live image 16 サントリーホール(初日)
160412 投稿者:kingyo
WEB上最速(かもね)のlive image 16ツアー初日レポです。
-今年は完全生音live image!!-
昨年15年の節目を迎えて、今年はがらりと内容が変わったlive imageですが、その一番の変更点は「マイクなしの生音コンサート」でした。
クラシックのコンサートではあたりまえのことで、自分自身楽器を長年演奏してきて、たとえば演奏会や発表会でマイクを使ったことは一度もないので、まぁ自然と言えば自然のことなのだけど、live imageのようにジャンルの垣根をまたいでいろいろな音楽を演奏する場合、マイクがないってなかなか大変なことだというのは想像がつきます。
たぶん以前から少しずつ、この「生音コンサート」実現に向けてプロジェクトが進行していたのでは?と思うのが、live imageのスピンオフ版であるlive image nouveau 2014の開催でした。
2014年の9月13日に第一生命ホールで開かれたこのコンサートは、出演者がNAOTOさん、羽毛田さん、松谷卓さん、啼鵬さんとメインアーティストが4人だけ、対して1stバイオリン4人、2ndバイオリン4人、ビオラ2人、チェロ2人、コントラバス1人と、いつもより大編成のオーケストラがバックでした。
imageシリーズ初の完全生音で行われたこのコンサートのレポートを読み返すと、最後にこんなことを書いていました。
「ヌーヴォーはlive imageのカタログというか、サムネイル的なものかなと今まで思っていたけれど、この完全アコースティックという実験的なコンサートはまさに名実ともに「ヌーヴォー」だと思いました。もしこの路線がこれから新しく発展していくなら、ぜひ曲目でも新たな挑戦をしてほしいなと思いました。いつもの曲ばかりでなく、いろんな曲、聴いてみたい。」
あれから1年半、ついにほんとに、本編live imageが生音化しちゃいました。
-2016年4月12日-
この10年ばかりずっとだけど、4月のお天気は本当に不安定で、live image初日に出かけるときは暑かったり寒かったり、晴れていたり嵐だったり、桜があったりなかったり。
今年はいつもより10日ばかり初日が早かったこともあり、桜は葉桜ながら少し残っている東京でした。そして、少しひんやりした日が続いていて、当日も晴れてはいたけれど、コートが必要な肌寒さでした。
今回の同行者は、なんと自分の母親でした。
この16年間、私から誘うこともなかったのですが、たぶん「娘はどんなコンサートに毎年毎年通い続けてるんだろう?」と不思議だったに違いない。
それが、今年はじめてサントリーホールで行われることが決まったので、以前から母が「サントリーホールを見てみたい」と言っていたのを思い出して、誘ってみました。
昔、ときどき家に遊びに来てた羽毛田君が出てるらしいけど、羽毛田君てどの子だっけ?「イマジン」てなんの意味なんだろう?(須川展也さんの事務所の“コンサートイマジン”と間違えていたみたい)、そもそも、なんのジャンルのコンサートなんだろう?など、頭の中が疑問符でいっぱいの母を連れて、夕方赤坂に向かいました。
-サントリーホール-
開場時間は18:00。その10分前ぐらいに、アークヒルズのカラヤン広場に着きました。
すでに広場にはたくさんの人が集まっていて、そろそろ入場の列を作り始めていました。
平日の夜早めなので、年齢層はかなり高め。
「私とあんまり変わらない!」と79才の母がほっとしてましたが、LE VELVETSが出るせいかいつもより中高年女性が多い気がしました。
イマージュ初のサントリーホール、ホールに入るときも、座席を探すときも、なんだかいつもと全然違う雰囲気。N響のコンサートなどで何度かサントリーホールに来ていますが、そんなクラシックコンサートに来たような感じ。
恒例の物販は、場所もあまり広くなくて、人をぬって前に進んでまず、パンフレットだけ買いました。
今年のパンフレットは、「image 16」のCDと同じデザインでした。
そうそう、今年はまだCD買ってなかったから、あとで買わなければ。
グッズは、アーティストごとにいくつかありましたが、イマージュとしてはパンフレットといまんじゅうぐらいだったみたい。いまんじゅうは、さくらではなく通常版でした。(小さく砕いた栗が入っている)
ベルベッツのTシャツが置いてあるのが見えました。
買い物は後にすることにして、早々に客席に行きました。
サントリーホールは堂々とした威厳のあるホールで、壁材の木の色がとても美しく、ただよう空気からしてこれまでの会場とは違う感じがしました。
いつもは開演前の客席にはイマージュのCDの曲が流れますが、今回はBGMなし、無音でした。なんだか違うコンサートに来たような感じ。
