みんなのおすすめ:come sta? from LE VELVETS
come sta?チャペルツアー@キリスト品川教会
2015年10月28日(水) 17:00開場/17:30開演 投稿者:kingyo
LE VELVETSのバリトンチーム、宮原浩暢さんと黒川拓哉さんのユニット“come sta?(コメスタ)”チャペルツアーの東京公演に行ってきました。
このコンサートは羽毛田さんは関わっていなくて、LE VELVETSの他のメンバーがミュージカル出演などで忙しかった時に、たまたまひまだった(?)宮原さんと黒川さんがマネージャーさんと相談して、出身校の東京藝術大学で勉強したようなクラシックの作品を歌うコンサートをやってみようということで始まったプロジェクトだそうです。
私は9月のオーチャードホールでのコンサートを聴いて、ぜひ彼らの歌でクラシックものを聴いてみたいと思ったので、チケットを取ることにしました。
でも、ファンクラブの会員番号をもらったときにはもう、ファンクラブ先行抽選は終わっていたので、果敢にぴあの一般発売にチャレンジ。
羽毛田さん関連の数々の入手困難チケットを奪取してきた技術(まぁそんな大したことじゃないけど)を駆使して、WEB一般発売開始4分後にはチケットを押さえました。
「come sta?行ってみたい」が意外に早く実現することになりました。
日程が平日水曜日、開演が夕方5時半ということで、働いている人はこの日が定休日か、自由な自営業(私)か、勤め人なら年休取らないと無理でしょ、だったので、同じくオーチャードでベルベッツファンになった勤め人の友人は年休が取れず断念。
なので、彼女のためにもちょっと詳しめにレポートを書いてみます。
開場
日中すごく暑くて夏日になったこの日、夕方の品川もまだ昼間の熱気が少し残っていました。
会場のキリスト品川教会は、品川駅高輪口から北品川方向に、けっこう歩いたところにあります。ビル群を抜けると、前方に大きな看板が。(右写真)
到着すると、すでに開場していて長い列ができていました。
ほとんど女性、数人男性も。女性はごく若い人から、年配の方まで様々な年齢層。並んで静かに入場していきます。
教会なので、玄関ホールが狭くて、そこに物販もあったのでけっこうな混雑。
友人のおみやげを買わなきゃ!と見てみると、come sta?と書かれた用途不明のものがあったので、訳も分からず2つ買いました。サンプルを見ると、どうやらペットボトルホルダーらしい。
しかし、これはのちに、もっとすごいものであることがわかります。
1人なのに、握手券を2つもらってしまいました。
券面に書かれている番号の礼拝シートに座って、座席に置かれていたプログラムを読んでると、「席間違ってませんか?」と他の方に言われました。どうやら礼拝シートはファンクラブ席で、一般席はサイドの間仕切りを取っ払ったところに置かれている補助椅子だったみたい。同じ番号が振られていたので間違えてしまったのでした。
謝って、正しい自分の席に移動。
壁際でちょっと見えづらかったですが、メモが取りやすくてよかったです。
小さな礼拝堂なので、音響的にも壁のせいで聞こえづらい、とかはなさそう。
隣の席の方もファンクラブ席と間違えてしまったそうで、いろいろ話すうちに羽毛田さんのソロコンサートに行った方だと判明。こんなところに羽毛田さんファン!
静かなおしゃべり声が徐々に引いてきたのでステージを見ると、若い男の人がピアノに付いて、演奏を始めました。
よく知ってる曲だったんだけど、びっくりしたのもあって何の曲か忘れました。
プログラムには「ショパンの幻想即興曲」と書かれているけど、そうだっけ?
