live image 6 川口公演&NHKホール公演
070414 川口リリアメインホール&070422 東京NHKホール kingyoのレポート
前書き:今回は初の合体レポートです
私が最初にlive imageのレポートらしきものを書いたのが2年目のlive image d'amourのとき。
このときのレポは掲示板に書いたので、もう電脳空間の彼方に消え去ってしまいましたが、思えばもう6年もこうして毎回レポートを書き続けているわけです。
あぁ書庫番さん、とうとうレポート書くのあきてきたのね、だから今年は川口とNHKホールといっしょに書いちゃおうなんて、手抜きなことを…
ち、ちがいますっ!それは誤解です!
川口のライブ、今年のステージ初披露だったし、それはそれは感動したのだけど、ナニブン座席がごく前方の左端。まさに、ステージを「ハスに見る」状態だったのです。
どのくらいハスかというと、首を右に倒すとかろうじてシンセ席の羽毛田さんの顔だけが見える、という悲しいアングル。
そして、翌週NHKホールの公演を、前方の中央よりやや右寄りという好位置で鑑賞することができて、自分がいかに川口でちゃんと見、聴きできてなかったかを思い知ることに…。
こんなアリサマじゃ、別々にレポを書いてしまったら読む人も読みにくかろう…ということで、今回は初のココロミ、2公演合体レポを書いてみることにしました。
ちょうど、次に行く公演からはゲストがヌニェス兄弟に代わってジェイク・シマブクロさんになるので、ヌニェス兄弟バージョンということでまとまりもよろしいかと…。
見づらいといけないので、川口のことは茶色、NHKホールのことは羽毛田さんの衣装色で色分けします。
今年は『五点観測』
7年目なのになぜか「live image 6」の今回は史上最多、5公演のチケットをおさえました。
まず初日の川口、NHKホール、フォーラムが2回(それぞれいっしょに行く人が違うため)、そして千秋楽の名古屋公演。もう、「三点観測」なんてカワイく思える。やりたい放題です。
ちょっと特別だった川口公演
5公演制覇も初だけど、初日を徹夜明けで迎えたのも自分史上初。いつもはきちんと体調を整え、万全の体制で臨んできたのに…。でも、この公演は自分的にちょっと特別だったので、出かける前に仮眠を取って元気を取り戻しました。
いったい何が特別だったかというと…
私には長らく日本を離れてイギリスで暮らす姉がいるのですが、この姉、学生時代はピアノの名手でありました。羽毛田さんがときどきインタビューなどで、「中学生の頃ピアノの弾ける女の子にいろんな曲を弾いてもらって、弾き方を覚えた」と告白されていますが、彼女はその「ピアノの弾ける女の子」の一人だったのです。
姉は羽毛田さんより2つ年上なので、「弾いて弾いて〜」と中坊にせがまれても「ふんっ」と鼻であしらっていた女子高生だったのですが、あるとき根負けしたのか機嫌が良かったのか、弾いてくれたことがありました。そのとき、うちの居間に座ってピアノを聴いていた羽毛田さんの顔を、私は今でも覚えています。そのときは、なんでそんなにピアノが聴きたいのか私にはわからなかったのですが。
ちなみに、姉は当時ちょっぴり羽毛田さんのアコガレの人でもあったらしく、2004年のtraces8月号に掲載した「初コンサート招待状」の、カットした下のほうには私宛てのメッセージとして「アネキをつれてこなかったら、もう遊んでやらない」と書いてあります(笑)
その姉がちょうど帰国中だったので、30年ぶりに羽毛田さんに会わせようと川口に連れて行くことにしたのです。なにしろ、日本を離れたのはまだ葉加瀬太郎さん中学生?という昔、出演者だって誰も知らないし、もちろんimageブームも知らないし、極めつけの浦島太郎を連れて行くわけですから説明が大変…姉も、いったい何に連れて行かれるんだろう?と不審げでした。
ライブ・イマージュってなかなか一口では説明できないコンサートだなぁと、思い知りました。
開演前 : リリアでは
今年も東京は寒い四月で、前日まではお天気もしめりがちだったのですが、初日の4月14日は太陽がサンサンという素晴らしい晴天でした。徹夜明けに見た日の出がまぶしかった〜〜(涙)
私の住む街から川口までは、湘南新宿ラインというとっても便利な直通電車でひとっとびです。ひとつ手前の赤羽駅まで乗り換えなしで行くことができます。この電車は途中、横浜や恵比寿や渋谷や新宿、池袋といった大きな街を通るので、ガイコクジンの姉にあれこれ説明しながら電車に揺られていきました。
川口ではもちろん最初だから、グッズとパンフレットを買うために物販コーナーに行きました。今年の携帯ストラップは、てんとうう虫のくっついた葉っぱ型のクリーナーになっていて、それと覗き見防止シートのセット(1,500円ナリ)でした。そして、皮製のミラー(下の写真)もあってちょうどほしかったので買いました。もちろんパンフレットも必須。
特に物販コーナーで目を引いたのは、すでにWEB上でも話題の「いまんじゅう」(800円ナリ)でした。
羽毛田さんも「いったい誰が考えたんだろ〜」と絶句していた驚異のツアーグッズですが、あまりにもナンなのでこのときは買いませんでした。
姉がいっしょだったので、今回はあまりロビーではうろうろせずに、すぐに自分の座席につきました。
一昨年の最前列、去年の前から二番目ピアノ席真正面と、ここのところ川口の座席運はとってもよかったのですが、今年は前から7番目ながら超左寄り。これはピアノを弾く羽毛田さんをガン見しろ、という天のお告げに違いない…。
すぐ近くの座席にいたぽこりんさんが来てくださっておしゃべりをしたり、パンフレットで今回のセットリストを確認したりしながら開演を待ちました。
開演前:NHKホールでは
NHKホールの公演は、仲の良い友達と行きました。
彼女とは昨年のゴンチチ@国立博物館のライブもいっしょに行ったので、羽毛田さんとはご対面済みだったのですがlive imageは今回が初体験。とっても楽しみにしてくれていました。
曇り空でちょっと蒸し暑いような、でも風はまだ肌寒いような不安定なお天気の渋谷ビアード・パパ前で待ち合わせて、公園通りをNHKホールまでテクテク。
渋谷はいつも大混雑ですが、この日は日曜日だったし代々木公園の中で「アース・デイ」のイベントが開かれていたのでさらにものすごい人出でした。
NHK前の交差点で信号を待っていると、不思議なヘアースタイルの人が私たちを追い越していきました。あんな髪の人、絶対あの人しかいない…なんと、松谷卓さんでした。ちょっとお茶でも飲みに出ていたのかな?松谷さんはまっすぐNHK放送センターのほうに歩いてゆきました。
友達は松谷さんの姿かたちを知らなかったので、私が持っていたパンフレットで見せてあげたらびっくりしていました。
NHKホールはちょうど開場が始まったところでした。
このとき建物の写真を撮る予定だったんだけど、友達とおしゃべりしてて撮るの忘れました(汗)
NHKホールに来たのは、鬼束ちひろさんのセカンドツアー以来です。
あのときは3階の果てしなく階段を上っていく席だったけど、今回は堂々の1階席!それも、前から13列目の中央少し右寄りという好位置でした。
NHKホールは、1階席の入り口はエントランスから少し階段を降りた半地下にあります。その階段の右側に、1階の物販コーナーがありました。
CDコーナーでは羽毛田さんの作品は、今回は「PRESENTS」と「PRESENTS II」だけでした。
それもそのはず、今回の演奏曲は「地球に乾杯」以外は新曲ばかり。まだCDにはなっていないですもんねぇ。
(「失われた文明 インカ・マヤ」は、後ほどCD化されるそうです!)