今日の席は、十数列目のまさにど真ん中。ほどよく音がまじりあう、音的ベストポジションでした。
この広さにマイクなしで音を飛ばすのは、大変だろうな、、、
スクリーンは、正面の巨大なパイプオルガンの真ん中あたりに、こじんまりしたものが1枚だけありました。
初期のライブを思い出すような、ものすごく控えめなサイズでした。ここ数年、スクリーンに関してはしくみが先進的だったり大きさがハンパなかったりと、進化の一途だったので、ここにはもうあまり重心を置かなくなったのか、それともサントリーホールの事情からかは不明。次の名古屋公演の様子を見ればわかるでしょう。名古屋はいつもの愛知県芸術劇場が会場ですから。
今回の映像は新作のオリジナルばかりでしたが、ちょっと上方にあったのでスクリーンを見てないことが多かったかも。何も映ってなかったこともありました。
アーティストが登場する前の紹介画像はありましたが、初期の頃のように動かない絵で、オープニング映像も途中の演奏映像もなく、グッズ紹介やスクリーン連動MCもありませんでした。
こんな感じで、今まで「ライブ・イマージュと言えば…」とリピーターが漠然と思っていたものが、簡略化されていたりなかったりしました。
サントリーホールと言う場所の持つ高貴な感じをこわさないように、企画されてる気がしました。
-開演〜第一部〜オーケストラ・イマージュ-
すごく控えめな音の開演ベルというか鐘がなりましたが、実際照明が消えてオケメンバーが登場したのは開演5分ぐらい過ぎた頃でした。
いつもよりたくさんの人数のストリングスメンバー。
そしてセンターのピアノには、青柳誠さん。
一時なくなっていたオーケストライマージュだけのプログラムが復活しました。
ステージの配置はこんな感じ。
コンミスの相川さんや、LE VELVETSのコンサートで1stバイオリンで大活躍だったベテラン、伊能修さんなどおなじみの方のほか、今回初めて見る人も何人かいました。
コントラバスは2本でしたが、羽毛田さんのソロ・コンサートにもご出演の一本茂樹さんと、もう1人は女性(玉木寿美さん)でした。
この編成で、「サイダーハウス・ルールのテーマ」が演奏されました。
木管楽器が加わったオーケストラは、もう涙が出るほどよかったです。オリジナルで聞こえてくるオーボエやフルートやクラリネットの音が生演奏で初めて再現されました。
なんときれいな音・・・自分の中の木管楽器愛がさらに大きく深くなりました。
-羽毛田さんのコーナー-
スクリーンに羽毛田さんの最新の宣材写真が映し出されて、拍手が起こりました。そして下手から羽毛田さん登場。
羽毛田さんの衣装は、ダークスーツにオレンジのチーフでした。パンフレットのインタビューの写真に載ってるのと同じかな?詳細は不明。
前の方の席をゲットした人がいたら、確認お願いします。
最初に演奏されたのは、もう何度も演奏された「ROOKIES〜愛のテーマ〜」でしたが、いつもとは全く違った素敵なアレンジでした。
後ろの映像は、野球部の部活の途中で見上げる夏の空と言う感じの、雲の写真でした。
「ROOKIES〜愛のテーマ〜」では、オリジナル音源に登場するオーボエが今回オーケストラに加わっているので、オーボエの最上峰行さんが立ち上がってメロディーを吹きました。本当に美しい音でした!
そして、この曲は清々しいフルートの音が特長でもあります。しかも、今回は羽毛田さんのサントラで実際に演奏している荒川洋さんの演奏。荒川さんの音を聴いて、フルートっていい楽器だな〜と実感。
私はすっかり下手になってしまったので、あんなフルート吹けたらいいなぁと心底思いました。ここのところサックスに集中してたけど、今年はフルートの技術向上がんばろう。
続いて、羽毛田さんのオープニングMC。
ようこそいらっしゃいました。今年16年目を迎え、みなさんのおかげでクラシックホールでやることができました。
サントリーホールと言えば、音楽の殿堂で、ここでできるのは大変な喜びです。
今まではマイクやスピーカーで音を増幅していたのが、今回は生の音をお届けできます。生の心地良さに癒されてください。ぼくのうちのリビングで、ピアノの周りに集まって…みたいなアットホームでリラックスしたコンサートがお届けできれば。最後までゆっくり楽しんでください。
という内容でした。
そして、曲の説明。
「ROOKIES〜愛のテーマ〜」はもともとオーボエのために書いた曲で、世界初演のオーボエバージョンです。
(ここで木管チームを紹介。名前は言わなかったけど、荒川さん、最上さん、そしてクラリネットの中ヒデヒトさんが立ち上がりました。)
次の曲に移る前に、告知コーナー。
なんとここで、今年のソロ・コンサートの初告知が行われました!
