traces2004 -NOVEMBER-
2004年11月のトピックス
この秋、羽毛田さんは12月1日発売の鬼束ちひろさんのベストアルバム「the ultimate collection」のマスターリングのために、ニューヨークを訪れたそうです。そこで今回は、いつもとちょっと趣きを変えて、「羽毛田さんのニューヨーク報告」という感じでインタビューをさせていただきました。
※掲載写真はすべて書庫番が以前ニューヨークに行ったときに撮影したもので、本文とは関係ありません。しかもちょっと古い。(^_^;)
−以前ラジオでゴンチチのお2人とニューヨークに行ったことを話されてましたが、今回は何度目のニューヨークだったんですか?
3度目です。
−街の印象はどうでした?
思ったより平和で穏やかな感じ、あと街が以前にもましてきれいで安全な印象でした。けっこう構えて行ったのに、東京の方が危険じゃないかと思うほどでした。
−今回は、鬼束さんのベストアルバムのマスターリングのために、世界的に有名なSterling Soundを訪問されたそうですが、どんな感じのところでしたか?
チェルシーマーケットというおしゃれなモールがあるビルにあって、日本では考えられない広さのフロアー、そして窓からはウエストリバーが見えるという、かなりおしゃれなスタジオでした。こりゃいい音になるわな!って感じな環境でした。
−ニューヨークといえば、食べる楽しみもかなりなもんだと思いますが、今回は何かおいしいもの食べました?おすすめなどあれば教えてください。
ニューヨークはとにかく全世界の食べ物が食べられます。それぞれの国の移民が暮らしているので、レストランも全部その国の人がその国の人向けにやっているので、めっちゃおいしいよ。今回は、インド、イタリア、スペインなどをせめてみました。
昼間は毎日、ハンバーガー。やはりハンバーガーはおいしいよ。
−そのほか、何か印象に残ったことはありましたか?
グランドゼロに行ったんだけど、ここにはものすごい「気」というか、エネルギーのようなものが充満していて、タクシーから降り立った瞬間に身震いがして、全身に何かが降りかかってきたような感覚を覚えました。その当時の事を地元の人に伺って、日本では報道されていない、ニューヨークの助け合いのシステムや結束力の強さなど、アメリカ人の持つパワーを再認識しました。そういった事が皮肉にも、人々のモラルの向上とニューヨークの犯罪の減少に繋がっているとのことでした。
−ところで、今回羽毛田さんが世界的に有名なエンジニアのテッド・ジェンセン氏に依頼されたと言う「マスターリング」という工程なんですけど…いったいどんな作業なのか、私達にもわかるように教えてもらえないでしょうか!
マスターリングとは、CDにするための最終工程です。
レコーディングの最終工程ミックスダウンとは、ばらばらのチャンネルに録音してある音(多い場合は60チャンネル以上になることもある)を、右と左、つまり2チャンネルにまとめる事をいいます。マスターテープというのは、この2チャンネルのテープをいうわけです。このマスターテープは、曲によって最近では、アナログテープとかDATとかハードディスクとか、それぞれの曲によって収めるメディアが違ったりします。
これらの曲ごとのマスターテープをまとめて、一枚のCD盤に収めるために、曲順を決め、曲間などを決めてCD盤に焼き付けるためのマスターCDをつくる事をマスターリングをいうわけです。
−なるほど。では、このマスターリングが違うとどんなふうに出来上がりが違ってくるんでしょう?
このマスターCDをつくる段階で、マスターテープをただ並べてマスターCDにする場合は、そんなに仕上がりに影響はでないしそういった場合もあるわけです。しかし、ベスト盤などまったく違う時期に録音されミックスされたものは、声の質も違えば、エンジニアも違うし、使っていた機材なども違うわけで、そのため音の質感や、聞こえ方などにかなり違いがあります。あとレベルの差というのも大きい問題です。分かりやすくいうと、ピアノと歌だけの曲と、オーケストラや激しいロックなどでは音の大きさがぜんぜん違うので、CDを通して聞くとこの曲はボリュームがでかいとか小さいとかが起こって聞きづらくなります。これを調整することがマスターリングの重要な作業のひとつとなり、そのよしあしがCDのクオリティーをきめるのです。
−聴いたときに何気なく受けていた「感じ」の違いって、そういうデリケートな作業の出来具合が大きく影響していたんですね〜。とってもよくわかりました。ありがとうざいました!
テッド・ジェンセン氏といえば、数々の名盤を手掛けてこられたエンジニア(Sterling Soundのサイト参照)。まさにアメリカ版「匠の技」がほどこされたアルバムなんですね。「the ultimate collection」、ますます聴くのが楽しみになってきました!
これからの予定
※書庫番が知っていること+公式サイトに掲載されていることのみ載せていますので
ご自分でも調べたり、問い合わせたりしてみてくださいね。
12月1日 ゴンチチ新アルバム「XO」発売(アレンジ・演奏で参加)
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12月1日 鬼束ちひろベストアルバム「the ultimate collection」発売(監修)
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新年のゴンチチライブツアー「冬のゴンチチ XO」
≪東京公演≫
1月24日(月) Bunkamuraオーチャードホール 18:30開場 19:00開演
出演:GONTITI(ゴンザレス三上、チチ松村) 羽毛田 丈史(Key)
青柳 誠(Key) 楠 均(Drs) 一本 茂樹(Ba) 辻 康介(Per)
(カンバセーションHP より)
ちはるさんから2月20日の@大阪NHKホールに羽毛田さんご出演という情報をいただいています。未確認なので、確認できたら詳しく掲載しますね。