LE VELVETSコンサート2016“CLASSIC PASSION”初日
161015@かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール(東京)
昨年同時期のツアーで、羽毛田さんプロデュースのLE VELVETSにドはまりして早一年。
コンサート後、アルバムを買ってファンクラブに入会し、この一年間7つのコンサートに参加するなど、会員としてまじめに活動してきました。おかげで、ずいぶんLE VELVETSのこともわかるようになりました。
そして今回。
今年も新アルバム、コンサートツアーともに羽毛田さんがプロデューサー&音楽監督を務めることになっていたので、早々にチケットをおさえ、アルバムも事前に入手して初日に臨みました。
今回は公演数が昨年より増えて、東京・かつしかシンフォニーヒルズを初日に(live imageの川口リリアみたいな位置づけか?)その後大阪2days、名古屋、福岡、静岡、宮城、そして渋谷オーチャードホール2daysで千秋楽という、立派な全国ツアーです。
今現在福岡までしか終わっていないので、完全なネタバレになっちゃいますが、オーチャードに向けての覚書的に書いておくことにしました。
(これから行くけど中身を知りたくない方は、ここでページ閉じてくださいね。)
開演前
ファンイベントなどでは、お客さんは99.9%女性ですが、一般のコンサートなので男性もけっこういました。
明らかにメンバーの仕事上のお友達など、同業の方だなという雰囲気の人もちらほら。
モーツァルトホールはそんなに大きいホールではなく(1318席らしい)、正方形に近い感じの浅い奥行でした。
一階席はもちろん、バルコニーも二階席もお客さんでいっぱいでした。
私はファンクラブの更新で年会費を払わなければいけなかったので、今回は物販はがまん。何も見ないことにして、早々に席に行きました。
一緒に行った友達(ファンクラブ会員)は、今回のツアーグッズに前からねらっていたトートバッグがあるとかで、物販の長い列に果敢にチャレンジ。開演ぎりぎりに席に戻ってきました。
新アルバム紹介もからめつつ、セットリスト紹介
残念ながら、前回のようなパンフレットが今回はなかったので資料になるものがないのですが、新アルバムの個人的感想もからめつつセットリスト紹介します。
第一部〜 1. Volare
ジプシー・キングスの名曲で、アルバムでもやはり1曲目の元気のよい曲でコンサートが始まりました。最初っからテンション高い!
プロモーションビデオを見たとき、彼らと一緒にChico & The Gypsiesが歌っていたので、羽毛田さん本物連れてきちゃった!とびっくりしました。
松崎しげるさんが歌っていたのでよく知られている曲ですが、私がLE VELVETSで最初に聞いたのは、たぶん佐藤“シュガー”隆紀さんのバースデイコンサートで、彼の独唱だったと思います。声量ハンパない佐藤さんにぴったりの曲だなと思いました。
今回のアルバムやコンサートでのアレンジは、コーラスも力強いけど、それぞれのメンバーのソロが散りばめられていて、とってもおもしろい。
私はこれの日野“しぃたん”真一郎さんのソロが、彼にはめずらしいダミ声っぽい感じで、けっこうクセになってます。
コンサートはスパニッシュギターのソロで幕開け。前回ツアーのギタリスト、遠山哲朗さんかなと思ったら、羽毛田カルテットのギタリスト、天野清継アニキでした!