この瞬間が情報解禁だったそうな。
東京公演は、ここサントリーホールの小ホール(ブルーローズ)、7月16日開催とのことでした。
本当は来月情報公開、チケット発売だったのだけど、今回特別にこのlive imageの会場でチケット先行発売です!みなさん早めにチケット買っていただければ、大ホールに変更しますから…
母が「行きたい!」と言ったので、今日買って帰ることにしました。ここで買うと席を選べるし。
告知の後は、次の曲の説明。
次は、今回の「image 16」に収録されているドラマ「天皇の料理番」サントラの「明日の夢〜天皇の料理番〜」でした。
大正天皇、昭和天皇の料理番として活躍した実在の人物の明治・大正・昭和にわたっての一代記のヒューマンドラマで、大人気ドラマだったこと、今回オリジナル映像を用意した、とのことでした。
フルートが入ることで、清々しさが加わりさらに色彩豊かになった感じがしましたが、この曲はなんといってもストリングスの美しさがハンパない。
オケのボリュームが大きくなったことと、ホールの響きの美しさが相まって、涙がこみ上げてしまいました。
母もドラマを見ていたので、「ほんとにいい曲だよね〜」
母は、天皇の料理番は羽毛田さんの作品だと知ってましたが、ルーキーズはよくわからないみたいだったので、「市原隼人が主演の、不良高校生の野球のドラマだよ」と言ったら、「あ、あれも羽毛田君の作曲だったの?!」とびっくりしてました。知らないで見てたのか、、。
そして、「私、市原隼人好きなんだよね」
この流れで母がイッチーファンであることが発覚しました。
管楽器が入ってるのと入ってないのと、全然違うな、そして生音ってほんとにいいなと実感できる羽毛田さんの選曲でした。
この段階で、もうほんとに生音にしてくれてよかった!と幸せな気分でしたが、考えてみると、オケの人数が多いし管楽器が入るしで、センターのアーティストはマイクなしで自分の音をオケより遠くまで飛ばさないといけないわけですから、
アーティストの力量が問われるという意味でも大変な試みだな、と気付きました。
-宮本笑里さんのコーナー-
羽毛田さんの次は、宮本笑里さん、ピンクの妖精のように淡くきれいなドレスで登場。
とてもママとは思えない初々しさとかわいらしさに、思わずお客さんが息をのんだのがわかりました。
そういう、ちょっとした気配もPAなしだと伝わりやすくなるみたい。
今回気が付いたんだけど、PAがあるときはたとえ演奏していない無音状態でも、物理的には本当の無音ではなかったんだと思います。
この空間の、音がないときの空気のぽってりと濃い感じ。
肌を圧するような静寂。聴覚だけでなく、皮膚感覚も刺激されました。
もうそんなになるのか、とびっくりしたけど、出産育児でお休みしていた笑里さん、live imageはなんと3年ぶりだそうです。
以前はお人形さんみたい、と思うほど、きれいだけどあまり発するものを感じなかった彼女ですが、人生のいろいろな経験を経たためか、音楽だけでなく存在感的にも、とても表現豊かになった気がします。
1曲目は、お父さんの宮本文昭さんがオーボエで演奏し、引退後は笑里さんがバイオリンで引き継いでいる「風笛」。
笑里さんの生音は、細いんだけどキーンと飛んでくる感じ。マイクを通した時とはやはり印象が違いました。
MCタイム。マイクを持って話す様子は、ママになっても変わらずぽつり、ぽつり。
昨日羽毛田さんに「MC、なんか面白いこと言いなよ」と言われたそうですが、「おもしろいことなんか思いつかない…」
笑里ちゃん、素でおもしろい。
笑里さんはデビューリサイタルがブルーローズ、2011年には大ホールでもリサイタル経験済みだそうです。
また、1曲目に演奏した「風笛」は、ニューアルバムでは親友の平原綾香さんが歌詞をつけて歌っているので、そちらのバージョンもぜひ聞いてください、とのことでした。
2曲目は、ニューアルバムで羽毛田さんがプロデュースした「birth」でした。
まだもアルバムも「image16」を聴いていなかったので、この曲は初めて聞きました。
たしか、以前羽毛田さんがお子さんを持ったという意味のbirthだけでなく、笑里さんの新しいスタート、という意味もあるんだと言っていたっけ。
そんなイメージにぴったりの、美しくて前向きなメロディーの曲でした。
スクリーンは美しい花が開くCGのあと、笑里ちゃん自身が出てくるイメージビデオのような感じでした。PVだったのかも。
体を動かし、全身で表現しながらバイオリンを弾いていました。
演奏スタイルも大胆な感じでしたが、終わったあとのお辞儀の仕方が独特でした。顔を上げたまま腰を曲げて、「どうも〜」みたいな感じ。
-小松亮太さんのコーナー-
いつも変わらず、バンドネオンをかかえて淡々と、さささっと登場する小松さん。
今日は、ダークな感じの襟付きシャツに鈍いゴールドのズボン。シャツには金のストライプが入ってたみたい。
地味そうに見えて、よーく見ると派手な感じでした。
最初にバンドネオンを置いてオーケストラの指揮をして演奏し始めたのは、おなじみの「風の詩〜THE 世界遺産」でした。
この曲はバンドネオンはもちろん、バックのストリングスのボリュームも大きい曲なので、今回の編成だと本当に番組のオープニングのようでした。
スクリーンの映像は、各地の世界遺産の写真。
ところが、小松さんのMCによると、昨年連絡があり「そろそろ新しい曲に変えようかと…」ということで、今はB'zの松本孝弘さんの作曲したロックな感じの世界遺産になっているそうです。知らなかった!