でも、運指がとても正確な、上手な演奏だということにはすぐ気が付きました。
ピアノ演奏後の拍手が終わると、彼が有名なアリアの前奏曲を弾き始めました。
Largo al factotum 私は町の何でも屋
(ロッシーニ 歌劇「セビリアの理髪師」より)
1曲目から、こんなバリトン聴きたかった!というセビリアの理髪師の有名なアリア。
「フィガロフィガロフィガロ」と連呼する、あの曲です。
出だしは二人の姿はなく、前のスピーカーから声だけが聞こえてきました。
いったいどこにいるんだろうとキョロキョロすると、後ろの向かって右側の通用口のところに黒川さんがチョロチョロと動くのが見えました。
そのまま左手のほうに消えてしまい、反対側の通用口から宮原さんと現れました。
2人ともマイクを持って身振り手振りしながら、通路を行ったり来たりしながら歌いました。
いきなりいい声!これが聴きたかったんだよね〜、という感じ。
この曲はかなり高めのバリトンの曲だそうですが、ベルベッツの時にはあまり浮き彫りにならなかった黒川さんの低いところの声を認識。
テリと輝きのある明るい声の宮原さんに対し、黒ちゃんはやわらかいけどけっこう太くて暗めで存在感ある声だとわかりました。
MC
このあと最初のMCが始まりました。
「ぼくたちは東京を中心に活動しているグループなんですが」ここのところずっと日本各地を回り続け、「ようやく東京に戻ってきました。」
今回は400〜450人ぐらいのお客さんで「come sta?史上初の集客力!」、お客さんのほとんどがcome sta?初体験でした。
ここで、冒頭に書いたとおり、クラシックに寄せきったコンサートをやってみたかった、という「come sta?」プロジェクトの成り立ちの説明があり、黒川さんが「そもそもcome sta?ってなに?ということで、、」と説明し始めるのかと思ったら、「イタリア語が得意な宮原さんに」と丸投げ。
仕方なく宮原さんが「come sta?っていうのはイタリア語のあいさつで、『ごきげんいかがですか?』という意味です。」と説明。「come sta?と聞かれたら、黒ちゃんどう答えます?」
「ちょっと寝不足、、、」
「コンサートなんだから、元気ですって言わないと!」
黒ちゃんは前日、今日のたくさんのお客さんのことを考えると緊張して寝付けなかった、とのこと。ちなみに黒ちゃんの緊張の基準は「お客さん300人以上」だそうです。(?)
この「come sta?」という問いかけには「ストベーネ!」(Sto bene)と答えるそうです。「元気です!」ということで、ついでにガッツポーズも添えて…。
これを今日のコンサートの終わりにやるので、覚えておいてください、ということでした。
ここで、今日のピアニストの紹介がありました。
冒頭でとても上手な演奏を披露した若者は「おいかわ○×※△こと・・・レオくんです!」
下の名前は黒ちゃんが早口でよく聞き取れませんでした。でも、レオとは全然関係ない名前のようでした。なぜにレオくん?
今日はヴォーカリストの二人がどちらも東京藝大出身なので、藝大トリオということで探して、楽理科4年生在学中のレオくんにお願いしたそうです。
レオくんは4年生なので、黒ちゃんが「卒業後の進路は?」
(「ここで聞く?」と宮原さん)
悩んだけれど、先日大学院の試験に受かったそうで、卒業できれば院に進むそうです。
「そんな大事な時期に、come sta?の伴奏をしているという…」とブラックなつっこみをする黒川さんでした。
Sebben, crudele. たとえ つれなくても (カルダーラ)
Gia il sole dal gange 陽はすでにガンジス川から (スカルラッティ)
続いて、バロックのイタリア歌曲2曲が歌われました。
最初の曲は「誠実な愛を歌う歌」。どんなにあなたがつれなくても、あなたを一途に愛する、ということを歌い続ける歌詞だそうですが、「それって・・・つまり相手が浮気してるってこと?」と疑念を持つ宮原さん。
それに対して、2曲目は文字通り、ガンジス川の雄大な風景を歌った歌で、「1曲目がちっぽけに思える」「悩んだら歌おう!」と黒川さん。
イタリア歌曲もとてもよかったです。もっといろいろ聴いてみたいと思いました。
「ガンジス川と言えば…」と宮原さんが高校時代のお友達の話をしてくれました。
その人は武蔵野音大の声楽に行ったそうですが、卒業旅行で友達とインドに行き、雄大なガンジス川を見て思わずみんなで飛び込んだそうです。で、帰国後全員入院したとか。
よく見ると、牛の死骸が流れていたりして危ないので「素人は飛び込んじゃだめ」
でも、声楽の人はよく水に飛び込むよね、ということで、藝祭(東京藝大の学園祭)で上野の噴水に飛び込んだり…
いや、それは声楽科だけじゃないかも、、、
ここで話題は「対位法」に。
声楽科の人は大体副科でピアノを取る人が多くて、授業で必ず弾くのが「バッハのインベンション」なんだそうです。(レオくん実演)
私はピアノが苦手なので、あまり詳しくはわからないけれど、対位法と言えば、普通は右手が旋律、左手が伴奏となるところが、両手とも対等に旋律を弾く、みたいな感じだと思いますが、黒ちゃんがそれを「ポンズのWホワイト」に例えて(ポンズ、ダブル、ホワイトッという歌付きで)説明しました。(が、いまいちよくわからなかった)
