にっぽんだぁいすきチャリティコンサート
150823@八芳園1F ジュール 投稿者 kingyo
開場 18:00 開演 18:30
にっぽんと世界の「ふるさと」を想うチャリティーコンサート
8月23日はもともと私の通っているサックス教室の発表会が都内で開かれる日だったので、羽毛田さんがプロデュースすると言っていた「にっぽんだぁいすきチャリティコンサート」は残念だけど行けないなーと思っていました。
でも、時間をよくよく見てみたら、夜6時半の開演。発表会は5時ぐらいに終わるから、なんとか間に合うかも?と、その日ひまだったみなみさんを誘って、チケット購入しました。
ふだん、あまり他の人のアルトサックスの音を聴く機会がないのですが、その日は総勢15人のアルトサックス奏者の曲を全部で20曲以上、4時間も聴き続けて、自分も2曲ソロで演奏して、もう頭の中は音楽飽和状態。
これはかなりしんどいなーと思いつつ目黒の八芳園にタクシーで向かいましたが、入口を入った途端、深い緑と落ち着いた和風のおごそかな雰囲気ですっと疲れが取れて気分がリセットされました。
八芳園は、前はよく通るのだけど入ったのははじめて、子どもの頃親にこんな感じのところに蛍狩りなどに連れて行ってもらったのを思い出して、懐かしい感じがしました。
もう真っ暗だったので、残念ながら庭園などは見えなかったんだけど、羽毛田さんのツイッターの写真によるととってもきれいな緑あふれるお庭があるみたいです。
ロビーも高級ホテルのような重厚な感じ。絨毯が分厚い!
お客さんはセレブな感じの方が多くて、みんなおしゃれでさすがチャリティーコンサート。子どもたちもおめかししていました。
私は発表会の服のまま来たのだけど、なんだかなじんでて安心、、
そんな様子だから、会場もふだんのコンサートと違って結婚式会場のような宴会場で、客席は円卓。
自由席でしたが、前方はほとんど「RESERVED」の札が立っていました。関係者席みたい。
しかたなく、少し後方、でも真ん中の円卓に2つ空席を見つけたので座りました。
ふとななめ後ろの円卓を見ると、なんとそこは出演者の待機テーブル…
オカリナの宗次郎さんや、古澤巌さんがふつうの格好で座っていました。
けっこうぎりぎりに着いたので、コンサートはすぐに始まりました。
このチャリティーコンサートは、東日本大震災で被災した子どもたちを、在日本の10か国の大使館の協力を得て、各国にホームステイさせて、その自立を支援するという活動を主に行っている「Support Our Kids」というプロジェクトの一環で行われました。
プロジェクトの発起人は各国大使のほか、日本の著名人などそうそうたるメンバー。すでに、東北のたくさんの子どもたちを海外に送り出しているそうです。
まず最初に、サイドの壁に設置されたスクリーンに、大使のメッセージなどいろいろな趣旨説明のビデオが流れ、その後司会の女性が登場、羽毛田さんが呼び込まれて、総合プロデューサーとしてご挨拶!
ふだんのコンサートとちょっと違う雰囲気で、少しまじめな感じ。
その後、岩手県大槌町で被災して、このプロジェクトでカナダにホームステイしたという女子高校生が紹介され、カナダの歌を澄んだ歌声で披露してくれました。
羽毛田さんはやさしいおじちゃんの口調で、彼女にいろいろとインタビューしました。なんと、彼女は明日から学校が始まるというのに、このステージのために上京したとか。歌手志望だそうで、制服姿でしたが、堂々とした歌いっぷりでした。
そして、コンサートの本編が始まりました。
最初に登場したのは、田中健さん。最近は俳優業よりは、ケーナ奏者としての活動の方が目立っているかも。
田中健さんは、意表をついて、ステージではなく客席の一番後ろからスポットライトを浴びて登場!