「僕のも忘れないで下さい。この曲はまだ生きてます!」お客さん、大笑いしつつ励ましの拍手。
もともとオーケストラをバックにした曲なので、今日こんなたくさんのオーケストラと一緒に演奏できてよかった、とのことでしたが、私たちも聴けて良かった。
2曲目は「ラスト・タンゴ・イン・パリ」でした。
マーロン・ブランド主演の大人な映画の主題曲。まだ私が小さかったころの映画ですが、映画音楽好きな子供だったので、曲は聴き覚えがありました。
作曲はアルゼンチン出身のジャズサックス奏者、ガート・バルビエリですが、この方がついこの間八十いくつかで亡くなったので、期せずして追悼の演奏になってしまったそうです。
(一般にガトー・バルビエリと書かれているが、ほんとはガートだそうです。)
演奏はバイオリンのNAOTOを呼んで、チェロの柏木広樹さんもからみつつ濃厚な感じでしたが、なによりもうれしかったのが、青柳さんがいつものソプラノサックスではなく、アルトサックスを最後の方でバリバリとアドリブで吹いたこと。
前にも青柳さんがアルトを吹いたことはあったかどうか覚えてないけど、あったとしてもその時にはあまりアルトサックスに興味がなかったのでした。
でも今の私はアルトサックスの魅力にずぶずぶにはまり込んでいる状態。
一日のうち、寝てない時間の6〜7割ぐらいはアルトサックスのことを考えています。冗談じゃなく。初めて吹いた小学生のころもサックスは好きだったけど、ここまでこの楽器のことを分かってなかった気がする。
だから、ステージ上で荒川洋さんのフルートだけでなく、青柳さんのアルトサックスまで聴けて、もう自分の中の木管楽器愛が爆発しそうでした。
-沖 仁さんのコーナー-
今回初登場の沖仁さんは、もう何年も前から私の大好きなギタリストです。
初めて池上本門寺の「Slow Music Slow LIVE '07」で見たときは、なんとオープニングアクトでの出演でした。
でも、あまりにうますぎて、「なんでメイン出演者じゃないんだろう?」と思ったほど、鮮烈な印象を残しました。(かんたんなライブレポ残してます。)ちょうど、メジャーデビューの翌年だったみたい。
最近は「ヨルタモリ」に出演されているのを見ていましたが、まさかlive imageで沖さんの演奏を聴くことになるとは思いませんでした。
羽毛田さんが葉加瀬太郎さんのコンサートに出演していた沖さんの演奏に惚れ込んで、1年ほど前からオファーしていたけれどもスケジュールが合わず、今年ついに出演となったとか。
初登場なので羽毛田さんが出てきて紹介しましたが、今回はファンもたくさん参加されていたらしく、登場すると大拍手でした。
沖さんの1曲目は、「ぼくの演奏を初めて聞く人も多いと思うので、みなさんが良くご存じの『禁じられた遊び』を選びました。」
でも、出だしから私の知ってるのとは全然違う「禁じられた遊び」でした。
沖さんはフラメンコギタリストなので、ちょっとフラメンコな感じがするアレンジなのだけど、聞こえてくる音は右手の指5本、左手の指5本で奏でているとはとても思えない、一度にものすごくたくさんの音が鳴っていました。
たこみたいにいっぱい手があるんじゃないか、と思うほど。
沖仁さんは、20歳ぐらいの頃自分のギターを聴いてほしくて、いろんなお店に行って頼んでも断られ続け、仕方なく渋谷駅の構内で弾いていたら暴力団系の人にからまれそこもだめになって、、という日々を過ごした経験があるそうで、それを思うと今、こうして物音ひとつしない中でお客さんが自分のギターの音に耳をそばだててくれているというのが感動です、と話していました。
なんとなく、下積み時代の感じが野外ライブをやり続けたベルベッツと似てる、、、
そんな沖さんをサポートしたのは、パーカッションの名手藤井珠緒さんで、今回は前に出てきて初のカホン演奏でした。カホンやりつつブラシでシンバル。かっこよすぎる。
沖さんの2曲目は野村不動産の「プラウド」CMで流れている、「SOMEONE TO WATCH OVER ME」でした。
CMで流れていて、「image 16」に収録されているこの曲ですが、CMの映像はスペインのメノルカ島というところだそうで、この風景に合わせてアレンジしたそうです。
さらに、これのフラメンコ調バージョンも今年後半にCMで流れるかも?とのことでした。楽しみ。
演奏が始まる前から、なぜかパーカッションの阪本純志さんの横にギターの天野さんと青柳さんが何も持たずに立ってました。
なんだか怒られて立たされてるみたいな感じでしたが、後半でフラメンコのハンドクラップ(パルマというらしい)を3人で始めたので、立ってる意味がわかりました。
あとで「image 16」を聴いたら、収録されているバージョンでも手拍子が聞こえました。
しかし沖さんの演奏、ギター素人の私が聞いてもやっぱりものすごくうまい。感動的にうまい。
1部の最後に、羽毛田さんが「せっかくだから」と沖さん、小松さん、NAOTOを呼び込んで、「ぼくと4人でコラボレーションを」ということで「リベルタンゴ」を演奏しました。
タンゴの情熱をあらわしていたのか、ステージの上手下手の出入り口がどピンクの照明、ステージ背面がオレンジの照明に変わり、びっくり。
こんなことできるんだ、サントリーホール。
このリベルタンゴは羽毛田さんの前奏がめちゃくちゃかっこよくて、また4人で音をバケツリレーみたいに受け渡すところなど、聴きどころいっぱいでした。
