまけに羽毛田さんはピアノを弾くだけでなく、太鼓を連打しなければならないし、木鐘も忘れずに叩かなければならないし…。
最終日の公演を選んだけれど、果たしてそれでよかったのかなぁと思いつつ、でも開演前は先ごろリニューアルした丸の内の丸ビルでおいしいパスタを食べ、遊びまくってからフォーラムに向かいました。
(丸ビルはフォーラムと目と鼻の先です。他の地域から東京公演に来られた方は、時間つぶしにオススメ!)

国際フォーラム、そしてMy Positionについて

歩いてフォーラムに入ると、中庭でフリーマーケットみたいなことをやっていて、人がいっぱいでした。総ガラス張りの建物に囲まれた中庭を、「ここで地震にあったらいやだねぇ」と友達と話しつつホールAへ。ちょうど開場が始まったばかりで、お客さんが続々と集まっていました。
短いエスカレーターを上りながら、右手に飾ってある花輪をチェックしようとしたけれど、最近ちょっと視力が落ちてるのでどこから誰宛てにというのがちゃんと見えませんでした。

エスカレーターを上りきると、正面に物販コーナーがあります。もう3回目だから何も買うものはないでしょう、と自分でも思いましたが、もう1枚プレゼンツーを買っちゃいました。
名古屋での羽毛田さんのセールストークが頭の中でぐるぐるまわって…じゃなくて、ちゃんと機械でラッピングしたのもほしかったんです。私のは全部、手仕込み by マネージャーさんの川口版だったので。そのうち誰かにプレゼンツーしよう…。

フォーラムには、いつもバーがあって飲み物が飲めるのですが、当然それには見向きもせず(だって休み時間にトイレに行くことは避けたいし)、さっそく今回の座席に向かいました。
今から考えると、今回の三点観測は本当に恵まれた座席配分だったなぁと思います。前から2番目の真ん中に始まり、バルコニーの一番前からめったにない角度で羽毛田さんをウォッチし、そしてこのフォーラムは、バランスよく音が聴けそうな27列目のやや右寄りでした。結果的には、それまでの2公演では得られなかった音的満足感を、最後に楽しむことができました。

ところで、フォーラムに来るたびに毎回不思議に思うのですが、フォーラムの高い高い天井は、なぜいつも煙っているのだろう?照明の光線をやわらかく反射させるために、何かスモークみたいなものが出ているのかな?ステージにスポットライトが当たると煙が動いているのがよくわかるんです。不思議。あれは吸い込んでも平気なの?

さて、前回の三点観測(一昨年)と同様、今回もシメは「〜だったことシリーズ」で行ってみたいと思います。

川口・名古屋と違っていたこと

まず、一番最初に気がついたのが、小松亮太さんの「ダバダネタ」です。川口・名古屋とも「この曲の題名は決してダバダではありません!“目覚め”です!」とアンチ・ダバダを貫いていた小松さんですが、東京では一転「ダバダでも目覚めでも結構です、みなさんお好きな呼び方で呼んでください」と柔軟路線に。小松さん!いったい何があったの!?
・・・・それより、結論としてはどっちなんだろう?広島でのMCが、最終決着ということでしょうか。

