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live image 15 川口リリア・メインホール(埼玉)

150418 投稿者:kingyo

川口リリア・メインホール150418

WEB上最速(だったらいいな)のlive image 15ツアー初日レポです。

-2015年4月18日-

今年の3、4月は新しい仕事が始まり、演奏活動のほうでも新しいプロジェクトが始動して、普段以上に忙しくて、それでもエキサイティングなことばかりで楽しくこなしていたので、とても元気でした。
ところが、よりにもよって川口初日の直前に発熱…のども痛いしお腹も痛いし、数日前に寝込んでいた息子にうつされたらしい。この1年半くらい、風邪など引いていなかったのに。
前夜には「もう代わりに行ってくれる人探そうかな、、」と、友達にメールを送ろうとしたのだけど、意外に熱もそんなに高くならないようだし、とりあえず一晩寝て様子を見ることにしました。
翌朝起きてみたら、熱は微熱になっていて、のどもスプレー直射が効いたのかあまり痛くない。午前中休んだら驚異の回復力を見せて、お昼過ぎにはそこそこ元気に川口に向かいました。

今年の春は、暖かくなったと思ったら突然雪が降ったり、桜が咲いた後もなかなか安定しないお天気でしたが、この日もとても風が強くて少しひんやりしました。
(写真では小さくてちょっとわかりづらいけど、ピンクの旗が風でくちゃくちゃになってます。)でも、ピンクとグリーンのミックスになった葉桜がさわやかな、晴れて気持ちのよい日でした。

今回は、いつも一緒に行く埼玉在住の友達の都合が悪かったので、一人での参加でした。
さすがに湘南から川口までは長旅だったので、開場時間は近付いていたのだけど、リリア1階のカフェに立ち寄ってコーヒーブレイクしました。
長年リリアに年1回通ってますが、このカフェに入ったのは初めてでした。

というのも、ライブ・イマージュ、特に川口公演では、中休みにトイレに行くのはとても大変。
女性トイレは長蛇の列になるのですが、トイレの数が少ないのか、開演のベルが鳴っても順番が回ってこないことがしばしば。
以前それでトイレを断念したことがあって相当苦しんだので、極力事前に水分を取らないようにしていたからです。
でも今回はさすがに微熱もあるし、水分補給してから入場しました。

image la plume チケット発売中

入場したら、まず正面の物販コーナーへ。いつものとおり、パンフレットを入手。そして、さくら風味のいまんじゅうは未体験だったので、家族のおみやげに買うことにしました。
そのほかには、バスソルト「ima〜yu」(!?!?)、ゴンチチのノベルティグッズなどが置かれていました。

次にCDコーナーに行こうとしたら、壁にこんな掲示が!(右写真)
いっぱい売れるといいな、羽毛田さんの夏のツアーチケット。

もう一つ買わないといけないものが。
まだ「image 15」を買っていなかったのですが、特典あるかなと思って会場で買うことにしていたのに、今回は特典なし。発売時にネットで買えばよかった。
そして、チェックしなければいけないのが、2日前に発売された羽毛田さんのソロ・デビューアルバム。私はもう2枚持っているので、ここでは買わなかったのだけど売れ行きはどうかな…と思ったら、販売員の女性ががばっと羽毛田さんのCDを補充していました。うわ、けっこう売れてるみたい!

今年のいまんじゅう
-今回のポジション-

昨年の11列目とほぼ同じ、13列目のピアノ席ほぼ正面。
別にねらってる訳ではないのだけど、最近私はどのコンサートでもこのあたりが当たるらしい。音響的にも、視覚的にも、最も快適な場所です。
今回も、とても心地よく音のシャワーを浴びつつ肉眼でステージを見ることができました。(視力もいいんだけどね)

-開演前にじんわり-

今回は、始まる前に流れる映像で、スクリーンがこれまでと全然違うことがわかりました。後で判明するんだけど、なんとステージの背面の壁全体がスクリーン!
フォーラムの公演に比べると、いつも川口のスクリーンは小さくて、ちょっとがっかり映像だったんだけど、もうがっかりなんて言わせない!最初から最後まで、大迫力の映像でした。