「そんな、お肌を気にする年じゃないから」という宮原さんに、黒ちゃんが「のぶにぃと知り合って8年になるけど、1本ずつ目じりのしわが増えてもう9本目にさしかかっている」など、思わぬ攻撃。「肌いのち!、あ、あれは歯が命か」と珍しくボケた宮原さんでした。
今回は歌もトークも、本当に二人とものびのびしていました。
といっても、私はオーチャードホールの彼らしか知らないので、この小規模なコンサート、しかもほとんどがファンクラブのメンバーの中でのびのびするのは当たり前か。
歌は学生時代を思い出しているかのように本当に楽しそうに、そしてトークは黒ちゃんのボケ、宮原さんのつっこみ、そして時に両方ボケの「対位法」で、自然体でとてもよかったです。
対位法と言えば、レオくんが「アンパンマンマーチを対位法で」という二人からの無茶ブリに、見事に応えて大拍手でした。
Scarborough fair スカボロー・フェア (イングランド民謡)
イングランド民謡ながら、サイモン&ガーファンクルの歌であまりにも有名なあの曲です。これが、まるでグレゴリオ聖歌のように美しいデュエットでした。
黒川さんが「古典ぽいスカボロー・フェア」と言ってましたが、確かにそんな感じの響き。このチャペルの雰囲気にぴったり。
歌っている方も気持ちよく響いたのか、歌い終わった後「パイプオルガンのパイプにも声がよく響いてましたね。」と不思議な感想を述べる黒川さんでした。
デュエットで聴くと、明るいトーンのバリトンの宮原さんの声と、音程も暗めの黒川さんの柔らかい声がとても相性がよいと思いました。
バリトンらしいバリトン同士だと、二人で歌ったらちょっとこゆ過ぎるところなのかもしれません。
Die Rose, Die Lillie, Die Taube ばらよ、百合よ、鳩よ
(シューマン「詩人の恋」 Op.48より)
Zueignung 献呈
(R.シュトラウス「最後の花びら」よりの8つの歌 Op.10より)
宮原さんはテレビの放送でドイツ語の歌の歌詞が全部飛んだことがあって、黒川さんは大学時代にちょっと、、、と、ドイツ語に関しては2人ともいろいろとトラウマがあるそうで、この2曲のドイツ歌曲の合計時間はなんと、3分弱でした!歌った後「みじかっ!」って、、「時は金なり」だそうで。
「3分あったらのぶにぃなら何します?」と黒川さんに聞かれた宮原さんの答えは、「3分発声したら、その日の声の調子がわかる」即答でした。しかも実際に発声付きで。
ところで、ここで黒川さんが大学時代、とても偉い女性の教授から「ジャニーズ」と呼ばれていたということがわかりました。
Why do the nations いかなれば、もろもろの国民はさわぎたち
(ヘンデル「メサイア」より)
大学には「合唱」という授業があって、単位を落とすと卒業できないそうですが、授業開始に1分でも遅れると欠席扱いになるという厳しい授業だったそうです。3学年だったかな?、が集まって、救世主の一生を描いた「メサイア」を合唱するそうですが、「ハレルヤコーラス」が有名ですよね、と「ハーレルヤ」を「(低い)ドーレミ(低い)ド」と歌った黒川さん。
普通「(高い)ドーソラソ」ですが、バリトンのパートはドーレミド、なんだそうな。
「Why do the nations」はバスのアリアだそうですが、二人の声の低いところの魅力がとてもよくわかりました。
「メサイア」は姉が好きでしたが、私はあまり興味がなかったので、この機会に全曲聴いてみたいなと思いました。
黒ちゃんのおすすめは、「メサイア」の中の「トランペット」という曲だそうです。「The Trumpet Shall Sound」という曲のことですね、きっと。次回はぜひこちらも歌ってほしいです。
ところで、彼らの合唱の授業は2限目、10時20分からだったそうで、これに遅刻しそうになるところがいかにも大学生という感じですが、その前の1限目がソルフェージュで、これを落とすと3、4年で再履修になるので、1、2年生と一緒に授業を受けるという、恥ずかしいことになるそうです。(黒ちゃんはそうなったそうです。)
二人の大学時代が目に浮かぶようで、そんな話もとても楽しかったです。
レオくんのコーナー
ここで歌の二人はちょっとお休みで、ピアノのレオくんのコーナーになりました。
レオくんは楽理科なので、ピアノも上手だけどきっと頭脳もすごく優秀なんだろうなと思いますが、今回の即興演奏にはびっくりしました。
お客さんが指定した4つの音から始まる即興演奏、というお題でした。
黒ちゃんも言ってましたが、クラシックの人は楽譜に忠実に演奏するので即興演奏は苦手な人が多いです。でも、レオくんは黒ちゃんが指定した「ラ」、黒ちゃんが指定した女性が指定した「ミ」、宮原さんが指定した男性が指定した「レ」(ここで「ラミレス?」と黒ちゃん)そして、ラミレスに近い、と宮原さんが指定した「ソ」を使って、とても美しい曲を瞬時に作り出しました。
(「考えている間つないで」と二人に頼んだけど、二人が話そうとしたとたん「できました!」
レオくんなかなかおもしろい!)