友達は、以前私が「PRESENTS II」をあげたので、持っていない「PRESENTS」のほうを買いました。私は青柳さんや則竹さん、柏木さんたちの「森」のCDがほしかったんだけど、この日はがまんしました。
席についてみると、ステージ全体、特に羽毛田さんがパーカッション席に来たときにはその動きがつぶさに見える感じだし、音も左右バランスよく聴けそうだし、ワクワクしながら開演を待ちました。
開演…オープニングは?
川口もNHKホールも、ほとんど遅れもなく開演になりました。
いつものとおり、「サイダーハウス・ルールのテーマ」が流れ、スクリーンには「live image 6」のタイトル映像が浮かび上がりました。と同時にオーケストラ・イマージュが登場。このあたりも例年通り。
ところが今回は、なんとこれまでのようなオープニングがありませんでした。
過去を遡れば、live image 3のとき、オープニングにいきなり小松亮太さんが登場し、リベルタンゴで始まったということがありましたが、それ以外は常に「Song of Life」や「Joyful Air Line」などオープニング曲が存在していました。
でも、今回はオーケストラ・イマージュが席に着くと、スクリーン(リリア、NHKホールとも中央に大きなものが1枚)に羽毛田さんの「PRESENTS II」のとき撮った写真と「羽毛田丈史」の文字が映し出されました。
あ〜、今年は羽毛田さんがトップバッターなんだ、しかもオープニングなしということは…遅刻厳禁!
(fishive!トップページのlive image 6コーナーの「遅刻厳禁」は、そういう意味でした。)
羽毛田さんのコーナー
地球に乾杯
はけちゃんファンにとっては、羽毛田さんがトップバッターというのはステーキ丼のステーキだけを先に全部食べてしまうがごとし、でちょっとさびしいのですが、羽毛田さんにとっては自分のコーナーに集中できて、サポート演奏との切り替えがうまくいくのでやりやすいそうです。(2005年のインタビュー参照)
ということは、今年はやりやすいんだな、と思っていると、ステージ下手から羽毛田さん登場!
昨年は「赤いスーツがよく似合う!」と好評でしたが、今年も暖色系、ちょっと光る紫のスーツのお衣装でした。シャツは、光が反射してよく見えなかったけどちょっとピンクがかった薄い色だったような。
前置きなく、1曲目・定番の「地球に乾杯」が始まりました。これを聴くと「あぁlive imageに来たなぁ!」とじわじわ実感しますねぇ!
スクリーン映像は去年と違うものかどうかよく覚えてませんが、始めのブルー系の映像がとても美しくて、その後あざやかな花や、いつもの緑をメインにした映像に移っていき、スクリーンにもとても引き付けられました。
川口では、スクリーンもやはりハスに見る感じで左端が少し欠けていましたが、NHKホールでどーんと真正面で見ると、映像の迫力もずいぶん違いました。やっぱり席は真ん中寄りに限ります!
オープニングトーク
初日のオープニングトークは緊張の中にも「さぁ、やるぞ!」的な、アドレナリン沸き立つような感じがあるんだろうなと思いますが、川口での羽毛田さんのMCは「みなさん、ようこそいらっしゃいました。今年もlive image が始まりました。今年もピアノと音楽監督を務めます羽毛田丈史です。どうぞよろしくお願いします。」と実に力強く始まりました。そして順調に曲紹介へと移ってゆきました。
ところが…あぁ、NHKホールのオープニングトーク、羽毛田さんは思い出したくもないかもしれない!
やはり東京には魔物が住んでいるのでしょうか?
ここのところ、こんな早い時期に東京公演が来たことがなかったので、それも原因だったのでしょうか?
「みなさん、今年もlive image が始まり○※▲%◎〜」
もう最後は何言ってるかわからん状態に…
でも、立ち直りも早くて「いきなりかんでしまいましたが」とすかさずセルフでフォロー。
「毎年このライブを楽しみにしている方もたくさんいらっしゃると思いますが、僕たちも1年に1回、同窓会のように集まれることを楽しみにしています。」
と無事に続いてゆきました。
羽毛田さんてきっとスキーで転んだときも、すぐに進行方向向いて立ち上がるタイプに違いない。(いや、羽毛田さんはスキーがうまいからめったに転ばないか)
「最初だからびしっと決めて盛り上げないといけなかったのにー!」と監督めちゃくちゃへこんでましたが、なんかはけちゃんらしくていいじゃん?!なんて…ナグサメにもなりませんかねぇ。
みんな夢の中
今年の羽毛田さんの演奏曲、カルロスもいるし「PS羅生門メドレーかな!」と期待していたのですが、なんと新曲揃いでした。
確かに羅生門はもう半年以上前のドラマだし、タイムリーではなかったか…。華やかだし、笛の聴かせどころもあるし、弦も迫力あるし、何よりピアノが高らかなので生で聴きたかったけどな。
演奏曲ですが、まずはゴールデンウィークに公開予定の映画「歌謡曲だよ、人生は」の挿入曲として書き下ろした「みんな夢の中」でした。
この映画は、昭和の代表的歌謡曲12曲をモチーフに、いろいろな監督が作品を寄せるというトリビュート作品ですが、「みんな夢の中」は浜口庫之助作詞・作曲、高田恭子が歌った昭和44年発売の歌をモチーフにした第十話目の作品です。監督は、これが監督デビューとなるおさだたつやさん。
羽毛田さんが演奏した、とってもやさしいピアノとストリングスの曲は、同窓会でタイムカプセルを開けた人々が小学生に戻ってしまうという、ノスタルジックなシーンで使われるそうです。
まだ公開されていない映画なので、スクリーンは羽毛田さんやオーケストラ・イマージュのメンバーの演奏映像でした。
失われた文明
「みんな夢の中」を弾き終わって、立ち上がってお辞儀をした羽毛田さんは、
「僕のコーナーの最後の曲は…」
と次の曲紹介を始めました。
次も新曲で、すでに昨年から裏情報(?)としてネットでキャッチしていた方もいると思いますが、今年の6月、ちょうどライブ・イマージュのツアーが終わった頃に放送される予定のNHKスペシャル「失われた文明 インカ・マヤ」のテーマ曲がピックアップされました。
羽毛田さんは子供の頃から「インカ文明とか、マチュピチュとか世界の七大不思議といった話が大好きだった」そうで、この仕事をもらったとき本当に嬉しかったそうです。
(実は、私も小学校時代古代文明とか不思議ものが大好きで、学校の図書室にあるそれ系の本を読破しちゃったので、あれ、羽毛田さん同類だったんだ!といまさらながらびっくりしました。)
そんな大好きな分野だから、
「ぜひ取材につれていってほしいとスタッフにお願いしてみたのだけど、あっさり却下されてしまいました。そのかわり、取材映像を集めた特別編集バージョンをNHKから借りてきました」
ということで、スクリーン映像はこの貴重なフィルムの数々でした。
