SoulSwitch in Marunouchi Point Green Live 2008
live image premium night@東京国際フォーラムホールA
090803 kingyoのレポート
<SoulSwitch in Marunouchiって?>
6月の末に突然飛び込んできた「8月にlive imageをやるらしい、しかも東京で1日限り!」というニュースにびっくりして頭真っ白になりながら、羽毛田さんに今回も出演&音楽監督であることを確認。あわてて「GET TICKET」で文字通りゲットチケットしたものの、いったいこれはどういう企画なんだ?と後から気が付いた今回でした。
そもそも今回のライブは、通常のlive imageのツアーとは全く主催が違っていて、東京都千代田区の大手町・丸の内・有楽町という日本のビジネスの中心地で2050年のライフスタイル、ワークスタイルを想像し、創造しようという環境省や経済産業省や自治体などが後援し、エリアにオフィスのある企業が協賛するエコ・プロジェクトの中のイベントのひとつでした。
live imageのホームグラウンドとも言える東京国際フォーラムは丸の内にあるし、緑、水、生命等々のlive imageのイメージもエコロジーにつながるし、確かにこのプロジェクトにとてもふさわしく、かつ華を添えるイベントだったと思います。
音楽ライブのほか、7月30日から8月3日までの間さまざまな講演やシンポジウムやワークショップ、ギャラリー展示などが行われていたようで、そちらの盛り上がり具合はわかりませんが、live imageに関して言えば事前の宣伝が全くなくて、イベント公式ページ以外は各出演アーティストのホームページでも見ない限り、特別公演が開かれることなど誰もわからないよ、という状態。その結果、5000席ある東京国際フォーラムのホールAの、1階席が半分ちょっと埋まったかな?という、実にさびしい客席でした。
<で、live image premium nightです>
そんな事情で客席は残念な結果となりましたが、ステージは残念とは正反対の、大満足な内容でした。今年4月から5月にかけて行われたlive image7ツアーに全く劣ることのない、私見でいえばむしろ上回っていたか?と思うぐらいのすばらしさでした。最初に会場に入ったときは、「え、えええ〜、どうなるんだ〜」という心細さでしたが、終わったときにはこのライブに参加できた数少ない人々の中の1人だったことを神様に感謝したい気持ちでした。
基本的には、live image7ツアーの内容の再演でしたが、ポイントポイントでスペシャルなところがあったので書いてみたいと思います。
<ロビーの様子>
今回は夏真っ最中のせいか、いつもいっしょにライブを楽しむ友達は全員都合が悪くて、5月の東京公演3日目にいっしょに行った連れ(イマージュベテランの彼女ではなく、αのほう)といっしょに行きました。αが仕事の電話をかけなければならず、開演ぎりぎりまでロビーにいたので、待ち時間はロビーをぶらぶらして過ごしました。
CD売り場には、出演アーティストの最新作などが。羽毛田さんのは、なぜかPRESENTSだけでした。
グッズ売り場では、この間売れ残っちゃった?と思われるイマァーメが申し訳なさそうにならんでました。私が愛用している、緑のキーホルダーやTシャツもひっそりとありましたが、パンフレットがあったので買おうと思ったら、なんとそれも7のパンフレットでした。あ、今回は7ツアーの内容の再演なんだな、とそこで気が付きました。
ロビーをうろついてなかなか会場に入らなかったのには、もうひとつ訳がありました。
ディスクガレージから届いた今回のチケットを見てびっくり。私の席は、前から2番目のど真ん中でした。これまで川口リリアで一番前とか2番目とかはありましたが、フォーラムでは初めて、しかもど真ん中?ライブハウスだって、アーティストとそこまで近づけること、なかなかないですから。
そんなプレミアムシートを見るのがなんだかこわくて、なかなか会場に入れなかったのでした。
<開演〜セットリスト>
内容は7ツアーと重なるところもあるので、まずセットリストを書きます。
○第1部
1.オーケストラ・イマージュ Song of Life
2.松谷卓 TAKUMI/匠・Stargazer
3.宮本笑里 Fantasy for Violin and Orchestra・そらべあ物語
4.宮本笑里 with 古澤巌 I Need to be in Love(青春の輝き)
5.加古隆 黄昏のワルツ・明日への遺言・ポエジー〜グリーンスリーヴス〜・
パリは燃えているか
○第2部
6.羽毛田丈史 地球に乾杯・病の起源・
ROOKIES〜愛のテーマ〜(premium night ver.)