バンドメンバーをよくよく見ると、その隣にベースの一本茂樹さんがいるし、奥にはチェロの結城貴弘さんもいるし、羽毛田カルテットのメンバーがぽこっとはまっていました。
2. ラダンツァ
Volareで元気よく始まった勢いそのままに、次の曲はアルバムでも2曲目の「ラダンツァ」でした。
ロッシーニ作曲の、ナポリ地方の舞曲「タランテラ」の早口言葉の楽曲で、今までのベルベッツのレパートリーにはあまりなかった激しい歌です。
もしかすると、CDで聴いたときに「刺激強すぎる!」と敬遠した方がいるかもしれないけれど、私が最初にアルバムを聴いたとき、一番「これいい!」と思った歌でした。
私が声楽を好きだと思うのは、声楽家が自分の体をまるで楽器のように駆使して声で演奏する様がたまらないからなのですが、この曲はまさに、全員がそれぞれの声の持ち味で「器楽的に」表現しているのがすごくよくわかります。ジャンル的にも、正統派声楽の教育を受けてきた彼らにとっては得意なものかも。
ライブでは、そこに視覚的な演出も加わって、すごくよかったです。
佐藤さんの圧倒的歌唱から始まるそれぞれのソロ、そして佐賀“たっちゃん”龍彦さんと佐藤さん、佐藤さんと黒川“くろちゃん”拓哉さん、黒川さんと日野さん、日野さんと宮原“のぶにぃ”浩暢さん、とものすごいスピードでデュオのバケツリレーなどなど。見事としか言えない!
激しく元気のよい曲が2つも続いたせいか、初日のオープニングにもかかわらず、メンバー全員がものすごく楽しそうにのびのび歌ってる感じがしました。
MC その1
黒川さんは従来から指摘しているように、その王子様的外見からは想像できない不思議な世界を内包されていますが、意外にちょっとおっちょこちょいなんだということもこの一年でわかりました。
今回最初のごあいさつは黒川さんの役目だったのだけど、まだ真昼間だったにもかかわらず「みなさん、こんばんは!ぼくたちLE VELVETSです!」
実は私は普通に聞き流していて、みんながなぜざわざわしてるのか、最初わかりませんでした。私はくろちゃんと同じ種族かも、、
9月14日発売の新アルバム「CLASSIC PASSION」がオリコンクラシックチャート第一位になったという報告の後、MCを佐藤さんに交替したのですが、「最初から緊張が伝わってきますね、、」
くろちゃんといえば、今年3月の「NEO CLASSIC」再演コンサートでもMCでかなりぐだぐだになったので、あれは花粉症のせいではなく、本来の姿だったんだなと思いました。なんとなくベルベッツのブレイン的なイメージを持っていたので、ちょっと意外。
ここで、メンバー自己紹介とそれぞれのニックネームの紹介、そしてプロデューサーで音楽監督ですよ、と羽毛田さんの紹介がありました。
3. 誓い〜Sicilienne
「シチリアーノ」という題名でも知られるフォーレの名曲に、日本語の歌詞を付けて新アルバムに収録されている「誓い」が次の曲でした。
昔学生の頃フルートで吹いたことがあって、私自身なじみ深い曲ですが、ピアノとシンセのちょっと宇宙的なアレンジになっています。
ゆったりした三拍子に載せて歌詞を付けてソロやコーラスで歌う、よりドラマチックな世界観を感じる曲に生まれ変わっています。
この曲は、いつもバリバリバリトンで太いところを聞かせる宮原さんが、ポップス用の軽い感じの歌い方をしています。全く別人みたいに聞こえる、高めでのびやかな感じの声で、彼ののどはどうなってるんだろう?と、ほんと不思議。
4. Oblivion
バンドネオン奏者でアルゼンチンの作曲家、アストル・ピアソラの「Oblivion」が新アルバムに収録されていると聞いて、びっくりするやらうれしいやら。
元々知らない曲だったのですが、つい先日参加したサックスの発表会で友人がとても素敵に演奏した曲だったからです。
アルトサックスの切ない音色で聴いたのと歌詞がついたものはずいぶん違うんだろうなと思いましたが、こちらはこちらでとても素敵。
フランス語の発音は難しいけれど、忠実に発音しようとしている日野さんにすごく好感が持てる笑。彼の声にあった曲だと思います。ライブでも、ソロがとっても素敵でした。そして、全員がユニゾンで歌うところの音圧がすごかったです。