演奏は、「南米の音楽といえばケーナ・サンポーニャという笛がつきものですが、今日はちょうど笛の名手が来ているので…」と、ここで自分のコーナーもまだ済ませていないカルロス・ヌニェスがゲストプレイヤーとして招かれました。
川口では、「笛の名手をお呼びしますので盛大な拍手でお迎え下さい」と言ったところでお客さんが先に盛大な拍手をしちゃったので、羽毛田さんがすかさず「まだですからね!」 大爆笑でした。
ところで、この曲紹介のとき、2公演目の広島では「この曲を聴いてインカに行っても インカな?」というオヤジギャグを羽毛田さんが披露した、とちはるさんのご報告で知りました。
広島のお客さんは、これを暖かい拍手で受け入れたそうですが、はたして羽毛田さん、同じことをNHKホールで言う勇気はあるんだろうか?というのも今回の注目点でした。
結果は、まぁ会場の雰囲気もそれまでの2公演とずいぶん違ったし、冒頭のハプニングでへこみ気味だったという事情(笑)もあったりで、残念ながらNHKホールでのギャグ披露はありませんでした。
「さすがに言う気がしなかった」そうです(笑)
カルロスを迎えて始まった演奏を聴いて、あまりのインパクトの強さと大迫力にびっくり!
ダイナミックなパーカッション使い(たまおちゃん大活躍!)、カルロスの素晴らしい笛、そして何よりも印象が強かったのが、人の声。
今回は録音でしたが、なんとこれ、元ちとせさんが歌っているんだって!
奄美の島歌の名手の歌声は、国籍を超えて人類のルーツにまでたどりつきそうなほど力強く、たくましく響きました。楽屋でカルロスも元さんの歌声を絶賛していました。
本当に印象的な曲で、ライブから帰ってしばらくたった今でも、私の頭の中は気がつけばこの曲がぐるぐる駆け巡っています。まだ2回しか聴いていないのに…。
考えてみれば、ライブ・イマージュのメンバーはみなさん素晴らしいメロディーメーカーですが、こういったダイナミックな曲を作ることができるのは、本当に羽毛田さんだけだなぁとつくづく。
曲を聴いているとなんだかナゾと不思議の世界に引き込まれるようで、とっても番組が見たくなりました。
ところで、この番組と同時に全国の博物館で「失われた文明『インカ・マヤ・アステカ』展」が催されるそうで、その会場でもこの曲が流されるそうです。
取材に連れて行ってもらえなかった羽毛田さんは「仕方がないのでそちらに行ってみようと思います」と楽曲解説のチラシに書いていましたが、私も絶対行ってみようと思っています。
博物館で聴くこの曲、またカクベツだろうなぁ!
(東京は国立科学博物館で、2007年7月14日〜9月24日までだそうな)
曲も演奏もダイナミック、そしてライティングも、客席に紫の斑点が鮮やかに映し出されたり、カルロスのパートでは白い花が舞ったり、すばらしい演出で、最後は大喝采で終わりました。
羽毛田さんはカルロスを送った後深くお辞儀をして、そのままサポートのためにまたピアノにつきました。
古澤巌さんのコーナー
ニュー・シネマ・パラダイス
私はバイオリンといえば、クラシックのものよりもフィドルと呼ばれる民族音楽的なもののほうが好きで、古澤巌さんのバイオリンは以前から大好きでした。
最初の「image」のCDでも「ニュー・シネマ・パラダイス」は好きな曲ベスト3にランクインしているし、今回参加されると知って、本当に楽しみにしていました。
それが、演奏曲がこの「ニュー・シネマ・パラダイス」、さらに冒頭は羽毛田さんとのデュエット!文字通り音に酔いしれてしまいました。
古澤さんは、白い帽子とダークスーツというダンディないでたち、そしてブルーのスカーフを挟んでバイオリンを弾いていました。その構えは、クラシックのようにひじを高く張るのではなく、実に力の抜けたさりげない姿勢でした。なのに、そこから生まれてくる音は、甘くて深くて艶やかで…。
古澤さんのバイオリンは、長らくヨーロッパに住んで耳の肥えている姉をも感嘆させてしまったようで、演奏中もずっと「こ、この人うまい〜」とうなっていました。
途中、アコースティックギターが合流するのですが、ギター席が全く見えない私は、川口のギターが鬼怒無月さんではなく越田太郎丸さんだということを全く知りませんでした。
ただ、そのギターを聴いて「なんか鬼怒さんのギター、今日はちょっと違うみたい」と思っただけでした。そして、その後相当最後になるまで、「なんか今日は鬼怒さん違うなぁ」と思いつつも、そもそもこれは鬼怒さんじゃない、ということに気づきませんでした。あぁ…(タメ息)
Concerto
古澤さんはバイオリンも上手でしたがおしゃべりも上手で、川口でもNHKホールでも同じ内容で、どちらもばっちり会場の笑いを取っていました。
まず、1曲目の「ニュー・シネマ・パラダイス」の曲紹介(最初のimageで、アサド兄弟といっしょに演奏したなつかしい曲)、HATSからCDを出し、
「ついにこの私もlive imageに出させていただけることになりました。」
そして今コーナーが始まったばかりだけど
「次がぼくのコーナーの最後の曲になります」でお客さん爆笑。
「ステージで大胆にクラシックの曲をポップにアレンジして弾く葉加瀬太郎さんを客席で見て、僕もいつか大きくなったらあんなになりたいと…」
古澤さんは葉加瀬さんの大先輩と知る会場のお客さんは大爆笑でした。
川口では言わなかったのですが、その「アコガレの葉加瀬さん」とは、クライズラー&カンパニーのときの葉加瀬さんだったんだと、NHKホールでわかりました。
どちらの会場でもきっちり笑いを取って、古澤さんさすがだわっ!と思いました。
そんなゆかいなMCのあと「フリオ・イグレシアスになったかのごとく」(@NHKホール)演奏されたのは、この週にHATSレーベルから発売された久しぶりのアルバム「Dandyism」からの選曲で、チャイコフスキーのピアノコンチェルトをポップにアレンジした「Concerto」でした。
川口でもその演奏の素晴らしさは十分伝わったのですが、NHKホールで正面からこの演奏を聴いたとき、さらにその音の素晴らしさがよくわかって、お尻の方からぞくぞくぞく〜っと何かがあがってくる体験をしてしまいました。これは、もしかするとチェコ・フィルの演奏会に行ったときに感じて以来のぞくぞくぞく〜かもしれない…。
弦楽器のみが人に引き起こすことのできる現象じゃないか、と私は思うんですけど…。
大喝采の中、古澤さんのコーナーが終わり、羽毛田さんもピアノ席を立ちました。
ヌニェス兄弟のコーナー
ゲド戦記序曲−アレンの道〜闇の彼方
今年もヌニェス兄弟が出演してくれました!4月の公演にしか出演しないということだったので、今回も聴くことができて本当にラッキーでした。
笛を愛する私は笛を吹く人はみんな好きです(ピューと吹くジャガーさんももちろん…)。そして、笛はやはり生演奏で聴くに限る…。人の息がそのまま音になる楽器だからです。
今年はきっと、「ゲド戦記」をやってくれるだろうなと思っていたので、image6でしっかり聞き込んで、ものすごく楽しみにして来ました。そして…生で聴く「ゲド戦記」はやはり素晴らしかった!