その、超ワイド&鮮明なスクリーンに最初に流れたのが、これまでのライブ・イマージュのツアー日程や、これまでに発売されたアルバムと、それに対応したライブ・イマージュのパンフレットの画像でした。それぞれのジャケットも、パンフレットのグラフィックスも、このシリーズの立派かつ重要な作品の一部、それらが順に映し出されるだけで、とても美しいイメージフィルムのようでした。
しかも、バックの音楽は、初期からのファンなら涙を流してしまう、カール・ジェンキンズの「霧の浅瀬」でした!
私はこの曲を聴くと、最初のライブ・イマージュを思い出してしまいます。実際にステージを見たのではなく、WOWOWで放送された映像で初めて大人になった羽毛田さんの雄姿を見たのですが、その時タイトルバックに流れていたのがこの曲でした。

その15年間の数々の記録がスクリーンに映し出されるのを見ながら、自分がずっと記録し続けてきたこの「ライブ・イマージュアーカイブス」のことと、毎年レポートを寄せて下さったファンの皆さんのことと、この15年の自分のいろいろなことを思い出して(微熱で涙腺がゆるんでいたせいもあるけど)、ちょっとうるっとしてしましました。そして、羽毛田さんもずっと頑張ってきたなぁ、と思いました。

-そして開演-

いつものとおり、「サイダーハウス・ルール」のテーマが流れて、オーケストラメンバーが登場しました。今年もコンミスは相川麻里子さん。
オーケストラメンバーは、15年間の間に入れ替わりもありましたが、バイオリンの伊能修さんやチェロの柏木広樹さん、ギターの天野清継さん、ドラムの渡嘉敷祐一さんは初回を知るメンバーです。当初は20代だった方々も、今はすっかり大人、ステージ上はほぼ40代以上だなと思いました。

-羽毛田さん-

今回のトップバッターは羽毛田さん。かなりダークに見えるスーツと、濃い赤に見えるネクタイでした。

最初の曲は、「地球に乾杯」。新アルバムを意識してか、切ないピアノソロからオケのイントロにつながるアレンジでした。
この曲の後ろに流れる映像が、もう素晴らしくて、しかも初めて見る壁面全面スクリーン。これはもう、生演奏をバックにした上映会と言えるぐらいの迫力でした。新作映像で、東京ファイナルにも行く予定なのでまた見れるのが楽しみです。映像に押されてというわけではないのでしょうけれど、演奏も最初からとても力強くて客席を圧倒していました。終わると大きな拍手が湧き起こりました。

羽毛田さんのMCは、15年目のライブ・イマージュを開催できたことに対する、お客さんへの感謝で始まりました。
また、開演前のスクリーン映像であれ?と思ったのですが、この川口公演がなんと、すべてのイマージュシリーズの公演を合計した200公演目なのだそうです。
羽毛田さんはすべての公演(ヌーボーや特別公演を含む)に出演し続け、ほぼ毎回この「地球に乾杯」を演奏してきたことになります。すごい・・・

じゃぁ、2年目から行ける限りの公演に参加してきた自分は今日で何公演目か、アーカイブスの記録をたどって数えてみました。
そしたら、この川口がたぶん40公演目でした!(もしかすると、もう1つか2つ多いかもしれないけど、時々レポを合体させたりさぼったりしてるので、カウントに自信がない、、)羽毛田さんが出演した中のだいたい5分の1を見た計算。
これが多いのか少ないのかはよくわからないけれど、、、

「地球に乾杯」の紹介の後は、次の曲の説明に移りました。
次は最新作、NHKスペシャル「臨死体験 立花隆 思索ドキュメント 死ぬとき心はどうなるのか」のテーマでした。
ここで羽毛田さんは「臨死体験とはなにか」について軽く説明しましたが、「これについては語りたいことがいっぱいあるけれど、ここでは語りません。続きが聞きたい人は、今度の7月に僕のコンサートツアーがありますから、そこでたっぷりと話しますのでぜひ聞きに来てください。」とうまく宣伝につなげてました。