そして、ピアノ独奏はドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」でした。
「みなさんご存知の亜麻色の髪の乙女はこちらかもしれませんが・・・」と島谷ひとみさんバージョンを軽く弾きました。レオくんなかなかおもしろい。
そしてピアノの音色がとてもきれい。
おもしろいといえば、他の公演の感想をツイートした方がレオくんのことを「レムくん」と書いてしまったそうで、ピアノの演奏を始める前にそのことに触れて、「この後レムと書いた人は確信犯てことで、ぼく忘れませんから」。好青年な見た目とうらはらに、意外にブラックに愉快なレムくんでした。(確信犯)
O Mimi, tu piu non torni ああミミ、君はもう戻ってこない
(プッチーニ 歌劇「ラ・ボエーム」より)
私はオペラが大好きですが、中でもプッチーニの作品が好きで「ラ・ボエーム」も大好き。どちらかというとソプラノのアリアをよく聴きますが、この曲も好きです。
これは二人の登場人物が別れた彼女を想う二重唱ということで、実際の振り付きで歌いました。憂いをふくんだ表情の黒ちゃんが、レオくんのピアノ椅子に一緒に腰かけて歌うところでは、お客さんからクスクス笑いが。とても素敵な二重唱でした。
Di Provenza il mare, il suol プロヴァンスの海と陸
(ヴェルディ 歌劇「椿姫」より)
こちらも有名な「椿姫」のアリア。バリトンはだいたい王様とかお父さんとかの役が割り当てられることが多いそうですが、これは娼婦ヴィオレッタに恋をする青年アルフレード(テノール)のお父さんが歌う、バリトンの名曲だそうです。かなり高い音域の曲で、二人で半分ずつ歌った、とのことでしたが、最初黒ちゃんは「ぼくは息子役でお父さんはのぶにぃ」と、「若者代表」を強調していました。「いや、ぼくたち6歳しか離れてないから」と宮原さん。
ここでもさらにおとぼけなトークが。
椿姫は原題が「La traviata」ですが、パスタの「アラヴィアータ」と間違えやすい、みたいな話になり、LE VELVETSのメンバーでイタリアに行ったとき「アラヴィアータください」を「トラヴィアータください」と言ってしまったメンバーがいたとかいないとか…
「トラヴィアータください」からなぜか「まんじゅう小判」まで飛び出し、黒ちゃん暴走。
この歌は、ヒロインの高級娼婦から別れの手紙をもらって嘆き悲しむ息子を慰めつつ、故郷のプロヴァンスに帰ろう、と歌うお父さんの歌だそうですが、「ということは、僕の親父が失恋したぼくを慰めて福井に帰ろう、って言ってるのと同じこと?」大爆笑でした。
Preghiera 祈り (I.クルトイ)
Caruso カルーソ (L.ダッラ)
最後はLE VELVETSの現在の立ち位置である「クラシカル・クロスオーバー」のジャンルから2曲選ばれました。
1曲目は黒ちゃんが好きなロシアのバリトン歌手、ドミトリー・ホロストフスキー(黒ちゃんは言えていなかった)が歌うPreghieraという曲でした。ホロストフスキーもイケメンでとても良い声の人だそうで、帰ってネットで試聴してみてなるほど、と思いました。come sta?版Preghieraもとてもよかったです。耳に残るメロディーでした。
最後の曲は、三大テノールで有名な故ルチアーノ・パヴァロッティに捧げられた「カルーソ」という曲でした。
不世出のテノール歌手、エンリコ・カルーソの壮絶な最後の日々を歌っている曲だそうですが、どんな歌詞なんだろう。
三大テノールでは、私は断然プラシド・ドミンゴ派なのですが、「世界的テノール」と宮原さんが言いかけた時、黒ちゃんが「佐藤隆紀?」
ここで佐藤さんが客席の一番後ろにいたことがわかりました。