最初にオカリナ、次に笛、そしてシュルショの勇壮な太鼓、メインのガリシアン・パイプ…。
特に、メインの旋律が始まるところでシュルショがスティックをくるくるっと振って合図したのですが、これがものすごくかっこよかった!!
そして、この曲もまた打楽器を駆使したものなので、たまおちゃん大忙し!でした。NHKホールではパーカッションの席がとってもよく見えたのですが、彼女の動きにはびっくりしてしまいました。よく順番が覚えられるな!というのもびっくりだけど、ぶつけたりつまづいたりしないんだろうか…。
羽毛田さんは最初姿が見えませんでしたが、この合図のときにはいつの間にかピアノ席に座っていました(最初はシンセ席にいたことが、NHKホールでわかりました)。
どちらの会場もすばらしい出来栄えでしたが、特にNHKホールは素晴らしく高まった感じで、最後にカルロスが「Fantastic! Fantastic!」と叫んでいました。
今回カルロスは、最初の挨拶を全部日本語で(めがねをかけてカンペを見ながら)こなしました。
「スペインのガリシアから来ました。ガリシアにはケルトの文化があります。スタジオジブリのゲド戦記やりました。今からその音楽をやります。」
そして、最後には5月の「ゲド戦記」コンサートの告知を日本語でしていました。
「みなさん、見に来てね!」(そこにすかさずシュルショがコンサートのポスターを持ってきました(笑))
街のジグ〜アイリッシュ・リール
次は、去年もやっておなじみのアイリッシュ・ダンスチューンでした。何度見ても聴いても楽しい!
川口では早々に、NHKホールでは徐々に、1階席の特に前方のお客さんは立ち上がって手拍子をして楽しみました。兄弟はあおり上手なので、お客さんも迷いなく立ち上がった感じでした。
ジグでは、羽毛田さんのピアノにボーランのシュルショ、カルロスのホイッスルがトライアングルに交じり合い、恒例のシュルショのテーブル叩きの妙技をはさんで、カルロスのガイタ、シュルショのボーラン、出演者もお客さんも一体になった手拍子でリールもとっても盛り上がりました。
そして、大歓声で終了!
兄弟が退場した後、羽毛田さん一言、
「最初から盛り上げますね〜、先が長いですからね、みなさんペース配分を考えてくださいね」
お客さん爆笑ポイントでした。
オーケストラ・イマージュのコーナー
ラプソディー・イン・ブルー
今年はきっとこれが来るだろう!と予想していました。「のだめ」ブームですからねぇ。
川口では、「プチクラシックブームかなと思って選びました」とわりと簡単に紹介していた羽毛田さんですが、NHKホールでは「去年はイナバウワー記念ということでTurandotを選びましたが、今年は『のだめカンタービレ』でプチクラシックブーム到来かなと…」
のだめと言ったところでお客さんがいっぱい拍手をしたので、「あ、やっぱりみなさんご存知ですね」
さらに、NHKホールでは、「みんな紹介するわけにはいかないんですが、ソリストだけでも紹介します」と、ピアノの青柳誠さん、NAOTOさんにかわって今年コンサートマスター(女の人だけど…)を務める相川麻里子さん、ギターの鬼怒さんを紹介しました。
冒頭、原曲ではクラリネットの長いグリッサンドのところは相川さんがバイオリンでそれっぽく演奏しました。途中、鬼怒さんのエレキギターのパートがあったり、このオーケストラの編成にあわせた面白いアレンジになっていました。
でも、やはりピアノが主役の、それもとっても難しい曲。青柳さんは大変そうでした。特に最後のグリッサンドは、川口ではちょっと長くNHKホールではちょっぴり短く、、、ピアノでグリッサンドをぴたっと尺に収めるのってけっこう難しいんだなぁと知りました。
それから、NHKホールで特に思いましたが、相川さんのバイオリンは音が違う!
パリ国立高等音楽院を主席入学、第一位卒業というハンパじゃない経歴の持ち主ですが、その音色はやはりヨーロッパで鍛え上げた人のものでした。
今年はストリングスメンバーがかなり変わって、男性はチェロの柏木さんと植木さん、バイオリンの伊能さんだけ、あとは全部女性になりました。でも総入れ替えになったわけではなくて、バイオリンの川口静華さん、伊勢三木子さん、牛山玲名さん、ビオラの三木章子さん、番場かおりさんら、初代からの人々もたくさん残っています。
初めてだけど、パパ宮本文昭さんの血をしっかり受け継ぐ宮本笑里ちゃんもいるしね。
経験者も新人さんも、その経歴を見てもわかるように一流の演奏家ばかり。以前に比べて女性らしいマイルドな音になったことにまず気がつきました。
昨年までのNAOTOさんを中心にした、男性的ストリングスは音が立っていて、ストリングスでありながら、センターのアーティストに近い感がありましたが、今年のチームは完全に黒子に徹している感じでした。(アンコールでも、ストリングスのスタンドプレイコーナーはなかったですし…。)
これはもう、個人の好みの問題なので、どちらがいいということはないのですが、ライブが終わった後ふと気づくと、自分がとってもセンターのアーティストの演奏を聴くことに集中できていたなぁと思いました。
まぁ、これを「さびすぃぃ〜〜!」と感じる方も多数いらっしゃるとは、お察ししますけれども(笑)
さて、このコーナーの羽毛田さんですが、今年もパーカッションお助け隊でした。
曲とメンバーの紹介が終わると、羽毛田さんはパーカッション席へ。
今年はセッティングもリニューアル。パーカッションとドラム、ベース席は例年下手側、ギターとストリングスは上手側でしたが、今年はそれが全く逆になりました。
もし例年通りだったら、川口の席からはパーカッショニスト羽毛田さんの雄姿を全く見ることができないところだった…あぶないあぶない。
より見やすかったNHKホールでじっくり観察しましたが、羽毛田さんは最初とっても元気よく中太鼓ぐらいの大きさの太鼓を叩いていました。そして、クライマックスではとっても責任重大な大シンバル担当!