この「臨死体験のテーマ」が、私はすごくクールでかっこいい曲だと思いました。羽毛田さんのメロウ系の曲もとても素敵だけど、私は昔からこういうクールな、情緒的というより即物的な感じのする作品の中にものすごく感じるものがあって、これは羽毛田さんしか作れない種類の曲だなといつも思います。おそらく、ジャズの経験が大いに生きているのでは?などと思ったりします。
また、このバックに流れた映像が、まさに即物的テーマのもので秀逸でした。

わっと盛り上がる系の曲ではないので、お客さんも静かに拍手して、またMCが始まりました。
「今日は皆さんにご報告があります」と、ついにソロ・デビュー報告の時がやってきました。
「今までたくさんのサントラや、自分の作品集としての“PRESENTSシリーズ”は発売してきたが、ピアニストとしてのアルバムは出したことがなかったし、出すつもりもなかった。でも、今回お誘いをいただいて、ピアニストとしてソロ・デビューアルバムを発売しました。」
そして手元にアルバムも用意していて、それをスクリーンに映してもらいつつ、「タイトルも名前の“HAKETA TAKEFUMI”にして、桜の中でベーゼンドルファーを弾いている感じになっています」とのことでした。ジャケット背景のピンクは、桜を表していたのね。春発売らしい、素敵なジャケットです。

そして、次の曲はこのアルバムの中にも収録されている「ROOKIES〜愛のテーマ〜」でした。この曲は羽毛田さんにとって、もう「第二の地球に乾杯」です。
この曲では、演奏映像が映し出されました。いつもと違って演奏映像も大写しなので、見えにくい席にいる人でも、上階にいる人でも、とても臨場感をもって聴くことができると思います。

-高嶋ちさ子さん-

羽毛田さんが演奏を終えて一礼をすると、そのままピアノ席について、次のアーティストの高嶋ちさ子さんが鮮やかなピンクと白のまざった花のようなドレスを着て登場しました。スクリーンの宣材写真がブルーのドレスで、寒色のイメージのあるちさ子さんなので、ピンクのドレスはちょっと意外でした。
最初の曲は、羽毛田さんがプロデュースして、去年のライブ・イマージュでも披露された「オーシャン・ブルー〜ORCA〜」でした。バックの映像は、かわいらしい絵本調のシャチの兄弟の冒険を描いたアニメーションでした。
演奏後、ちさ子さんのトークが始まりました。

15年の中の3年しか出ていませんが、ライブ・イマージュ15周年おめでとうございます、そして、曲の解説では「今日羽毛田さんがいなければ、この曲は私が作りましたといいますが、羽毛田さんがいるので告白します、この曲は95%羽毛田さんが作りました。」(会場爆笑)
「うちの長男がシャチが大好きで、子どもが寝る前に今日の反省と明日への教訓をおりまぜた“日本作り話”というのを毎晩するんですが、そこから生まれた作品。いろいろな場所で演奏させていただいたが、先日「鴨川シ―ワールド」で本物のシャチとともに演奏した。一番盛り上がるところでシャチが水の中からジャンプするという素晴らしい体験ができて、息子には「今日のママは100点満点」といってもらえた」とのことでした。

さらにトークは続き、毒舌モードに。
「一番前の方は高嶋さん、照明の加減で暗く見えるのかしらと思われるかもしれませんが」本当に焼けているそうです。去年の秋から馬車馬のように働いたちさ子さんは、3月に2週間ほどハワイでゆっくり休んだのだけれど、その時iPhoneを置き引きにあって盗まれ、幸いガラケーを持っていたのでお友達と連絡を取り合うことはできたのだけど、しばしインターネットから離れることができたそうです。最近SNSやメールに疲れていたそうで、それというのも自分のストラディバリウスのことをインターネットで調べようとした時のこと。
バイオリンにルーシーという愛称が付いているのだけど、通常の“Lucy”ではなく“Rucy”なのでそれの由来を調べようとたら、検索されたのが「高嶋ちさ子・ストラディバリウス→猫に小判」などなど数々の悪口だったそうで、ちょっとネットに疲れていたとか。
そのことを旦那様に言ってみたら「人に好かれようと思って生きているの?」と反問され、人目は気にせず自由気ままに生きている自分に気が付いたそうな。
「猫に小判」で大笑いした羽毛田さんや柏木さんが「すごく笑ったでしょ!」と攻撃されていました。