5人がまるく並び、歌う番の人が真ん中にきてライトがあたるという中華のテーブルみたいな演出もおもしろかったです。
5. Caruso
この曲は、宮原さんと黒川さんのバリトン族ユニット「come sta?」の単独ライブで聴きました。
ナポリ生まれの名歌手エンリコ・カルーソーがニューヨークで活躍中に病に倒れ、ナポリに帰って療養して亡くなった、その晩年を歌った歌だそうです。つぶやくような歌い出しが黒川さんのちょっと暗い透明感のある声にぴったり。少しずつクレッシェンドで感情が高ぶり始めるところは日野さん、ガーンと声を張るところは佐藤さん、宮原さん、佐賀さんと、この五人の持ち味が適材適所に振り分けられています。
ステージでも、佐賀さんと佐藤さんがドラマチックに声を張るデュエットがとてもよかったです。
6. With One Wish
羽毛田さんがプロデュースした1枚目のアルバム「NEO CLASSIC」から、葉加瀬太郎さんの「With One Wish」が歌われました。
従来から、私が「live imageでアモリ・ヴァッシーリ君の歌ったイタリア語の歌詞で歌ってほしい!」と主張してきた曲ですが、今回も歌詞は日本語でした。
葉加瀬さんが弾くイントロのバイオリンは、もちろん今回もファーストヴァイオリンを務める伊能修さん。今回は席が弦軍団の前だったので、伊能さんの演奏姿をつぶさに眺めることができました。はじめっから盛り上がってる歌なので、ミラーボールもキラキラまわり、会場は光の海みたいでした。
しかしこれ、ほんとに大変な歌です。高音を受け持つ佐賀さんなど、よく失敗なく上げきるよなぁと思うほど、高いところまで上がります。やはり高音といえば、佐賀さん。
7. TIME TO SAY GOODBYE
新しいアルバムの収録曲が次から次へと披露されて、しかもものすごい音圧を体に受け続けて、なんとなくこのあたりでぼーっとしていたらしく、今回のTIME TO SAY GOODBYEの記憶があまりありません。日野さんのいつものファルセットの高音が、今日はまろやかだなーと思った覚えが。
MC その2
ちょうどいいタイミングでMC、というか、もうすぐ休憩時間だったのでコンサートグッズの紹介コーナーになりました。
佐賀さんが説明して、日野さんが実演するというパターンが定着。日野さんの実演は回を追うごとに動作のキレが良くなっている気がする。
それにしても日野さんはほんとにスタイルがよくて、二次元のアイドルみたいだなと思いました。ちょうど前方の席でサイリウムを振っている人がいたので、「キングオブプリズム」の応援上映に行ったときのことを思い出しました。
今回は「あまりにテンポがいいもんだから」とピアノの前で宮原さん、佐藤さん、黒川さんが寝ている、という演出も。
8. 涙は踊る〜Bolero
ラヴェルの「ボレロ」は宮原さんにとって特別の曲だそうです。
保育園児ぐらいのころ、おじいさんに連れられて初めてオーケストラの演奏を聴いたときの曲が「ボレロ」で、子どもながらしびれたそうです。いつかぜひこの曲を歌ってみたいと思っていたそうですが、もともとバレエ曲で歌詞はついていないので、日本語歌詞を付けて歌われました。
CDで聴いたときは、応援ソングっぽい歌詞が強すぎるような気がしてちょっと聞きづらかったけれど、ライブではむしろダイナミックでメッセージが伝わりやすくていい感じでした。
第二部〜 9. EXILE ダッタン人の踊り
特に買うものもなかったので、休憩時間はおとなしく過ごし、二部が始まりました。
最初ステージにはバンドメンバー以外誰もいませんでしたが、中央の階段上の上手袖から宮原さんが歌いながら登場。歌は「NEO CLASSIC」収録曲の「EXILE ダッタン人の踊り」でした。
全員がステージに現れると、みんな第一部の黒いタキシードから、白いタキシードに着替えていました。中にベストを着ていて、一人一人色が違いました。
10. ADAGIO
次も「NEO CLASSIC」からの選曲。live imageでのマイクなしの歌唱も圧巻のパフォーマンスでしたが、何度も歌われていて抜群の安定感。
MC その3
