live image 京都−平安神宮 月夜の宴−
070915 みなみさんのレポート
前日までは都心も比較的涼しかったのに、予報では30度以上の真夏日。しかも京都は盆地。さぞかし蒸し暑いことだろう…と覚悟はして行ったのですが、実際その地に降り立った時の暑さといったら! やっぱり暑い!(笑) でも、1週間前の予報では雨だったことを思えば、よっぽどマシです。このまま雨よ夜も降らないで!
暑いと言ってもすでに季節は9月も半ば。18時も過ぎるとあたりは急に薄暗くなっていきます。道行く人はほとんどがlive imageのお客様らしき方ばかり。それもまっすぐ平安神宮に向かっているんですから、上空から見たら行列を成す蟻のように見えるかもしれませんね(苦笑)
会場前のテントではカッパが売られています。kigyoさんのアドバイスをもとにわざわざ自宅からカッパ&ゴミ袋を持参していたのに(しかも友人の分まで)、「いや、降らないだろう」とコインロッカーに置いてきてしまい…それでも会場についたら急に不安になって、結局買ってしまいました。
席は6列の30番台前半でした。これまた油断して双眼鏡までロッカーに置いてきてしまったのですが(重かったのに!)、何とか肉眼で見える距離だったので助かりました。位置的にはパーカッションの前で、羽毛田さんを斜め後ろから見る席。野外なのでスクリーンがなく、手元が見れないのが少し残念。そして、ステージの後ろの肝心の平安神宮が全く見えず、これまた残念。そういう意味では、後方の座席の方は全体を見ることができて、より荘厳な雰囲気を感じられたのではないかなと思います。
チチ松村さんが雨男と聞いていたので、最初に登場するゴンチチタイムのお天気を一番心配していましたが、何とか持ちこたえられそうな重い曇り空で開演。
つい二日前に浜離宮でのゴンチチを堪能したばかりだったので、いつも以上に親近感が勝手に湧いていた私。お二人はおなじみの白いスーツで登場。浜離宮では、ギターをスピーカーにはつながずマイクで音を拾うだけのアコースティックスタイルだったので普通の茶色いギターだったのですが、live imageではおなじみの赤いギターがセッティングされていました。
01.君と住む街で/ゴンチチ
02.放課後の音楽室/ゴンチチ
「君と住む街で」で、気持ち良さそうにピアノを奏でる羽毛田さん。のハズでしたが……ピアノが加わってすぐの箇所(主旋律を担当する部分)で、まさかのミス?! メロディを外してしまったのでした(涙)。高音に行くべきところが、低音に下がってしまったのです。。。背中越しなので表情は見えませんでしたが、一瞬右手が彷徨ってました。貴重なシーンを見れたような、見てはいけないものを見てしまったようなハラハラな瞬間でした。
「放課後の音楽室」は羽毛田さんお休みです。
03.地球に乾杯/羽毛田丈史
04.失われた文明 インカ・マヤ/羽毛田丈史 with 元ちとせ
いよいよ御大の出番です。本日の衣装は黒地に白のストライプが入ったスーツ。インナーには白いシャツを着ていらっしゃいました。左胸のポケットには薄いピンク色のチーフが。古澤巌さんを思わせるダンディな出で立ちにトキメキ(笑) これもハッチーさんお見立ての新しいスーツなのでしょうか(それとも、live image6で出番のなかったもう一着??)。
「地球に乾杯」「失われた文明」ともにlive image6で聞いている曲ではありますが、これまでの羽毛田さんのimage曲の中でも特に好きな曲ですし、野外ではどう響くのかとっても楽しみ。今回はパーカッションが大石さんで、非常にダイナミックな演奏だったのが印象に残っています。単にパーカッションは野外だとすごく響くのかな? と思っていたのですが、連れも「あのパーカッションの人、すごかったね」と言っていたので、野外だからというわけではなさそう。特に大太鼓の音がよく響いていて、太鼓というよりも銅鑼のような強い音のインパクト。大石さんってこんなに力強い演奏をする方だったっけ…?と思うほどでした。
「失われた文明」では、大石さんの力強さが存分に生かされていて、ホールで聞く曲とは全く違う雰囲気に感じられました。
曲の持つ荘厳は雰囲気はもとより、元ちとせさんの声が何とも言えない暖かさと力強さと、そして気高い空気感を放ち、「この曲はここで演奏されるために生まれたのかもしれない」とさえ思いました。
私は初めての生・元ちとせさんだったのですが、彼女の声が平安神宮の空に溶けていくように私にはみえました。この頃には、重かった雲もどこかへ消えて、星すら見えるほどの天気に回復。時折境内を通り抜ける風が秋の気配を感じさせます。
05.ミヨリの森/元ちとせ
この曲も平安神宮で聞くと、森の中で聞いているような「包まれている感」をより一層感じますね。羽毛田さんとのトークでは「最初は(羽毛田さんが)ちょっと嫌な人かな、と思ったんですけど」と爆弾発言。聞いているこちらがドキドキしました(笑)。羽毛田さんも急に言われてビックリしたのか遠慮したのか、関西的なツッコミは特になく、客席も笑っていいのかどうか、という空気に……(汗)。ライブならではのスリルです。
06.Endless Story/伊藤由奈
07.Precious/伊藤由奈
伊藤由奈さんの生歌は初体験です。どちらの曲も「抜けるようないい声だな〜」と思いながらCDを聞いていました。ただ、伊藤さんに対しては洋楽っぽい雰囲気も感じていたので、それが平安神宮という伝統的な日本文化に出会ったときにどんな化学反応が起こるのかな、と想像しきれない部分もありました。
それに、live imageにVocalが入ってくると、オーケストライマージュがバックバンドのような扱いになってしまう気がして、この日までは少しマイナスな印象を持っていたんですよね。