7.ヴィンチェンツォ・ラ・スコラ 誰も寝てはならぬ・帰れソレントへ・グラナダ
8.古澤巌 愛しみの夜会・チャールダーシュ・Fine Day!
9.ゴンチチ 歩いても歩いても・課外授業・放課後の音楽室・Sound of Wind
10.ゴンチチ&加古隆&古澤巌&羽毛田丈史 My Favorite Things
○アンコール
ヴィンチェンツォ・ラ・スコラ オー・ソレ・ミオ
オールスターズ 情熱大陸
<オーケストラ・イマージュ>
いつものように「“サイダーハウス・ルール”のテーマ」とともにメンバーが登場すると、会場から拍手がおこりました。でも、、、拍手する人数がいつもの半分以下しかいないから、なんだかさびしい…。正直、このときはまだお客さんの少なさに自分が動揺していて、ちょっとぼんやりしながら聴いていました。でも、自分の真正面になんか日焼けしてるみたいな柏木さん、その隣に植木さん発見!この春のツアーでは、植木さんと一度も会えなくて残念だったので、ここでかなり自己満足度急上昇しました。
ところで、ここで流れたビデオを見ておやおや、と思ったのは私だけでしょうか?
画面の右下に、不審な四角が…しかも黄色でえらく目立ってる…
もしや、急いで作ったビデオで何か手違いが?そんなことを思ったのは、きっと私だけですよね。(連れも思ってたみたいですけど汗)
この四角付きの、すばらしい新映像はPowered by ナショナルジオグラフィックだったのでした!そう、黄色い四角はナショジオのトレードマーク…。
最後のスタッフロールを見て、やっと「あぁ!」と気が付いた私でした。
そんな悲しい誤解をしてしまったお詫びのしるしに、このたび日本上陸となったナショナルジオグラフィックWebサイトのリンクをこちらに。みなさんぜひご覧ください。
http://www.nationalgeographic.co.jp/
そのほかのオーケストラ・イマージュのメンバーは、ドラム渡嘉敷さん、パーカッション藤井珠緒さん、ギター越田太郎丸さん、キーボード&サックス青柳誠さん(Song of Lifeではピアノ)、ベース渡辺等さんのほか、ストリングスは見える限りでは相川さん、番場さん、植木さんと柏木さん、伊能さん、伊勢さんを確認。たぶん、7ツアーと同じメンバーだったと思います。
<松谷卓さん>
松谷さんは7ツアーと同じ内容で演奏しました。そして、すばらしい演奏でした。アグレッシブというよりは、とても丁寧で、かつ迫力があるという感じ。連れは5月の東京での「Stargazer」を「複雑な曲でよくわからない」と感じたそうですが、今回の演奏はピアノがリズムにしっかり乗っていて迫力があって、別の曲みたいに聞こえたそうです。
松谷さんは今回もがっちりアルバム「WORKS」の宣伝をしていましたが、エコ・イベントを意識して自らの「ごみの分別大好きな性格」についても話していました。この品物はこんな素材からできているんだ、と知ることが楽しいとか。
ちょっとマニアックな香りのする松谷さんらしくて、日々分別を楽しんでる姿が目に浮かぶようで、お客さん大笑いでした。