また聞きたい!5/1のサントリーホール公演も行く予定なので、楽しみです。
-休憩時間-
リベルタンゴを演奏する前に、「これで一部は終わりですから、休憩になったらみなさんロビーに行ってくださいね」と羽毛田さんが言っていたので、休憩時間には素直にロビーに行って、羽毛田さんのコンサートのチケットといまんじゅうと「image 16」を買いました。
羽毛田さんのチケットは、けっこう買いに来ている人が多くて、今回売り出されている席はそんなにたくさんではなかったのだけど、半分以上埋まっていました。
よさげなところはもう売れてしまっていて、前の方ではあるんだけど少し上手になってしまった、、、母も行きたいと言ったので、2枚買いました。
羽毛田さんのファンは男性も多くて、チケットを買いに来ているのも半分くらい男の人でした。
今日は早いうちから水分絶ちしてたので、トイレに悩むこともなくのんびり残りの休憩時間を過ごしました。
持ってきたカツサンドを母娘で1切れずつ分けて食べ、コーヒーを(母のおごりで)飲み、おまけのスイーツを食べて、けっこうお腹いっぱい。
-第二部〜ゴンチチのコーナー-
第二部のトップはゴンチチでした。
私はメモを取るためのペンが見当たらず、かばんの中をごそごそしてる間に三上さんと松村さんが入ってきて、登場シーンは見損ねましたが、たぶんいつもな感じだったと思います。
お客さんがふふふふ、と含み笑いしてましたので。
最初の曲は「塩と太陽」。ゴンチチが長年出演しているNHK FMラジオ番組「世界の快適音楽セレクション」のテーマ曲です。比較的初期の曲で、私も大好き。
ああ、この曲この曲、と思いながら聴いてましたが、藤井珠緒さんがなぜかチチさんの真後ろで何かリズム楽器を鳴らしてたのが気になりました。
チチさんに完全に隠れていたのでわからなかったけど、去っていくときにちらりと見えたのは、シェイカーのような小さなものでした。
なんであの場所だったのかな。
生音だと、演奏してる人は音が聞こえなくなったりするので、リズムを刻む人が真後ろにいたほうがいいのかな、などと推測しましたが、理由はわからず。
正面から見ると、本当に完全に隠れちゃうほどの真後ろでした。
きっと何か理由があると思うので、またツアー後の監督インタビューで羽毛田さんに聞いてみよう。
演奏の後は、今回「こんにちは〜」のご挨拶はなしでした。
そのかわり、「live image初めての人は?」にかなりな拍手があったので、チチさんびっくりしつつ「では自己紹介をしたほうがいいですね」
で、いつもの「ゴンザレス三上と」「チチ松村です」の自己紹介をし、曲紹介へ。
ボサノバ風オリジナルの「塩と太陽」は、土曜日朝のNHK FMの番組テーマなので、条件反射的に「おはようございます」と言ってしまいそうになる。
と松村さんが言った後、「三上さん何かしゃべりますか?」
三上さんは「風邪気味で鼻声ですみません」
確かこの間見たときも、三上さんは風邪を引いて鼻声でした。風邪を引きやすくなったのかな?
サントリーホールは「拍手のひびきも宝物」そして「客席が近い!」
チチさんも「手ぇのばしたらぎゅってお客さんつかめそうやね」
また、場所が「コンサートが終わったらすぐに東京駅に行って新幹線に乗って帰れる」(あれ、それは国際フォーラムのことでは?)
でも、今日は終演が遅いのでもう新幹線がありませんから「今日はそういう訳には行きませんよ」とチチさんが言うと、「なんでそんなスケジュールにするのか、怒りすら覚える」と声を荒げる三上さん。
本当に大阪のおうちが好きなようで、、
「アンコールがなければ新幹線に乗れるのに」
「車内から中継しているテイで、自分たちで自撮りするのに」「そのくらいの技術はあるはずだ」などと、MCというよりはぐちってました。
はじめてゴンチチを生で見る母に、なんらかの「老後の喫茶店経営」の話を聞かせてほしかったんだけどなぁ。
次の曲は「放課後の音楽室」で、live image始まった時からずっと演奏しているけれど、今回は特別アレンジで、とのことでした。
放課後の音楽室と言うことは、うまく音楽ができなくて放課後に残って一生懸命練習をしている、つまりヘタ…な感じのアレンジだそうです。
青柳さんや羽毛田さんや、木管の方々がパフン、みたいな音を出したりトルルルルみたいに弾いたりして、ポンコツな演奏の雰囲気を出していました。
ストリングスや木管が間奏に入っているので、初期のアルバムのオリジナル「放課後の音楽室」に近いのかな?という気がしました。
今日はみんな2曲ずつ演奏して終わる構成でしたが、ゴンチチも「僕たちの曲は短いんです」とクレームつけることもなく、2曲で終わりました。
-NAOTOのコーナー-
ゴンチチの次はNAOTOでしたが、2人から1人だし座り演奏から立ち演奏だし、セッティングの変更が大変ですが、イマージュ名物ものすごく優秀な舞台さんたちが、今日は黒いスーツ姿でてきぱきセッティングしていました。
いつもはラフな黒Tシャツだったりするのに、サントリーホールに合わせてカッチリスタイル。
動きにくいんじゃないかな、、、でもものすごくスピーディーでした。
NAOTOは青いジャケットに、ベージュかオレンジっぽい細いネクタイ、そして色調の違う青いピッタリズボンの腰にチェーンを付けて登場。
あのチェーンは何か、絶対付けないといけないものなのかな?
