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live image cinema best (東京芸術劇場)

150126 投稿者:kingyo

夜は雨だ雨だと脅されながら、行きも帰りも雨に降られずラッキー!と思ったら、自宅最寄り駅を降りた途端雨だよ… 、な当夜でしたが、はるばる池袋まで生音に癒されに行ってまいりました。
うちから池袋までは、湘南新宿ラインで1本だから楽なんだけど、ずっと座っていてお尻がいたいぐらい乗ります(約1時間)。

みなみさんと待ち合わせして、ごはん食べてから東京芸術劇場に行きました。
もろ、「池袋ウエストゲートパーク」前にある東京芸術劇場。
ガラス主体のスッケスケの、とても美しい建物です。私は意外にも初体験。

内部は、落ち着いた木の内装で、シートなどもシンプルながらいい感じのデザインのホールでした。

開演の合図はなんだかゴロリンゴロリンとした鐘の音のような音でした。

私は前から二番目だったんだけど、最近にはめずらしく、かなり上手寄り。
目の前に奇妙なオルガン様の楽器が置かれていました。

今日は昨年の第一生命ホールのヌーボーに引き続き、生音のコンサートです。
マイクを使ったのはボーカリストの人々だけでした。

ストリングスの構成は、1stバイオリンが4人、2ndが4人、ビオラ3人、チェロ2人、コントラバス1人。
ヌーボー系チェロでおなじみの伊藤ハルトシさんは、途中何度もギターを弾きました。
もう一人のチェリストは、イマージュではめずらしく、外国の方でした。
途中、小松さんの曲のところで一時的にクラリネット一人とオーボエ一人が加わりました。

ストリングスの人々がスタンバイしてチューニングが終わると、最初に入ってきたのは羽毛田さんでした。

以下、セットリストとともに、簡単な感想とかいろいろ書いてみます。

1. サイダーハウスルールのテーマ
羽毛田さんとストリングスメンバーの演奏。
PAが入ると、自分の座席位置によって音バランスが悪かったりして、すごくストレスになったりすることがありますが、生音はそれがないから安心して聴いていられます。
サイダーハウスルールは、特に生音っていいな〜と実感できる曲です。
弦が一斉にゴーッと盛り上がるところがとても好きです。
演奏後のMCで、羽毛田さんは「映画を見ていなくても感動できる曲」「この世界ではめずらしく、レイチェル・ポートマンというイギリス人の女性の作曲家の作品」と紹介していました。

2. 映画「ROOKIES-卒業-」より「愛のテーマ」
羽毛田さんとストリングスメンバーの演奏。
羽毛田さんの映画作品の最新作は「銀の匙」だけど、今回もルーキーズが選ばれました。
本音を言えば、銀の匙聞きたかった。もっと言えば、「魔法遣いに大切なこと」の映画版が聞いてみたい。
でも、初めての人にとっては、やはりルーキーズがわかりやすいのかな。
「不良高校生たちが熱血先生に出会い、野球を通じて更生する物語」と、ものすごくざっくりした内容説明でした。
この映画の公開前、忙しくて音楽の付いた最終映像を見ていなかったので、映画館ではじめて出来上がりを見たそうです。

3. 「タイタニック」より「ローズ」
羽毛田さんとNAOTOさん、ストリングスメンバーの演奏。
続けて演奏するのかと思ったら、NAOTOさんが下手から白いぴかぴか(プラスチックみたい)なスーツを着て出てきました。
ローズはアイリッシュ風の味わいのある曲ですが、NAOTOさんがティンホイッスルで演奏されるパートをバイオリンで弾きました。
NAOTOさんは、あまり映画を見ない人だそうですが、この「タイタニック」は公開当時とっても話題になったので、映画館に観に行ったそうです。
ちょうどシネコンなど、椅子が思いっきり気持ちいい映画館ができ始めた頃で、そんなリクライニングなシートに座って見始めたところ、最初の予告編のところで眠ってしまい、目覚めたらエンディングでセリーヌ・ディオンさんが熱唱しているところだったとか…

4. 「New Cinema Paradise」より「愛のテーマ」
羽毛田さんとNAOTOさん、ストリングスメンバーの演奏。
映画音楽と言えば、世界的に有名なのはエンニオ・モリコーネ、ということで、3曲続けてモリコーネでした。
ニュー・シネマ・パラダイスはimageのアルバムにも古澤巌さんとアサド兄弟のすばらしい演奏が収録されているので、知っている人が多かったのか、まわりで喜んでいる感じの人が多かった曲です。

5. 「海の上のピアニスト」より「愛を奏でて」
羽毛田さん独奏。
初回live imageで衝撃の初披露だった羽毛田さんの「愛を奏でて」。なつかしい!私はその演奏はWOWOWの収録映像で見たんだけど、こんなにもガッツリピアニスト様の羽毛田さんを見たのは初めてだったので、ほんとに衝撃でした。
最近ソロ・コンサートでもよく弾いてくれます。