ちさ子さんの2曲目は「風笛」でした。
やはりイマージュと言えば「風笛」ははずせない曲ですから、妊娠出産でライブ・イマージュお休み中の宮本笑里さんに代わり演奏することになったのでしょうか。ちさ子さんの「風笛」は、大人の女性らしい豊かな音のする演奏でした。

川口以外の公演では、ここでボーカルグループの「LE VELVETS」が登場するところですが、川口は出演されないので、次の加古隆さんのコーナーに移りました。

-加古隆さん-

加古隆さんの写真が映し出されると同時に拍手が湧き起こりました。
2012年にライブ・イマージュを卒業された加古さんですが、今回15周年記念ということで、このステージに帰ってこられました。
ご本人も後でMCのときに「大好きなイマージュのチームに帰ってこられてとてもうれしい」とおっしゃていましたが、客席全体もまさにそんな感じで、熱い拍手でした。

加古さんの最初の曲は、イマージュ定番の「黄昏のワルツ」でした。加古隆クァルテットの一員で、信頼の厚い相川麻里子さんのソロはなめらかですばらしく、この組み合わせでこそ聴ける演奏でした。

次は、このステージのためにアレンジした映画音楽のメドレーでした。
最初は「阿弥陀堂だより」の「風のワルツ」、そして壮大な「白い巨塔」、最後はイマージュでは披露したことのない、新作映画「蜩の記」のテーマでした。
「風のワルツ」では田舎の風景が、そして「蜩の記」では、この映画の映像が贅沢に流れました。

加古さんとイマージュといえば、忘れてはならないのが「映像の世紀 パリは燃えているか」です。羽毛田さんが1995年のNHKスペシャル放送時、シンセサイザーのアレンジを担当した曲でもあります。
その放送から20年、今年の秋、「新・映像の世紀」として、さらにこの20年間の映像も含めた新シリーズが放送され、また加古さんが音楽を担当されるそうです。「うれしいことに、テーマ曲は“パリは燃えているか”を使わせてほしいと言われました。楽だし…」
加古さんの口から意外な言葉が聞かれましたが、私たちもうれしい。
さらにうれしいことに、その放送に先だって、前作の「映像の世紀」がデジタルリマスタリングされて、放送されるそうです。
私は1995年当時テレビで見ましたが、また見られるのがとても楽しみです。

「パリは燃えているか」では、羽毛田さんはシンセサイザー席にいるはず。ちゃんと、ステージ上手側のシンセサイザーのところに座っていました。
映像は新しく作成されたもののように見えました。壁一面ですから、それはもう大迫力。この15年の映像技術の進歩も痛感させられたコーナーでした。

演奏後は、それはもう大拍手でしたが、ちょっと残念なことが。
川口のお客さん、拍手するの早すぎ。曲の終るか終らないかぐらいで拍手を始めてしまう。
加古さんのピアノは、音のつぶつぶがふわーっと散るのが見えるのです。だから、最後に音が減衰していくのを静かに感じたいのに、早すぎる拍手がかき消してしまう。
どのアーティストの時もそうだったけど、音のつぶつぶが霧散していくのを感じつつ、拍手はこらえてほしい。

-休憩時間-

お買い物はもう開演前に済ませていたので、場内が明るくなるとともにトイレに走りましたが、すでにそこには長蛇の列が。
隣の男子便所に来た男の人たちが一瞬ひるむぐらい、イライラ顔の女の人たちの列。最後には、もう誰も来なくなった男子便所に入る人も。
結局私以下のたくさんの人に順番が回らないまま開演のブザーが鳴りましたが、今回は体調も悪いことだし、ゴンチチの1曲は聞けないかもしれないけど仕方ないな、と思いつつ列に並び続けました。
順番が回ってきてわかったけど、そのトイレには3部屋しかありませんでした。そんなに少ないことを知らないから、一番近いトイレに並んでしまった私たち。
1階にもありますと係員の人が誘導していましたが、どこのトイレも大混雑だったみたい。
開演のブサーからずいぶん経っていたのでもう始まってるかなと思ったけれど、そのあたりは考慮してくれたのか、私が席に戻るとちょうど会場が暗くなり始めたところでした。
やはり来年以降も、川口ではできるだけトイレに行かないようにしよう。