「二部は始まりましたけど、まだ『こんにちは』の時間帯ですからね」と、オープニングで「こんばんは」と言ってしまったくろちゃんをみんなでいじりつつ、MCコーナーになりました。
つい先ごろメンバーはスペイン旅行に行き、そのビデオがCSのTBSチャンネルで放送されるらしいですが、スペインの感想を一人一人話しました。
佐藤)情熱たっぷりの生ハム、フラメンコもすごかった
宮原)日差しをいっぱいあびて、日焼けした。気温が摂氏45度だけど、降水確率ずっと0%で乾燥しているのでからっとしていた
日野)温泉が好きだが、向こうでもアラブ式の温泉と言うのがあった。だれも水風呂に入ろうとしなかったが、日本と同じようにザブザブ入って、日本人のパッションを見せつけてきた。
佐賀)ストリートミュージシャンとセッションして、みんなで歌った。(くろちゃんいわく、「いい迷惑」)
黒川)情熱を注入してきた(アルハンブラビールがおいしかったそうです)
11. 燃える秋
難解な現代音楽の作曲家というイメージのある武満徹さんですが、こんな曲も書いていたのですね。
「燃える秋」は1979年に公開された映画の主題歌で、作詞は五木寛之さん。どこかで聞いたことのある歌だなと思っていたけど、オリジナルはHI-FI-SET(フォークグループ「赤い鳥」解散後、そのメンバーの中の3人で結成された)が歌っていて、私はHI-FI-SETが当時好きだったので聞いたことがあったのかもしれません。
原曲はどちらかというと歌謡曲タッチですが、これはボサノバアレンジ。
新アルバムの中では、「ラダンツァ」と並んで二大好きな曲です。
ムーディーな羽毛田さんのピアノが素敵。そして、コーラスの和声がとても美しくて妖しくて好きです。日野さんやポップス声の時の宮原さんが得意な感じの曲。
ここのところ、気候も秋になってきたせいか、この歌がぐるぐる頭の中を回っていることが多いです。コーラスのところを思い出してうっとりしたり。
CDのギター演奏は、私が大好きなボサノバギタリストの伊藤ゴローさん。チェロもとても印象的に活躍してます。その上に載る5人のコーラスが本当に美しい!
12. SPAIN
羽毛田さんがlive imageやソロコンサートなどでよく演奏する、チック・コリアの「スペイン」ですが、私は実はこの曲、最初に聞いたのはチック・コリアのバンド、リターン・トゥ・ フォーエヴァーのインストによるオリジナルではなく、大学時代に大流行していたアル・ジャロウの「This Time」というアルバムに収録されていた「Spain(I Can Recall)」でした。アル・ジャロウのみごとなヴォーカルにドはまりして、当時心酔していましたが、LPで聴いていて、その後CDに買い替えなかったのでいつしか耳にすることができなくなってしまいました。でもその声の記憶はいまだに消えることなく頭に残っていて、ばっちり再現できます。
これはアル・ジャロウ自身による作詞だったとあとで知りましたが、今回その歌詞が使われていました。こんな形でこの歌に再会できるなんて感激。
「This Time」が流行っていた時、羽毛田さんも大学生だったからきっと聴いていただろうな。
冒頭のアランフェスコンチェルトが途切れたところからアインザッツを合わせるのはなかなか大変なのか、日野さんが「ワン・ツー」とカウントしていました。
ハンドクラップが入るところは、梯さんが(アクリル板の向こうで)手を叩いていたので、「これ、手拍子じゃないからねー」と思いながら一緒にクラップ。天野さんのギターソロもあり、さらに羽毛田さんのソロもあり。
とてもスタイリッシュなスペインで、聞きごたえありました。
今回のコンサートでは、今までにないことをやってみる・・・ということで、羽毛田さんがおしゃれなフレーズをピアノで弾いて、誰か一人を指さすと、その人がそれをそのまま歌う、というチャレンジになりました。
最初は日野さん、もともと音楽的にとても柔軟性豊かな方だと思うのですが(だから好きなんだよねーぷすす)実にソツなくこなし、次の人へ。
みんな大なり小なり(?)うまく返していましたが、くろちゃんだけが「え、えええ?」と耳に手をあてて聞き返す、、、というフリ?