「夏の思い出」をアレンジした曲をケーナで吹きながら、テーブルの間を歩いてステージに向かいました。
なぜか私の椅子の真後ろで停止して、しばし演奏。あまりに近すぎて、私はずっと田中健さんの腰のあたりを凝視することに。
その後無事ステージに到着し、「ケーナと言えばこの曲!」の「コンドルは飛んで行く」、そして日本の歌代表、「赤とんぼ」を演奏して去ってゆきました。南米と日本担当ってことかな。
健さんのMCによると、彼のケーナを作っているのは俳優の平泉成さんなんだそうです。田中さんがケーナに出会ったのは、羽毛田さんのNHKスペシャル「失われた文明」でおなじみ、ペルーのマチュピチュでだったそうです。以来30年、ずっとケーナを吹き続けている田中健さん。
演奏後しばらくして、田中健さんはまた私たちの斜め後ろのテーブルに戻っていましたが、なんとその隣に俳優のSTさんが!お友達らしい。
次に登場したのは、「やなわらばー」でした。沖縄色満載の女性デュオ。
羽毛田さんのほか、チェロの結城貴弘さん、ギターの天野清継さん、ベースの西嶋徹さんも登場してサポート。
リアルやなわらばーは、左に立つ石垣優さんの顔のあまりの小ささと、美しく高い声にびっくりなユニットでした。1曲目はたぶん「アカユラ」と思われ。(「かいしゃ」という言葉を連呼していた)
2曲目は、帰納昌吉さんの「花」でした。「そんな雰囲気じゃないとは思うんですけど」と遠慮しつつ、「ナキナーサーイー・・・」のところをお客さんにも歌ってほしいということだったので、大きな声で歌いました。けっこう他のお客さんもかなり歌ってたみたい。やなわらばーは完全に琉球地方担当。
続いて、オカリナの宗次郎さんが登場。
宗次郎さんは今年でオカリナ活動40年だそうですが、最初の10年はひたすらオカリナを作っていたそうです。
自分の納得する音が出せるオカリナを求めて、いくつもいくつも作り続けたのだそうです。
楽器としては原始的というか、歌口も息を吹き込むだけだし、穴の数も少ないけれど、シンプルゆえに楽器そのものの質が大切なんでしょうね。
オカリナは不思議な楽器で、奏者が正確な音感を持っていて正しい音程で演奏すると、どんな楽器も凌駕するパワーを持っていると思います。
私が以前所属していたバンドにもとても上手なオカリナ奏者がいたのですが、いくら頑張ってフルートを吹いても、いつもオカリナに持って行かれたものでした。上手なオカリナの音は、人間の細胞にしみこむ不思議な力を持っていると思います。ただ、音程を安定させて演奏するのはすごく難しいんだけど。
そんなオカリナの第一人者の宗次郎さんの演奏を、生で聴けたのは本当にラッキーでした。
曲目は、「森のこだま」「森に還る」、そして宗次郎さんを一躍有名にした、NHK特集の「大黄河」でした。
今日、ここに来なければおそらく、一生聴くことのなかったであろう「大黄河」。ほんと、ラッキー。宗次郎さんは森と中国担当。
休み時間になったので、バーコーナーに飲み物を買いに行きました。
オレンジジュースが500円。チャリティー価格。
羽毛田さんのコンサートで、飲み物を飲みながら聴けるのはライブハウス以外ないから、テーブル付きで普通のコンサートっていいな。ディナーショーみたい。
休み時間に、各テーブルを募金箱を持ったスタッフがまわっていたので、「箱の中は諭吉だらけなんだろうな」と思いつつ、他の人(男性)が描かれた紙幣をそっと募金箱に入れました。これで許して。
第二部は古澤巌さんから。古澤さんは海賊の手下っぽい衣装と、いつものように当て布替わりのスカーフで演奏。
このいでたちのせいかもしれないけど、あの会場のお客さんで、古澤巌さんのすごさを分かってる人、あまりいなかったんじゃないかなという気がしました。空気感から思っただけなので、思い過ごしかもしれないけれど。(でも、みなみさんも同じ意見だった)
古澤さんの1曲目は、アコーディオンのcobaさんの作品という「Why Not」。最近作ですね。クラシックではない古澤さんの、魅力がいっぱい感じられる系統の曲でした。こういう古澤さん、昔から好きです。
2曲目は、フィギュアスケートの鈴木明子さんの最後の演技で使われたバージョンの「愛の讃歌」でした。フランス担当?