サントリーホールに臆することなく、カジュアルスタイルを貫くNAOTO。
でも、演奏曲はホールにふさわしく、丁寧な丁寧な演奏による「黄昏のワルツ」でした。
皆さんの敬愛する加古隆さんの作品ですからね。
「僕がまだオーケストラのコンサートマスターをやっていたころからずっと弾いている曲です。」
NAOTOさんにとっても特別な曲ですね。
冒頭の、バイオリンソロに続く、天野さんギターとNAOTOさんのデュエットがものすごく切なくて、美しかったです。
ピアノは羽毛田さんが弾いたので、演奏後「ON PIANO 羽毛田丈史」と紹介されました。
映像は都会の夜の風景や、雑踏の風景。NHKの「にんげんドキュメント」のテーマ曲だったので、それを意識した映像かな?
演奏終わりの音が切れるところ、ふわっと音のつぶつぶがサントリーホールの空間に舞い上がるのが見えるような美しさでしたが、ちょびっと拍手を早く始めた人がいて、そのふわふわを最後まで追っかけることができませんでした。
こんな響きの美しいホールでは、最後の最後まで見届けさせてください!
拍手、あと一息待って!演奏が終わったらASAPで拍手するのがいいと思っている人、それ、まちがいです!
NAOTOさんもMCのとき、「はっ」と自分で言って、残響を聴きながら「このひびきいい!」
お客さんだけじゃなく、演奏してる人も、いつもと違う音の響きの良さを楽しんでいました。
NAOTOさんは今回も「HIRUKAZE」を演奏。
小松さんに昨年「HARUKAZE」と誤認されていた、NHK「スタジオパークからこんにちは」のテーマ曲です。
ホールの雰囲気に屈しないNAOTOさんは、ここでもちゃんと「視聴者参加型」を貫きました。
つまり、私たちはいつもどおり「ん、パン、ん、パパン」と手拍子し、「ミギヒダリミギヒダリ」と手を振りました。
最初に書いたように、サントリーホールは静寂がこゆいというか、空気がぽったりした感じなので、お客さんが無言で手を左右に振ると、そのぽったりした空気をかきまぜているような、不思議な感覚でした。
すっかり忘れていたけど、生音の時は手拍子をすると、演奏している人が音が聞こえなくなるんでした。
前に、live image nouveauでNAOTOが「手拍子しないで!」と言ってたな、と思い出しました。
今回も指定箇所以外では絶対手拍子しないで、と釘を刺されました。
その時、藤井珠緒さんらのパーカッションも、今日はかなり音が控えめなんだなと気が付きました。
いつもは右に移動したり左に移動したり、時にはブリッジして弾いてみたり、とアクティブな演奏のNAOTOですが、今日はひたすら弾くことに徹しているようでした。
ところで、NAOTOはいつもお客さんにいろいろご指導しますが、今回は「HIRUKAZE聞いたことある人手を上げて」と聞いたのに一部のお客さんが拍手をしたので「拍手じゃないんですよ、挙手してといったんですよ」とご指導、二回目も少し拍手が混じったので、「もう一度聞きますね」
三回目はほとんどの人が手を挙げたのですが、前の方の人が拍手しました。
すると、「そうそう、わかってるね!三回目は拍手じゃないとだめだからね」と、今度はボケ方のご指導でした。
ただでさえ慣れないホールに慣れないパターンで少々パニクっているお客さんを、あまり翻弄しないでちょうだい。
-LE VELVETSのコーナー-
最後のアーティストはLE VELVETSでした。
この瞬間をずーっと待っていたご婦人方、たくさんいらしたに違いない。
終演後のハイタッチ会(ベルベッツグッズやCDなどを買うと参加可能)は、今日も長い列ができていましたから。
スクリーンに名前が出ると、それだけで大きな拍手が起こりました。
そして、大柄な5人が登場。
センターに並ぶといっせいに、下手に向かってさっと手を上げました。
でもしばらく何も起こらなくて、意外にしっかりもののくろちゃんこと黒川拓哉さんがちょっとうろたえた素振り。
かなり間が空いた感じで、今度は真っ赤なドレスを着てさらに美しさが増した宮本笑里さんが登場しました。
1曲目の「ADAGIO」は前奏のギターを天野さんが、そこに笑里さんのバイオリンも入りました。
そして羽毛田さんのピアノ、それに続いてしぃたんこと日野真一郎さんが歌い始めました。二小節ずつぐらい歌うと次の佐賀龍彦さんへ、そして佐藤隆紀さんへ、その後いろんな組み合わせでデュエットが歌われ、どんどんクレッシェンドで盛り上がり、最後全員の力強い「アーダーッジョー!」で終わります。
その後インストの後奏があるんだけど、いつものように歌い終わったらやんやの拍手。
そうしたくなるぐらい、迫力ある歌唱ですからねぇ。
このコンサートの次の日、前から予約していたLE VELVETSの昨年秋のコンサート(羽毛田さんが音楽監督)のブルーレイ・DVD・ライブCDスペシャルボックスが届いたので、その時の「ADAGIO」と比べてみたのですが、live imageでのパフォーマンスはより息が合っていて、歌のまとまりも迫力もよくなっている感じがしました。
彼らの演目の中でも特に聞きごたえがあるので、良い選曲でした。
MCはたっちゃんこと佐賀龍彦さんから。佐賀さんは若干緊張気味?