小松さんのコーナーでもう一つ、違っていたのが「夢幻鉄道」のMC。
男の子というのは、怪獣・戦隊モノ・電車のどれかに好みが分かれるけど、ご自分の3人のお子さんは全員「電車マニア」だった、というお話。
これは川口では「自分の電車好きの子供のために作った」程度、名古屋でもさらっと流す感じだったのですが、東京ではずいぶん詳しく話していました。また、この曲は2003年のツアー中に作り始めた曲だったそうです。その後紆余曲折あり、中断したりして、やっと3年かけてできあがったとか。そんな話も、今回初めて聞きました。
その後曲に入るのですが、今回初めて「パーカッションは羽毛田丈史!」と羽毛田さんのことを紹介してました。リピーターはすでに知っていることだけど、もちろん知らないお客さんも大勢いるので、どよどよっと驚きの声が上がっていました。私の後方にいたお客さん一群は、「えぇっ!」とものすごく驚いていました。ぶふふ、羽毛田さん、受けましたよ〜。<ネタじゃないって。
やはりバランスよく音の聴けるポジションだと、この曲のユニークさ、多彩さもより感じることができました。
ところで、羽毛田さんを紹介、といえば、宮本さんのコーナー。ご自分のラストアルバム“THANKS!”の話のとき、川口、名古屋(めんどうなので以下K/N)では「live imageにご出演の方にも参加していただいています」と“誰とはいいませんが”な紹介だったのですが、今回は「加古さんにも羽毛田さんにも曲を書いていただいています。」と名前を挙げて紹介していました。きっとTHANKS!も売上倍増?!
THANKS!は先に聴いていたので内容はすでに知っていたのですが、「明日への記憶」が今話題の渡辺謙さん主演の映画のテーマ曲だと聞いて、あ、そうだそうだと初めて気がつきました。すばらしい曲ですが、これは「風笛」と同じ大島ミチルさんの作品。加古さんの「Swan Song」(象徴的な題名…)、羽毛田さんの「朝の祈り」もとても好きですが、そのほか羽毛田さんといっぱいいっしょにお仕事をされているハープの朝川朋之さんや、鳥山雄司さんなど、どの曲もほんとに素敵です。プレイヤーとしての最後に、こんなアルバムが作れたら、思い残すことなんてないんだろうな…宮本さんにはやめてほしくないけれど、そんな気がします。

ひとつ、「ここは東京だな〜」としみじみ思ったことがありました。
東京公演はもともと、お客さんがなかなか立ち上がらないし、爆笑も起こらないクールな雰囲気があります。それがここ数年、リピーターが増えたせいもあってずいぶん熱いノリを見せるようになってきたのですが、それでもまだまだ他の会場に比べて冷静な感じです。
今年前代未聞の「第1部からスタンディング」を実現したヌニェス兄弟ですが、やはりフォーラムで全員を立たせることはできませんでした。おそらくリピーターと思われるお客さんがあちらで数人、こちらで数人、前方はかなり多めに立ち上がる感じ。私もためしに立ってみましたが、まわりはひょーっと冷たい風が流れていました。
なんせ広い会場なので、「ノリ」とか「笑い」の空気が伝播しにくいというのもありますが、これはやっぱり東京気質かな。自分が立とうと思ったら立つ、なんとなくまわりの人が立ったから…というのがないのです。(でも嫌いじゃないです、その感じ。)
だからこそ、この東京で全員を総立ちにさせ、スタンディングオベーションを得ることができるようになったlive imageって、すごいと思うのです。

川口・名古屋と同じなんだけど、初めて書くこと

ゴンチチの「楽しみな週末」のアンリ・カルティエ=ブレッソン、「夕空暮色」の中野裕之さんと、今ツアーもバックのスクリーンに映し出される映像にはとても力が入っていましたが、葉加瀬太郎さんの「アンダンテ・カンタービレ」のバックにも、すばらしいCG映像が。CG作家の原田大三郎さんの作品でした。原田大三郎さんといえばビデオ・パフォーマンス・ユニットの“ラジカルTV”、“ラジカルTV”といえば、アイカタは庄野晴彦さん、庄野晴彦さんといえば…はい、PS2のゲーム「かまいたちの夜2」で見事なCG映像を制作された方です!そして「かまいたちの夜2」といえば、羽毛田さんは音楽担当!つながったよぉ〜。

さて、毎回同じなんだけど、今回のポジションで初めて気が付いたことがありました。
小松さんの「夢幻鉄道」、電車の規則正しい音を弦で表しているために、ストリングスの皆さんは大変だなと思って聴いていたのですが、もっと大変な人たちを発見しました。「ザザザザ」と果てしなく弦を刻み続ける2人、それも最初から最後までそればっかり・・・。ベースの渡辺等さんと鬼怒無月さんでした。すごい。まさに弦職人!