そして、これをお客さんもやってみよう、っていうことで、一人一人が歌うのと同じフレーズをお客さんが返しました。
女性が多い会場で、実に元気のよい、上手な返し。さすがベルファン!
もしかすると、昨年12月に行われた、くろちゃんのファン限定バースデイコンサートで結成された「黒川合唱団」でスパルタ教育を受けた方々が多いんだろうか、と思ってしまいました。ほんとに厳しかったらしい、黒川さんの合唱指導。
私は合唱団には参加しなかったけれど、ちゃんと大きな声で気持ちよく歌わせていただきました。
13. スペシャルコーナー〜 Ombra mai fu
ここで、アルバムから離れたスペシャルコーナーになりました。
佐賀さんが「チェロやトロンボーンは人の声と似ている、と言われています。」
(私はバスリコーダーとかテナーサックスも、吹いていて人の声っぽいなと思うことがあります。クラリネット吹きはクラリネットこそ人の声に一番近い、と主張していたけれど。)
ということで、ここで羽毛田カルテットの若きチェリスト、結城貴弘さんが登場して、結城さんのチェロと5人の歌声だけで演奏することになりました。曲目は、なんとヘンデルのラルゴ、別名「オンブラ・マイ・フ」でした!
すごくうれしい選曲。なぜかというと、先に書いた、友人が「Oblivion」を演奏したサックスの発表会で、私がアルトサックスで演奏したのがこの「オンブラ・マイ・フ」だったからです。そして、今訪問演奏ボランティアのコンサートでフルートで演奏している真っ最中でした。もしこれが羽毛田さんの選曲だったら、もう心読まれてるとしか思えない<違
確かにチェロと男声はとても相性が良く、まさに「すてきな木陰」にいる思いでした。
ペルシャ王セルセによって歌われるアリアなので、もともと男声の歌と思っていましたが、本来カウンターテナーのための曲だそうです。
キャスリーン・バトルの歌っているCMが昔日本でも流行ったけれど、ソプラノで歌われるのはそのせいなのですね。
14. HOMELAND フィンランディア讃歌
フィンランディアは最初のアルバムの収録曲で、もう何度も繰り返し繰り返し聞きました。
オリジナルのフィンランディアでは実際に賛歌の部分が合唱で歌われることもありますが、それとはまったく別の日本語の新たに作られた歌詞があてられています。
演奏は、羽毛田さんのこの賛歌の部分のピアノ独奏をイントロに、始まりました。
前のコンサートに比べても、さらに重厚な、思いがあふれる感じの歌唱でした。
今回のコンサートでは、この1年で本当に彼らがいろいろな経験や思いを蓄積して生まれ変わったなと実感したところが、随所にありました。
バンドメンバー紹介
ここでバンドメンバー紹介。
天野清継さん(ギター)→一本茂樹さん(ベース)→伊能修さん(1stバイオリン)→村井俊朗さん(2ndバイオリン)→渡辺一雄さん(ヴィオラ)→結城貴弘さん(チェロ)→梯郁夫さん(パーカッション)の順で紹介され、最後に羽毛田さんがあらためて紹介されました。
15. ロッホタンゴ
この曲は最初のアルバムの収録曲ですが、宮原さんのソロ曲なので今回はやらないだろうと思っていました。が、やはり大人気曲、ピックアップされていました。
歌わない他のメンバーがダンスを披露する曲なので、そういう意味でも面白い。
今回は陣形が凝っていて、宮原さんを先頭に全員が階段上に一直線に整列した瞬間があったのですが、(つまりこのまま旋回したらチューチュートレインができる状態)なぜか私の席のあたりが起点になっていて、私からは一番前の宮原さんと一番後ろで高いところにいる日野さんしか見えませんでした。