<宮本笑里さん>
最初のプレミアム!は笑里ちゃんのコーナーでした。
以前も着ていた黄緑色の素敵なドレスを着て登場した笑里ちゃん、前から2番目にいるとそのテラ可憐さにのけぞってしまいました。メンバーの皆さんがアンドロイドかも…と疑ったのも頷けます。(監督インタビュー2008参照)
「Fantasy for Violin and Orchestra」はさらに情念こめたコユイ表現になっていて、ステージの上に立った姿も堂々としていて、この数ヶ月多くの経験を積んで来たんだなと実感しました。(7月の古澤巌さんの単独ライブにもゲスト出演されてました)
次の曲はカーペンターズの…と思っていたら、とってもうれしいことに、羽毛田さんが作曲して笑里ちゃんが演奏している「そらべあプロジェクト」のそらべあアニメの音楽「そらべあ物語」を映像とともに披露してくれました。もともとMC苦手みたいだし、緊張気味で、エコ・プロジェクト「そらべあ」の説明はさらっと簡単でしたが、詳しくはそらべあ公式サイトをご覧ください。
子ども映画の前などに流れているらしいそらべあアニメはなかなか見られる機会がなくて、笑里ちゃんの9月発売のアルバム「TEARS」を買って音楽だけでも聴こうと思ってたのでこんな機会があってとても嬉しかったです。
アニメは子どもにわかりやすいようにシンプルなものでしたが、音楽はとてもきれいな旋律で、一度聴いただけでもとても心に残る曲でした。
そらべあのあとは古澤巌さんとの「I Need to be in Love」でしたが、古澤さんは白いパナマ帽に黒か紺地に白い水玉のオーバーシャツ、白いズボン、ブルー系のスカーフと、ものすごく夏らしい衣装でした。
<加古隆さん>
今回は小松亮太さんがいないので、あっという間に一部ラストの加古さんのコーナーになりました。
最初の曲が「黄昏のワルツ」だったので、アンコール曲が変わるのかな、と思いました。「黄昏のワルツ」はソロがコンミスの相川麻里子さん。私は加古さんのピアノには相川さんの音が合うな、といつも思います。
それだけでなく、今回はこれまでのイマージュのけっこう長い歴史の中で、初めて本格的クラシックアーティストをゲストに迎えるという、実はとっても重要なステージだったので、クラシックでも超一流の経歴をお持ちの相川さんの存在は聴いてる側としてもとても安心感がありました。
いずれにしても、オーケストラ・イマージュはすごいです。そのすごさは、加古さんの重厚な楽曲や、ストリングスを多用する羽毛田さんの楽曲で実感しますが、なんといってもゾクゾクするのは、曲が終わる最後の瞬間。ふわっと音が霧散していく様は、まるで霧が見えるみたいです。今回はオーケストラ・イマージュもとても調和が取れていて、会場が温かみのあるいい音に包まれました。
<休憩〜第2部>
休み時間は席にじっと座っていました。みなみさんが会いに来てくださって、キーボード席に座った羽毛田さんの至近の席で、あまりに近くて直視できない!と。いやいや、そこはガン見しないと!穴の開くほど見つめないと!