ふだんは女性のお客さんが大半なので、ちょっとしたことでもやさしく笑ってくれるけど、イマージュのお客さんは男性もとても多いのでちょっと勝手が違うんでしょうね。
お笑い担当のシュガーこと佐藤隆紀さんが、「僕たちは8年ほど前にあるオーディションを受けて選ばれグループになりましたが、その時のオーディションの条件は音楽大学卒、身長180cm以上、これだけだったんですねぇ」といつもの自己紹介をしました。
ここで受けるはずだったんだけど、、やはり身長180cm以上と言うのは世間一般の男性にとっては、うらやましすぎてあまり笑えない話なのかもしれません。
佐賀さんの「みなさん今年はお花見に行きましたか?ぼくは上野公園で見ましたが、あそこの桜はほんとうにきれいですね」
ここで客席に「お花見に行った方」と問いかけたけど、ちょっとリアクションしづらい質問だったので拍手と挙手が入り乱れてパラパラパラ…
(この拍手と挙手が入り乱れた問題は、先に書いた、NAOTOが自分のコーナーで拍手or挙手でお客さんを翻弄したのが原因と思われる。)
その様子を見た佐賀さん、「さくらの花びらのような、ちらほらな拍手、、、」
次に佐藤さんが「ぼくは花より団子派なんですけど、うちの近所に最近おいしいだんご屋さんができて…」と延々だんごの話をするところにおいおい、と佐賀さんがつっこみ笑いを取れるはずだったんだけど、ちょっとこれもすべったか。
そこにしぃたんが「はい、ぼく言いたいことがあります。みなさんの中にはお花見がちゃんとできていない人がいると思います。でも・・・」
「安心してください!次の曲を聴いた後は、きっと皆さんの心の中に満開の桜が咲くことでしょう!」
安村的仁王立ちのしぃたん、すべったことに気が付いて「でしょう、でしょう、でしょう」と自分でエコーかけてました。(しぃたんのそういうところが好きです。)
MCはもう少しねらないと、第二のゴンチチにはなれないね、と思いました。
っていうか、live imageでは、中高年のおばさま向けのMCではだめだからね。ポテンシャルはあるんだからがんばれ。
しかし、次の「'O Sole Mio」でMCでの失態(?)も帳消しに。
CDで聞いても、毎回「ブラボー!」と言ってしまう、羽毛田さんのアレンジがすばらしい!バージョンの「'O Sole Mio」です。
昨年のlive imageでも披露されましたが、今回も佐藤さんの超ロングトーンがありました。
サントリーホールはステージの左右にバルコニー席がありますが、正面だけでなく、右にも左にも体をひねり、声を出し続ける佐藤さんに会場大拍手でした。
でも、私の好きなのはこの歌のエンディングのところ。
5人がそれぞれの節で1声ずつ声を重ね、最後に5人で一斉に歌うエンディングが大好きです。
一緒にサックスで吹いて参加することもあります。(もちろんCDに)
大いに盛り上がったところで、最後は葉加瀬さんはいないけど、ベルの歌があるさ!の「情熱大陸」でした。
NAOTOが呼び込まれましたが、最初に黒ちゃんが「日本を代表するスープカレー協会会長NAOTOさん!」とボケその1、すねたテイのNAOTOさんが登場、そこでしぃたんが「ちがうよ、失礼だよ、日本を代表するカレーマイスターNAOTOさん!」とボケその2、そこに最年長宮原浩暢さんが割って入り、「どっちもあってるけど、ここでは日本を代表するバイオリニスト、でしょ」と突っ込むという三段構成でした。
羽毛田さんがプロデュースした最新のベルベッツのアルバム「NEO CLASSIC」に歌詞の付いた「情熱大陸」が収録されていて、今回のimage 16にも入っているのでこれをやるんだろうなと思っていたけど、その通りでした。
これはこれで盛り上がるだろうなと思ったんだけど、ここでまた気が付いた。
生音だから、手拍子しちゃダメなんだ。ということは、みんな立っちゃえ〜もないんだな。
黒ちゃんが、「みなさんにお願いがあります。」
LE VELVETSのコンサートでやるように、メンバーと一緒に手を振ってほしい、というお願いでした。
例年、インスト版で演奏するときもワイパーはやりますが、ベルベッツ版では、サビのところ、最初は1/2の速さでゆっくり振ります。
そして、最後のところで通常と同じ速さで振ります。
でも、「手拍子は心の中でお願いします。」
長年ライブイマージュに通っていて、立ち上がり手を鳴らし、腕を高速で振ることに慣れている人はきっと、相当な戸惑いを覚えたに違いありません。
でも、私は
http://www.fishive.net/live_140913.htm
にあるとおり、生音イマージュを一昨年のヌーボーで一度体験していたし、LE VELVETSのコンサートで1/2倍速で手を振るのもやっていたので、それほど戸惑いはありませんでした。
ただ、条件反射的に動き出そうとする体を止めて、ただ聴き入る(そしてちょっと手を振る)ということにまだ完全に脳が慣れてなかったみたい。
気持ち的にはほっとしているというか、普通のコンサートみたいにしていていいんだな、と納得していたのだけど。
長年体に染みついた習慣というのは、なかなか抜けないんですね。