確か、コーチの長久保裕さんが大好きな曲だったと思うけど、このバージョンを古澤さんは鈴木さんと共に作ったそうです。知らなかった!
古澤さんは、「両親にはいっぱい迷惑や心配をかけたけど、この曲で親孝行ができたなと思いました。」と話していました。
これをご本人の生演奏で聴けたことも、本当にラッキーでした。
古澤さんは2曲だけだったんだけど、もう少し聴きたかった、、
次は歌手のJAY'EDさんでした。
JUJUとデュエットしていた歌のうまい人だということと、ハーフだということは知っていたけど、大阪育ちだとは知らなかった!(箕面らしい)
小さいころは出身のニュージーランドやオーストラリアで育ったそうですが、小学校の時に大阪に移住したそうです。
外国から見た日本と、実際に暮らしてみた日本は全然違っていて、その国に行ってみないとわからないことがいっぱいある、という体験を自分もしているので、このプロジェクトを通じてたくさんの子どもたちに世界を体験してほしい、と話していました。それも、大阪弁で。
この容姿の彼の口から大阪弁が出たことが意外過ぎて、お客さんからどよめき笑いが。ご本人も「めんどくさいからやめようかと思ったんですが」と苦笑。
JAY'EDの1曲目はたぶん「ずっと一緒」。(「一緒」という言葉を連呼していた)
彼はやはり出身がニュージーランドなので、オセアニア担当ということで、2曲目はマオリ族の民謡「ポカレカレ・アナ」でした。もともと声量のあるよい声なので、すごくよかったです。
最後は、羽毛田さんのアイリッシュ系劇伴でもおなじみのホイッスル&フルート奏者、安井マリさんが所属する「レディチーフタンズ」でした。
この数日前に、私のバンドのメンバーとマリさんが大学の同級生だったということが明らかになり、世間て狭いなぁと思いながら見ていました。
羽毛田さんがリーダー?の奥貫史子さんとのMCで、私たち誰もが不思議に思っていたことを聞いていました。つまり、「レディチーフタンズってなに?」「あの有名なアイルランド音楽の国宝的存在のチーフタンズと何か関係があるの?」という…。
なんでも、チーフタンズが結成50周年記念で来日したときに、日本でアイリッシュミュージックをやっている女性を集めてバンドを結成しようじゃないか、みたいな感じで結成したところ、チーフタンズのおじいちゃんたちも喜んでくれてお墨付きをもらったそうです。
アイリッシュハープ、バウロン、イーリアンパイプ、フィドル、ティンホイッスル、アイリッシュフルートなど本格的な楽器編成で「さくら」や「パッヘルベルのカノン」などをいつのまにかアイリッシュになってる!バージョンで演奏、最後はおどりも披露しました。(ロビーで小さい子がまねしていた)
一番最後は出演者全員でステージにあがって演奏して終わりました。
終演後、控室に総合プロデューサーを訪ねましたが、「男性控室」「女性控室」と書かれた宴会場に、それぞれ出演者が全員一緒に入っていたのでびっくり。
そんな場所ならではの、「金屏風ショット」をSPバンドの皆さんに撮らせてもらいました。(Goo!バージョンが「さかなのまど」にあります)
この控室の昼間の様子は、羽毛田さんのツイッターのお写真にてご確認ください。
控室にお邪魔したあと、帰る前に八芳園のカフェで一休みしました。ここもゆったりしていて居心地がとてもよくて、ちょっと八芳園好きになりました。朝から晩まで音楽尽くしの良い一日だったなーと思いつつ、おいしいお茶を飲んで帰りました。