とはいっても、私も笑里ちゃんが輝きすぎてまぶしくて、なんだかドレスばかり見てましたけど。前の席って、アーティストの方をじろじろ見ちゃ悪いかなぁとかいろいろ気を遣いますけど、アーティストの方は絶対前列席のほうは見ないみたいです。皆さん、もっと上のほうに視線を置いていらっしゃいました。でも、このじろじろは感じるんだろうなぁ。フォーラムはステージがけっこう高くて、前列席は舞台を見上げる感じ(ちょっと首が痛い程度に)で、ピアノの鍵盤なども見えなくて、ちょうど上段にいるチェロの柏木さんが私の視線の先に焦点を結ぶ角度でした。そのせいかつい柏木さんを見てしまったのですが、この夜の柏木さんは最初から最後まで本当に楽しそうで、終始ニコニコされてました。前日が大阪の「情熱大陸スペシャルライブ」だったみたいなので、移動後さらにlive imageの本番というのは大変だろうなと思うのですが、実に楽しんでいらっしゃいました。
<羽毛田さん>
今年の7ツアーでは渋くダークスーツだった羽毛田さんですが、この日も細いストライプの入ったダークスーツ、白いシャツ、白いポケットチーフでした。
ピアノ席は私の席から「おい」と声をかけると「はい」と返ってきそうなぐらいすぐそこだったので、定番の「地球に乾杯」で何か歌いながらピアノを弾く羽毛田さんを、じろっじろ見ました。ビデオ収録したものを見れば視覚的には同じものが見られるのだけど、アーティストの息遣いとか発するパワーは画面を通してはなかなか感じることができません。私は去年、羽毛田さんのピアノをライブハウスで聴きましたが、なんだかその時より近い感じだなぁと思いました。
地球に乾杯が終わると、マイクを取って最初のMCが始まりました。
「音楽監督を務めます羽毛田丈史です」で大きな拍手。今回のお客さんはかなりlive imageのコアなファンではないかと思うのですが(そうじゃないとなかなかこのニュースはキャッチできなかっただろう、ということで)、やはり羽毛田さんは人気で、まわりの女性が手を高く上げて拍手していました。
羽毛田さんもMCにエコな話題を盛り込んでいました。
羽毛田さんは以前から、レジ袋をいらないと断ったり、簡易包装してもらったりと気をつけているそうなのですが、
「この間雑誌で見たんですが、皆さんは日本でレジ袋がどのぐらい使われているかご存知ですか?」
おぉ、前回のゴミ屋敷が花屋敷、に続いて、またまた身近ネタをしこんで来たのですね。
「なんと、1年で313億枚なんだそうです。」
でもこれではちょっとぴんと来ないので、1日でどのくらいになるか計算してみたそうです。
「だいたい8000万枚なんですね。」
それでもちょっと分かりづらいので、日本の人口がだいたい1億2000万人だから、赤ちゃんからおじいちゃんおばあちゃんまで含めて1人どのくらい使うのか、電卓をたたいて計算してみたところ、
「一人当たりだいたい0.7枚なんですね・・・これ・・・なんか、ビミョー・・・」
会場にはゆるーいムードが漂い、くすくす笑いがそこここで。
でも、何回かに1回はレジ袋を断れば、すぐに何億枚かのポリ袋がいらなくなる。身近なところから、自分でできることからエコに取り組んでいくといいんじゃないかな、というオチで話がまとまり、「病の起源」の演奏に移りました。
7ツアーのときは、まだあまり耳になじんでいない新曲として「病の起源」を聞いたわけですが、自分の中に定着したメロディをテレビのオープニング映像などを思い出しながら生演奏で聴くのは格別でした。あぁ、やっぱりいい曲だ〜と実感。
羽毛田さんはive imageでは最新曲を、それも番組に先駆けて演奏することが多いですが、すでに世に出ている曲を取り上げるのもなかなかオツなもんです。じわじわ来ます。ぜひ次回ご検討いただきたい。
演奏が終わると再びマイクを取る羽毛田さん。
「最近はアニメやドラマなど、テレビの番組の仕事が多いんですが、新しいところでは今年開局55周年を迎える日本テレビの特別ドラマの作曲をしました。これは昭和20年8月、日本統治下にあった樺太の電話交換手の女性たちのお話で、唯一生き残った女性を市原悦子さんが演じていて・・・」
え?!この間作ったばかりの「霧の火」の劇伴をもうここで演奏しちゃうの?!と興奮して、あとは羽毛田さんが何をしゃべってるのかよくわからなくなりました。
「でも、今回演奏するのはそれではなくぅ、先日好評のうちに終了したドラマ『ROOKIES』から『愛のテーマ』を、今日だけの特別バージョンで演奏します。・・・ここ、笑うところですよ!」
げ、古澤さんネタだったのか。
(注:古澤さんネタ=さんざんアルバムや曲の説明をしたあげく、それと関係のない曲を演奏するというlive imageではおなじみのフリ)
「ドラマの放送日は確か、8月25日です。(うん、あってますあってます、と客席から激しくうなずく私)・・・あ、ドラマの題名は『霧の火』っていいます。」
げ、まだドラマの名前言ってなかったのか!