ちゃんと、レコードのラプソディ・イン・ブルーみたいに聴こえましたよ!!
やはりこのコーナーは回数を重ねていくとどんどんよくなっていくんでしょう。川口よりも、NHKホールのほうがよくまとまっていた気がします。次回、5/18に東京国際フォーラムで聴くのが楽しみです。
余談ですが、この「ラプソディ・イン・ブルー」は自分でも子供の頃からとっても好きで、中学生のときお小遣いをはたいて、レナード・バーンスタインとNYフィルが演奏するレコード(CBS SONY盤)を買って以来、ずっと聴き続けてきた曲です。
そしてそのレコードを、私は中学生のとき羽毛田さんに貸した覚えがあるのです。
そんなご縁の深い1曲を、よりにもよって羽毛田さんの大シンバルで聴くことになるとは!!!
大シンバルですからね、ピアノじゃないんですからね…。
加古隆さんのコーナー
黄昏のワルツ
いつもNAOTOさんがバイオリンのソロを務めていた「黄昏のワルツ」ですが、今年はゲストを招いての演奏でした。ゲストとは、もちろん古澤巌さん!
NAOTOさんの演奏は、瑞々しさあふれる若木のようなバイオリンだなぁといつも思っていたのですが、これが古澤さんになるとまた、年輪を感じさせるというか、大層な年齢の私みたいな大人をも包み込んでしまうような包容力、正直音に酔いしれてしまいました。バックのストリングスも、とてもまろやかでした。
今年はこのように、以前披露された曲の再演が多かったのですが、ソロにしても合奏にしても、弦が違うだけでこんなに違って聴こえるのかと、とても新鮮な感じがしました。
ところで、なにかとハプニングの多かったNHKホールですが、大御所の加古隆さんにもハプニングがありました。川口の段取りからすると、下手から登場した加古さんはすぐ上手にいる古澤巌さんをステージに招き入れるはずだったのですが、加古さんはそれを忘れてしまわれたようで、合図を待たずに自ら登場した古澤さんを見て、加古さんはビックリ!しきりに謝っていらっしゃいました。
博士の愛した数式-愛のテーマ〜熊野古道
「黄昏のワルツ」が終わると古澤さんが退場し、羽毛田さんはシンセサイザー席につきました。
そして、加古さんの短いMCコーナーへ。
「博士の愛した数式」は昨年のステージで披露された曲ですが、今年加古さんがこの作品で毎日映画コンクールの音楽賞を受賞されたことと、「image6」にピックアップされたことから、もう一度前奏的に取り上げることにしたそうです。
私は去年のライブでは、まだこの曲をよく知らなかったのですが、ライブ・イマージュ3点観測で繰り返し聴くうちにとても好きになり、その後小説も読み、映画も観てしまいました。なので、今年短いバージョンながらももう一度聴くことができて、とても嬉しかったです。
次に、加古さんの新曲で話題の「熊野古道」。
日本の歴史の原点、紀伊半島の神秘的な森や山や古道がとても美しくスクリーンに映し出されました。加古さんの作る曲を聴いていると、とても真摯な気持ちになってしまいます。
このライブの少し前に、加古さんがNHKのスタジオパークにゲストとして出演され、「熊野古道」の短いバージョンを伊能さん・番場さん・植木さんのサポートで聴くことができました。
大きな編成で映像とともに聴くのも心揺さぶられますが、テレビで聴いた小さな編成のものもとても素晴らしかったです。
夏には、この「熊野古道」をテーマにしたコンサートを開くそうです。
NHKホールでは、「コンサートチケットをこの会場で即売しています」というべきところを「コンサートを即売しています」と言ってしまい、「コンサートは売れませんね…」と苦笑い。
加古さんにとっても、NHKホールには魔物がいたんでしょうか。めずらしい場面でした。
パリは燃えているか
1部の最後は、加古さんの定番曲「パリは燃えているか」でした。
シンセサイザーを弾く羽毛田さんの姿は、川口では顔しか見えなかったのですがNHKホールではどの音を今出している、というのがわかるくらいよく見えました。
この曲も、聴くと「あぁ今年もライブ・イマージュに来たなぁ」と実感してしまいます。
演奏が終わって、大きな拍手とともに1部が終わりました。
休憩時間
川口では、休憩時間は席を立たずに姉とおしゃべりして過ごしました。
そこに、席が近かったみぃさんが来てくださいました。
ぽこりんさんもみぃさんも、この日が初対面。BBSでおしゃべりしている皆さんとは、もうずっと以前からお知り合いのような気がしますが、実は会ったことがない方がほとんどです。
こうしてライブでお会いできるのはホント、嬉しいです。でも、ちょっぴり照れくさかったり…
ヘンなこと書くの、いい加減やめようと思うんですけど…サガですかね。
NHKホールでは、イマージュ初体験の友達とロビーをうろうろしました。
お腹がすいたので、持ってきたパンを半分わけして食べたのですが、トイレに行きたくなったらいやなので、水分はガマン…。でも、目の前にステキな売店が…。
さすが、と言うべきか、NHKホールの売店はとっても充実していて、飲み物のほかにお菓子やアイスクリームまでありました。
まぁ、あと半分だからね、ということでコーヒーを1つだけ買ってこれも半分わけしました。
そしたら、そこに突然の開演ブザーが。私たちは口内ズルズルにしながらも頑張って飲みきりましたが、周囲の今コーヒーを買ったばかりの人たちは飲んでいないコーヒーを売店に残したまま、あわてて客席にもどってゆきました。すぐに始まらないことはわかってるんだけど、なんとなく焦ります、ブザーを聞くと。
ゴンチチのコーナー
君と住む街で
なんだかあっという間に半分来ちゃいました。
イマージュでは大人気のゴンチチ、スクリーンに名前と写真が出ただけで笑いと拍手が起こるのは、川口もNHKホールも同様でした。
今回のお二人は、クリーム色のスーツ。
最初は赤のオベーションを持って新曲「君と住む街で」でした。
徳島の阿波銀行のために作った曲で、あとでMCのとき「徳島でしか流れてなかったんですが」という松村さんのコメントでお客さん爆笑でした。
これはimage6に初収録された曲ですが、最近の曲の中でも私のかなりなお気に入りです。
聴いていると、だるい日常生活がなんとなくステキに見えてきます。銀行のための曲としては、ぴったりかも。それを羽毛田さんのピアノで聴けるのはさらにうれしい!