あれあれあれっと思って首をのばしてみたりしたけど、がっちり一直線。
他の位置から見たら、ちゃんと全員見えたんだろうな。運がいいんだか悪いんだか。
ロッホタンゴは歌詞もメロディーもすごく難しい曲だと思うのですが、宮原さんは本当に揺るぎない。
去年のツアー以来何度か彼のこのソロを聴きましたが、いつもパーフェクトなロッホタンゴを聞かせてくれて、すごいなと思います。
タンゴだけど、天野さんのギターソロはエレキギターでした。羽毛田さんもピアノでかっこいいソロを披露。歌も演奏も「ほれぼれする」という表現がぴったりな感じ。
16. 情熱大陸
サイリウムを持ち込んでいた人は、この曲で振るために持って来ていたのかな?
全体的に、手拍子したりなんだりという曲が少ないので、ここはオーディエンス参加でノリノリな感じでした。
17. Turandot -CLASSIC PASSION Style-
プッチーニのオペラ「Turandot」のアリア「Nessun Dorma」は以前から彼らのレパートリーでしたが、今回のアルバムではこのアリアだけでなく、オペラの冒頭の部分も使って、よりオペラの雰囲気が伝わるドラマチックな編曲になっています。
黒川さんが「トリノオリンピックで金メダルを取った荒川静香さんが演技に使ったバージョン」と紹介していましたが、荒川さんの演技に感動した羽毛田さんが自身でこのヴァネッサ・メイバージョンのトゥーランドットを楽譜に起こして演奏した音源がコンピレーションアルバム「image」に収録されました。それはインストバージョンだったので、今回はそこにオペラの冒頭で使われている象徴的な歌詞が当てはめられていました。
全編に渡ってとても美しいメロディーの宝庫なオペラなので、この編曲はとても嬉しかったです。コンサートで聴いても迫力があって、「Nessun Dorma」の美しさがより引き立つ感じがしました。
アンコール
アンコールの1曲目は「'O SOLE MIO」。
出だしの日野さんのソロは、とてもゆったりと落ち着いた歌い方で、日野さんのこの音域の声がほんとにいいなぁと思いました。
もちろん、ベルベッツ名物(?)の、佐藤さんのロングトーン付き。
2曲目は、なんと日野さんが作曲したという「序章」でした。
日野さんはことあるごとに、ファンや支えてくれた人々への感謝を言葉にしますが、その思いをそのままにしたような歌です。(でも日野さんは作曲で、作詞ではない)
最後は出演者全員が一列に並んでカーテンコールで終わりました。
バックステージ
終演後は、お客さんと写真を撮ったり話したりしているベルメンバーを横目に見ながら羽毛田監督の控室へ。
監督を廊下で待っていると、ハイタッチ会に行くメンバーが前を通ったので、日野さんにごあいさつすることができました。
しかし、毎回思うけれど、なぜ二時間も歌って踊って汗だくになっているはずの彼らは、終演直後の楽屋であんなにもさらさらとした清潔な雰囲気でいられるのでしょう?
まるでこれからステージが始まるかのような爽やかさでした。
それだけ鍛え抜かれているということなのでしょうか…。
その後、こちらも最近トレーニングを強化しているそうで中年太りとは無縁、どんどんスリムになっていくさわやか羽毛田監督と、初日の感想など話してからホールを後にしました。
次回オーチャードホール公演では、一通りの内容がわかったので、もう少し細部に注目して書きたいなと思っています。