きっと次の5/1の東京公演で聴くときには、もっと落ち着いてエンディングを受け入れると思います。
それよりも、この「歌詞付き情熱大陸」、一般のお客さん(つまりベルファン以外)はどう感じたのかな。その評価に興味があります。
私も最初は「え?」と思ったけど、聴いてみると「これはこれで成立してるな」と思ったし、何度か聞いているうちにふつうに「いいな」と思うようになりました。
何よりも、LE VELVETSのメンバーがいつもすごく気持ちよさそうに歌っているので、こちらも楽しくなります。
-アンコール-
演奏が終わって、出演者がお辞儀をして退場して、という一連の流れが終わっても、オケメンバーは座ったままでした。
拍手はアンコールの手拍子に変わりましたが、スクリーンに終わりのクレジットが流れることもなく、じきにまた羽毛田さんたちがステージに戻ってきました。
そして、羽毛田さんがマイクを持ってアンコールのお礼を言って、メンバー紹介。
やはりここは東京なので、アンコール1曲目はlive imageスポンサーの医療法人健育会グループ60周年を記念した曲「Together We Walk」でした。
そして、再びマイクを持った羽毛田さんが「これでは終われませんよね!」とLE VELVETSを呼び込んで、全員で「My Favorite Things」を演奏しました。
恒例となった「My Favorite Things」ですが、今年のアレンジをこの後の公演に行く方はぜひ、楽しみにしていただきたい。私はとっても気に入りました。
羽毛田さんはピアノですが、加古隆さんの前奏とは全く違った、新しいパターン。そしてソロはとってもジャジーなピアノ。他の方々もそれぞれソロがありますが、突然いつものジャズっぽい感じがピタッと止まって、オリジナルのようなクラシカルな演奏をオーケストラが始めます。そして、LE VELVETSが英語で歌い始めるという…。いつもの曲が全然違って聞こえる、今年のアンコールでした。
前方の男性が数人立ち上がり、そしてすくっ、すくっとあちこちでスタンディングオベーションが起こりました。
私も立ち上がって拍手を送りました。
-終演後-
サントリーホールのバックステージは初めてでしたが、意外に楽屋などは小さくて、ステージの左右に振り分けられていました。
最初他の人々について上手の方に行ったのですが、羽毛田さんの楽屋は見つからなくて、聞いてみるとステージの反対側にあるとのこと。
上手から下手まで、ステージ裏の通路を歩きました。
出演する人は、ここを歩いて移動するんだな。
バックステージと言うものがそもそも初めてな母は、すごくめずらしかったのか、うれしそうでした。
羽毛田さんは、初日後の打ち合わせなどで忙しそうだったので、少し感想など話して写真を撮って、差し入れを渡して引き上げました。
もし途中でベルベッツのメンバーがいたら、ファンクラブの合言葉「Come sta?」って言おうと思ったけど、もうハイタッチ会に出ていて誰とも会いませんでした。
でも小松亮太さんとすれ違って「お疲れ様です」と言ってくださったので、「とてもよかったです!」と伝えたら「ありがとうございます!」と返してくれました。
楽屋から出たら、ちょうど出口のところでLE VELVETSハイタッチ会絶賛開催中でした。心の中で「みなさんさよなら」と言って、ホールを後にしました。
今年のlive image〜総括〜
「さかなの窓」にも書きましたが、live imageといえばクラシックっぽいけどPAバリバリというイメージで長年いました。
それが、2014年のlive image nouveauをきっかけに、登場する楽器が本来演奏される形態「アコースティック」という可能性が示唆されて、その後羽毛田さんのソロ・プロジェクトの始動と同時に、ソロ・コンサートが生音で試みられ…。
思えばこの「生音コンサート」への転換はみんな心のどこかで描いていたものだったのかもしれません。
でも、今回わかったのは、この変化はつまり、これまで抱いてきた「live image的なもの」、たとえばデジタル音楽とアナログ音楽の融合とか、クラシックではありえないお祭り騒ぎ的お客さんの盛り上がりとか、を手放して、本来の「聴くこと」中心のコンサートに重心が移って行くんだな、ということでした。
それでは面白くない、と言う人もいるかもしれないし、いや、そういうのを待っていた、と言う人もいるかもしれないし、それは個人個人の音楽の好みや経験によることなのでどう評価されるかはわからないけれど、少なくとも私の体はコンサートから5日たった今日も、あのサントリーホールで味わった「有音」と「無音」のコントラストの鮮烈さとか、ぽろぽろと、ふわふわと音が散っていくのが見えるような感じとか、皮膚で感じる静謐の心地良さなどをまだリアルに覚えています。
これまでのlive imageが私にとってひと時の高揚なら、生音イマージュは長く続く至福です。
「あの好きな曲」「あの好きなアーティストの演奏」をありのままの音で聴くことの幸せ、そしてすばらしい才能の集まったオーケストラを堪能すること、私にとっては間違いなく、至福の「生音イマージュ」の3時間でした。(160417 kingyo)