そして、もう1つステキだったのが、スクリーン映像。
ゴンチチの映像はいつもとてもユニークで楽しいですが、今回はごく身の回りにあるステキな風景、たとえばカフェとか公園とかのショットでした。そして、のどかな動物たちのショットも。
「君と住む街で」が終わると、最初のご挨拶とメンバー紹介がありました。
川口では「ライブ・イマージュに初めて来た人は拍手を…」という質問が松村さんからあって、だいたい客席の中ほど以降でわりとたくさんの拍手がおこりました。
NHKホールでは「どうも〜」 笑い 「気持ちよかったですかぁ」 拍手と笑い で、初めてチェックはありませんでした。
それから、川口では「君と住む街で」が去年のライブ・イマージュの「長い待ち時間でできた曲です」という告白がありました。こんなステキな曲が、楽屋で?!
夏の理由
次の曲は、夏が来るな〜という感じで聴いていただけたら、ということで「夏の理由」でした。
このサイトに簡単なサントラレビューがありますが、2005年の夏に放送された「おとなの夏休み」というフジテレビのドラマの劇伴曲で、CDでは羽毛田さんも参加しています。
最近発売されたベストアルバムに収録されているので、今回取り上げられたようでした。
これはテンポのよいラテン系の曲で、青柳さんがサンバホイッスルを吹いたり、ストリングスのメンバーがシェイカーらしきものを振ったり、そしてNHKホールではこの日ギター担当だった鬼怒無月さんがパーカッション席の中でアゴゴベルを「カンカンコン・カンカンカコン」と叩いているのを発見してびっくり!鬼怒さんがギター以外のものを演奏しているのを見たのは、たぶんこれが初めてだと思います。
羽毛田さんのピアノもはずんでグリッサンドが行ったり来たり!でしたが、何より印象的だったのが、藤井珠緒さんがニッコニコしながら太鼓を叩いていたこと。本当に楽しそうでした。
MC
羽毛田さんがピアノ席を離れて、いよいよゴンチチのMCが始まりました。
まず4月4日に発売されたそれぞれのソロアルバムの話がありました。
松村さんが「三上さんのは『green shadow, white door』というすごくかっこいいものだけど、ぼくのは『半音生活』…」
「松村さん、全編歌ってますからね!!」と三上さん。
「興味があったら買ったほうがいいと思います。」 お客さん大爆笑でした。
そして、川口の三上さんのメインは、「干支が好き」でした。
「ぼくは干支の動物が好き」 「特にいのししが好き」 「フォルムとか、猪突猛進の純真な感じがいい」 「龍とかだと、いろんなことを考えてそうなのでちょっといや」
そして「僕はぬいぐるみが好きなんだけど、今回は持って来ようと思ったのに間に合わなかった」 と、新しいブツの存在をほのめかしました。
「それの写真は新しいアルバムの中に載っているので、見たい人はアルバムを買ってください。」
「それが言いたかったんですか!」と松村さんがつっこんで、うまくまとまったところで次の曲に移りました。
NHKホールでは、三上さんが「元カレ」とか「元カノ」は後ろ向きな感じがするので、未来のカレカノジョという意味で「ミラカレ」「ミラカノ」なら気持ちが前に向く、というと松村さんが「今はいてないってことですか?」
三上さん「そこまで言われると…」 爆笑
三上さん「チョイワルじゃなくてチョイよしとかね。チョイワルはだいたいよくてちょっと悪いってことだけど、チョイよしは大体悪いがちょっといい。これからはチョイよしです。」
三上さん「このごろ暗い事件が多いですけど、やっぱり人間中心主義がよくないんです。動物中心主義にするとよくなると思うんです。」
松村さん「徳川時代のお犬様みたいですね」
ここから干支の話になり、干支払いということでいのししを持ってきました、とついにブツの正体が明かされることになりました。
自分の座席の横でゴゾゴゾする三上さんに「なんかそこに置いてるわけですね。」と松村さん。
ここで、あの「green shadow, white door」の内面写真に三上さんとならんで写っているイノシシがスクリーンに大映しになりました。
ストリングスの女性たちは、ぐるっと後ろを振り向いて熱心にスクリーンを見ていました。
そのイノシシは、フランス出身で女の子、名前は「ウリーヌ」というんだそうな(笑)
ここでピタッと話すのをやめた三上さん。
松村さんの「終わりましたよー」で次の曲紹介になりました。
忘我の調べ
「忘我の調べ」は去年も演奏したので、再演でした。
三上さんのソプラノギターと松村さんのウクレレのステキな曲ですが、5月の公演でジェイク・シマブクロ氏が参加するとき、この曲目はどうなるのかな?
きっとゴンチチとの共演があると思うのですが。そのあたりも楽しみです。
スクリーンは演奏映像でした。三上さんが目をつぶって弾くソプラノギターの、その繊細な指使いをじっくり見ることができました。
放課後の音楽室
ゴンチチの最後は、二人だけの「放課後の音楽室」、エンディングはとっても夕暮れな感じでした。
今年はわりとおとなしい感じのステージだったなと思いました。もう少し暴れてほしかったな。
小松亮太さんのコーナー
Nostalgico(ノスタルヒコ)〜リベルタンゴ
ステージが暗転して、羽毛田さんが出てきてピアノ席に着きました。
次の出演者、小松亮太さんもライブ・イマージュに出演して以来、どんどんファンを増やした人気者。スクリーンに名前が出たら、会場から拍手が沸き、本人が出てくるとさらに大きくなりました。
小松さんの最初の曲は「ワン・ツー」という掛け声で始まった映画「アルゼンチンババア」のテーマ曲、「ノスタルヒコ」でした。「image6」に収録されているので、もう自分的にはおなじみの曲です。
この映画は吉本ばななさんの小説が原作で、出演者は鈴木京香、堀北真希、役所広司という演技派揃い。スクリーンには鈴木京香さんと堀北真希さんがタンゴを踊るシーンが映し出されました。
刻む、流れるを繰り返すピアノとのからみが素晴らしく、とても聴き応えがありました。
曲の途中で、羽毛田さんのピアノ伴奏がおなじみの「リベルタンゴ」のものに変わりました。
川口ではあまりよくセットリストを見ていなかったので、「リベルタンゴ」とのメドレーとは知らず、「あれれ?ノスタルヒコはリベルタンゴと似ているのかな?」とあほなことを考えちゃいましたが、ここからリベルタンゴに切り替わってゆきました。
今回のリベルタンゴは、NHK交響楽団と共演したときに小松さん自身がアレンジしたものでした。
バンドネオンとピアノ、チェロ、コントラバスのからみが素晴らしく、特にチェロが引っ張りながら、全体がクレッシェンドで高まっていくところがスリリングで印象的でした。私はとてもいいアレンジだなと思いました。
夢幻鉄道
「リベルタンゴ」が終わって小松さんのMCが始まると(「これはアコーデオンではありません!バンドネオン、バンドさんが作ったアコーデオンのようなもの…」)、羽毛田さんはピアノ席を立って上手方向に歩いてゆきました。川口では「退場かな?」と思ったけど、それなら下手に行くはずだし、これはもしかして?と思っていると、やはり羽毛田さんはパーカッション席へ!