そして、これは絶対書いておきたかったこと、 加古さんのピアノの音について。
以前から、また単独コンサートにも行ってみて、加古さんのピアノの音というのは、余韻があるというか、鍵盤を押したあと、音が空気に溶け込んでいく様が目に見えるような気がしていました。とっても細かいパウダーが均一に散っていくように、音がふわっと散って消えていくような。今回、名古屋でもそれを感じたし、東京でもまたそれを感じました。
名古屋では特に、「博士の愛した数式」の最後、鍵盤から離した指先から、本当にパウダーが散っていくのを見た、と思ったくらいでした。とても端整で、余分なものが全くない、完璧な音のパウダーの広がり…。
以前楽器を習っていたとき、そんな風に最後を終わらせなければならないと教えられて、それでもなかなかできなかった、その理想の形、ああこれだったのかと、加古さんの演奏の最後の音を聴いて、いつも思います。

うらやましかったこと

live imageでステージから客席に向けて投げられるものといえば、NAOTOさんのシェイカー、楽日のバイオリン、そしてごくまれにゴンチチ三上さんのマスコット…と相場が決まっていますが、なんとなんとなんと!ヌニェス(弟)のシュルショさんがテーブルを驚きの速さで叩きまくるパフォーマンスの後、そのスティックを客席の前の方の人に投げたのです!
なんで川口で投げてくれなかったんだ…私はちょうどあのあたりに座っていたのに…と指をくわえて眺めるしかなかった27列目の私でした。
カルロス&シュルショ兄弟は、ツアーをともにしてすっかり羽毛田さんとも打ち解けた様子。アイリッシュ・リールでは、シュルショさんが羽毛田さんのピアノ椅子に一緒に座ってボーランを楽しそうに叩いていました。

おもしろかったこと〜MC大王

live imageの元祖MC大王といえば、ゴンチチ。
今年の川口レポの最初に「これからこのライブのプロデュースは年々難しくなっていくだろう」と書きましたが、なんとゴンチチ三上さんもある種の危機感をお持ちでした。
このままではlive imageは生き残っていけない、と三上さんが思いついたことは…ゴンチチの女性マネージャーさんは熱烈なジャニーズファンで、楽屋でもずっとKAT-TUNのDVDが流れているそうなのですが(三上さんは赤西君にドキドキ?)「ジャニーズとイマージュは似てる」ので、「われわれはキンキ・キッズに対抗してキンキ・オールド」とか、「イマージュ・ジュニア」とか「関ジャニがあるから関イマ」とか…。パフォーマンスも、加古さんの「パリは燃えているか」でピアノの端が燃え始めて、羽毛田さんが登場して「気候大異変」を演奏すると雨が降ってきて燃え上がったピアノの火が消える、NAOTOたちストリングスチームは、お休みのときバック転をしながら退場をして行く…、などなど。そうじゃないと「これから生き残っていけない!」
アンコールでは、葉加瀬さん、加古さん、ゴンチチ、羽毛田さんら「選りすぐりの関西人」が共演しますが、葉加瀬さんが「関イマです」と言って、会場大爆笑でした。

もう一人のMC大王宮本さんは、例のごとく真っ赤なオスカルで登場、何も言葉を発さないうちから会場がくすくす笑いに包まれました。
「ただいるだけで笑いがとれるのはマギー四郎さんと私くらいなもので、芸人冥利につきます」、そしてマギー四郎さんの真似を始めました。ついにここまで来ちゃったかと唖然とする余り、なんといって口真似したかは忘れちゃいました。
そんな宮本さんに、会場から女性の声で「かっこいい!」と声援が飛んでいました。最終公演なのに「まだ衣装の請求書が来ていない。」いったいいくらだったか、というのも気になりますが、このあとその衣装をどうするのかというのも気になるところ。来年のlive imageには、以前のマンボダンサー、腰蓑、たかみーも全部持ってきて、コーナーごとに衣装を換えて司会をしてほしいです。
そんな宮本さんに「オーボエやめないで、話しやめたら」と葉加瀬さんが言う、という話が会場にドッと受けました。それをカメラのほうを向いて「葉加瀬さんのネタが受けてますよ」と楽屋モニターを見ている葉加瀬さんに報告する宮本さん。
あとで葉加瀬さんが「モニタを通して話しかけるのはやめてほしい」。バックステージでも大笑いなんだろうなぁ。

