traces2008 -JULY-
2008年7月のトピックス
毎年そうなのですが、私の仕事は春と秋冬が繁忙期で、夏は一挙にひまになります。なので、ここ数年7月8月はライブ行きまくり月間として、ちょっと気になるライブは迷わず行くようにしています。
今年の夏のメニューは、まず7月16日に東京ミッドタウンのBillboard LIVEで1夜限り行われたジャズサックス奏者のKenny Garrettのステージ、その翌々日の18日には渋谷のオーチャードホールで行われた古澤巌さんの「Dandyism GOLD」ライブ、そしてすでにレポート提出済みの、8月3日に東京国際フォーラムホールAで行われた「Poing Green Live 2008 live image premium night」の3つが今のところ終了。
このあと、羽毛田さんが元ちとせさんとともに出演する日本テレビの「ズームSUPERステージ」、毎年の恒例行事「Slow Music Slow LIVE in 池上本門寺」の初日(夜のステージ)と、羽毛田さんが元ちとせさんと出演する中日の2日間のチケットを確保済み。その後、9月6日にオーチャードホールで行われる「J-WAVE LIVE AUTUMN」と続いて、私の夏休みは終了。南の島も高原の避暑地もなんぼのもんじゃい、ひたすらド暑い東京で、ライブ三昧。ある意味経済的かも。
で、Kenny Garrettです。
もともと自分でもアルト・サックスを吹いていた時期があってサックスは吹くのも聴くのも大好きな楽器なので、クラシック、ジャズを問わずいろんな奏者のアルバムを聴いてきたのですが、ある時、自分はすでにこの世にいないプレイヤーの演奏ばかり聴いているな、ということに気づきました。もっと、ジャズの新しい息吹を感じてみようじゃないか。そこで買ってみたのが、写真の3枚のうち真ん中にある「OTB(OUT OF THE BLUE)」の「Inside Track」というアルバムでした。OTBはBLUE NOTEレーベルが厳しいオーディションで選んだ若手奏者で結成したグループでしたが、その中でアルト・サックスを吹いていたのがKenny Garrettでした。
それが、20年近く前の話。結局そのアルバムは私の好きな感じとはちょっと違っていて、その後は時々思い出して聴いてみるぐらいなものでした。
一方Garrett氏はその後マイルス・デイビスの楽団に参加し、さらにキャリアアップして精力的に活動しながら今に到るわけですが、私自身が次に彼の名前を聞いたのは、なんと、羽毛田さんから来たメールでした。
この話はすでに2年前のtracesで書いているので、詳しい内容はそちらを見てもらうとよくわかるのですが、要約すると、羽毛田さんが秋吉満ちるさん(現在はMondy 満ちる)の日本でのデビューアルバム「mangetsu」をプロデュースしたときに、満ちるさんが来日していたGarrett氏をレコーディングスタジオに連れてきて、結果いっしょに演奏することになった、というお話でした。すでにこの「隠れた名盤」の「mangetsu」は廃盤になっていたのですが、中古市場をさまよって入手しました。それが、写真の一番下のアルバム。たしかに、「WITH YOU」という曲のクレジットには「Kenny Garrett:Alto sax」「Takefumi Haketa:All other instruments」と書いてあります。
そしてこの夏、Garrett氏が一夜限りのステージに出演するとBillboard LIVEからお便りが。最近のGarrett氏の動向をつかんでいなかったので、とりあえず最近の作品を聴いてみようと思いました。それが写真の一番上の「BEYOND THE WALL」というアルバム。3週間にわたる中国の旅で啓発されてできあがったという、アジア志向なアルバムですが、これが私のsoulをヒット。迷わず真正面の席を予約したのでした。
ライブでは、比較的聴きやすい曲が用意されていたようで、私が想像していたようなマニアックな感じではなかったし、途中サックスを置いてキーボードを弾いたりソプラノサックスで「お座敷小唄」を吹いてみたり、もう少しねっとり聴かせてくれよ〜と思わないでもなかったですが、バックのミュージシャンもめちゃくちゃうまかったし、生身のGarrett氏と対面できたし、大変大満足な夜でした。(080815 kingyo)
2008年7月の足跡