羽毛田さんは最近この「ゆる系MC」がずいぶん人気で、お客さんも楽しみにしてる感があります。三上さんのMCに続き、ぜひlive image名物の座をねらっていただきたい…。
続いて演奏された「ROOKIES〜愛のテーマ」は全く新しいバージョンで、ドラマの一場面を思い出すようなピアノソロから始まる素敵なアレンジでした。これもじわじわ来ました。やっぱりドラマの記憶をかみしめながら聴くのは格別です!
<ヴィンチェツォ・ラ・スコラ>
演奏が終わっておじぎをすると、羽毛田さんはまたマイクを取ってつつつっと舞台下手に立ち位置を変えました。そして「みなさん、ここまで楽しんでいただいているでしょうか?」
お客さんいっぱい拍手。
「ではここで、今日のスペシャルゲストをお呼びしましょう。ヴィンチェンツォ・ラ・スコラさんです!」とコールしました。
スコラさんは羽毛田さんや古澤さんと同年輩のイタリアのテノール歌手。三大テノールの1人として有名で先日亡くなったルチアーノ・パヴァロッティ氏に彼の先生を紹介されて師事したという、ポスト三大テノールと目されるテノール歌手です。
私はオペラ大好きでたくさんCDも聴いているのですが、最近の歌手は知らなくてスコラさんのことも知りませんでした。でも、イギリスに住む姉に話すと「知ってる」と言っていました。
なかなかオペラはチケットが高くてナマで聴いたことがなかったのですが、こんな機会に一流オペラ歌手の歌声が聴けるとは!しかもスコラさんは私の真正面に立って歌ってくれたのです。(もちろん立ち位置が中央だからだけど)
最初は通訳の女性(すごくきれいな人だった)を介して、羽毛田さんとスコラさんのQ&Aでした。羽毛田さんが「スコラさんは日本には何回ぐらい来られたことがあるんですか?」と聞いたところ、スコラさんはなんと来年で来日20周年、その間毎年日本を訪れているそうです。「へー、そうなんですかー」と羽毛田さん。
ここでスコラさんからご提案が。「私のことをご存じない方も多いと思いますが、私の名前はとても長いので、『ビンちゃん』と呼んでください。」
え?
ビンちゃん?
羽毛田さん「ぼくもすごく練習したんですよ、『ヴィンチェンツォ』って。ビンちゃんなら言いやすいですね。じゃぁみなさん、せーのーで『ビンちゃん』と呼んでみましょう!」
お客さん「(せーのーで)ビンちゃーん!」
ビンちゃん「カンペキ!(イタリア語で)」
すっかり場が和やかになったところで、今日の演目の説明がありました。
「私はオペラ歌手ですから」ということで、プッチーニのトゥーランドットから「誰も寝てはならぬ」が1曲目。これはlive imageでもオーケストラ・イマージュの演奏曲として羽毛田さんがアレンジしたことのあるオペラなので、イマージュファンの間ではおなじみの曲ですが、ビンちゃんがこの曲を取り上げた理由はもう1つある、とのことでした。でも、その理由はトークパート2でお話します、ということでした。そして、2曲目は「帰れソレントへ」でした。
どちらもテノール歌手のリサイタルでは頻繁に取り上げられる曲ですが、力強いベルカントの熱唱を目の前で聴いて、言葉では言えないぐらい感激でした。羽毛田さんのピアノを中心としたバックの演奏も、とてもすばらしかったです。相川さんのトゥーランドット、かっこよかった!!