けっこう意外だったこと、ほか

アンコールの「As Time Goes By」での、葉加瀬さんの「選りすぐりの関西人」は、川口ではなかったネタだったので、西日本の会場でだけ言うのかなと思っていたのですが、各地でウケがよかったせいか、東京でも関西弁で「なんかじみ〜ですが、、、選りすぐりの関西人を集めてみました。」が出ました。すごく受けてたなぁ。
ところで、以前は葉加瀬さんはかなりきっちりと、静岡-糸魚川構造線あたりで標準語と関西弁を使い分けてMCをしていましたが、今回は東京でもけっこう関西弁を使っていました。

で、今回私は静岡-糸魚川構造線をまたいで参加したわけですが、ひとつとっても疑問に思ったことが。
関東と関西、いろいろとま逆なことがありますが、一番困るのがエスカレーターで左右どちらを空けて立つかということ。関東では左に立って、右を空ける。関西では右に立って、左を空ける。大阪と東京を行き来するとき、やっと慣れたと思ったらまた逆になるのでいつも困るんです。
この習慣の違いも、きっと静岡-糸魚川構造線で分かれるんだろうと思っていたのですが…ナント名古屋のエスカレーターでは、東京と同じく左に立って右を空ける、だった!
これはまた新たなリサーチが必要だ!全国をまわっている羽毛田さんなら、知っているかも。
でも、前「トリビアの泉」でやってたけど、ほんとはエスカレーターはみんな止まってないといけないんですってね。歩いて上り下りする人を通すために空けること自体、まちがいみたい。

今宵の羽毛田さん〜演奏とセールストーク

私が今年一番パワーを感じた羽毛田さんのステージ。東京でも、よりよい音環境でじっくりと聴けました。でも、聴けば聴くほどまた聴きたくなる…。磁石みたいな3曲でした。
特に「里山」は、カルロスさんのホイッスルが回を追うごとに曲と一体化して、東京ではアドリブも交えながら、ご本人も本当に気持ちよさそうに吹いていました。
「Earth in Crisis」の宮本さんといい、今回は素晴らしい共演者を得て一層楽しめるステージだったと思います。「Earth in Crisis」の前、「さっきからこれが最後最後と言っていましたが…」みたいにお笑いな感じで宮本さんを紹介していた羽毛田さんですが、この日は本当に宮本さんのラストステージだったので、「この方と一緒に仕事ができたことは僕の人生の宝物です。」と感動的なコメントで紹介していました。
この前の宮本さんのステージで、すでに涙腺がゆるみかけていたので、この言葉は胸にジーンと来てしまいました。羽毛田さんがピアノを弾き、宮本さんがオーボエを吹く。この見慣れたショットも、これが最後なんだな…。考えてみれば、live imageがなければ実現したかどうか、という運命的なツーショットなんだなと思いました。しかも宮本さんは黒地に緑のハデハデ衣装だし…まさにlive imageが生んだ奇跡の絵だ!
演奏が終わったあと、羽毛田さんがお辞儀をしている間に宮本さんがスタスタスタと退場してしまったので、羽毛田さんが宮本さんをコールしようと顔を上げたときにはすでに誰もいなくなっていました。羽毛田さんは苦笑いしながら上手に向かって手を上げていました。
ところで、欲を言えばやはり「Earth in Crisis」はオリジナルと同じ青柳誠さんのソプラノサックスでの演奏も聴いてみたかったな。一番欲張りなのはあんたでしょって話ですが、西日本ツアーも行ってみたかった!

回を追うごとに脂が乗って来たのは演奏ばかりではありません。羽毛田さんのセールストークはますますすごい。また今日も1枚買ってしまった。
ここでも他会場と同じように、「1枚目がプレゼンツだったので、今度はプレゼンツーを作りました。」とか、「ここでしか買えないものを」という感じでセールス(?)していました。それから、三上さんネタをすくって「トゥーランドットは難しい曲だけど、オーケストラ・イマージュのNAOTOくんが見事にこなしてくれました。でもNAOTOくんはバック転してバイオリンを弾いたんじゃないんですよ、、、イナバウワーをして弾いたんです。」羽毛田さんて、ほんとに「イナバウワー」という言葉が好きみたい…。笑いが取れたかどうかはイマイチよくわかりませんでしたが、、、。
でもこれってあながち単なるギャグってわけでもないですよね。
NAOTOさん、ほんとにイナバウワーしてバイオリン弾くもの。私「Violin Summit '06」のテレビ放送でみたもの。イナバウワーというよりブリッジだったけど。
そんな大ツボではあまり笑ってくれなかったお客さんですが、なぜか「いろいろ買うものがあると思いますが、プレゼンツーを買うもよし…買うもよし。」でみんなやたらと笑っていました。なんかツボが違うよ。