でもでも、オーケストライマージュとの相性は最高に良かったです。どちらの曲も羽毛田さんの美しいピアノの音色が曲の中に一筋の光のように通っていて、これがたった二日間だけの演奏だなんて本当にもったいない!と思いました。
「Precious」は特にサビの部分が素晴らしかったです。Bメロから転調して見事に抜けていく伊藤さんの声と、オーケストラの音の広がりが、それはもう「見事!」としか言えないくらい広がりのある響きを作り出していて、鳥肌が立ちました……。
羽毛田さんのアレンジの賜物!とファンとしてとっても誇らしく感じた一曲です。
例えば、元ちとせさんの声が夜空に同化して溶けていく感じだとすると、伊藤由奈さんの声は空を突き抜けて更に高いところまでその声が届くような感じなんですよね。二つの違う声(個性)の持ち主が、live imageという共通項があって、この日同じステージに立っているんだな、と思ったら、貴重な機会に巡り会えた幸運に感謝せずにはいられませんでした。
08.風に乗る船
09.to U/salyu
10.ラプソディ・イン・ブルー/オーケストライマージュ
「ラプソディ〜」では、羽毛田さんの大シンバルが楽しみのポイントなのですが、今回はステージ向かって左手がパーカッションエリアになっていたため、私の視界的にはティンパニとドラムの間に大シンバルが見事に隠れてしまっていました…。下手のスタッフにシンバルを渡すところは見えたんですけどね。
あの「ジャーン!」3連発はかろうじて御大の腕だけ見えたので、ファンとしての使命は何とか果たせたような気も(笑)。
「ラプソディ〜」は、live image6とアレンジが違いましたか?(>ご参加の皆さま) 何だか一部が短縮されていたように聞こえたんですが。。。曲終わりも青柳さんのピアノが「ジャン!」って終わると思っていたのが「あれ?違う?」と感じた記憶があるんですけれども…気のせいかな。この曲は、羽毛田さんが「一番大変だった」とlive image6の時にコメントされていたように、やはりオーケストラの呼吸を合わせるのが難しいのですね〜(しみじみ)live image6からは時間も経っていますし、メンバーも若干入れ替わっていたせいでしょうか、曲全体のテンポに「探り探り演奏している」ような印象がありました。素人が偉そうに言うべきことではないんですけれど…(すみません!)
11.ニュー・シネマ・パラダイス/古澤巌
12.Concert/古澤巌
持って生まれた天性の才能ってあるんだなぁ〜と、思わずため息をこぼしてしまいそうなくらい、会場の雰囲気を一気にご自分の世界へ連れて行けるのが、古澤さんのスゴいところ。live image6でも古澤さんが登場するや場内は拍手喝采でしたが、今回の京都でも会場の空気が和やかさを増しました。あのゆったりとした歩き方というか、物腰そのものというか。。。今回は、事前に羽毛田さんとキャンペーンを回ったせいでしょうか、一層オーケストライマージュとの一体感があったような気がします(演奏だけではなくて絆みたいなモノとか)。
私の連れは今回初めて古澤巌さんを観た(聴いた)そうなのですが、「Concerto」での弓差し(弓で会場をさす)で一気にヤラれてしまったとか。スクリーンがないので今回はやらないのだろうなと私などは勝手に思っていたのですが、さすが古澤さん。見事にお客さんの心を鷲掴みでした(笑)
この頃には、空の雲はすっかり晴れて心地よい風が右から左へ。古澤さんも本当に気持ちよく弾いてらっしゃいました。それはもう見ているこちらまで踊りだしそうなくらい軽やかなステップで! 野外ならではのノリって本当にあるんだな、と。
13.熊野古道/加古隆
14.パリは燃えているか/加古隆
EN.My Favorite Things/イマージュオーケストラ
アンコール曲にはVocalメンバーは登場せず、イマージュオーケストラでの演奏。15日は、見事に「カカーン!」の大役を務められた御大です。ゴンチチの右隣が羽毛田さんの立ち位置。
小室哲哉ばりのスタンドに置かれたキーボードの前に立つ羽毛田さんを見るのは、何だか新鮮な感じ。live imageではここまで前列に出て演奏することもないですしね。カカーンとやったあとの木鐘はどこに置いたのかな…(ちゃんと見ていたつもりでしたが記憶にありません。。。)
アンコールでは、何と言ってもチチ松村さんに敢闘賞を! というのも、過去最高というくらいの揺れっぷりで(笑)そのまま飛んでいってしまうのではないか、というくらい気持ち良さそうだったのです。風を感じながら演奏しているのが見ていてもよーくわかりました。チチさんの髪の毛がなびくのを目にする日がこようとは!!
最後にゲストボーカルの皆さんもステージに登場して「月夜の宴」は無事終了しました。一組2曲はやっぱり少ないですね。
いつもだったら、曲間のトークで一息ついたり、感動を改めて噛み締めたりできるんですが、あっという間に終わってしまった気がします。
野外イベント(コンサート)って、どうしても天候に左右されてしまいますし、季節によっては参加するのもなかなかツライこともあるので、これまであまり行きたいとは思ったことがありませんでしたが、平安神宮のような伝統ある場所や空間というのは、そういったマイナス要素も全て超えた“何か”を持っているんだな、と改めて感じました。
翌日は、ライブが始まる時間帯の飛行機だったので、まさか上空から平安神宮のライティングが見えたりしないかな、なんて密かに思っていたのですが、天気も悪かったですしさすがに無謀な期待でした…あのライティングを空から見れるとしたら、それは平安神宮の神様だけ、なんでしょうねきっと。