6. 「ミッション」より「ガブリエルのオーボエ」
以前live imageで、スペインのバグパイプ奏者、カルロス・ヌニェスさんが演奏した有名曲ですが、今回は男性ボーカルグループ「LE VELVETS」のバリトン担当、宮原浩暢さんの歌でした。
 歌詞が付いたら「Nella Fantasia」という題名だそうで、CDではIl Divoが歌っていたけれど、宮原さんの声もすごく素敵でした。
しかも、宮原さんは華やかな外見なのにお顔がおもいっきり醤油系という、「この人絶対モテるわ」という魅力あふれる青年でした。
今度のlive image 15にもLE VELVETSとしてご出演なので、こいつぁあワクワクです。
羽毛田さんもざっくり説明していましたが、この映画は南米を舞台に、イエズス会の宣教師が苦労しながら先住民に布教していくストーリーです。
私は大学生か、社会人になったばかりぐらいの頃だと思いますが、公開時観に行きました。ものすごく美しいところと残酷なところを併せ持った衝撃の映画で、特に冒頭奥地に布教に行った宣教師が、先住民の抵抗にあって、十字架にしばられて滝の上から落とされるという場面から始まることで話題になりました。
ジェレミー・アイアンズが扮するガブリエル神父が、ジャングルの中で一人素朴なオーボエで奏でる曲です。先住民族の若者たちがちょっと音の魔法にかかったような素朴だけど美しい音色でした。

7. 「ゴースト」より主題歌「アンチェインド・メロディ」
あの有名な曲を、宮原さんの歌で。
甘いマスクの宮原さんに雰囲気ぴったりの選曲。

8. 松谷卓さんの映画音楽作品メドレー
いま、会いにゆきます〜想いのこし〜県庁の星〜神様のカルテ〜僕等がいた
(※覚えてるだけ書きました。ほかにあったかも?)
live imageは二年目から皆勤賞の私は、松谷さんのこれらの曲のほとんどは聴いていますが、「想いのこし」は新しい映画の曲なので初めてでした。
でも、こうやってメドレー仕立てにすると、また新たな発見があったりしてすごくいいなと思いました。羽毛田さんや松谷さんのように多作な作曲家の場合は、こういう編曲がファンにとってはとてもうれしい演出です。

9. 佐藤直紀作品「ALWAYS 三丁目の夕日」
松谷さんのピアノ演奏とストリングスで。
羽毛田さんは上手からそーっと出てきて、私の目の前の不思議な楽器(オルガンのようだがオルゴールの音が鳴る)に座って弾きました。
あとで羽毛田さんに聞いたところ、これはチェレスタでした。
チャイコフスキーのバレエ曲「くるみ割り人形」の、「金平糖の精の踊り」で使われているあの楽器です。チェレスタだと言われ、昔交響詩「ジャングル大帝」の楽器紹介のコーナーで芥川比呂志さんが紹介していたのを思い出しました。
ジャングル大帝では、まさにオルゴールの音を表現するのに使われていました。
実物を見たのは初めて。きらきらした外装を付けたオルガン、という感じ。
どこかから借りてきたのかな?または芸術劇場の常備品だからあえて登場したのか?パーカッションの人がいると、グロッケンシュピールで演奏するところなんだろうけどね。
今回は、現代日本映画やドラマの代表的作曲家ということで、佐藤直紀さんが紹介されて、その代表曲ということで演奏されました。

10. 「KANO 1931 海の向こうの甲子園」より主題歌「風になって〜勇者的浪漫〜」
シンガーソングライターのRakeさんの作品。中孝介さんとRakeさんのデュエット。
中孝介さんはもちろん、デビューの時から知っていますが(羽毛田さんがプロデュース)、もうひとりのファンキーガイは誰?とびっくりしました。
しかも、MCもファンキーな早口だったので、自己紹介したけど名前が聞き取れなかった。
アタリさんのMCの内容により、シンガーソングライターのRake(レイク)さんだとわかりました。
戦争期の日本統治下の台湾を舞台にした、「KANO」という新作映画の主題歌をRakeさんが作り、アタリさんとRakeさんのほかファン・イーチェン、スミン、ルオ・メイリンの日台両国のシンガーが歌っているそうです。
設定は違うけど、全然ムリ!と思っていた甲子園出場をあきらめずに実現に向けて努力するところはちょっと「Rookies」に似ています。この「風になって〜勇者的浪漫〜」も「キセキ」のように明るく、さわやかで若々しく、二人ののびやかな歌声がとても気持ちいい曲でした。
ちなみにこちらも、劇伴の作曲は佐藤直紀さんです。

11. 「風立ちぬ」より主題歌「ひこうき雲」
荒井由美名義の名作の、中孝介さんによるカヴァー。
風立ちぬ、結局見なかった・・・。

12. 「ゲド戦記」より「テルーの唄」
ここで手嶌葵さん登場。
ところで、私は手島葵さんの生歌を聴くのは初めてではありません。
すでにこの書庫のライブレポで既出ですが、以前池上本門寺で聴いています
池上では、真っ暗な夜のステージだったのでよく見えなかったんだけど、手嶌葵さんは実はけっこう大柄な女性です。
しかも、今回は真っ赤で相当高いハイヒールを履いていたので、ものすごく長身に見えました。スタイルもとても女性らしくていい感じ。
「テルーの唄はデビュー当時からもう、7、8年ずっと歌わせていただいています」というMCからすると、もう立派な大人の年齢だから当たり前なんだけど、デビュー当時のイメージが強くて子どもっぽい感じを想像していたのでちょっと感動。でも、お顔は童顔でしゃべり方はうつむきながらささやくような声で、雰囲気は全然変わっていませんでした。
で、今回レポを書くにあたって、池上のレポを読み返してみたんだけど、驚いたことに全く今回と同じ感想だったのでびっくりしました。
ちょっとえ?っと思うぐらい小さい声で歌う彼女ですが、いつまでもささやいていてほしいと思ってしまう、私。