“愛”を感じたこと

一昨年の三点観測では、ファイナルの柏木広樹さんのバニー姿に愛を感じた私でしたが、今回はなんといっても情熱大陸・らぶ・カルロス!
葉加瀬さんのコーナー、「リベルタンゴ」が終わったところで葉加瀬さんが小松亮太さんをコールしてみんな拍手、そして葉加瀬さんがカルロスさんを呼んで「情熱大陸」、というのが今ツアーのお約束だったのですが、小松さんの演奏がとても素晴らしかったので、葉加瀬さんが「小松亮太にもう一度拍手を」と再度コールしたのです。
すると、舞台下手からカルロスさんがちょこちょこちょこと出てきて、手を振りながらにこにこ。お客さんやオケの人々が先に気付いて、くすくす笑いと気まずーい雰囲気が…。
葉加瀬さんも異変に気づき、後ろを振り返るとカルロスが、あれ、なんか変?みたいな表情で立っていました。葉加瀬さんが「あれ、カルロス、なんかまちがっちゃったみたい。」
言葉の分からないカルロスさんは、葉加瀬さんが自分のことを紹介したと思ったのか、「タロー、トモダチ」と言って葉加瀬さんの肩を抱く…。
その後、珠緒ちゃんがカルロスさんに耳打ちして、ことの次第を理解したカルロスさんでした。ちょっと戸惑い気味なカルロスさんの姿に、私の心は「愛120%」になりました。またlive imageに来てね、ヌニェス兄弟!!

感動したこと

宮本さんのラストパフォーマンスはやはり涙なしでは聴けませんでした。
「これが最後の風笛です」とおどけながらも、丁寧で心のこもった演奏。毒舌でクールに見えるけど、きっと宮本さんてピュアで照れ屋でやさしい方なんだろうなと思ってしまうのは、やはりこの澄んだオーボエの音色がほんとのことを教えてくれているような気がするからでしょう。
これが最後というのは、オーケストラの皆さんももちろん感じていたと思うのです。「風笛」も「smile」も、いつも以上に感情のこもった演奏だった気がします。
吹き終わった後、「終わってしまいましたね」と宮本さん。どんなことにも終わりがあるからそれは仕方ないけど、やっぱり名残惜しい。でも、少なくとも宮本さんのlive image最後の演奏に立ち会えて、よかったと思いました。

最後と言いながら、その後羽毛田さんの「Earth in Crisis」、そしてアンコールの「My Favorite Things」に、それぞれ別の衣装に着替えて、ニコニコしながら登場した宮本さんでしたが、その「My Favorite Things」でサプライズが!
私は肉眼ではアーティストの表情が見えなかったので、羽毛田さんの木鐘(コンコーン)と儀式(まわりの人がお辞儀をする)をしかとこの目で確認しようと、双眼鏡でステージをチェックしていました。すると、上手のほうでなんだかバタバタしている人たちが。キーボード席にいた松谷卓さんが、青柳誠さんとなぜか入れ替わろうとしていて、お互いの楽譜を交換したり、キーボードのスイッチを切り替えたり、とってもあたふたしていたのです。
何かトラブルでもあったのかな、と下手の羽毛田さんや葉加瀬さんを見ると、平然としている…。加古さんのいつものイントロのフレーズがあって、羽毛田さんのコン・コーンがあって…あれ、今回もだれもお辞儀をしていないなぁと思った瞬間、突然スクリーンに宮本さんの写真とメッセージが映し出され、オーケストラが「風笛」を演奏し始めたのです。
客席も宮本さんもびっくりしていると、葉加瀬さんが司会で宮本さんのお別れセレモニーが始まりました。まず、羽毛田さんがとっても重そうな大きな花束を宮本さんに渡し、続いてNAOTOさんがこれまた大きな寄せ書きのボードを渡しました。
羽毛田さんが宮本さんに何か耳打ちをして、宮本さんがうなずくと、葉加瀬さんが会場を制してみんな静かに。宮本さんが、最後に「風笛」のエンディングのカデンツァの部分を聴かせてくれました。大きな拍手と歓声の中、パーカッションの合図で「My Favorite Things」が再開。
カルロスさんに順番が回ってこようか、というときに、舞台下手の袖のあたりでスタッフの人たちがバタバタと何かをし始めました。なんと、ファイナル名物のスタッフ手作り凱旋門が!英語でヌニェス兄弟へのメッセージ、日本語で宮本さんへのメッセージが書かれていて、それが立てられるとヌニェス兄弟は大喜び、その横断幕に向かってホイッスルを吹いていました。横断幕には電飾が付いていて、途中でピカピカと光り始めました。まるで宮本さんのオスカル衣装のように…。