-ゴンチチ-

あきらめていたけどちゃんと聴けたゴンチチの1曲目は、久々に聞く「QED」でした。間に合ってよかったー。
ゴンチチのお二人は、三上さんが茶系、松村さんがグレイ系の魚の皮のようにテカテカした素材のスーツで登場しました。すごいテカテカっぷり。

1曲目が終わって、松村さんの定番のご挨拶。
「こんにちはー」の呼びかけに、素人くさく拍手で応えるお客さん。松村さんがそんなことを許してくれるはずないのに。
案の定、「もう何度もやってますからね、僕が「こんにちは」と言ったら「こんにちは」と返してくださいね、もう一度やりますよ」とやり直し、今度はそこそこ大きな声で「こんにちは」が返りました。
次の曲は「ゴンチチ風ボサノバ」の「Tiny Lips」、南国ムードが漂いました。
そしていよいよ三上さんトークのコーナー。羽毛田さんはすっとピアノ席をたって幕の向こうに去って行きましたが、きっと舞台そででトークを聴いているはず。

川口では初日ということもあり、あまりMCで時間を使わないように言われているのか、いつもあっさりなMCのゴンチチですが、今回も「三上さん何か話すことはないんですか?」と松村さんに振られても「特にありません」とバッサリでした。
「昨夜寝るときにいろいろ考えてたんだけど、15年間出演し続けたことへの感謝で涙がひとすじすーっと」「泣いたんですか?」「その前にあくびしたんですけどね」
「みなさんにも、それから松村さんにも感謝したいと。いつも隣にいてくれて」「コンビだからねぇ」
漫才のようなトークが続いたと思うと、ほどなく三上さんがマイクを置いてしまい、あれ?これで終わっちゃうの?という感じでした。

そしてイマージュのゴンチチといえばこれ、「放課後の音楽室」。「短い間でしたがこれが最後の曲です」という松村さんのビミョウな解説に大笑いでした。

-NAOTO-

NAOTOさんは西日本の公演は大阪以外出演ないようですが、川口は登場でした。すごく意外だったんだけど、衣装もヘアスタイルも地味でした。
髪色は相変わらずのホワイトブロンドでしたが、特につんつん立てることもなく、むしろナチュラルな感じ、ズボンは白かったけど、紺に近いブルーのブレザー、ネクタイだけがかろうじてキラキラしていました。どうしたんだ、NAOTO。

ほとんどのアーティストは1曲演奏してからあいさつ、MCに入りますが、NAOTOさんはスタンドマイクを前にいきなりのトークで始まりした。
それもそのはず、1曲目を始める前に、NAOTOさんにはお客さんに言わないといけないことがあったのでした。

NAOTOさんの1曲目は、NHKの「スタジオパークからこんにちは」のテーマ曲「HIRUKAZE」でした。「僕のコーナーは観客参加型ですから、皆さんにはいろいろやっていただきます。」ということで拍手とワイパーの指導がありました。

私のまわりは一人で来ている男性が多かったのですが、最初はあまり乗り気ではない感じ、でも周囲のNAOTOファンの女性たちの勢いに押されたのか、小ぶりな感じで参加していました。私も風邪気味でもあり、もともと参加型は苦手なこともあり、肩のあたりでチラチラ、という感じで参加しました。

イマージュは15周年ですが、NAOTOさんはデビュー10周年だそうです。そういえば、昨年10周年を前にベスト盤を出すと言っていたな。今年は周年記念の方が多いようで。
その流れでいろいろな記念イベントや記念グッズがあるそうですが、その中でもカレー好きが高じて、ついに自分で調合したオリジナル「ガラム・マサラ」を作ったんだとか。ここの会場でも10個限定で販売するとのことでしたが、私が最初に物販に行ったときにはすでになかったので、もうあっという間に売り切れたんだろうな。

NAOTOさんの二曲目は、「ニュー・シネマ・パラダイス」でした。イマージュでは1枚目に古澤巌さんとアサド兄弟の名演が収録されている、まさに定番曲です。
バックの映像は、NAOTOさんのイメージビデオ?「僕たちの地球ロード」から、イタリアを訪れた時の映像が流れました。ミラノのスカラ座のような豪華な劇場でバイオリンを弾いている映像もありました。
NAOTOさんて、いろんな方法でいろんなことを発信されているのだなぁと思いました。パワフル!