歌い終わると、再び通訳の女性が登場。ビンちゃんが彼女に耳打ち。
「お水飲みたいです」的なことだったらしく、女性は急いで後ろに用意してあった水のペットボトルの栓を開けました。
そして、トークパート2が始まりました。
ビンちゃんは今回のイベントが地球温暖化のことを考えたエコプロジェクトの一環であることを聞いて、喜んで参加したそうです。実はビンちゃんは、「そらべあプロジェクト」に参加していて、このたびイタリアの代表としてそらべあ親善大使に選ばれたそうです。よく見ると、ビンちゃんの着ている上着の襟にはそらべあのくまちゃんのピンが付けられていました。そして「誰も寝てはならぬ」を選んだもうひとつの理由は、地球温暖化という問題に対して、世界中の人が行動を起こさなければならない、誰も寝ている場合ではない、という気持ちをこめての選択だったそうです。
続いて、スペインの歌曲「グラナダ」が歌われました。この演奏・歌唱もすばらしくて、羽毛田さんは最後「弾ききったー!」という感じでした。
お客さんは会場の半分くらいしかいないはずなのに、大喝采大声援、ビンちゃんは羽毛田さんの手を引いてセンターに連れ出し、二人でお辞儀しました。羽毛田さん、若干照れくさそうな表情でした…。
<古澤巌さん>
ビンちゃんの濃厚なステージに続き、古澤さん登場。ピンストライプのスーツにオリーブグリーンのネクタイがとてもいい色合いでした。
この後半の濃厚具合、すごいです。最高の音の大波が、次々と押し寄せてきます。古澤さんも演奏曲はツアーのときと同じでしたが、何度聴いても聴き応えがあって、また聴きたい!と思うのが古澤さんのバイオリン。
でも今回は
特に、目にも留まらぬ速さで弦の上をすべっていく指や弓の返しなど、すごいテクニックに目を奪われてしまいました。だって、すぐそこで弾いてるんだもん、古澤さん。連れも「こんな経験二度とできないだろうなぁ」と感嘆していました。
古澤さんのMCは、いつものとおり「あぁ、まだどなたもお立ちでない」や「田村正和さん、黒木瞳さんなどそうそうたる出演者の皆さんの出ていない場面をつなぎあわせたら、あのような映像になりました」でしたが、今回はまもなく始まる北京オリンピックにちなんで、「頑張れ日本!という気持ちをこめてアルバムにGOLD(“DANDYISM GOLD”)をつけました。GOLDを聞きながら応援しようではありませんか」となかなか巧みに宣伝していました。
前にも書きましたが、私の席は柏木さんがチェロを弾く姿が自然に目に入ってくる位置だったので、「チャールダーシュ」の柏木さんがとてもよく見えたのですが、こちらのテクニックもすごい!何度も聴いてきた「チャールダーシュ」ですが、バイオリン以外のパートの音や演奏も意識できて、今までと違った聴き方ができました。
続いての「Fine Day!」、右に左に移動して最後はセンターで弓指しターン(たぶん3回)はいつものとおり。でも、久しぶりだったせいか、弓指しのとき古澤さんのお顔はちょっぴりスクリーンからはみだしてしまいました。なるほど何度もリハを繰り返すくらいだから、ばっちり決めるのは難しいんだな…。
<ゴンチチ>
ゴンチチの最初の曲「歩いても歩いても」は、もう映画の公開が始まったからか、ツアーのときと映像が少し変わったようでした。
「こんばんは〜」のごあいさつは何人かが果敢に返したのですがばらばらで、やっぱり松村さんにやり直しを命じられました。「それも合わせてね」と(笑)
二回目はちゃんとできましたが、少しずれてしまってまたまた松村さんに突っ込まれました。自己紹介のところでは、会場の様子を見た松村さん、「live imageに来たことのある方、拍手していただけますか?」 たぶん、ほとんど全員が拍手したんだと思うのですが、「みなさん僕たちのことはもうご存知みたいなんで、自己紹介はもういいですか?」でも一応、ということで、メンバー紹介されました。
松村さんと三上さんの赤いギターが鳴るのを目の前で聴き、三上さんのカフェネタをかぶりつきで楽しみ、いつものゴンチチだけど、全部がスペシャルでした。