13. 「ティファニーで朝食を」より「ムーン・リヴァー」
手嶌葵さんの二曲目。「ムーン・リヴァー」はテルーとともに定番曲で、池上でも聴きました。
今回は間近で姿を見ながら聴いたわけですが、彼女は右手でマイクを持ち、左手を一定のリズムでふわふわと(なにか柔らかいものをつかもうとするように)動かしながら歌うということに気付きました。
そのふわふわをつかもうとする手の動きを見ながら、耳元でささやくような歌声を聴いていると、なんとも不思議な世界に引き込まれてゆく…。
「シネマ」というテーマを見失うぐらい、手嶌葵ワールドでした。
「image」のシリーズに収録されている彼女の「瑠璃色の地球」もすごく好きなんだけど、こちらはシネマに関係ないので残念!

14. 「グスコーブドリの伝記」よりメインテーマ
小松亮太さんの映画といえば、この宮沢賢治原作のアニメ作品。劇伴デビュー作だったと思いますが、初めてとは思えない素晴らしい曲です。
live imageでも何度か映画の映像付きで演奏されました。登場人物が全部猫。

15. 「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」より「ポル・ウナ・カベサ(首の差で)」
小松亮太さん。
こちらも、live imageで何度か演奏された曲。
アル・パチーノ扮する盲目で気難しい退役軍人が、世話係のアルバイト少年と豪遊中のニューヨークのティーラウンジで、美しい女性と突然見事なタンゴを踊るシーンで流れる曲です。

16. 「ムーラン・ルージュ」より「ロクサーヌのタンゴ」
宮原さんの歌と小松亮太さん、羽毛田さん、ストリングスに加え、オーボエ、クラリネットの人が1人ずつ登場。
小松さんはこの曲を紹介するとき、「ロクサーヌ、ロクサーヌ」と連呼していました。主演がニコール・キッドマンとユアン・マクレガーだというので、これは映画「ムーラン・ルージュ」の組み合わせだなと思ったのですが、「ロクサーヌ」という別な映画があるんだろうか?と思いました。(メモにも「ロクサーヌ」と書いてあった)
で、家に帰ってから調べたら、やはり映画は「ムーラン・ルージュ」で曲の名前が「ロクサーヌ(のタンゴ)」でした。絶対あの時、映画の名前が出てこなかったに違いない、と思いました。
演奏しながら映画の解説までするのは大変だから、J-WAVEライブのようにMC専門の人がいればいいのにな、と思いました。
映画音楽は、映画のストーリーとか背景とか出演者と密接につながっているので、ざっくりしたMCではちょっと物足りない気がします。

17. 「12モンキーズ」メインテーマ(アストル・ピアソラのプンタ・デル・エステ組曲)
小松亮太さんとストリングス・クラリネット、オーボエ
ブルース・ウィリスとブラッド・ピットが共演したこの映画は、音楽とともにすごく記憶に残っている作品だったので、この印象的なテーマ曲がピアソラの作品だと聞いて驚きました。よくよく考えてみれば、確かにあれはバンドネオンの音だなぁ、と。この映画には、「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐役だったクリストファー・プラマーも出演していて、なんだかご縁を感じてしまう。
こんな曲を生演奏で聴くことはまずないと思うので、貴重な体験でした。

18. 「サウンドオブミュージック」より「My Favorite Things」
最後は出演者全員で、image定番の「My Favorite Things」でした。
松谷さんはチェレスタに座ったり、ピアニカを吹いたりでした。
いつものマイフェバは楽器だけの演奏ですが、今回はボーカリストがたくさんいたので、オリジナルのように「歌うMy Favorite Things」でした。
いつもはダイナミックな感じで楽器が歌いまくりますが、手嶌葵さんが英語で歌う様子がかわいくて、オリジナルの雰囲気を思い出しました。

アンコール 「サウンド・オブ・ミュージック」より「エーデルワイス」
全員で、映画ではトラップ大佐が歌う「エーデルワイス」を演奏して終わりました。

live imageスピンオフ版でも初めての試み、映画音楽特集でしたが、小学生のころから映画音楽を聴きまくって音楽に親しんできた私にとっては、本当に待望のコンサートでした。今回はお試し的な感じだったのか、従来のイマージュと重なる曲が多かったですが、もし今後も続いていくなら、ストリングスの生音にこだわらず、パーカッションや電子楽器なども取り入れて、普通では聴けないようないろいろな映画音楽を極めて行ってほしいなと思いました。

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