-小松亮太さん-

今回のライブで楽しみにしていたのが、この小松さんのコーナーです。歌手の大貫妙子さんとのコラボレーションが予告されていたからです。
バンドネオンを持った小松さんのあとから、黒地に白い水玉のようなもようのワンピースを来た大貫さんが登場しました。
大貫さんは落ち着いた声でしたが、内心は緊張されていたのか、小松さんに紹介される段取りだったらしきところ、自分で自己紹介してしまい、小松さんに「自分で言わないでください」と怒られていました。
二人の出会いは2001年だったそうですが、その後「一緒にアルバムを作ろう」と言いながら、スケジュールなどがかみ合わなくて15年たってしまったとか。そしてようやく一緒に作ることができたアルバム「tint」が6月に発売されるそうです。
今回は、坂本龍一さん作曲、大貫妙子さん作詞の「Tango」を小松さんがアレンジして演奏しました。
大貫さんの声は、いい意味で乾いた感じ。透明感があって、インストととてもよく合うなと思いました。
楽器の演奏音量が大きすぎて、大貫妙子さんの声がところどころ聞こえなくなったのが残念なところ。タンゴだからみんな演奏に熱が入っちゃったのか、音響的に若干調整が必要な感じでした。やはり初日ですねぇ。

2曲目は、小松さんと大貫さんのコラボ作品「愛しきあなたへ」。これはNHKの「ラジオ深夜便」で昨年の10月から3ヶ月間、毎日流れたそうです。
いつか必ず来る両親との別れを歌った曲だそうですが、私の亡くなった父も「眠れない」と言ってはこのラジオ番組をいつも聴いていたのを思い出し、この曲を番組で聴いていたら、きっと好きになっただろうなと思いました。
スクリーンには、この曲のCDジャケットを手掛けたイラストレーターの網中いづるさんの素敵な作品の数々が映し出されて、会場が一挙に色鮮やかな空間に変わりました。視覚の影響ってすごい。今回のコンサートで、羽毛田さんの地球に乾杯の時と同じぐらい心が躍った瞬間でした。

2曲歌った後、大貫妙子さんは退場されました。
そして、ステージセッティングの間小松さんはつつつと先ほど大貫さんが立っていた下手側に移動し、「イマージュのスタッフのセッティングの速さがすごい」と、スポットを浴びつつ場つなぎトーク。live imageの15年間は自分にとっては「大人の世界につれていってもらった」ということかな、とのことでした。
確かにあっという間にセッティングが終わり、「またやるのかと言われてもやります、あの曲です」で超定番曲「リベルタンゴ」が始まりました。
今回は原点回帰ということで、live image初回のバージョンでの演奏だそうです。初回と言えば、レポートを書くのにいろいろ確認したくて初回のDVDを見直したのですが(映像が荒くて愕然)、小松さんの若々しさ、というかまだ子ども?みたいな初々しさにびっくりでした。26歳ぐらいかな?でも当時から、バンドネオンは貫禄の演奏でしたが。
そして15年後のこの日、すっかり大人になってお父さんになった小松さんの演奏は、テクニックに加えて若いころにはなかった気迫というか、情念のようなものが感じられました。

-葉加瀬太郎さん-

葉加瀬さんが15周年の1曲目に選んだのは、羽毛田さんがかっこいい間奏を付けてプロデュースした「ひまわり」でした。
壁前面に咲くひまわり、まるでその中にいるように感じました。あまりにひまわりが明るすぎて、オケメンバー全員逆光!
シルエットと化してしまいました。
スクリーンには、葉加瀬さんが企画した『Smile for you キャンペーン』で全国から集められたいろいろな人の笑顔の写真が次々と映し出されました。

私もこの曲はいろいろなところで演奏しましたが、どの楽器にとっても羽毛田さんプロデュースの間奏はとってもむずかしい!特に、弦楽器の方は超絶難しいらしいです。タンギングで乗り切れる管楽器はまだましかも。
でも、名手ぞろいのオケメンバーは軽やかに、完璧に演奏!
その間葉加瀬さんはというと…センターで客席に背を向けて、お尻を振って踊っていました、、、