しかし、ただひとつ誤算が…。三上さんの声はマイクを通して私の席より後ろのスピーカーを通して後ろに飛んでいくのですが、三上さんはソフトな声でかなり早口の大阪弁でしゃべるので細かいところが聞き取れないのでした。まぁ、カフェオレもカプチーノもマキアートも全部「コーヒー牛乳だ」という主旨は十分わかりましたが(笑)
詳細はあややさんのMCの記録にお任せすることにしますが、最後の「厨房に言うときは『コーヒー牛乳5つ!』」を聞いていて、三上さんは最近ちゃんと話しにオチをつけるようになったなぁ、と思いました。以前は本当に話す気がなくなったり、どうしようもなくなってブチっと話を打ち切る感じでしたが。
ゴンチチは8月6日に30周年記念のアニバーサリー・アルバム「VSOD」が発売されますが、「3日後だから絶対覚えておいてください。ほかの事は忘れてもいいから」と松村さん。「ほかの事」って、たとえば他の人のアルバムのこととかライブのこととか、、、?(笑)
MCの合間にバックのメンバーがスタンバイして、「Sound of Wind」が始まりました。
松村さんが大きな声で「ラーララーララーラー」と歌うところは、オーケストライマージュのメンバーも歌っていますが、ちょうど正面で伊勢さんが楽しそうに歌っているのが見えて、とてもかわいかったです。ギターのタロマさんもいつも元気よく歌いますが、羽毛田さんもときどき歌いながらピアノを弾いていました。
最後の曲はいつもの「My Favorite Things」。白地に黒い大きな花柄という、とても派手なシャツに着替えた加古隆さんと古澤巌さんが登場。
羽毛田さんは、ピアノを離れてKORGのキーボードの前に木撞を持ってスタンバイ。
もっとも「コンコーン」がよく響く位置をスタッフとともに探し出したということだったので(「監督インタビュー2008」参照)、これは要チェック。見たところ、木撞の丸い面をできるだけマイクに直角になるようにセットする感じでしょうか。今回の「コンコーン」も、大きく澄んだ音色で響いていました。
<アンコール>
「My Favorite Things」で羽毛田さんのかっこいいオルガンプレイを堪能し、それぞれのソロパートを楽しんで、本編が終了すると、お客さんはもうひたすら拍手です。バラバラとまとまりそうでまとまらない拍手を続けていると、メンバーが再登場。羽毛田さんが下手に出てきたけれど、なんとなく何の曲をやるか予測がつかないなぁと思っていたら、マイクを持った羽毛田さんがコールしたのは、なんとビンちゃんでした!もう1曲歌ってくれるんだ!ビンちゃんはそらとべあのぬいぐるみを持って出てきました。それを水の置いてあるテーブルに載せると、アンコール曲「オー・ソレ・ミオ」を熱唱しました。
ビンちゃんの歌に贈られた拍手はそのまま、きれいにそろった手拍子に変わりました。(これ、実はフォーラムではめずらしいこと)「あの曲」を待つみんなのココロがひとつになった瞬間でありました!
ステージの準備が整い、メンバーが登場。笑里ちゃんは私の斜め前に立ちましたが、このときのドレスがちょっとグレーがかったブルーのもので、とても素敵でした。笑里ちゃんのスタイリストさん、大変色の選択がナイスです。
羽毛田さんがメンバー紹介したあと、「この曲で暑さを吹き飛ばしましょう。『情熱大陸』!」とコールして、パーカッションが鳴り始めましたが、お客さんが少なめなのでなんだか立ち上がるきっかけがつかめない…自分の長いイマージュの歴史の中で初めての体験でしたが、全然知らない周りの人と「立ちます?立ちますよね?」みたいな感じでアイコンタクトしちゃいました。
前を向いていたからわからないけど、たぶんほとんどのお客さんが立ち上がり、ステージも方々ノリノリで、最後はツアー中でも見なかった羽毛田さんの立ち弾きまで出ました。お客さんの数は少なかったけど、満足度は200%、まわりのお客さんたちも、とても満足していたみたい。
終了後の女子トイレでは、「楽しかったー」「ビンちゃんサイコー!」「ビンちゃんもっと聞きたかった!」などなど、ビンちゃん大人気でした。