アンコール
歌い終わって二人がうしろの扉からいったん退場、もちろん拍手は鳴りやみません。
ほどなく再登場。黒ちゃんが「なりやまぬこの拍手、もういっぱいいっぱいです」
「これこれ」と宮原さんが制止。
ここで、このコンサートのグッズ紹介がありました。
初回come sta?で作ったトートバッグはとても人気で、すぐ売り切れたそうですが、今回も少し持って来ていたのにやはりすぐ売り切れたそうです。確かに私が見たときは、もうありませんでした。
私が買ったこのペットボトルホルダーのようなものは、実は名前は忘れたけど、保温も保冷もできるものらしいです。
ビール好きの黒ちゃんが、最初の3,4本は一気に飲んでしまうけれど、(スーパードライが大好きで、キレが命だそうな)ペースが落ちてきたときにビンや缶をこれに入れておくと、ぬるくならないそうな。右写真が正しい使い方なんですね。
保冷のほか、保温もできるので、暖かいレモンティとかスープでもOKらしい。これが赤と青の2色入ってました。
あまりにグッズ紹介に熱が入りすぎて、「ぼくたちがまた出てきたのはアンコールをするためだからね」と宮原さんがまたまた制止。
アンコールは再びサイモン&ガーファンクル。「明日に架ける橋」でした。
みんなでサビを歌いましょう、ということで、プログラムにちゃんとその部分の英語の歌詞が書かれていました。
出だしの美しい二人のハーモニーに耳を傾けた後は、みんなで大きな声で「Like a bridge over trouble water, I will lay me down」を繰り返し歌って、最後に片手を突き上げて「Sto bene!」と叫んで楽しいコンサートが終わりました。
終演&感想
せっかく握手券をもらったので、握手会の列に並ぶことにしました。
「とても楽しかったので、またぜひやってください」と言って握手して帰ろうとして、あーーっと黒ちゃんに止められました。
黒ちゃんの隣に立っていたレオくんをスルーしてしまったのでした。
「ぼくって存在感ないんですよね」としょんぼりなレオくん。
すみません、そうじゃないんです。レオくんは今年藝大を卒業した当サイト美術担当のみなぞう画伯とほぼ同い年。最初から、彼はアーティストというよりはみなぞうの友達の青年たちにしか見えなくて、このときもついつい普通の子オーラを発していた彼を通り過ぎてしまった、、
ほんとにすみません。決して存在感がなかったのではなく、ごく個人的な事情で通り過ぎてしまったのでした。ごめんね、レオくん。あなたのピアノはすばらしかったです。
というわけで、行きたいと思っていた彼らのコンサートをこんなに早く体験することができて、とても幸運な夜でした。友人には「失業してでも来るべきだったぞ!」とメールしました。
私みたいに、クラシックをちょっとかじったけど、そんなに確かな知識があるわけでもなく、なんとなく好きなものを聴いて楽しんでるだけ、という人は世の中に多いと思いますが、そんな皆の衆にとって、なかなか得られない知識を教えてもらったり、知らなかった曲を紹介してもらったり、ふだんは知ることのできない一流の音楽大学の様子を教えてもらったり、気さくに気軽に、でもかなりクラシックの高いところに触れることのできる素晴らしいプロジェクトだと思いました。
それにベルベッツのメンバーの魅力がプラスされているわけですから、無敵です。
ぜひ、マダムだけでなく若い学生さんなど、これから音楽を目指そうとしている世代の人たちにもこんな機会を持ってもらえたらいいのにな、と思いました。
やれやれ。さっくり仕上げようと思ったのに、また長尺になってしまった。
チケット入手できなかった皆様に、行った気になっていただければ幸いです。
(151030 kingyo)