私は曲終わりのギターのフレーズもとても好きなのですが、そこは天野さんがきれいに決めてくださいました。そういえば、初回ライブ・イマージュDVDの映像には天野さんも出てきますが、ほれぼれするぐらいかっこいい!
私はあれ以来、心の中で天野さんのファンです。
羽毛田さんのソロプロジェクトのサポートギタリストとして、ここのところずっと登場されているので、心の中でバンザイしています。

そして会場が真っ暗になり、一筋のスポットライトが葉加瀬さんを照らすという演出と、演歌調の口上で葉加瀬さんのMCが始まりました。
ひまわりを演奏しているときあれっと思ったけど、葉加瀬さんは去年の3分の2ぐらいの横幅になっていました。濃紺のジャケットに黒いズボンだったので、引き締め色による目の錯覚かと思いましたが、そうではなくて、再結成して武道館でコンサートを予定している「クライズラーアンドカンパニー」のステージで、演奏してない時はステップを踏み続けなければならないので、減量したそうです。業界で「ギュウさん」と呼ばれるぐらいお肉好きの葉加瀬さんが、3ケ月お肉を口にしていないとか。それでそんなにやせられるのか。敵は炭水化物じゃなかったのか。

葉加瀬さんは演奏後はちゃんと、「ひまわり」のプロデュースは「われらがチームリーダー、羽毛田さんです!」と紹介してくださいました。

やせたことにより「ズボンがずれる」とうれしそうな葉加瀬さん。やせるとほんとにいろんなことに感動しますよね。また戻っちゃうんだけどね。
次の曲はこの方と、ということで、高嶋ちさ子さんを呼びこみました。

演奏されたのは「このライブ・イマージュを応援して下さる医療法人健育会のために2年前に作った“Together We Walk”です」
お、これも羽毛田さんプロデュース作品じゃないか。それも紹介してくださいました。

呼びこまれたちさ子さんは、ゴールドのイメルダ風のタイトドレスに衣装替えしていました。最初のピンクのお姫様ドレスとは対照的。
キラキラと大人の感じで、こちらのほうがちさ子さんぽいかな。

コンサートも終盤に近付いて、少し疲れてぼーっとしてたら、聞きなれたパーカッションのリズムが。
情熱大陸の冒頭のところでした。そうか、もう終わりか。
いつもはすでにスタンバイしているはずの小松さんですが、今回は呼び込まれての登場。
続いてNAOTOさんも呼び込まれましたが、ネイビーのジャケットが真っ白なジャケットに変わっていて、白髪、白ジャケット、白ズボンで、葉加瀬さんが思わず「白い・・・」

葉加瀬さんはやせて体が軽くなったせいではしゃぎやすくなったのか、会場のお客さんを立たせるだけでなく、いろんなことを言わせました。「なーおっとーなおとなーおっとー」みたいな感じで。(あまりよく覚えていない)
羽毛田さんのブログによると、リハの時からハイテンションだったようで。
やせるってすごいことなんだね。特に葉加瀬さんぐらい巨体からスリムになると、世界が違って見えるのかも。

でも、このあおりのおかげか会場もヒートアップ、ちょっと立つときついな、と思ってらっしゃるご高齢の方々以外は総立ちで、わりと大人しめのことが多い川口ではめずらしいことに、演奏が終わってアーティストが並んでお辞儀しようかという時からすでに、拍手ではなくアンコールの手拍子になっていました。

-アンコール-

手拍子の中送り出される形になった羽毛田さんたち、とりあえずエンディングの映像は流さないといけないので退場し、流れ終ると再び羽毛田さんを先頭に登場しました。

御礼を言いつつ「もう一度メンバー紹介させてください」と、一人一人の名前をコールする羽毛田さん。加古さんの時には「今日はこの人がピアノ席にいます」と紹介し、会場からも大きな拍手が送られました。