7月に入り、羽毛田さんが音楽を手掛けているアニメがいっせいにテレビで放送開始となりました。
中でも大注目なのが、今なおサントラが売れ続けているというあの名作「魔法遣いに大切なこと」の続編「魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜」です。あれほどカンペキな楽曲を提供した後で、いったい続編にどんな音楽をつければいいんだろう?私のちっちゃな脳みそでは想像もつきませんでしたが、羽毛田さんはより本格的なケルティックミュージックを取り入れ、これが実にうまく場面場面で使われています。ストーリーも、作画もすばらしくて、今作はトータルで前作をはるかに超えた、と私は思いました。さらにうれしいことに、エンディングテーマ「乾いた花」は羽毛田さんの作・編曲作品。砂の色を思わせるシンプルな音の世界の中で羽毛田さん独特の陰影が感じられる秀作です。アニメのサントラアルバムの中に、OPテーマ、EDテーマともにテレビサイズで収録されるので、放送のない地域の方もぜひ聴いていただきたいです。
全編バッハを基に作りこんだ「西洋骨董洋菓子店」ですが、録画したまままだ音楽が活きる展開まで見ていないので、こちらの感想はまた来月に。
中孝介さんの「夏夕空」(羽毛田さんがサウンドプロデュース)がエンディングテーマの「夏目友人帳」は文句なしの秀作アニメです。この劇伴を羽毛田さんに作ってほしかった!と思うくらいすばらしい。羽毛田さんの作る楽曲は、こんなふうに心、魂、真実等々と丁寧に向き合ったアニメ作品にぴったり合う気がします。
今月は、ちょっと変わった足跡も残りました。
バイオリニストのNAOTOさんのCD発売を記念したWEB番組、その名も「Nao Tube」に2週間にわたって羽毛田さんが出演し、元ちとせさんのアルバム「カッシーニ」、「西洋骨董洋菓子店」サントラのお話や、以前NAOTOさんも参加していたlive imageのプチ裏話などを聞かせてくれました。南の島のバカンス直後で真っ黒に日焼けした羽毛田さんとNAOTOさんが関西弁もまじえつつ、楽しくおしゃべりする様子はとってもまったりムード。公の場では標準語を駆使する羽毛田さんが、あれほど関西弁を話すのはめずらしいかも。羽毛田さんの普段の姿がちょっと垣間見えたような気がする2週間でした。
2日 テレビ朝日アニメ「魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜」放送開始
3日 フジテレビ系アニメ「西洋骨董洋菓子店」放送開始
5日 TBS土曜ドラマ「ROOKIES」第9回放送
7日 テレビ東京系アニメ「夏目友人帳」放送開始
9日 テレビ朝日アニメ「魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜」第2回放送
10日 フジテレビ系アニメ「西洋骨董洋菓子店」第2回放送
12日 TBS土曜ドラマ「ROOKIES」第10回放送
13日 WEB番組「Nao Tube」出演(〜20日)
14日 テレビ東京系アニメ「夏目友人帳」第2回放送
16日 テレビ朝日アニメ「魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜」第3回放送
元ちとせアルバム「カッシーニ」(ESCL-3088〜89/ESCL-3090)発売(「ミヨリの森」「玉響」SP)
17日 フジテレビ系アニメ「西洋骨董洋菓子店」第3回放送
19日 TBS土曜ドラマ「ROOKIES」第11回放送
20日 WEB番組「Nao Tube」出演(〜27日)
21日 テレビ東京系アニメ「夏目友人帳」第3回放送
24日 フジテレビ系アニメ「西洋骨董洋菓子店」第4回放送
26日 TBS土曜ドラマ「ROOKIES」最終回放送
28日 テレビ東京系アニメ「夏目友人帳」第4回放送
30日 テレビ朝日アニメ「魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜」第4回放送
31日 フジテレビ系アニメ「西洋骨董洋菓子店」第5回放送
fishive!更新の足跡
「SoulSwitch in Marunouchi Point Green Live 2008
live image premium night」ライブレポート掲載
「get you!こんなところに羽毛田さん」No.311〜312掲載
「NEWS〜お知らせ」テレビ放送情報・CDリリース情報・ライブ情報掲載