「電車が好きでたまらない子供たちのために弾きます!」と、去年も演奏された「夢幻鉄道」が始まりました。
この曲は、バンドネオンもストリングスも、柏木さんのチェロも、そしてスクリーンに流れる車窓の風景を使った美しい映像も大好きで、また聴けてよかったです!
さらに、NHKホールでは去年でもあまり確認できなかった「忙しく立ち働く羽毛田さんの姿」がチェックできました!鉄琴をたたいたり、ティンパニを連打したり…ほんとにいっぱい分担していたけれど、羽毛田さんなんかすごく太鼓を叩くのがうまくなってる気がする…大変ソツなくこなしていらっしゃいました。
松谷卓さんのコーナー
TAKUMI/匠
去年はこの「TAKUMI」をはずした松谷さんでしたが、今年は復活でした!
この1年間、いろんな方面で大活躍だった松谷さんですが、やはりこの曲は彼の原点ですね。そして、曲としての完成度もとっても高い気がする…。
演奏が終わると、くきっと90度に折れ曲がって深々とお辞儀をする松谷さん。
MCから、もうライブ・イマージュ5年目だと知りました。そうそう、最初はこのサイトにある一番古いレポ、live image3の相模大野でしたね。緊張のあまり卒倒するんじゃないかというほどカキンコキンだった松谷さん。毎年書いてる気がしますが、年々ビッグになってゆきます!!
エカテリーナのための協奏曲
その、ただいま大活躍な松谷さんの昨年の代表作、エルミタージュ美術館展特別番組のために作った「Concerto for Ekaterina」が2曲目でした。
これは昨年羽毛田さんも参加した、松下奈緒さんのデビューアルバム「dolce」にNAOTOさんとの共演で収録されていたので、すでによく知っている曲でした。テレビ番組は観られなかったのだけれど…。
女帝の流転の人生をイメージさせる、繊細さと壮大さを兼ね備えた美しい曲、相川さんのバイオリンもとても美しかったです。
スクリーンは演奏映像でしたが、とにかく手が大きくて指の長い松谷さん、絢爛たる音のうねりに合わせて大きな手が鍵盤を駆け巡る様子は大迫力でした!!
今回はなーんとなくハプニングの多かったNHKホール、松谷さんのコーナーにも魔物が!
松谷さんの曲にはよく使われるパターンですが、壮大にエンディングを迎えたかにみえるその最後に、静かにエピローグ的エンディングがあるのですが、お客さんの大半は壮大なほうで終わったと思って盛大な拍手が起こってしまいました。(これは広島でもそうだったみたい…)
演奏も作品も素晴らしかったので、きっとお客さんはすぐに拍手したくなったんでしょうね。
葉加瀬太郎さんのコーナー
エトピリカ
松谷さんが退場して暗転、羽毛田さんがピアノ席につきました。
そして、大きな拍手の中葉加瀬さん登場!
お約束どおり「お待たせをいたしました!」と両手を広げて登場した葉加瀬さんを見て、さっそく会場は笑いに包まれました。は、葉加瀬さん、その衣装は…。
コンセプトは「ギンギラギンに、さりげある」だそうです。家中のアクセサリーをつけてきたんだって。
黒いTシャツに黒い上着とズボン、その腰や首のあらゆるところにジャラジャラとシルバーのアクセサリーがぶら下がっていました!!宮本さんがリタイアされたので、葉加瀬さん頑張っちゃったんだろか…。
そして最初に始まったのは、なんと「エトピリカ」でした!
思えば初回のライブ・イマージュ、私はWOWOWの放送で観たきりなのですが、ディープ・フォレストと共演したこの葉加瀬さんの「エトピリカ」にどれほど感動したことか!!
羽毛田さんの前奏で始まり、葉加瀬さんの高らかなバイオリンがシンプルで瑞々しいメロディを奏でるのを聴いて、文字通り心が震えた気がしました。それ以来、葉加瀬さんの作品の中で私の最も好きな曲になっています。
その「エトピリカ」が今回再演でした。しかも羽毛田さんと「二人っきり」!
葉加瀬さんは「こんなに素晴らしいオーケストラを従えているのに、羽毛田さんと二人っきり!ジミですが…」と言っていましたが、曲の成り立ちを知ってほしくてこのアレンジにしたそうです。
水辺の波紋や透き通った水の流れを思い起こさせる羽毛田さんのピアノと、水辺にやってきてすくっと背を伸ばした鳥をイメージできる葉加瀬さんのバイオリン。
映像があったわけではないのだけれど、1枚の絵が頭の中に広がりました。
NHKホールで聞いた話ですが、この演奏はお互い自由に、何も決めずその場その場で演奏しようと決めているそうです。つまり、お互い即興で演奏していたのですね。確かに、初日に比べてNHKホールはより自由に、大胆なフレーズも差し挟まれていました。
葉加瀬さんの「すばらしい演奏を聴かせてくれた羽毛田さんにどうぞ拍手を!」の言葉に、羽毛田さんは立ち上がって笑顔でお辞儀をしていました。
ローラ
葉加瀬さんが昨年あこがれの先輩である古澤巌さんと創ったアルバム「Time has come」から、「ローラ」が2曲目に選ばれました。
このアルバムは私も聴いたので、これを生演奏で聴けたのはとっても感動的でした。
アメリカの、ビッグバンド時代を髣髴とさせる曲で、羽毛田さんが最初立ち上がってストリングスを指揮するところなど、まさにそんな感じ。
演奏がクライマックスに達すると、なんとミラーボールまで回り始めました!!
ところで、古澤さんはちゃんとこのために衣装替えをしていて、葉加瀬さんに「一部はイギリス紳士のようだったけど、二部はイタリアのマドロスみたいですねぇ!」とからかわれていました。どんな衣装だったかというと…白いズボン、紫のネクタイ、グレーのジャケットに帽子でした。
今年のライブ・イマージュは、この古澤さんの登場のおかげでとても大人のムードのライブになったと思いました。
タイムメッセンジャー(ドラリオンイメージソング)
今年の葉加瀬さんコーナーはぎっしりつまった感がありました!