久しぶりに聴く「My Favorite Things」の加古さんのイントロは、それはそれは格別でした。失われて再確認するありがたさ、それが加古さんの存在だと今回わかりました。
羽毛田さんも、以前は2度ばかりたたくのを忘れたこともあった木撞を、今回は最初から「しっかりたたくぞ!」という感じで手に持ってかまえていました。
そして、ありがたい感じで「コンコーン!」と。スクリーンに大写しに。

葉加瀬さんのバイオリンのマイクやモニタに何かあったみたいでしたが、私には特に異変はわかりませんでした。
そういえば、情熱大陸の時だったか、NAOTOさんのブリッジ弾きの時、ぼわーんとハウリングしてたりも。
川口はいつも初日なので、この手のトラブルはつきもの。
ずっと以前、鳥山雄司さんがおっしゃってましたが「これも生の醍醐味」。
ここでわかったことが、後の公演に生かされていくのでしょう。

今回加古さんが戻られて、もう一つうれしいことが。

はけちゃんボキャボキャキーボード復活!

My Favorite Thingsでピアノを弾く人がいなくなって、羽毛田さんがキーボードからピアノ担当に変わり、若かりし(音楽的に)ヤンチャだったころを思い出させるボキャボキャキーボードが聴けなくなってしまったので、、

というわけで、今回は堪能いたしました。東京でもう一度聴けるので、楽しみ楽しみ。

ソロ・コンサートではなんでもありな訳だから、いつか思う存分、ボキャボキャしてほしいなぁ・・・個人的希望です。

もう一つ、今回思ったことがあります。

青柳さん、ソプラノサックスうまい!

実は今年、私も長年憧れていたソプラノサックスを手に入れて、今いろんなところで演奏しているのですが、これがアルトサックスなどとはまた違ってとっても難しい楽器だと知りました。
音程を正しくキープするのもものすごく大変。マウスピースもリードもちっちゃいし。マウスピースやリガチャを厳選してようやく、少し楽に吹けるようになりました。
今までは青柳さんのソプラノサックスを、なーんとなく聴いていたけど、今回は正座して聴きたい気分でした。
サックス専門の方ではないのに、すごい。楽器もいいやつなんだろうなぁ。
私は残念ながら、スタンダードモデルしか買えなかったので一本管、、

ということで、冒頭のソプラノサックスのソロも、いつもとはまた違って聞こえた今年でした。

アンコールはこの1曲で終わり、アーティストが並ぶと、お客さんも次々と立ち上がり、川口では何年かに一度のスタンディングオベーションとなりました。

この春は大忙しの中でリハ、そして初日を迎えた羽毛田さんですが、この後は春野寿美礼さんのコンサートや自身のプロモーションなど、次の長崎公演までの間も予定がぎっしり。
そのあたりのお話も伺いつつ、終演後のショットを撮りたいところでしたが、なんせ風邪っぴき真っ最中の私なので、万が一うつしちゃ申し訳ないと、今回は楽屋には近付かないことにしました。

終演後のリリア

(そのかわり、ツイッターで写真アップしてくださいねとお願いしていたのですが、葉加瀬さんとのほほえましい写真が上がっていました。
まだ見てない方はぜひ羽毛田さんのツイッターをご覧ください。)

終演後、アルバム購入者対象に行われた羽毛田さんの握手会が始まったことを確認して、川口リリアを後にしました。

かといって、写真が全然ないのはさびしいから、こんなの撮ってみました。終演時のリリア。

-今年のライブ・イマージュ-

昔から伝わるアコースティックの楽器から奏でられる音は、その時代その時代の演奏家が自分の技術を磨き続けて次の世代につないでゆく。そこは昔から変わらない部分。

でも、その音を残す技術、伝える技術は、たった15年でこんなに変わりました。
その新しいものと変わらないものの見事なコラボレーションが、今年のイマージュです。
実際に体感した方は、きっとわかって下さるに違いない…。どうぞお楽しみに!

-後日談-

一時は行くのを断念しようかと思ったくらい体調不良で迎えた初日でしたが、良い音のシャワーを浴びたせいか、翌朝にはすっかり元気になり、リコーダーアンサンブルのレッスンに行きました。
バスリコーダー担当なので、若干の息切れはやむなしでしたが。
音楽のパワーをまさに体感いたしました。ありがたや。

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