東京総括

最後に、全員並んでお辞儀をするところで、宮本さんは自分の立っていた上手から、順番に一人ずつと抱き合っていきました。
すると、それを見た下手のヌニェス兄弟が、逆に向かって一人ずつとハグ。お客さんとお別れするだけでなく、ステージの上でも感動のお別れ会が行われました。
宮本さんは、自分より上手側に立っていた松谷さんとは抱き合っていなかったのですが、最後には葉加瀬さんたちを振り切って、ちゃんと戻って松谷さんともハグ。本当にやさしい誠実な方なんだなぁと、ここでも思いました。
東京連続3日をこなした後の4日目ってどうなんだろう、と思いながら参加したけれど、終わったあとは、本当にこの日を選んでよかったと思いました。この日を指定してくれた友達に感謝。 とてもとても恵まれた、今年の三点観測でした。

演奏曲目

○第一部
1.Joyful Air Line (オーケストラ・イマージュ)
2.いま、会いにゆきます/時を超えて (松谷卓)
3.県庁の星テーマ/真実を求めて  4.輝く星 (松谷卓)
5.目覚め〜ネスカフェゴールドブレンドのテーマ  6.夢幻鉄道 (小松亮太)
7.ガブリエルのオーボエ〜“ミッション”よりボレロ (カルロス・ヌニェス)
8.星になった少年 ブラザーフッド・オブ・スターズ〜ファンタンゴ〜 (カルロス・ヌニェス)
9.アイリッシュ・リール(メドレー) (カルロス・ヌニェス)
10.Turandot Medley (オーケストラ・イマージュ)
11.黄昏のワルツ (加古隆)
12.虹が架かる日〜NHKスペシャル「日本の群像」テーマ曲〜 (加古隆)
13.映画「博士が愛した数式」より愛のテーマ (加古隆)
14.パリは燃えているか (加古隆)

○第二部
15.楽しみな週末 (ゴンチチ with 小松亮太)
16.夕空暮色 (ゴンチチ)
17.忘我の調べ (ゴンチチ)
18.放課後の音楽室 (ゴンチチ)
19.風笛 (宮本文昭)  20.smile (宮本文昭)
21.地球に乾杯 (羽毛田丈史)
22.里山 (羽毛田丈史 with カルロス・ヌニェス)
23.Earth in Crisis〜NHKスペシャル「気候大異変」テーマ曲 (羽毛田丈史 with 宮本文昭)
24.交響詩「希望」Symphonic Poem "Hope" (葉加瀬太郎)
25.アンダンテ・カンタービレ〜ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467より第2楽章 (葉加瀬太郎)
26.リベルタンゴ (葉加瀬太郎 with 小松亮太)
27.情熱大陸 (葉加瀬太郎 with カルロス・ヌニェス & 小松亮太)
〜encore〜
As Time Goes By
My Favorite Things

「めんどうなので以下K/N」とか書きながら、その後一度もK/Nなんて使ってないじゃん、と今心の中でつっこんでるアナタ、熟読してくださってありがとうございました。(060603 kingyo)

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