次も話題曲、原宿で開催されているシルクドソレイユの「ドラリオン」のイメージタイアップ曲として、テレビでもよく流れている「タイムメッセンジャー」でした。
しかも葉加瀬さんが描いたドラリオンのキャラクターをCG作家原田大三郎さんが動画化した映像を流しながらという楽しいしかけもありました。
ドラリオンというのはドラゴンとライオンの合体で、つまり東洋と西洋の融合の象徴なんだそうです。
葉加瀬さんの描いたキャラクターは、ちびっこに受けそうなとっても可愛らしいドラリオンでした。
情熱大陸
楽しい音と映像のシャワーに引き込まれて、ステージの上手寄りに小松亮太さんが座ったことに全く気がつきませんでした。
突然のバンドネオンの演奏、あの耳慣れた冒頭のメロディが始まり、ライブがフィナーレを迎えたことに気づきました。なんだか、3時間もあったはずなのにあっという間だった!!
もう7年もやっているこのフィナーレ、さすがに初日からお客さんに迷いはなく、(すでに身の回りを整えて準備をし)パーカッションが鳴り始めると同時にどどどーっとみんな立ち上がりました。
特に川口の熱狂振りはすごくて、もう演奏中は男の人も女の人もみんな踊ってるし、エンディングを迎えた後はみんな立ったまま、すぐに拍手がアンコールの手拍子に変わり、その音はまるで地鳴りのようでした。
確か、リリアってキャパ2000人ぐらいだと思うのですが、この迫力はそんなもんじゃありませんでした。
ステージにいた羽毛田さんの顔を見たら、このヒートアップ振りにびっくりした様子でした。でも、羽毛田さんも出演者のみなさん、とても嬉しそうだった!!
このフィナーレにカルロスが参加して、さらに違った色彩を加えてくれたのもとてもよかったんじゃないかと思います。
実は、今回のお客さんの年齢層ですが、川口ではいつもどおり20代から40代が主流で若い人がかなり目に付くといった感じだったのですが、今年初めて会場になったNHKホールは、びっくりするくらい高齢の方が多かったのです。
特に私の周辺の席には70代?もしかすると80代?という方も多くて、私の席の左側は全員70代とおぼしきおばあちゃまたちでした。また、音楽好きな初老のご夫婦、と思える方も多かったです。
なので、この雰囲気でいったいフィナーレはどうなるんだろう?と開演前不安に思っていたのも事実。
だけど、いざ始まってみると、場内総立ちだし、隣のおばあちゃまたちは肩をたたきあって楽しそうに飛び跳ねてるし…
ほんと、ライブ・イマージュってすごいコンサートだなと思いました。
ただ、やはりこの会場にはロックのライブ的ノリはなく、アンコールの手拍子もまとまらなかったし、スタンディングオベーションもほとんどなかったし・・・なんだか初期のフォーラムのようでしたけれど。
川口の熱狂振りを体験したあとだったので、本当に会場によって、いろいろだなぁと思いました。
アンコール
My Favorite Things
意外でしたが、今年はこれ1曲でした!
去年の関西イマージュ(関イマ)の再演をちょっと期待していたのですが…
今年のMy Favorite Thingsで大注目だったのは、なんといっても羽毛田さんの木鐘!
あの、冒頭の「コンコーン!」が、なんと今年はスクリーンでアップになりました!!
ようやくあの「コンコーン」を発していたブツの実体が明らかに(笑)
あーんど、羽毛田さん、これなら二度と「コンコーン」を忘れないですよねぇ!!(2005年のインタビュー参照(笑))
そのほか、目を引いたところをピックアップしてみると…
川口ではギターの越田太郎丸さんが背中にギターをしょって弾くという曲芸を見せてくれて、大喝采でした。すごーい!ヌニェス兄弟がとっても喜んで、最後のカーテンコールではシュルショが越田さんの手を取って、いっしょにお辞儀をしていました。
古澤さんが加わったので、バイオリンは2本、以前はキーボードだった松谷さんは、今回鍵盤ハーモニカでエントリー!のだめアピールかな?フーターズみたいでかっこよかったです。
羽毛田さんはいつもどおりキーボード担当で、初日は少し抑え目、NHKホールではややハデ目にボキャボキャしました。もっと派手でもよかとです!
最後の合奏のところでは、演奏している人々の表情を次々にカメラが捉えていったのですが、川口では羽毛田さんが左右に頭を揺らしながらとても気持ちよさそうにキーボードを弾いているところが映し出されて、とてもすてきでした。
NHKホールでは、最後の最後にちょこっと映っただけだったので、ぶーっ!だったんだけどね。
今のところの総括
今年の総括は、あとまだ3公演残っているのでまた後ほど考えて書きたいと思いますが、とりあえずこの2公演に行って思ったことをちょこっと書いてみます。
ライブ・イマージュのよさとか人気の秘訣って、音楽に対する出演者の真摯さとか、クオリティの高さとか、そういう極めてまじめな部分と、許される範囲でのイロモノ感の共存が幅広い層の人々の心を捉えたんだろうなとかねがね思っていたのですが、イロモノって最初は新鮮なんだけど、何回かやったら飽きちゃうんですよね。
だから、ここ1、2年、羽毛田さんはこのライブを今後どういう方向に引っ張っていくんだろう、というのが心配でもあり興味深いポイントでもあり…
そういう意味では、今回ものすごく正道に戻った気がして、私はかなり嬉しかったです。
これほど幅広い年齢層で、音楽経験もさまざまな人々が一堂に会するライブって他に例がないと思うので、みなさんの感想はとてもいろいろに分かれると思いますが…。
でも、より多くの皆さんに満足し楽しんで帰っていただくのが羽毛田監督に与えられた使命!
皆さんのご感想は大いに監督の参考になるそうなので、どんどん投稿掲示板に感想を書き込んでくださいね!!
<おまけ>
さて、川口公演終演後、羽毛田さんはついに30年ぶりに「ピアノの弾けるおねいさん」と再会を果たしました。
しかし…なにぶん羽毛田さんもうちの姉も、極めて海馬の小さい人々。姉といえば、パンフレットに載っていた写真の中の1枚(右下のプライベート的なショットです)を見て、「あ、なんとなく顔を思い出したような気がする」とか言ってるし、羽毛田さんといえば、そういうおねえちゃんがいたのは確かに覚えてるが、って感じ。
お互いの記憶をしぼりだして、「〜なんですかぁ」「〜なんですよー」と敬語で大人の会話をしている二人を見て、30年の時の流れをしみじみかみしめた私でした。
私は姉と羽毛田さんが昔かわしていた会話まで覚えてるんですけどねぇ。
無駄に記憶力がいいってのも、どうなんでしょうねぇ。
(kingyo 070427)